(第35章)ラミエル

(第35章)ラミエル

 

「私の帰るべき場所はお父さんとお母さんのいる家族と『おこさまぷれーと』の

メンバー達と動画を見てくれいる不特定多数のリスナーさんや

チャンネル登録者様にあとーあとーえーとーえーと。

大勢と活動の拠点になっている『おこさまぷれーとハウス』。

そこが私の居場所アイドルグループが私の居場所!」

咲夜は明るく答えた彼女の答えに満足した。

さらに咲夜は自分が思い出した事をのぴの周りにいた『おこさまぷれーと』のちゃき。

ゆいにゃ。りあらに伝えた。その霧島マナと言う14歳の女の子の魂の入った

ヱヴァンゲリヲン4号機のコア(核)の存在について。

ヘンリック・ターナを追いかければいいんやな」とちゃき。

「見つけたら?どうすればいい?」とりあら。

「実はそれが分からなくてな・・・・・」と申し訳ない表情でちゃきは言った。

「とにかく行くだけ言っても。分からんかったら・・・・」と不安を感じるゆいにゃ。

ゆいにゃとりあらとちゃきはそのまままたしてもイリスオブジェクトのコア(核)の

最下層の底の部分に沈んでいるもう一つの霧島マナがいる

ヱヴァンゲリヲン4号機のコア(核)へと泳ぎ回り、探し、行動を開始した。

そして何故か覚えていた前回のループの記憶を頼りに底へ辿り着いた。

すぐに『おこさまぷれーと』3人はヘンリックと霧島マナの入った

ヱヴァンゲリヲン4号機のコア(核」を見つけた。

すかさずちゃきが自前の大声を張り上げた。

「見つけたでええええっ!こんのおおおおっ!変態やろおおう!」

「ヘンリック・ターナ!最低男!観念しいや!現実(リアル)に帰ったら覚えておき!

警察に逮捕されるんやでえええっ!!」更に続けてりあらは叫んだ。

するとヘンリック・ターナはクスクスと笑った。

そして口を開けてそう言った。

「無駄だよ!『絶滅と進化』の確約は済んでいるんだよ!」

「いいや!確約してもクリーンオフは出来る筈や必ずな!!」

ちゃきはどや顔でヘンリックに堂々と大声でそう言った。

りあらとゆいにゃはノリに乗って「そうや!そうや!」と口を揃えて言った。

彼女達の主張にヘンリックは「えっ?」と目が点となり、茫然となった。

それから「見つけたよ!真っ赤な球体と霧島マナちゃん!!」りあらは声を上げた。

ヘンリックは激しく戸惑い動揺した。さらに慌てふためいた。

「なっ!ユーチューバーの一般人の癖にッ!

どうして?そんな事を??知ってんだ!!」

ヘンリックは心の中で『マズイ。封印の儀式を使われたら・・・・」と思った。

「よし!来たでえええっ!霧島マナちゃんあとは・・・・・」

りあらはゆいにゃとちゃきを見た。そして二人は会話した。

「彼女ならイリスオブジェクトを完全に封印できる!あとは・・・・・。」とちゃき。

「のぴと咲夜って女の子と会わせれば何とかなるんや!!」とゆいにゃ。

「封印の儀式はやらせないぞおおおおおっ!絶望させてやるうううっ!」

ヘンリック・ターナは狂気に満ちた鬼のような恐ろしい形相で

ゆいにゃとちゃきとりあらに全力で死に物狂いでダッシュして襲い掛かって来た。

ヘンリック・ターナは狂気に満ちた鬼のような形相で

『おこさまぷれーと』のちゃきとりあらとゆいにゃに襲い掛かった。

その表情は途轍も無く醜く両瞳の白目を喪失させて全て真っ黒な瞳に変化した。

同時に真っ黒な瞳はさらに途轍も無く大きく丸くなった。

ガバッ!と口を開けると3本の緑色の蔓のような触手を口内から

するすると一気に伸ばした。更に獣のような「グルルルルッ!」と唸り声を上げた。

ちゃきは恐怖の余り、絶叫してガクン!と腰を抜かしてイリスオブジェクトの

真っ赤なコア(核)の赤い床の上に座り込んだ。

「きゃあああああああっ!なんや!人間ちゃうやんっ!」とちゃき。

「うわあああああああああっ!お口から!

お口から!蔓がにょににょき!」とゆいにゃ。

「ちょっと待って!こんな話聞いてへんッ!

うわあああああっ!ヤバいっ!」とりあら。

「何を言っているウウウウッ!俺は人間だああああああっ!人間だあああっ!

私は選ばれた人間なんだああああああっ!若村様の人類補完計画!!

単体生命体の進化!!それこそが人類の救済の道イイイイッ!」

「ふざけんな!わてらはそんな救済なんて望んでへんぞ!!」

「無駄無駄無駄無駄無駄ああああっ!!

無駄あああああっ!ここは人間の魂が沢山ある!

若い女性達の魂は人間を超えて神になるんだあああっ!」

ニコルちゃんも私とひとつになるんだあああっ!

この神の計画を邪魔するならあああっ!

手始めに君達の魂を私の中に取り込んでやるうううっ!」

ヘンリック・ターナはもはや異形の怪物。

それも巨大な蜘蛛の怪物にみるみる巨大化して姿を変えて行った。

それは約20mに達した。ヘンリック・ターナは虚空の床に四つん這いになった。

更に両脚と両腕もスルスルと細長く2っまでまるでゴムのように伸びて行った。

やがて両膝と両肘がコキコキコキと音を立てて関節が不自然に曲がった。

更に巨大な5本指の人の両手足をバン!バン!バン!バン!と虚空の床に叩きつけた。

真っ黒な瞳から大量の真っ赤な血の涙を流した。

「ああああっ!私は私は私はずっと!ずっと!ああうぐあああっ!!があああっ!!」

そしてもはや異形の怪物熱いは悪霊と化したヘンリック・ターナは

ガサガサとまるで高速で走り回るゴキブリのように四肢を動かして這い回った。

「うぎゃああああっ!やだあああああああっ!!」とりあら。

「ぎゃあああっ!キモイ!ヤバい!めっちゃ!気持ち悪い!!」とゆいにゃ。

「まって!まって!きも過ぎる!みんなあっ!逃げてええええっ!」とゆいにゃ。

慌ててゆいにゃ、りあら、ちゃきは蜘蛛の巣を散らす様に逃げ出した。

「逃がさアアアアン!逃がさんぞおおおおおおおおっ!」

絶叫しながらまるでゴキブリのように高速で移動して最初はちゃきに狙いを定めた。

ヘンリックは口内から伸びた3本の1本の緑色の蔓のような触手を伸ばした。

続けて触手の先端が円形に開いた。どうやらちゃきを頭から丸呑みにする気らしい。


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しかしすぐにヘンリック・ターナの背後でファーファーと奇妙な音がした。

不意にヘンリック・ターナは敏感に音に反応してぴたりと動きを止めた。

「ごごはあっ!理想の人類のオオッ!さいごのらくえーん!なんだあ???」

ヘンリックは背後の異変にようやく気付いた。

「私のオオオッ!する奴はあああああっ!容赦しなあああああいっ!

私が若村様に命令されてええええっ!ここで私はあああっ!

選ばれた純白の若い女性の魂とおおおっ!交わってえええええっ!

女神を従者となる神々を産ませるのだあああっ!

私は魂を飲み込み!胎内で交わり!排出する!

そして妊娠した若い女性達は沢山の女神の従者となる神を産み出続けるのでえええす!

だからあっ!君もそのひとりです!邪魔はッ!あああっ!」

ヘンリック・ターナはゆっくりと異形の怪物なった顔を音の下の方に向けた。

すると背後で霧島マナが閉じ込められているヱヴァンゲリヲン4号機のコア(核)

はあっという間に真っ赤な球体から正八面体に変形した。

続けて十字架の形に変形した。

更に十字架の先端の四角いブロックと青い球体の

入った三角形の突起が真っ赤に発光した。

さらに機械的な女の子がどこから聞こえた。

「強力な邪気と欲望の悪霊を検知!!排除します!!」

「なにおおおおっ!言ってやがあああああああうううっ!

俺は神霊!聖霊だあああっ!」

ヘンリック・ターナは激怒するとヱヴァンゲリヲン4号機のコア(核)に

またまるでゴキブリの様にガサガサと這い回り、口から唾を吐き散らした。

それから顔を真っ赤にして詰め寄った。

それは怒れたただの悪霊となった恐ろしい顔をしていた。

やがてエヴァンエリオン4号機のコア(核)の

四本の細長い真っ赤な線が中央に集束した。

同時に正面の中心の先端の突起が真っ赤に発光した。

そして集束した全ての突起の先端はクルクルと駒のように回転し続けた。

キィイイイイイイイイイン!と言うチャージ音の後、一瞬だけ間が開いた。

続けてズドオオオオオオオオン!と言う轟音と共に

超極太の真っ赤に輝く光線の砲撃が炸裂した。

その放たれた超極太の真っ赤な光線は一直線に巨大な蜘蛛の姿をした

悪霊となったヘンリック・ターナの全身を包み込んだ。

それはまるで正確にまるで精密に計算されたかのように『おこさまぷれーと』

の2人組には直撃もかすりもせずにヘンリックのみに命中させていた。

ヘンリック・ターナは断末魔とも取れる絶叫を上げ続けた。

そして反撃すら出来ぬまま蜘蛛の巨大は爆四散して消滅して行った。

やがて悪霊となって板蜘蛛の巨体からただの普通の一般人と変わらない

ヘンリックの魂とアストラル体が現れた。

彼はまだ怒って反撃しようと人間の姿のまま両足と両手をバタバタ動かした。

しかし次の瞬間、ヘンリックの魂とアストラル体は真っ赤な

結界のブロックの結界に閉じ込められた。

そしてヘンリック・ターナの悪霊の排除と無力化したヘンリックの魂と

アストラル体を結界で封印した後に役目を終えてそのまま

閉じるように無数の長四角形の真っ赤なパーツが動き、

元の八面体の形にガチャっと戻った。

それからすぐにヱヴァンゲリヲン4号機のコア(核)に戻った。

「排除封印完了!引き続き警戒モードに移行する!!」と機械的な女の子の声がした。

おこさまぷれーとのちゃき、ゆいにゃ、りあらは余りの突然の事に虚空の床に

転倒したままさっきの出来事をただただ目を丸くして口を開けて黙って見ていた。

ちなみに転倒のはさっきの爆発音と衝撃波に驚きバランスを崩してしまった為である。

「さっきのは・・・・・なんや・・・・・」とちゃき。

「ヤバい!ゆいにゃあっ!あっ!さっ!触ったらあかん!

ヤバい!ヤバ過ぎだって!」と遂に泣き出したゆいにゃ。

するとヱヴァンゲリヲン4号機のコア(核)から機械的な女の子の声が

ゆっくり口調でまるでテキストを読み上げる様に淡々と答えた。

霧島マナさんをベースとした対兵器。

私は『対魔獣ホラー・悪霊用・天魔型防衛兵器ラミエル』、

製造責任者はガルヴァスターD・スカーレット伯爵夫人。

製造元は『ガルヴァスター錬金技術開発機構』です。」

「なっ!そっ!そうなん?あれ?あのー霧島マナさんは??」

ちゃきは動揺しつつもラミエルと名乗る機械の女の子ははっきりとした声で答えた。

「はい!霧島マナさんならここにいますよ。私は彼女とヱヴァンゲリヲン4号機の

コア(核)をガルヴァスター・D・スカーレット伯爵夫人が

このイリスオブジェクトの真っ赤なコア(核)から発見され、調査。

このイリスオブジェクトの活性化により。

外神ホラー・イリスが復活する可能性がある事が判明。

それ故に世界や人類の未来を左右する事も分かりました。

ガルヴァスター・D・スカーレット伯爵夫人は魔獣ホラーや悪霊達が将来。

イリスオブジェクトを自らの邪神と欲望及び選民思想の為に悪用される事が

無いように『対魔獣ホラー・悪霊用・天魔型防衛兵器』として改造。

私は初期のオリジナルのプロトタイプです。

後にオリジナルのコア(核)の防衛以外にもスカーレット家の

重大な存在や秘宝と言ったものを隠して

悪意のある人間やホラーの組織や集団から防衛する為に

霧島マナさんとヱヴァンゲリヲン4号機のコア(核)のクローンを

組み合わせて無数の姉妹兵器が製造されています。

これをガルヴァスター・D・スカーレット伯爵夫人は私の姉妹機を

ラミエルシリーズ』と呼んでいます。説明は以上です。」

なんか凄い話を聞いちゃったな~。あかん。大丈夫か?

わてら消されたりせえへんよな?とりあえず手を出さなかったら。

多分やけど。大丈夫やろうな。今はそれよりもー。

彼女の説明を聞いて口をあんぐり開けてぼんやりしているゆいにゃとりあらに代わって

ちゃきは人間代表として心の中の色々な不安と戦いつつも勇気をもって口を開いた。

「ヘンリック・ターナはどうなったん?そのブロックに閉じ込められたまんまか?」

そう言ってヱヴァンゲリヲン4号機のコア(核)の真っ赤な球体近くに浮いている

真っ赤なブロックの結界を指さした。

するとラミエル機械的な女の子の声でこう答えた。

「勿論!貴方達同様に彼の魂も元通りに肉体を復元させた上で

現世(こちら側・バイオの世界)や

その他の並行世界(パラレルワールド)のあるべき場所へ強制送還させます。

ちなみに魔獣ホラーはもちろん、元々いた真魔界に強制送還しますよ。

そして現世(こちら側・バイオの世界)に戻した人間の事は

人間社会の法律に任せます。

しかしその為にはこの終末の世界を元通りの世界に復元しなければいけませんね。

さっきの巨大な蜘蛛の姿をした悪霊は人間個人の性欲と支配欲と選民思想の意識が

増大した事による一時的な自我崩壊によって起こった成れの果てです。

これらはガルヴァスター・Dスカーレット伯爵夫人の錬金術の研究チームから

完全な精神崩壊による変異型の悪霊の状態を『ゲシュタルト崩壊体』と呼びました。

しかし私の力を使えば悪霊部分は排除できます。しかし個人の罪は消せません。

あとは彼の気持ち次第でしょう。

勿論、元の人間になれば法律で罪に問われるでしょう。

何故なら。ここに来れたと言う事は邪悪な理由で罪を犯してきたようですからね。」

リあら、ゆいにゃ、ちゃきは重苦しい空気に圧倒されて無言になった。

勿論、今回は自分達が単純に若村秀和の人類補完計画に巻き込まれただけだったが。

もしも自分がそうだとしたら?と考えるだけで

言いようの無い恐怖を感じ背筋が凍った。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

全員お互い、顔を見合わせて顔面蒼白のまま長い間、3人は無言となった。

「それにのぴさんはもうすでに『ネガブドネザルの鍵』は起動していますね。

これから彼女の精神世界の最奥層に

潜んでいたであろうあれを目覚めさせるでしょうね。

あれは『巣食うもの』です。

そいつはあの子が母親の子宮から産まれて初めて生命(いのち)を

授けられた瞬間から赤子の頃から彼女の体内に存在していました。

しかもその頃から不完全な存在で力は余り強くありませんでした。

それからのぴさんが赤子から大人になるまで成長し続けると同時に

『巣食うもの』も成長し続けていた。

さらに『巣食うもの』は自らの世界の終末の目的を達成する為に

自ら欠けた部分を手に入れようとした筈です。

しかし『おこさまぷれーと』のアイドルユーチューバーとして

日常生活でのぴの身に怒った事をしばらく考え続けたが。

なにも思い当たる事は無かった。

りあら。ちゃき。ゆいにゃもなにも思い当たる事は無いので困惑してしまった。

すると機械的な女の子の声をしたラミエルはこう言った。

「それも当然でしょう。

全ては目に見えない影と闇の霊的な世界の中の出来事ですから。

普段の表の物質的な世界に生きている貴方達や当の本人にも

全く自覚も無ければ出来事に出会った記憶すら存在しないでしょう。

しかし霊的な世界において明らかに本人が強過ぎる霊感によって実際は大量の

悪霊達や怨霊達を呼び寄せています。まるで街灯の光に集まる蛾のようにー。

普通の人間の精神は崩壊して狂気に満たされてとてもですがー。

人間の自我を保つ事は無理です。

しかし何も無い、彼女の精神にほとんど影響も無く。

自我も崩壊せずにちゃんと日常生活を送り、無自覚で普通に生きていられる理由ー。

その『巣食うもの』は大量の悪霊と怨霊達を捕食していたからです。」

途端におこさまぷれーとのちゃきとゆいにゃは顔面蒼白になった。

唯一、りあらだけは「わーすごい。こわーい」と何故か呑気に楽しそうに聞いていた。

「その・・・・正体はなんぞや?ね?」とちゃき。

「不明です。不完全で目に見えない何か。それは現時点で特定する事も認知も不明。」

ラミエルは淡々と3人の質問に答えた。同時に3人の心に不気味な恐怖が走った。

「でっ?でも!産まれた時からきっと!

のぴの事を守ってくれてるんやろ?」とゆいにゃ。

「そう。そうやで!きっと守護神か何かやろ?」と真剣な表情のちゃき。

「うん!きっと!本当はいい奴!そうでしょ?」と嬉しそうに言うりあら。

彼女達の反論にラミエルはハア―と人間らしい溜息をついた。

それからゆいにゃとちゃきとりあらに改めてこう質問をした。

 

(第36章に続く)