(第32章)生の宣告者

(第32章)生の宣告者


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「汝ら人間は神により禁じられた知恵の実を食べ楽園から追放された。

そして人間の男には労働の苦しみを。人間の女には子供を妊娠して出産する際には。

苦痛を与えられた。

そして反メディア団体ケリヴァーの若村秀和、全ての男女は等しく。

悪徳の流行。殺人や虐待。SNSソーシャルメディア」や職場や学校。

ネット上のいじめ。盗み。性的暴行。セクハラ。暴力。様々な犯罪を犯し続けた。

そして人々はお互い苦しめ合い、傷つけ合い、己の欲望と邪心から選民思想を発達させ

宗教を悪用して冒涜する罪人達。全ては自らが幸せになれる。

自ら正義の為。と幸せの世界になる。儚い希望を抱いている。

しかしそれは偽りの幸せに過ぎない。神に近づく為に『死』したところで意味は無い。

生きる事を捨てる者は決して生まれながらの原罪からは逃れられぬ。

キリストは全てを身代わりには出来ぬ。原罪は一人一人個人が迷い!

決めて解決するものだ!それが出来ぬ

今の旧人類に決して未来も無いし。希望も無い。」

激しく苦しみながらも太陽神テスカトリポカに向かって若村秀和と反メディア団体ケリヴァーの融合体は聖人の毒の力でのた打ち苦しみながら

襲い掛かる姿を見ていた彼女は。

「哀れな人間達だな。もはや失望した。消え去るがいいっ!

今まで来る筈が無かった世界の終末をただ何もせずに待ち続けて

余りにも虚しい時間の中でしか生きられぬとはのう。」

「うがあああああっ!テスカトリポカあああっ!選民思想!!

汚れた悪魔めええっ!ぐああああああああああああぅ!!」

太陽神テスカトリポカは右腕をスーツと上げた。次の瞬間、右掌が真っ赤に発光した。

「火炎属性魔法特大威力!ブラッディローズ!さあ!華々しく散るがいい!!」

右掌は真っ赤な火炎に包まれた。そして掌から真っ赤に輝く

超巨大な獄炎の薔薇の形をした火球が放たれた。

やがて放たれた真っ赤に輝く超巨大な獄炎の薔薇の形をした火球は

若村秀和と反メディア団体ケリヴァーの悪霊の融合体をひとつも残らず焼き尽くした。

つんざくような断末魔の男女の絶叫と共にあっさりと彼らは魂と

アストラル体諸共二度目の『死』を迎えた。

ドラキュラ伯爵も危険を察知して素早く後退してイリスオブジェクトのコア(核)から

脱出した。イリスオブジェクトのコア(核)はひし形の穴が開いていた。

ひし形に開いたコア(核)の穴の内部には太陽神テスカトリポカが浮いていた。

ドラキュラ伯爵は榛色の瞳で太陽神テスカトリポカをしっかりと見据えた。

太陽神テスカトリポカはイリスオブジェクトの真っ赤なコア(核)が開いた

ひし形の穴の最奥から真っ赤に輝く瞳で逆に真っ赤なコア(核)の外にいる

ドラキュラ伯爵を見据えた。やがて静かに口を開きゆっくりと語り出した。

「もはや今の旧人類には失望している。あの死神ホラー・タナトスにもな。

ドラキュラ伯爵よ。汝はこちら側(バイオ)の世界の人々をどう思うか?」

「人間と言う生き物はお前の言う通り一人一人個人で考え。悩み。葛藤し。

一人一人個人が自らをどうするのか?何をするのかを決めて解決させるものだろう。

我々神様ばかり頼りすがるようでは自らの意志で希望も未来も掴めまい。」

ドラキュラ伯爵の答えに太陽神テスカトリポカは更に淡々とこう語り続けた。

旧人類は自然を傷つけ、動物を虐殺して全滅させた。」

「そうだな。エコだの太陽光発電だの。エコバックだの。

プラスチックごみを減らすだの。

色々、自然や動物を守る為に活動しているが結局は人間達の・・・・だな。」

「つまり?自然と動物を守る為に人類は絶滅すべきだと?」

「それは?本当に正しいのか?正しくないのか?私には分からん。

私は全滅して欲しくは無いな。何故ならジル・バレンタイン

娘のアリス・トリニティがいる。自分の家族が幸せに暮らしている

こちら側(バイオ)の世界の多くの友人や仲間や

これからなるであろう人々の存在は消せさせやしない!

たとえそれが創造神であり。太陽神の厳命でもな!!」

ドラキュラ伯爵は榛色の瞳に決意が宿っていた。その彼の言葉に迷いが無かった。

それはー。自分でも驚く程、人間らしい言葉を言っていたのだった。

太陽神テスカトリポカはそのドラキュラ伯爵を見据えながらこう話を続けた。

「だが。もう何もかも遅かったな。既に我はここに現れた時点で。もはや。

旧人類は滅亡確定で在り、新たな生命の誕生の確定でもある。

こちら側(バイオ)の世界は新人類で全ての大地が満たされるのだ。

SHB(サイレントヒルベイビー)を宿した

旧人類だった若い女性達は全て妊婦となり。

旧人類の魂はSHB(サイレントヒルベイビー)に転生される。

汚れた男達も旧人類の記憶を消し去り!

原始から全て創世記のアダムとイヴから歴史が始まる!」

「そうか。それでは次からは太陽神テスカトリポカの登場はご遠慮願うとしよう」

「我は『リビドー』『デス』と対なる特性を持つ者『太陽』。もはや完全に目覚めた。

さっき殺した若村秀和が行った聖母フランドールを利用した完全な儀式によってね。

聖獣達の力と鉄版の力を借りてね。

本来は我の砕けた神の力の破片だったのだからのう。

8つの力は全て不完全なインキュバスに集まり!遂に完全となった。

もはやドラキュラ伯爵ですら勝てぬ。

実際にあの悪霊となった若村秀和も。黄金騎士ガロの称号を持つ冴島鋼牙。

魔女王ホラー・ルシファー『ミカエル』の力を持つエア・マドセンと言う人間の男。

我が母上の魔人フランドール・スカーレットの強大な最高の魔人の力も。

魔導力も魔戒の力でさえも我が太陽神の力には及ばなかった。

これもあの最後の戦いとなった『静かなる丘・サイレントヒル』の教会の礼拝堂の

地下のバベルの超結界内に幸運にも現れた『十六夜咲夜(いざよいさくや)』

と『おこさまぷれーと』の『のぴ』を吸収して『ネガブドネザルの鍵』。

そして『虹の女神イーリスの欠けた心の胎児』のふたつを手に入れ!

純粋なパワーアップをしたおかげじゃ!!そしてパワーアップした

我の強大な太陽神の力によって彼らは遂に屈して完全に敗北したのだ!!

そして我を封印する唯一のフラウロスも。

我が彼らに完封勝利した証として踏みつけて粉々に破壊した。

こうして連中は我を封印出来ず我は自由の身となった。

ついでに連中は殺してはおらん。我が創造した異空間に避難させてやった。

連中は今頃、書き換えられたこちら側(バイオ)の新世界へと到着している事だろう。

勿論、彼の妻の冴島カオルも無事だ。また全ての人類は消え去った訳では無い。

それならば問題なかろう?勿論、知り合いも別次元の並行世界(パラレルワールド

から来た人々も生きておる。最後に『おこさまぷれーと』のメンバー全員とのぴも

東方の幻想郷の十六夜咲夜も新しく肉体を再生させて元の仲間のところへ送り返そう。

勿論、『ネガブドネザルの鍵』も『虹色の女神イーリスの欠けた心の胎児』も

我の胎内に永劫に存在し続ける事になる。

つまり2人とも余計な役割から解放される。」

「だが!そんな勝手は外神ホラーの副王ヨグ・ソトホースが許さないぞ!」

ドラキュラ伯爵は語気を強めて鋭く反発した。

すると太陽神テスカトリポカは何事もなかったかのように淡々と説明を続けた。

真っ赤な瞳にはとても真剣で力強い太陽神としての自信に満ちた光が宿っていた。

「我は太陽神テスカトリポカ。生の宣告者。外神ホラーの副王のヨグ・ソトホースや

白痴の魔王ホラー・アザトホースは。我の実力を認めざる負えないだろう。

既に太陽神の本来の力を既にしっかりとここで示したのだから。」

「くっ・・・確かに・・・」とドラキュラ伯爵は悔しそうに歯を食いしばった。

更に続けて太陽神テスカトリポカの話は淡々と続いた。

「そして我はここに来て新たな昔の記憶を思い出した。

この本来の目的は死神ホラー・タナトスの復活ではない。

本当の我はこの虚空の女王イリス。全ての生命の母たる存在を復活させる事だった。

この虚空の女王イリスは本来は我の存在に引き寄せられて目覚めが始まるのだ。」

「『生の宣告者』?『死の宣告者』じゃないのか?

一体?お前はなんだ??」とクリス。

「『生の宣告者』は絶滅と進化だな。」とドラキュラ伯爵。

「この存在は大いなる生命と進化のイリス。大いなる赤き存在にして神霊。

人間達の言語で当て嵌まらないから表現できぬ。

のぴは『ネガブドネザルの鍵』を持ち、我にはそれが必要だった。彼女はー。

運命の悪戯を呼ぶ超常的な力によってアメリカにやって来たのだ。

「『おこさまぷれーと』の初の海外ロケ・イン・アメリカの企画を撮る為にのう」

「彼女はこの事件に巻き込まれる運命だと!ふざけるな!

そんなもの!あってたまるかああっ!!」とクリスは不意に怒号を上げた。

彼女までイーサン・ウィンターズと同じ運命だと言うのか??

ふざけるな!一般女性や一般の男が日常を送れないなんて。

何故だ?何故??巻き込まれる人々はこぞって

こんな理不尽な事を体験しなければならないんだ???」

すると太陽神テスカトリポカはクリスの心を見透かしてそう言った。

「それもまた運命。他人がどうこう出来る問題ではない。運命は簡単に曲げられぬ。

若村は『ネガブドネザルの鍵』を超常的な力で起動させて『神化』させた。

のぴは目覚めた。同時に虚空の女神イリスの目覚めも始まっていたんだ。

虚空の女神イリスとのぴはひとつになるべき存在なのだ。

全ては我が原因でもあるがな。銀色の卵の死神ニュクスと対を成し!

太古にこの全ての世界に『生命』成るものを授けた存在。

それが我とイリスだ。イリスもまた外神ホラーじゃ。

白痴の魔王ホラー・アザトホースと同様のな。力も同等だ。

目覚めれば全ての旧人類と社会は滅亡してしまう。

代わりに全く新しい純粋なる生命に満たされる。

古き命が消えうせても新しい命が誕生する。絶滅と進化だ。これは確定だ。

我がここに現れた時点で全て決したのだ。我はここに現れた時点で全て決したものだ。

自然の流れには逆らえない。我はここに!生を宣告するものとする!!

我の存在が『生命の確約』のようなもの。例え黄金騎士ガロの力でも変えられぬ!」

クリスはその『生命と進化』がもはや防げないと言う事に絶句し、言葉を失った。

「もはや絶滅しない生命は存在しない。進化も同じ。時の流れは止められぬ。

我や虚空の女王イリスを倒す事は不可能だ。生命のみでそもそも死が存在しない。」

クリスは激しく動揺し、戸惑いを隠せなかった。何もしゃべれなかった。

「殺せない。倒せないとでも・・・いうのか?!

ふざけるな!」とクリスは震えていた。

「そうだ。我は聖母フランドールの中にいた故に人間らしい感情を持っておる。

我を封印すればいい。そうすれば・・・・いや。お前達は諦めないな。言わん!」

一度、太陽神テスカトリポカは以降はしばらくの間だけ口を閉じた。

「まあ。その通りだよ。私達は決して諦めん!逃げ出すなどしないッ!!」

「絶対の絶滅と進化の怖さも知らぬな。ドラキュラ伯爵!」

太陽神テスカトリポカはドラキュラ伯爵の

言葉を聞くなり、また余裕の笑みを浮かべた。

その時、イリスオブジェクトのコア(核)の内部から

あの『おこさまぷれーと』のメンバーから声が聞こえた。

「見つけたでこの変態野郎!!」とちゃきの声。

「ヘンリック・ターナだっけ?この最低な男め!」としゅがーの声。

「現実(リアル)に帰ったら覚えとき!警察に逮捕されんだから!」りあらの声。

「無駄だよ!もう『絶滅と進化』の確約は済んでいるんだよ。」とヘンリックの声。

「なんや?その進化とは滅びだかの確約って?」とちゃきは質問した。

するとヘンリック・ターナは高笑いしながらこう答えた。

「つまり君達のこちら側(バイオ)の世界の現実は終わりなのさ!!

もう二度と君達は現実(リアル)の世界に戻れないんだ!

もう誰も彼女もイリスオブジェクトも止められないのだよ!ああ!ついに!

滅びと進化の時が来たんだ!そしてあの子もコア(核)も使えないよ。

あははははははははっ!!ははははははははっ!」

「あの子のコア(核)ってなんや?」とちゃき。

「見て!あそこにでっかい真っ赤な球体があるうっ!」とりあら。

「中に人??14歳の少女やないかいッ!何で?こんなところに?」とちゃき。

「もう封印の儀式は使えないッ!さあー絶望してしまえーっ!!これは!うっ!

ぐうああっ!はっ!聖人の血だと?有り得ないッ!私がぐがあああっ!ぎゃあっ!」

ヘンリック・ターナの絶叫と断末魔と共に爆発する音がした。

莫迦め!よけいな事を口にするな!さてと!すまなかったなぁ!」

『おこさまぷれーと』のメンバー達の目の前でヘンリックは毒殺されてしまい。

目の前で破裂して二度目の死を迎えた。

そして魂もアストラル体も消滅してしまう光景を目撃した彼女達は一時的に正気を

失い、絶叫した。しかし幸運にものぴとしゅがーは正気を保っていた。
ドラキュラ伯爵はそのコア(核)の14歳の少女について説明しようと話しかけた。

しかし『おこさまぷれーと』のメンバー達は全員とても話せる状態では無かった。

だがしばらくして正気を保って幸運にも話しかけているしゅがーの声だけが聞こえた。

「あたし・・・も・・・う・・・・駄目なの・・・」

「あんた誰?この赤い球体?いつからあ?ここにあるうん?」

「私は霧島マナ・・・碇シンジの恋人だったの・・・」と答えた。

「私ならイリスオブジェクトを完全に封印できる。のぴさんと咲夜さんが必要。」

「じゃ!じゃ!のぴと咲夜って子を連れてくれば何とかなるんやな!」としゅがー。

「もう!この時間軸じゃ間に合わない・・・・

ヘンリックを追って私を見つけたら・・・」

「間に合わんて!!いやいや!まって!まって!わし探すよ!

見つけられればええんやろ?」

「もう無理。でも運命の輪の中なら必ず見つけられる。」とマナ。

しかしマナとしゅがーの会話は途切れて消えた。

ドラキュラ伯爵は口元を緩ませて笑った。

彼は太陽神テスカトリポカに悟られぬようにしっかりと口を閉じた。

あえて思考停止にして彼女に自分の考えと情報を知られないようにした。

ドラキュラ伯爵はクリスに向き直ると。彼は全身から真っ白な光を発した。

「なっ!くそっ!外なる神の力!時間を巻き戻す気か?!

またしても逃がさんぞ!!」

太陽神テスカトリポカはドラキュラ伯爵の企みに気付いた。

続けてドラキュラ伯爵の背中に右掌を向けた。

そして極限まで達していた真っ白な光は

太陽神テスカトリポカの眼を一時的にくらませた。

同時にクリスも目の前が真っ白になった。しばらくしてクリスは瞼を開けた。

気が付くとクリスは休日に訪れていたハワイ・オワフ島のリゾート高級ホテルの

スイートルームの白いベッドの上で大の字で眠っていた。

どうやら時間の巻き戻しか並行世界(パラレルワールド)の

移動かどっちか分からないが。

一応成功したみたいだな。何かに気付いたようだったが。

ドラキュラ伯爵は前回の時間軸で得た情報をクリスと共有した。

現在の時間軸まで約108回目連続ループを繰り返してようやく

109回目の時間軸に戻り、またイリスオブジェクトのある『柳星張の宇宙』へ

来たドラキュラ伯爵はクリスの記憶の目覚めに呼応して

前回の時間軸の198回目のひとつ前の記憶を思い出した。勿論、全てである。

「そうだ・・・・ヱヴァンゲリヲン4号機のコア(核)。霧島マナ。」

「その子は碇シンジと恋人だったと言っていたが。何者なんだ?」

ドラキュラ伯爵はクリスの質問をした。

そのクリスの質問をきっかけに脳裏に過去のヱヴァンゲリヲン

存在する世界のネルフのとある場所で。

ゼーレのメンバーとネルフ司令官のゲンドウの会話の記録が流れ込んだ。

どうやらここマイナス宇宙では過去と現在と未来が混沌としているようだ。

それはまるで混沌の無線のようだった。

「あの君の息子の恋人は我々にとって厄介な存在だ」と議長のキール・ロレンツ。

「左様!彼の先生のところから来た田舎娘は何とかせねばならぬ」

「君の息子の碇シンジの恋人霧島マナ。彼女の存在は偽りの希望だ。」

「彼女は堕天使ルシファーだ。計画の妨げになるだろう。」

「ならば!排除するまでですよ!偽りの光は消えてしまえばいい!」と碇ゲンドウ

「では排除は君では無く我々が何とかしよう。神の子は二人もいらぬ!」

 

(第33章に続く)