牙狼Xバイオ2・闇に囁く者編

(最終章)天使

(最終章)天使 翌朝のジルの隠れ家の入口前。 「お前達には本当に世話になった!そしてー。ありがとう。」 鋼牙は深々とジル、クレア、モイラに頭を下げた。 「いやーそれはあたし達の方よ!」 「ありがとう!ニューヨークの人々を守ってくれて!」 モイラ…

(第46章)祝賀

(第46章)祝賀 ジルの隠れ家。 ニューヨーク中に出現した賢者の石の力を持つ魔獣ホラー及び、 シュブ二グラスを無事に討伐し、全ての事件が解決した祝いに ジルの隠れ家に戻った鋼牙、ジル、クレア、モイラは 祝賀会を開こうとしていた。 テーブルにはモ…

(第45章)希望

(第45章)希望 鋼牙はセントラルパークの公園の芝生 を力強く踏みしめ、大きくジャンプした。 そして牙浪剣を両手で構え、ヒュウウッと空を切り裂き、 剣先をオレンジ色に輝くシュブ二グラスの心臓に向け、突き進んで行った。 牙浪剣の剣先がシュブ二グラ…

(第44章)神殺

(第44章)神殺 シュブ二グラスは再び五角形の口を大きく広げた。 そして口内に真っ赤に輝く球体が現われ、 轟音と共に真っ赤に輝く熱光線が放たれた。 鋼牙はその場で力強く芝生を踏みしめ、20mジャンプした。 「うおおおおおおおおおおおおっ!」 鋼…

(第43章)女神

(第43章)女神 「おのれえええええっ!」 ソフィア・マーカーは怒りの声を上げた。 そしてボール状に自らの身体を丸めた。 やがてズンズンと成長して行った。 同時に全身の肌色は真っ赤に輝く分厚い鎧に覆われた。 彼女が起き上がると身長が15mもあっ…

(第42章)救世

(第42章)救世 マンハッタンにある秘密組織ファミリーの本部に当たる大きな屋敷。 芳賀真理はジルと下腹部に存在する名も無き娘の活躍により クレア、アシュリー、その他、一万人の女性同様、 ソフィア・マーカーにより、無理矢理統合されていた 真理の意…

(第41章)創聖(後編)

(第41章)創聖(後編) 窮極の門の先の時空間。 「おい!お前の愛した人間の女とお前の娘の歌声がするぞ!」 短い髪に黒いスーツに白いシャツ、黒いネクタイのいかにも 紳士的な男が彼方の混沌の独房に閉じ込められている 白いスーツの男をからかう様に話…

(第40章)創聖(前編)

(第40章)創聖(前編) マンハッタンのセントラルパーク。 鋼牙とザルバが対応に苦心している間、ジルは必死に急速に 低下する意識を食い止めようと歯を食いしばって耐え続けていた。 未だに脳幹に甲高い耳鳴りと鋭い痛みが続いていた。 やがてジルの意識…

(第39章)統合

(第39章)統合 マンハッタンのセントラルパーク。 アメリカ・マンハッタンにある都市公園である。 公園の周囲の摩天楼で働き暮らすマンハッタンの 人々のオアシスとなっていた。 またこの都市公園は映画やテレビの舞台 としてたびたび登場し、有名となっ…

(第38章)燃料

(第38章)燃料 ジルの隠れ家。 ザルバや鋼牙達が考え込んでから暫くしてモイラは恐る恐るこう意見した。 「もっ!もしかしたら?真魔界に行く為の燃料とか?」 鋼牙とザルバはハッとした。 「燃料?分かったぞ!鋼牙!奴は一万人の人間の女性達を利用して…

(第37章)成長

(第37章)成長 マンハッタンにある秘密組織ファミリーの本部に当たる大きな屋敷。 秘密組織ファミリーの長であるジョン・C・シモンズは翌朝一番に パソコンの前でキーボードをいじり、仕事をしていた。 そうか。御月カオリはアルバートの血が存在する! …

(第36章)装甲

(第36章)装甲 クラーケンの右掌のオレンジ色に輝くキャノン砲の真っ赤な光弾を 昆虫に似た2対の緑色の太い触角の付いたマスクに直撃し、 5mの高さから落下したジルは異形の戦士アンノウンの 鎧が強制解除され、完全に失神していた。 失神している間、…

(第35章)猛攻

(第35章)猛攻 廃工場の内部。 ジルは素早くクラーケンに急接近した。 続けてその場で大きく弧を描く様に横回転し、 足の裏でクラーケンの腹を蹴りつけた。 彼女の得意技の一つ『ソバット』である。 もちろん彼女は手ごたえがあった。 しかしクラーケンは…

(第34章)変身

(第34章)変身 その日の夜。 ジル、鋼牙、クレアはそれぞれ、闘いの準備ジルの隠れ家で済ませた。 準備の後、3人はまたモイラの車を借りてマルセロの約束通り、 8時にニューヨーク港の廃工場に到着した。 3人はモイラの車から降りると廃工場の建物全体…

(第33章)契約

(第33章)契約 ジルの隠れ家。 「ジル!話がある!」 最初に話を出したのは鋼牙だった。 「ええ、ドラキュラ伯爵に会ったんでしょ?」 「そうだ!奴と会って話をした。 お前自身の運命についても奴から聞いた。」 「それって?ソフィア・マーカーの事?運…

(第32章)生贄

(第32章)生贄 日本の製薬企業『御月製薬』 の北米支部の地下深くにある極秘研究所『ハイブ』。 御月カオリ社長は数人の研究員やスタッフに連れられ、 大きな実験室前に案内されていた。 そう、間もなく初期の『T-エリクサー』の投与実験を行った クラ…

(第31章)兵器

(第31章)兵器 12時頃、モイラが迎えにジルの隠れ家を訪れた。 そして元に戻ったクレアを見たモイラは 安心した様子で元気にあいさつをした。 「おはよう!先輩!」 「はっ?おはよう!」 クレアは少し、もたつき、あいさつをした。 それからクレアは…

(第30章)母性

(第30章)母性 マンハッタンにある日本の製薬企業『御月製薬』の北米支部の 地下深くにある極秘研究所『ハイブ』の実験室内にある診察室。 マルセロは自分の手記にウィルスと細菌についての文章を書いた後、 次のページを開いた。 そして再びボールペンで…

(第29章)宿敵(後編)

(第29章)宿敵(後編) ジルは凄まじい胸部の激痛に耐え抜いた。 両手で自分の胸部の分厚い鎧に突き刺さった オレンジ色に輝く鋭利な三角形の棘が 4対生えた長い槍状の物体を強引に引き抜き、脇にぶん投げた。 「何故?何故?貴方は母親じゃない! 母親…

(第28章)宿敵(前編)

(第28章)宿敵(前編) その日の夜、ジルの隠れ家。 モイラ・バートンは今回闘う事になる姑獲鳥は凶暴で 普通の人間の武器じゃ全く太刀打ちできないばかりか 逆に怒らせると非常に危険があるとザルバに説明されていた。 ザルバの説明を聞いたモイラは素直…

(第27章)意識

(第27章)意識 マンハッタンにある日本の製薬企業『御月製薬』の北米支部の 地下深くにある極秘研究所『ハイブ』の実験室内にある 診察室のテーブルの上に手記を置いて開いた後、ボールペンで書き始めた。 「Tウィルスは始祖ウィルスとヒルのDNAを組み…

(第26章)鳥!!(ヒッチコック)

(トラウマ注意!!読む前にトイレを御済ませください!!) (第26章)鳥!!(ヒッチコック) ジルの隠れ家。 「おぎゃあああああっ!おぎゃあああああっ!おぎゃあああああっ!」 ジルは両腕で眠くてぐずっているクレア・ベイビーを抱き、 辛抱強く上下…

(第25章)業火

(第25章)業火 ジルの隠れ家の倉庫の外の誰も使われていない駐車場。 「ねえ?あれでよかったの?」 モイラは隠れ家になっている広い駐車場の周囲の高いフェンスや壁。 倉庫の屋根にある電波塔の壁に結界を発生させるお札を 黙々と張る作業を続けている…

(第24章)世話

(第24章)世話 その日の夜。クレアの自宅。 モイラ、ジル、鋼牙と共に魔獣ホラー・シェイズとの死闘を繰り広げ、 何故か急にドッと疲れが出ていたクレアは素早く下着姿になった。 そして力尽きた様にバッタリと大の字でベッドに寝転んだ。 しかし電気を消…

(第23章)進化

(第23章)進化 アメリカ自然史博物館の地下にある円形の隠し部屋。 部屋には古代の生物や恐竜の骨格標本や絵が一面に飾られていた。 円形の部屋にはドクター・リーパー事、マルセロ・タワノビッチ。 御月カオリ、ジョン・C・シモンズが立っていた。 「久…

(第22章)回転

(第22章)回転 「うおおおおおおおおっ!」 黄金騎士ガロに変身した鋼牙は 地面を力強く蹴り、一気に5mをジャンプした。 鋼牙は両手で牙浪剣を構え、シェイズの頭部に向かって振り降ろした。 ギイイン! 鈍い音と共に牙浪剣は頭部に激突した。 しかし大…

(第21章)憤怒(ラース)

(第21章)憤怒(ラース) グレイは白いタオルで全身の汗を拭いた後、再び服を着た。 それからジルの質問に答えた。 「俺の屋敷の周辺で若い女性は失踪している話?さあー聞いた事無いなあ」 グレイは知らない素振りを見せた。 ジルは更に話を続けた。 「…

(第20章)堕天(ルシファー)

(第20章))堕天(ルシファー) 昼頃、聖ミカエル病院の使われていない手術室のある地下で 謎の異形の怪物を自分が精神科医であるのにも関わらず 無許可でマルセロは密かに検死していた。 その謎の異形の怪物は悪魔と鬼を 掛け合わせたかのような醜悪な姿…

(第19章)予言(オラクル)

(第19章)予言(オラクル) ジルの隠れ家。 鋼牙はクレアとモイラが家に返った事を念入りに確認した。 それからジルに向き直った。 「話がある。」 「ええ、分っているわ。」 「ドラキュラ伯爵いや、ニャルラトホテプが 10年前に創立させた『魔獣教団』…

(第18章)失楽(パラダイス・ロスト)

(第18章)失楽(パラダイス・ロスト) 「おーい、ジルいる!」 ジルは入口のモイラとクレアらしき 人物の声を聞くなり、反射的にチャンネルを変えた。 「なんだ。また来たのか……」 「また来たのか?ちょっと!ちゃんと情報を収集したのよ!」 「情報って…