(第19章)正義は少しでも歪んだら悪に堕ちる。そして権力は滅びる。

(第19章)正義は少しでも歪んだら悪に堕ちる。そして権力は滅びる。

 

ニューヨーク市内のハドソン川沿いの西14丁目の22番目埠頭倉庫。

そこは現実(リアル)の世界の建物の中。そこには黒いスーツや

赤いスーツを着た男女の議員達が別の部屋の隅に怯えて固まっていた。

彼はすっかり怯え切っていて茶色の瞳の焦点が合っていなかった。

「えーと全国アメリフェミニスト議員連盟は半分かな?ああ愚かな人の子よ!」

すると金髪の中年の赤い服を着た女性は涙目で必死に彼に命乞いをした。

「お願いです!」と。すると他の中年男性や白髪の男性議員達も始めた。

すると日本人の青年はニコニコ笑いながら、彼らに大声で演説するように話しかけた。

「君達全国フェミニスト連盟の君達はVチューバーと警察のコラボ動画に抗議したよね?君達はニューヨーク市警に動画に掲載削除をはっきりと明言していたよね?

動画に登場する可愛いVチューバーの巨乳がプルンプルン

前後左右に揺れただけで『性的搾取』だと宣っておきながら。

いざ全国からの抗議や公開質問状を送られて集中砲火を受けた途端。

『提出した文章は公的機関としての認識を問うだけだけ?

該当動画の記載も削除も共にニューヨーク市警に

全ての責任を擦り付けて自分達は逃げ出す。貴方達は美しくない。

上に立つ者としての君達の行動は実に情けない。大人かい?子供では?」

すると背の高い男が鋭い眼で日本人の青年を睨みつけた。

「おい!何様のつもりだ!?俺達を腰抜け扱いだと?俺達は・・・・・」

「正義は少しでも歪めばただの悪に成り下がる。魔女狩りと同じ間違いを繰り返す。

だから大切な物や人が消えても君達はへらへら笑うだけだ。歴史が証明している。」

「なんだと!この野郎!」と背の高い男は右腕を上げて日本人の男性に殴り掛かった。

次の瞬間、日本人の青年は目にも止まらぬ速さで背の高い男の拳を掴んだ。

目にも止まらぬ速さで彼は右腕を真上に振り上げた。

目にも止まらぬ速さで背の高い男はビタン!

と天井に背中を叩きつけられて床に落下した。

「弱すぎて話にならないよ。つくづく馬鹿な連中だよ。」

日本人の青年は背中の痛みで悶絶している背の高い議員を見下ろした。

彼の正論と強さに全員、完全に怯え切ってしまい。何も出来なくなった。

「自分の言論すらまともに話せないのなら政治は正しく機能しない。

ただの餌だね。捕食しようと思ったが。そもそも僕はね!!

若い女性の10代から20代から30代の若い女性達の精気が大好物なんだ!

つまりね。君達のような中年男性と中年女性の国会議員の肉体も魂も血液など!

とにかくクソマズい!君達の血肉魂など!僕から見たら毒にも薬にもなりはしない!

喰らおうと今一瞬考えただけで吐き気がする!!

高速移動で貴様らの肉を食い千切ると考えただけで気が狂いそうだ!!

だから生かしてやる!全員!君達の不正からVチューバーと女性の権利を守ろうと

一人の女の子が立ち上がっている!あとは人間達の裁判の成り行きと

判決に任せるとしよう!!お前など喰らうに値しない虫けらめ!」

神崎はそう怒鳴ると倒れている背の高い男の背中を思いっきり踏みつけた。

背の高い男は激痛で絶叫して泣き出した。

「うぎゃああああああああああああああああっ!!」と。

神崎は更に一言こう罵倒した。そして例の問題の動画をスマートフォンで見せた。

「公的機関に出る為に胸の大きさを強調するなと!女性蔑視をする愚か者め!!」と。


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『最果ての死の砂漠』。

善悪と理性を取り戻し『正義』としての本来の象徴たる存在の『メルキセデク』に

変身したのぴの両手の甲にはショットガンやハンドガンの形をした銃器が付いていた。

両脚と両足には長四角の金色の装甲が付いていた。また背中に翼は無かった。

『メルセデク』に目覚めたのぴは自分の役割をしっかりと思い出した。

彼女はループの記憶を辿りながら『最果ての死の砂漠』を歩き始めた。

周辺には真っ赤な結晶の岩石があっちこっちに転がっていた。

さらにヒューと風が吹きすさび真っ赤な砂粒が空中を

上下左右自由自在に動き回り、舞い散り、広がっていた。

のぴは先へ進むと周囲には金属の長四角の壁や生物の脊髄の形をした

柱が幾つも無造作に立てられていた。

しかもそれは大きな神殿や祭壇が何個かあった。

彼女はそれを無言で歩き続けた。

ちなみに両瞳は透明なゴーグルで覆われている為。

目に砂は全く入らなかった。また空は暗黒に覆われ、青緑色に輝く星が多数見えた。

そして不意に暗黒の夜空から青緑色に輝く星々がどんどん消えて行く光景に

強い違和感と不安感を覚えた。何が起こっているんだ?誰かが魂を回収している?

そして夜空を見上げて消え行く魂を眺めていたのぴは次の瞬間。

完全に不意を突かれてバシャッ!と足元から筋肉質な成人男性の右腕が伸びた。

そしてのぴの右脚に掴みかかるとそのまま一気に真っ黒な結晶の中に引きずり込んだ。

あっと言う間にのぴの視界は真っ暗になった。

のぴの意識も長い間、完全に途切れていた。

だがその真っ暗闇の中で脳裏に男性の声が複数した。

「おい!大丈夫か??よし!ドラキュラ伯爵!!」

「そう!急(せ)くなクリス・レッドフィールド!!ほら!右手を掴め!」

「命令するな!クソっ!よりにもよって!

お前と手を組み!危機に立ち向かうなんて!」

やがてのぴの脳裏にボチャッ!ボチャッ!と鈍い音がした。

のぴは両瞼を開くと真っ白な光で眩しくまた目をつぶった。

間も無くして視界が慣れると周囲の風景と2人の男の姿がゆっくりと見えた。

しかしまた脳裏に不意に別の今度は若い女性の複数の声が響いた。

「違うッ!貴方!マルコじゃないッ!はあっ!あっ!誰?!ひゃああんんっ!」

と佐代子の声。

「マルコ?!何処に?何処にいるのッ!ああっ!はあああっ!」

「1人目!」

「いやあああっ!誰?あたしッ!ああっ!あっ!ひいやああうううっ!おごっ!」

「2人目ッ!」

「あんた誰や?!くそっ!ちー!何処に?早く逃げるよ!あっ!わああっ!」

「わあああああっ!」。

「りあら!ゆいにゃ!くそっ!いやっ!くんな!くんじゃねえっ!うわあああっ!」

えっ?りあら?ゆいにゃ?ちゃきッ!誰が?誰が?こんな事をクソっ!誰よ!!

不意に聞こえたりあらとちゃきとゆいにゃらしき声に

のぴは混乱しつつも怒りに駆られた。

「怖がる事はないんだ!君達は神の代理の私に選ばれたんだ!!」

その声はここに来る前の肉体から意識が分離する前に現世(現実・リアル)

の世界で聞いたあの頭のおかしな男(若村秀和)の声だった。

そんなはずは!まさか?システムのバグを利用して逃れたの?

何であいつが黒き月の中に????あいつ生命の理(ことわり)の

システムにハッキングを!!更に若村は手辺り次第に黒き月の中にいた

20代から30代の若い女性達の魂と意識を同化させて行った。

その度に悲鳴や喘ぎ声。叫ぶ声。泣き叫ぶ声がした。

「いやああっ!あっ!ひんっ!あっ!あっ!嫌だッ!同化したくない!ひいいっ!」

「やめて!やめて!ジム!ジム!何処?!?助けて!

助けて!いやあっ!んんああっ!」「3人目!」

「感謝するぞ!サトル・ユウマ!オペラ座の怪人

お前のおかげだぞおっ!ははははっ!」

『誘惑』の女!『起源』の女!

『監視』の女!

『混沌』の女!

私こそが『解放』の男!

『絶望』の女!

『虚無』の女!

『暗黒』の女!

『憂鬱』の女!

子供のいない若い女性達だ!はあはあ!

これで4人の秘跡の女の意識と魂を取り込んだぞ!あと15人だ!」

更に他にも15人の残りの女性達の悲鳴や荒々しい声がのぴの脳裏に

聞こえ過ぎていて今にも頭が割れそうだった。

「あっ!はっ!んんあっ!はっ!ああっ!ああんっ!ああっ!

止めてえっ!いやあっ!ごめんなさいッ!あうっ!」

「4人目」

また「1人目」「2人目」「3人目」「4人目」と続いて若村秀和の声が聞えてきた。

「ああっ!ああっ!はああっ!あっ!はっ!あっ!いっ!

ああっ!んんっ!おうっ!」

「5人目」

「ああっ!あううっ!ああっ!イクッ!ひっ!」

「6人目!」

やめろ!!やめろ!!

「ああっ!あううっ!ああんっ!あっ!はっ!ひっ!くうん!」

「7人目」

いい加減にしろ!!

「気持ちいいぞ!欲しいッ!あっ!ぐっ!これで8人目だッ!!」

「ああっ!いいっ!ああっ!いいっ!あっ!はあっ!あんっ!

ひっ!あっ!いいっ!いいっ!おっ!ひっくっ!」

止めろ!この変態野郎!!いい加減にしろよ!このっ!このっ!くそっ!くそっ!

「あっ!はああっ!あっ!あっ!はっ!ああっ!ふーつ!

ああっ!いいっ!いいっ!くっ!あっ!うっ!くっ!がっ!」

「9人目!あともうすぐだぞ!心臓の女はあと2人だっ!」

「ううっ!ううっ!ううっ!ううっ!んんんっ!

ふっ!ああっ!ああっ!ひっ!んんああっ!

いいっ!ああっ!ああっ!ああっ!はああっ!ああっ!うっ!ぐあっ!」

「10人全員だッ!」

「ああっ!気持ちッ!ああっ!ああっ!はあはあっ!ぐっ!」

「『誘惑』の女!」

「ああっ!いやああっ!ああっ!イクッ!いくいくああっ!ひっ!ひいいっ!」

「『起源』の女!」

「んんっ!あっ!かっ!くっ!イクッ!ああっ!

ひゃっ!ほおおっ!おっ!」

「『監視』の女!」

「んっ!ああっ!はああっ!あううっ!ああっ!あっ!

ひうっ!ああっ!あっ!うううん!あっ!」

「『混沌』の女!」

「あっ!あんっ!あん!いいっ!いいっくっ!あっ!

あんあんあん!あっ!あっ!」

「『虚無』の女!」

「あっ!んっ!ああっ!ああっ!あっ!あああん!あっ!

ヤバイ!あうん!おっ!」

「『暗黒』の女!」

「あいいっ!ああっ!あっ!あっ!うっ!うっ!ううんっ!あっ!ああっ!

ううん!ううんッ!」

「『憂鬱』の女!」

「ああっ!ううっ!ああっ!んんんっ!はあ!

あっ!んんっ!ああっ!はああっ!あぐっ!」

「最後の『絶望』の女!

あとは選ばれた女性達を私と合一させるだけだッ!!」

そして彼女達を守ろうと他の男達の魂や

意識も立ち向かったが何故か対抗できなかった。

理由は自分がどこまでが他人で何処までが自分なのか区別がつかず

若村と意識と魂に触れる事はおろか分離させる程の力を

全く持たなかった為、彼に成す術が無かった。

そもそも今の彼女や彼らに拒絶する為の性(リビドー)が

存在しない為に無防備も同然だからである。

彼女や彼らの人間の意識や魂は原始の状態なのだ。

「やめろ!」「彼女から離れろ!」「いい加減にしろ!」

「何も出来ないなあ!そもそも区別すらつかない旧人類に用は無い!」

「クソ野郎ッ!消えてしまえッ!地獄に堕ちろ!」

「クズめ!最低だぞ!!」

「私の楽しみの邪魔をするな!マルコ!私は神の代理者だッ!」

「うん!うん!うん!あっ!うん!うん!ああっ!あっ!うあうっ!

ああっ!ひゃあっ!あっ!入って行くッ!!」

「ああっ!ああっ!んんっ!あうっ!

ああっ!あっ!あっ!くっ!あっ!同化してっ!」

ああっ!気持ちいいッ!あっ!はあっ!うっ!くっ!」

それ以降も膨大な人数の若い女性の声と怒号を微かに上げる男達の声が

のぴの脳裏に聞こえ続けていた。しかし不意にそれらの膨大な声がまるで

ラジオのスイッチを消したようにピッタリと止んだ。

やがて短い沈黙の後にまたクリスとドラキュラ伯爵の声がした。

「不味いな・・・余りにも信じられん!何が起こっているんだ???」

「あいつは別世界の並行世界(パラレルワールド)のヱヴァンゲリヲンの世界の

人類補完計画』と同じ事を今回の『静かなる丘・サイレントヒル』の

一連の怪異事件の元凶の若村秀和は起こそうとしている。

そうすれば平和になると本気で思っているようだ。」

「愚かな奴だ!!あいつは本当に酷い奴だ!!」

やがてようやくさっきの悪夢から

抜け出したのぴは正気に返るとゆっくりと瞼を開けた。

目の前には短い黒い髪に黒ひげに黒い顎髭。茶色の瞳をしていて。

黒いコートを着て。黒い手袋をはめ。右手には黒いサプレッサを

付けたハンドガンを持ったアメリカ人の男とオールバックの茶髪と茶色の眉毛。

右の黒い服を来た男と同様、筋肉質でがっちりとした体格に白いスーツを着ていた。

彼は榛色の瞳でのぴを見た。のぴは2人を警戒して立ち上がった。

すかさず両腕を向け、左右の手のハンドガンとショットガンの銃口を向けた。

すると右側の男の白いスーツの男がこう言った。

「落ち着き給え!私もこいつも君の人間の味方だよ!私はドラキュラ伯爵!」

続けて黒い服の男がドラキュラ伯爵を一瞥しながらもこう言った。

「そうだ!俺は人間だ!あいつは違うがな!!

俺の名前はクリス・レッドフィールドだ!君の仕事を手伝いに来た!」
のぴはしばらく荒々しく息を吐き、警戒を続けた。

彼女は2人に『さっき筋肉質の右腕が伸びて私の砂の中に引きずり込んだのは?』

と質問した。するとクリスもドラキュラ伯爵もキッパリと否定した。

「自分はやっていない」と。続けてドラキュラ伯爵はのぴにこう説明した。

「恐らく死んだ筈の若村秀和の仕業だろう。奴は『生命の理(ことわり)』を

無理矢理捻じ曲げて自分だけの楽園を創造しようとしているようだ。」

「どうやら太陽神テスカトリポカとは全く別の楽園を目指しているようだ。

俺も良く分からんがあいつによると人類補完計画だか何だか?」

「左様!奴はメディアに心の身体も汚されて。しかもデマや

悪い情報社会や命の無いおもちゃで遊ばされている子供達やお互い傷つけい合い。

殺し合い。戦争し続けてい己の欲望をネットで垂れ流す人間達は自然の神様が創造した

存在としては独自の進化のやり過ぎによってもはや出来損ないとしての群体として

完全に行き詰った人類を完全な単体生命体として人工進化させる計画だ!!

奴は別世界。つまり並行世界(パラレルワールド)のエヴァゲリオンのゼーレの計画を『静かなる丘・サイレントヒル』の神の力を応用して完全再現しようとしている」

「無茶苦茶な話だ!

元々空想の計画を現実(リアル)の俺達の世界で実現可能なのか?」

「『静かなる丘・サイレントヒル』の神の力をうまく利用すれば可能だろう。

だが。それは我々魔獣ホラー・メシア一族全体の食糧危機に直面する。」

「どう言う事だ?」とクリスはのぴとドラキュラ伯爵を交互に見た後に質問した。

「本来。我々は魔導輪や魔道具のように人間の一日分の魂かあるいは死体に

僅かに残っていた魂の残滓(ざんし)を食べて生き延びたホラーもいるらしい。

つまり我々は腹持ちがいい。また魔界と人間界では一種の協定が結ばれているんだ。

君達人間側がホラーに必要な僅かづつの

魂を提供する代わりに(自分の事はおいといて)

魔界側ではみだりに人間を丸ごと食うのは禁じられている。

そして今回の若村秀和と太陽神テスカトリポカの行為は我々にとって迷惑な事だ。

単純に食糧不足の可能性だ。それに今頃、魔界では魔獣人間協定食糧保護連盟の

魔獣ホラー・べリスが激怒して元老院の神官や魔戒法師や騎士達に膨大な数の抗議文章を旧魔戒文字で送りまくっている事だろう。

『人類裁判』が開始されるのも時間の問題だな。」

「おい!待て!人類裁判とはどう言う事だ???」

すかさずクリスはドラキュラ伯爵に詰め寄った。

するとドラキュラ伯爵は「まあまあ」と両手を振ってクリスを落ち着かせた。

「今回の若村秀和の太陽神テスカトリポカの完全な復活による虚構と虚構の消滅と融合。魔界上層部からガフの部屋のを監視していた魔獣ホラー達の報告。

ガフの部屋から魂が一つ残らず無くなり人間が死亡。

つまり滅亡した場合の深刻な食糧危機の可能性。

しかもそれを招いたのが若村秀和と反メディア団体ケリヴァーの愚かな人間達だ。

確実に人類全体が大きなツケを払わされる羽目になるだろう。」

「判決が出ちゃったらどうするの?私達は??」とのぴ。

「待ってくれ!やったのは一部の人間だぞ!

どうして?人類全体なんだ??」とクリス。

「彼らの怒りはもう限界まで来ている。もう人の手では彼らの怒りは止められない。」

苦虫を噛んだ様子でドラキュラ伯爵は答えた。

「クソ!」とクリスは悪態をついた。

 

(第20章に続く)