(第32章)自らの意志で動く者

(第32章)自らの意志で動く者

 

HCFセヴァストポリ研究所のウィルス兵器遺伝子改良実験室のウィルス漏洩事件後の

厳重にロックされた分厚い改良ウィルス遺伝子サンプルを持つ実験動物を収容する

部屋には近付いて来たリッカープラントデッドプロトをじっと茶色の瞳で見ながら

両手で腹をうずくまり、さっきのエイダと自分の話の割って入って来た

AI(人工知能)アポロの話を思い出し、萌博士は痛みをこらえて考え始めた。

間も無くして萌博士は自分自身の変化といつ自分の胎内に

リッカープラントデッド・プロトのG胚が植え付けられていたのか?

徐々に。徐々にゆっくりと思い出して行った。

そしてみるみると顔が青くなり震え始めた。

何故?ああ?嘘でしょ?最初に捕まった時にっ!ああっ!

間も無くして萌博士の脳裏にある光景が思い出された。

自分があの成人男性の姿では無く獣の姿をしていた

リッカープラントデッド・プロトは赤い薔薇の付いた棘無しの蔦によって

萌博士はあっと言う間に両手足首を何重に巻き付かれて身動きが

出来なくなっていた。その後、リッカープラントデッド・プロトは

一気に真上にジャンプしてべチャッとそのまま天井に

自らイバラの棘の覆われた背中を張り付かせた。

彼女は床を見下ろす形で天井から操り人形の様に吊り下げられた。

リッカープラントデッド・プロトはまるで野生動物の様に猛然と

萌博士と激しい交尾を始めた。「えっ?はっ!あっ!はっ!うわあっ!」

萌博士は驚き怖がりつつも次第に気持ち良くなって来た。

「ううううっ!うううううっ!ああっ!あああっ!ああっ!ああっ!はああんっ!

いいっ!いいっ!ああっ!はあっ!あああっ!あああっ!はああん!あっ!あん!」

萌博士は荒々しく息を吐き、下唇を噛み、唸り、甲高い声で喘ぎ続けた。

同時に真っ赤なフリル付きの赤いブラジャーに覆われたとても丸い新鮮な果実を

思わせる白い肌に覆われた両胸もプルプルと上下左右に激しく揺れ続けた。

「ひゃああああっ!はああああっ!あああん!はああっ!あっニュルッて入った!!」

萌博士は自分の膣の中に暑い液体と共にニュルリと太く長い蔦の形をした

管のようなものが侵入するのを感じた。同時に萌博士は両頬と深い胸の

谷間を紅潮させたまま全身をまるで電気ショックを受けたように前後に痙攣させた。

続けて彼女の真っ赤なフリル付きの赤いブラジャーに覆われたとても

丸い新鮮な果実を思わせる白い肌に覆われた両胸をブルブルと

激しく上下左右に痙攣するように揺らし続けた。

 

BOW(生物兵器)及びウィルス兵器中央実験室深部の特性商品テスト広場。

「人間と言う生き物は自分の意志で動かなければ何も変えられん!」

魔女王ホラー・ルシファーの言葉は重みをもってエアの頭に圧し掛かった。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

しばらくエアは黙り沈黙していた。

間も無くして魔女王ホラー・ルシファーは再び何かを話し始めた。

「汝に意志があるのなら我を退けてストークスと共に生きられるやも知れぬのう」

「そうか・・・その為にはまずは!!」

「いや!待て!もう一つ言った方が善かろう。そうじゃな。

旧米陸軍が我の細胞と始祖ウィルスを利用して

何か実験をしていた事は知っておるか?」

「ああ、知っている魔人フランドールから聞いたよ」

魔女王ホラー・ルシファーはつまらなそうにこう返した後に話を続けた。

「何だ!知っておるのか?全く魔人フランドールめ!!まあーいい。

それで話の続きじゃが!例えば我をここで滅するかこの呪われた

土地から追い出したとしてもそれだけで果たしてこの

HCFセヴァストポリ研究所で起こっている心霊現象や怪異や

汝らが飼育しているBOW(生物兵器)の繁殖と捕食が活発になる

異変が完全に収束すると思うかえ?

それに今後ここで大量の死者が産まれ続けるのも当然。

この旧米陸軍の我の細胞や始祖ウィルスを利用した

実験を行った所じゃ!今後どうなるかのう?」

「つまり?お前をこの土地から追い払っても滅しても心霊現象や怪異や

BOW(生物兵器)の暴走やあんたとは全く別の魔獣ホラー達や幽霊達が

裏で人間を唆して糸を引いていたら?目に見えない存在に対抗するなら。

ジルのクローンたるストークスと汝の力が必要になる」

確かに魔女王ホラー・ルシファーの言う事は一理ある。

それなら!絶対に!確実にストークスを取り戻さないと!

エアは結論に達して改めて魔女王ホラー・ルシファーを真っ赤に輝く瞳で見据えた。

すると魔女王ホラー・ルシファーも真っ赤に輝く昆虫のような複眼で

エアをしっかりと見据えた。間も無くして両者は激しい戦いを再開した。

その時、魔女王ホラー・ルシファーはまた意味深な事を言った。

「水は大量の霊を寄せ集めやすい。それ故に植物は影響を受けやすい。

あと地下水脈にも十分注意する事じゃな!フフフフフッ!」

エアは魔女王ホラー・ルシファーの気まぐれな会話にいい加減苛立った。

「おい!さっさと始めるぞ!時間稼ぎをしても無駄だ!!

絶対に貴様は逃がさんぞ!ここで必ず倒すっ!」

エアはとても苛立ち魔女王ホラー・ルシファーに精一杯大声を張り上げた。

「では!貴様に面白いものを見せてやろう!!」

魔女王ホラー・ルシファーの人型の幽霊は急速に形を変えた。

「まっ!まさかこいつはッ?」とエアは驚きを隠せず口をポカンと開けた。

魔女王ホラー・ルシファーはエアをからかうようにこう言った。

「フフフフッ!こうなる事は予想出来んか?さっき告白したばかりなのに」

その魔女王ホラー・ルシファーの姿は丸でウィリアム・バーキン博士が

過去に変異したあのG生物第3形態にそっくりだった。

既に人型と言うよりは人型をした新生物のようだ。

頭部は真っ白なトカゲの形をしていてピンク色の唇に無数の牙が並んだ口が両頬まで

裂けるように存在していた。両眼は真っ赤に輝く昆虫のような複眼のままだった。

またバキッ!バキッ!と背中からは太く長い巨大な堕天使の翼を

思わせる両腕が生えて来た。その新しく生えて来た太く長い巨大な堕天使を思わせる

両腕の巨大な両手から5対の細長い短剣の様に鋭利な爪が生えていた。

また通常の女性らしい細いしなやかな両腕は残っており、

両手にはかつてエアを苦しめた赤い電撃の魔弾を放つ真っ赤に

輝く電撃を僅かに帯びた10対の鉤爪があった。

更に女性らしいスレンダーな体形であり、大きな丸い両胸の深い胸の谷間

と両胸の間がバカっと左右に割れて、右肩の大木のような突起の

すぐ下にできた巨大なオレンジ色の目玉と同様に胸部にも

無数のオレンジ色の目玉が多数集合して所狭しと現れた。

また両脚も両足も女性らしい長い両脚と両足から10対の細長い爪で鉄の床を

しっかりと踏みしめていた。やがて背中の両腕以外にも七色に輝く12枚の翼は

それぞれ左右で融合し合い、やがて2対のカバラの生命の木の模様が付いた

七色に輝くマントのような翼となった。

同時に全身の黒い身体の全て(ただし頭部を除いて)両腕と両脚にも

真っ赤に輝くカバラ生命の樹の模様が浮き出て来た。

更に浮き出てきた真っ赤に輝くカバラの生命の木の模様は

まるでホタルノヒカリの様に点滅し続けていた。

魔女王ホラー・ルシファーは再びエアに向かって高速で接近した。

エアの目の前で高く飛び上がると身体を前転させた。

同時にエアの頭上から両腕が生えた巨大な堕天使を思わせる両腕の

巨大な両手の10対の鉤爪を振り下ろした。

咄嗟にエアは右側にジャンプして回避した。

振り下ろされた10対の鉤爪は分厚い真っ赤に輝く板に覆われた

金属の床に凄まじい音を立てて叩きつけられた。危うく兜のように割られる所だった。

続けて金属の床の上を覆っていた真っ赤にが焼く分厚い板と

金属の床の隙間に入り込み、身を隠した。

エアは真っ赤に輝く分厚い板と金属の隙間の中に潜んでいる魔女王ホラー・ルシファー

を探して必死に周囲を見渡したが見つからなかった。

探し始めて30分後に突然、魔女王ホラー・ルシファーはエアの足元を

狙って高速移動で接近し、回転しながら両肩の10対の爪と元の女性のしなやかな

両出から生えた真っ赤に輝く電撃を帯びた10対の鉤爪でエアの

全身を斬り上げようとしたからだ。エアはそれをすぐに察して

また左側転して回避した。身体をドリルの様に回転させながら

真っ赤に輝く分厚い板から飛び出した魔女王ホラー・ルシファーは

空中からまた何百発もの真っ赤に輝く魔弾を

巨大な扇子の様に休みなく大量に打ち続けた。

エアはその場に留まり、背中の無数の剣が集合して出来た翼で

何百発もの魔弾を防ぎ、防御に専念した。しかし頭上は隙だらけだった。

文字通りがら空きだ。魔女王ホラー・ルシファーはにやりと笑った。

続けてエアの頭上から両腕が生えた巨大な堕天使を思わせる両腕の巨大な両手の

10対の鉤爪を一気に振り下ろした。エアは反応が遅れてしまい慌てて後方へ飛んだ。

しかし間に合わず、彼の胸部に巨大な両手の10対の鉤爪が突き刺さった。

エアは痛みで絶叫しながら仰向けに真っ赤に輝く分厚い板に覆われた金属の床

に全身を激しく強く打ち付けた。エアは後頭部と強く打った衝撃で

意識が遠くなり、目の前の景色が霞んだ。

しかしすぐに意識は元に戻り、すでに距離を取った魔女王ホラー・ルシファーを見た。

 

(第33章に続く)