(第57章)神々と悪魔と神殺しの物語の第3の結末

お知らせ・外出自粛で色々暇なので今週からなるべく毎日1話づつ小説を変更します。

では本編どうぞ。

 

(第57章)神々と悪魔と神殺しの物語の第3の結末

 

エアとストークスが見ている映画のスクリーンでは。

イザボーが愛読している18世紀のフランスを舞台にした

男装の麗人が活躍する漫画の幻のものを含めて全巻を

とうとう見つけた事を報告してメモを渡した。

最後は悪魔化する前に喉元に自らナイフを突き立てて命を絶った。

悪魔化する前に喉元に自らナイフを突き立てて命を絶った

真緒のシーンを見たエアは「ああっ・・・」と小さく声を上げた。

映画を観ていたストークスは真緒を演じていた女優を知っている事を思い出した。

そうだ!出発前にダニア博士から聞いたのだが実はあの『新型ハンター開発研究実験室』に勤務している浜崎優菜の双子の姉の浜崎麗奈だったんだな。

彼女は表舞台でハリウッド女優として活動していて

良く彼女のことが話題になっていた。

勿論、双子だけに優菜と顔も容姿もそっくりだった。

双木とは天然のクローンだと言う。自然発生したクローン。

でも優菜と麗奈は双子で遺伝子も同じだが全くの別人である。

二人とも固有の人格を持っている。つまり自分と同じジルのクローンであっても

オリジナルのジル・バレンタインとは全くの別人である。

一方、映画のスクリーンでは『真・女神転生Ⅳファイナル』

のストーリーは続いていた。そして前半では悪魔化した

東のミカド国の住民達(ホープやガストンも含む)と闘い、

殺してしまう酷い状態が続いた。仲間やアサヒやナナシもデモニックジー

(悪魔遺伝子)の感染で抗体があり、悪魔化せずに人間の姿のままでいた

フリンやイザボーも仲間達の同胞に手をかけ、苦しそうだった。

そしてパンデミックの発生源のデモニックウーゴを倒すと

操られた東のミカド国全住民は死亡した。東のミカド国は滅亡したかに見えた。

しかしのノゾミと一心同体だったダヌーは既に前作で破壊されて宇宙の卵として

役割を失ったシェーシャの卵に新しく力を与えて

転生の卵として利用する事を提案する。

そして仲間達やイザボー、フリン、ナナシ、アサヒ達はダヌーの提案に

掛けてみる事にした勿論、ダヌーの息子のダグザもこの案に乗った。

そして東京へ戻り、宇宙の卵だったシェーシャの卵へ向かった。

心臓部に着くとそこにはスティーブンと東京の女神がいた。

やがて消えてしまうとそこに原天使サタンが現れた。

原天使サタンは東のミカド国の国民達を女神転生で蘇らせる程の

力に値するかどうか試すべくナナシ達に戦いを挑んだ。

ちなみにゲーム版では原天使サタンは唯一神YHVAの分霊であり。

メルカバーとルシファー分離した設定だった。

しかしこの『実写版の真・女神転生Ⅳファイナル』では設定は

変更されていて実は原天使サタンこそが全てを超越する存在

『大いなる理』だと言う設定になっていた。

そして原天使サタンに圧倒されて仲魔と仲間とナナシがピンチになった時に

スクリーンにグングニルの槍が現れ、幽霊となったガストンが

原天使サタンを攻撃して怯んだ隙を付いてナナシと仲魔と仲間達は一気に反撃した。

そして原天使サタンは人間の力を認めた。

そして原天使サタンは大いなる理の転生の力を利用して死んだ東のミカド国の人々を

デモニックジーン(悪魔遺伝子)の影響の無い新たな肉体に魂を宿らせて

復活させる事に協力した。こうしてあの話題となったシーンが

いよいよお披露目されるのだと思いエアは何故か心臓の高鳴りを隠せずにいた。

そしてスクリーンにはシェーシャの心臓部の宇宙から

転生の卵となった事で金色の柱と共に卵は孵化した。

同時に例のイザボーとフリンのセックスと妊娠と出産のイメージシーンが現れた。

そして金色の柱は東京と天井の東のミカド国まで広がって行き、やがてそれは消えた。

続けてガストンやホープ、ウーゴ、東のミカド国は転生され、

無事に人間として生き返った。ちなみにイザボーとフリンは

全裸だったので慌てふためいて大きなイチジク葉っぱを使って

体の大事なところを隠した。

そして天から唯一神の声が聞こえ、自分を信仰するように訴えかけるが

しかしデモニックジーン(悪魔遺伝子)の改造行為が

東京や東のミカド国の住民達に隅々まで知れ渡った事により彼らは

唯一神の『信じれば救われる』と言う盲信を信じる者は誰一人いなかった。

やがて唯一神は完全に力を失い、自然に消滅して行った。

信仰されなくなった為、存在を保つ事が出来なくなったのである。

それから全て終わりスティーブンは『唯一神は今は力を完全に失って消滅した。

しかしそれでもまた唯一神を信仰する者が現れれば復活する可能性がある』

と告げていた。『神々や悪魔や天使達や唯一神は観測者と共にある。

目を曇らせぬように気おつけて』

と告げると立ち去って行った。そして再び平和が戻った。

数か月後、フリンとナナシとイザボーの像が

東のミカド国のアキュラの広場に建てられた。

エアとストークスが見ている映画館の最後のスクリーンに映し出されたのは

仲間達の笑顔と驚きと嬉しさでナナシはようやく笑顔を見せたシーンだった。

そして映画のラストがスクリーンに映し出されてから直ぐにエンドロールが始まった。

エアとストークスは周囲の何人かはエンドロールの途中で席を立って去っていった。

しかし二人は決して席は立たなかった。

何故ならエンドロール後には必ずおまけシーンがあるからである。

やがて映画のエンドロールが終わってスクリーンが

暗くなった後に再びシーンが流れた。

それは妖精の森のあの復活したピンク色の花弁が舞い散る桜の大木の下で

ナナシとその仲間達と仲魔達がお花見をしていた。

しかもキングフロストの大きな白いお腹をトランポリンにして遊んでいる

幼い男の子にイザボーの親友だった真緒が真緒が大声で注意していた。

「コラー!ナバール2世!!危ないからやめなさい!ほら!!あなた!!」

と隣にいるガストンに呼び掛けた。すると「やれやれ」と首を左右に振った。

更にもう一人の幼い男の子はダグザの前に座って何やら勉学に励んでいた。

それを愛しそうにイザボーとフリンが見ていた。

「勉強熱心ね!ヨナタン二世!誰に似たのやら!」

「いいじゃないか!将来は救世主(メシア)の後を継ぐと言っていたな」

また3人目の幼い男の子は妖精ナパイアと仲間と妖精達で鬼ごっこをして

桜の大木の周りの道をグルグルと走り回っていた。

ナナシとアサヒは愛しそうにその男の子を見ていた。

「はあーやんちゃ過ぎるわぁー。怪我しないか心配よね」

「まあーワルター二世はこのくらいの元気があっていいじゃないか!」

2人はフフフッと笑い合った。

その横でハレルヤとトキが酒を飲み、楽しそうに笑い話をしていた。

それから写真家でもある妖精の女王のノゾミはみんなで記念撮影しようと提案した。

そしてみんなで集まって古いカメラで写真を撮った。

そしてたくさんの妖精達、キングフロスト、幽霊達、神々、悪魔達も

映り込んでしまったものの

(もはや完全に心霊写真だなとエアとストークスは思った。)

でもちゃんとダグザやダヌー、マーラー、いあっまで共に戦って来た

悪魔達、つまり仲魔達やナパイア、ナナシ、ノゾミ、アサヒ、トキ、ハレルヤ、ガストン。真緒、イザボー、フリン、そしてワルター二世とヨナタン二世、東京の女神。

ティーブンまで映り込んでなんだか物凄い記念撮影になってようやく四部作だった

真・女神転生Ⅳファイナル』は終わり、シリーズは無事に完結した。

やがてスクリーンは暗くなり、それから映画館の映画の電気が付き、上映が終わった。

そして残った大半の人達は映画が終わって、席を立ち、

帰る準備をしていたかと思いきや。観客達は一斉に席を立ち、

スタンドオペーションをしていた。

しばらく映画館内は大きな拍手と口笛が響き続けた。

つられてエアもストークスも立ち上がり、大きな拍手を続けていた。

満足するとエアもストークスも映画を観ていた人々も映画館を出て、

それぞれ帰るべき家へ帰って行った。映画館の外では。

『実写版・真・女神転生Ⅳファイナル』の感想を述べ合っている

若い男女の声があっちこっちで聞こえて来た。

「凄くよかったね!唯一神ってあんなに酷い奴なんだ!」

「全くだぜ!唯一神や大天使や天使達は俺達人間を全く信用しちゃいないんだな!

これでよーーーーーーーーーーく!分かったぜ!!」

唯一神や大天使よりさ!人間の主人公や仲間や

神々や悪魔の方がマジで頼りになるよな!」

「そうだね!本当にいざと言う時に必ず助けてくれる!」

「ああ、俺も恋人を守る為に主人公みたいになりてぇな!」

エアとストークスは少し複雑な心境で彼らの会話を聞いていた。

2人は映画館の売店で買った映画のパンフレットやグッズを

お互い袋の隙間からの覗き見た。

そして二人はクスクスと嬉しそうにお互い笑い合った。

とても幸せだった。とてもとても。しかし残念ながら時間だ。

名残惜しいがもうHCFセヴァストポリ研究所へ帰らなければならない。

何故なら。明日からストークスのコールドスリープ(冷凍冬眠)

カプセルに入る為の健康状態を調べなきゃいけないし。これ以上ここにいたら。

いずれ反メディア団体ケリヴァーやBSAA、ブルーアンブレラ社。

OSAの連中に見つかったらかなり面倒なトラブルになる。

万が一ストークスが賢者の石に目覚めたら。ゴロツキやクズ人間共を。

いや、一般人を誤って殺してしまう可能性もある。

一応、彼女は兵士の試作型なのだから。さあ―もう帰ろう。十分楽しんだ。

 

(第58章に続く)