(第55章)8次元から来た異世界の熾天使(セラフ)。

(第55章)8次元から来た異世界熾天使(セラフ)。

 

アメリカ合衆国ニューヨーク市内のチェルシー地区とある廃病院の待合室。

そこはかつてのチェルシー地区の一角にあった小さな病院だったが。

とある頭の狂った眼科の男性院長が別の異次元つまり。

ここ最近、ネット上のSNSで流行している都市伝説で

1人の青年の患者の眼球に特殊な目薬を差して顕微鏡を覗かせて。

少し自分の妻と口論している間に患者の青年の眼球に寄生。

急激に成長した事で巨大な目玉の異生物が8次元から3次元に侵入してきた。

その狂った眼科と助手の2人の男のそれぞれの妻と

性交渉をして子孫を残したと言う話である。

そもそも肝心の目玉の異生物が実在するのかは不明である。

故に8次元が存在するのかは謎だが。

そこから現れた親と子の3匹の目玉の異生物は2030年

現在の長々とその廃病院を彷徨い続けているそうだ。

さらに目撃者によるとその目玉の異生物は通りすがりの大学生や

会社員の男性や女子高生や女子中学生や老人等の大勢の人々が

その目玉の異生物の目撃情報をネット上のSNSや大量に画像や映像が投稿されていた。

さらにこの廃病院の建物を買ってNPO法人

被害女性救済だかの公用施設にしたいと言う女性代表者がいて。

『おかしな目玉の怪物がいるから追い払って』と

リヴィアのゲラルドとライアンに依頼していた。

探偵事務所に来て大金でも払って無理矢理にでもやらせようとした。

そして2人は現場に来ていたのである。

ゲラルドとライアンの2人は病院の一角の眼科のもはやボロボロ過ぎて

原形を留めていないものの多分。診察室と思しき広い部屋に入った。

その原形を留めない診察室の広い部屋はうす暗く眼科が使うような

埃まみれの医療器具や眼球の動きを見る為の装置が置いてあったり。

木の床やコンクリートの上にたくさん転がっていた。部屋の隅にベッドがあった。

しかしそこに犯人と思われる目玉の異生物もおらずもぬけの殻だった。

「外れだったな。ここにはいない」と首を左右に振りライアンは言った。

「俺達の気配を察知して逃げたかも知れんぞ!」とゲラルド。

しかし急に大きなガタン!と言う大きな音とタタタタッ!と誰かが走る音がした。

「聞えたか?」「あああ!あっちの方だぞ!」「よし!急ごう!」「分かった!」

ライアンとゲラルドは短い会話をした後に走り出した。

どうやら物音は診察室のすぐ隣の薬棚を保存する小部屋からのようだ。

リヴィアのゲラルドは先頭になって薬を保管する小部屋のドアを勢い良く開けた。

すると机の上に黒い影らしきものが見えた。それは女性の人影にも見えた。

 

再びアサヒナ探偵事務所の所長室でアサヒナ所長にギルマン・マーシュは

愚痴をまだ零し続けていた。しかもその愚痴も早口で良く垂れ流していた。

「そして結局はこの世で生きるのに必要なのは不特定多数の人物が

パソコンやSNSの画面を血走った目で見つめて無理矢理自分価値観を押し付けたり。

自分が気に入らないと言う理由で何十年も水子供養

なりすまし発注注文を繰り返して嫌がらせをし続けたり。

特にあの過激派ポリコレやフェミニスト共は大声で喚き散らしたりして!!」

彼はさらに長い話に加えて自分が溜め込んだ

愚痴を盛大にアサヒナ所長の前で語り始めた。

「パソコンやSNSの画面やキーボードの中の限られた所しか指を動かすだけで

自分自身の身体もロクに動かせない年老いた人間どもや意味も無く広場や街に

自然と集まってプラカードを掲げて馬鹿みたいに。あーあ。つまりだな。

金も権力も無いばかりか。

たかが一般人の平和ボケしている連中に世界は何も動かせない。

つまり権力も金持ちも知的な計画も建設的な話も交渉も出来ない連中はただのアホだ。

馬鹿みたいに大騒ぎして大勢の人々が普通に暮らしていた日常の平和的な女性や

アニメキャラやCMの宣伝の仕事を奪って居場所がなくなり。全く馬鹿な連中だ。

そんな風に世界や物事の常識な知識も法律もフェミニストの高度な知識も

権力も金も無い奴は無理だギョ。

出来るのは私のような高度な知識と権力と金のあるごく一握りの奴らだけだギョ。

あんな過激派ポリコレもフェミニストも世界の人々の心を変えられないさ!」

彼は両手を挙げて肩をすくめて見せた。そしてしゃべるのを止めてしまった。

まあーあの大人達はただ意味もなく大声で喚き散らしている

だけだから無視すればよいギョ。どうせあいつらはタチの悪い当たり屋だからな。」

アサヒナ所長の前でギルマンは何故かクスクスと笑った。

続けてギルマンは「しーつ」と声を出した後に「実はここだけの話」と切り出した。

「実はな。我々も魔獣新生多神連合の連中と同じビジネスを始めていてな」

アサヒナ所長は「ああ、あのビジネスか?」と思い当たった。

ギルマンはご機嫌よく「察しがいいね!」と嬉しそうに言うと話を続けた。

「我々ギルマンマフィアは裏で多数の映画会社と色々裏金で取引してな。

過激派ポリコレやフェミニスト共のせいで公開中止や制作中止に追い込まれてしまった

無数の映画やアニメやドラマのフィルムを非合法なもので権利を買い取ってな。

幾つもの闇市場(ブラックマーケット)で大量にDVDやらフィルムやらを

売りさばいてボロ儲けしているのさ!しかも我々の事業は全米に拡大しつつある。

ついでにモグリ酒場には非合法で映画やドラマやアニメが上映と放送していてね。

少なくとも我々は過激派ポリコレや

フェミニストはただの平和ボケした連中でしかない。

権力も金持ち的な計画も建設的な話も交渉も出来ない。

大騒ぎする事しか脳みその無い感情的な連中は例えモグリ酒場に押し掛けてきて。

アニメキャラや平和な女性やCMや宣伝をする仕事をする

働くのが好きな女性達の居場所を奪う為に店内で暴れたり。

直ぐに仲間のマフィア達がトンプソンを向けて

怒鳴り散らせば馬鹿みたいに逃げて行く。

所詮はその程度の連中さ。そして我々マフィアは毒親や環境が悪いせいで

家出して居場所の無い少女達やAV女優の仕事を失った若い女性達を積極的に雇い。

ちゃんと働いた分の給料も支払っている。暇なら君も来ていいよ。

他にも新しい酒を製造して売買している新しいビジネスを始めたよ。」

「怪しくないの?」とアサヒナ所長は疑いの目でギルマンを見た。

「何も入って無いさ!かなりおいしくて面白く客には好評だよ。

おかげで酒場の売り上げと共にテレビドラマ代とアニメ代でさらに儲けて貰っている。

我々ギルマン・マフィアはガッポガッポ大儲けさ!!」

ギルマン・マーシュは「がっはっはっはっは!」と悪党らしく高笑いした。

「そうだな。とりあえず映画やドラマやアニメのフィルムや権利や

DVDやVHSビデオや8mmビデオなんかが

映画会社数百社から払い下げや横流しした膨大な在庫があるのさ。

軽く見積もって。そうだな年間数百ドルはあったかな?」

アサヒナ所長は遂に呆れ果てて「うわあ」と声を上げた。

「ついでに密輸トラックも何億台もおまけ付きさ!」

ギルマンはそう付け加えてニコニコと下品に笑って見せた。

「勿論、君達は探偵で所長の君の知っての通り。

我々と君とアサヒナ探偵事務所の

建物の建設と解説に必要な多額の資金も援助したよね?

我々と君と教団とは金銭的繋がりがある。

我々も『教団』と『インスマス』もかなり時代が移り変わり過ぎてね。

今じゃ勢力も弱体化しつつある。

今の我々に昔ほどを大きな支配権は存在しない。

インスマス商業もほとんど駄目になっちまっている。

政府のせいで『インスマス』も『教団』も無茶苦茶にされたよ。

ジャズエッジの時代からアメリカ政府は我々の計画の邪魔をしてきた。

アメリカ政府はインスマスによる取り締まりと一掃作戦を展開して。

『インハスレ』も『インスマス』もアメリカ政府の送った

アメリカ海軍の魚雷を撃ち込まれて完全に破壊し尽くされてしまったギョ!」

これも頭のおかしいジャズエッジ時代当時の加害者にして狂気の傭兵探偵団共!

あいつらは映画や本で人間達は大騒ぎしているけど。

実際に彼らの被害に遭った我々、被害者にとっては当時は最悪の世代だギョ!」

「確か?ベストセラーの『テレジア伝記』と『アイリーン冒険記』の??」

「そうだギョ!その通りだギョ!我々にとっては悩みの種だったギョ!

我々もあいつらをどうしていいのか分からずに困り切っていたギョ!

みんな幹部も教祖も悪名として我々の歴史に刻まれている。

あいつらにはかなり手を焼いていたギョ!破壊し尽くされて何も残らないギョ!

ショゴクもダゴンもハイドラもあっさり倒されるし。

ストレスが溜まりまくりだギョ!

しかも永遠生き続けるせいでストレスは溜まる一方だギョ!」

ギルマンはまるでジャズエッジの時代に生きていた(不死だからそうだろう)

あの時代を振り返り大袈裟に溜息をつき、「大変だったギョ!」と回想したのだった。

「あいつらの武勇伝が知りたきゃ!映画なり、本を見るか読んでくれギョ!」

ギルマンはうんざりした表情でアサヒナ所長に短く言うと。

これ以上、ジャズエッジ時代の探偵の事を話したくないのだろう。

彼はあっという間にその話を切り上げて終わらせて口を閉じた。

ギルマンはゆっくりと事務所のソファーから立ち上がった。

「と言う訳で『大会の資金の横流し調査をよろしくギョ!」

「分かりました探偵としての仕事としてやらせて貰います。

「そうして貰いたいギョ!のぴさんが例の『震える者』の力が目覚めれば。

彼女の力の調査の為に『アトス』や『アデプト』が動き始めるギョ!

「勿論!分かっているわよ!」とアサヒナ所長は答えた。

ギルマン・マーシュはアサヒナ所長に

見送られてアサヒナ探偵事務所から去って行った。

 

再びニューヨーク市内のチェルシー地区とある廃病院の眼科専門の

診察室の隣の薬類を保存する小部屋へ侵入した時、女性らしき人影を見た。

どうやら日本人女性でその特徴と名前は以下の通りである。

名前は田村ゆかりである。そしてー。

彼女は何故か裸で茶髪のお団子の髪型に緑色のリボンを結んでいて。

前髪は左右から大きく広がるように真っ直ぐ細長い三角形に伸びていて。

薄い茶色の細長い眉毛。ぱっちりとした茶色の瞳。

丸っこい低い鼻。ピンク色の唇。両頬はふっくらと少しだけ紅潮していた。

白い前歯を見せて笑っているようにも見えた。

更に張りのあるスイカサイズの巨大な

丸い両乳房とピンク色の乳輪と乳首は屹立していた。

どうやら催眠術か何かに掛かっているらしく彼女の瞳は虚ろだった。

彼女は恍惚とした表情で瞼を閉じてした唇を噛み「うううっ!」と唸り続けた。

彼女の薄い茶色の細長い眉毛はハの字になり額にしわを寄せていた。

間も無くしてその机の下からまるで伸び上がりの様ににゅるにゅると

あの噂通りの巨大な目玉の異生物が姿を現した。

それはまるで人間の眼球全体が変形してしまったようで。

巨大な眼球の頭でっかちな頭部に真っ赤なごつごつとした

表面の視神経の形をした太く長い胴体。細長い大量の節のある長く先端が長い尾。

そして恐らくその先端が生殖器であろう。

そして脚に当たる部位がウネウネと上下左右に動き、空中で踊っていた。

熾天使キラーアイはその真っ赤な太く長い視神経の触手の両腕で田村の胴体を抱いて。

まるで人質にでもしたいかのような仕草を見せた。

リヴィアのゲラルドは背中に背負っている鞘から銀色の両刃の長剣を引き抜いた。

しかし人質にされている田村あかり氏が盾にされているので迂闊に攻撃できなかった。

それから素早く熾天使キラーアイは近くの眼科の診察室の四角い窓を見た。

同時に田村あかりの性的興奮が絶頂に達して甲高い声を上げさせた後に。

それを合図に熾天使キラーアイはその四角の窓ガラスに体当たりした。

バリイイン!と大きな音を立てて堕天使キラーアイは田村から

離れて窓ガラスを怪力で破壊して外へと逃亡した。

「しまった!」リヴィアのゲラルドは背中に両刃の長剣を納めて言った。

そして催眠術の解けた田村あかりは机の上に横向きに倒れた。

ライアンは直ぐに聖ミカエル病院の特殊生物産婦人科

911スマートフォンで電話した。

間も無くして運よく事件現場からさほど遠くない場所の

お陰で救急車は直ぐに駆けつけてきた。

即座に田村あかりは聖ミカエル病院の産婦人科に搬送されて行った。

2人はレスキュー隊員に事情を説明して彼女の事を任せると。

リヴィアのゲラルドとライアンはこれ以上性被害者を増やさない様に

なんとか倒すか捕獲すべく行動を開始した。

ゲラルドは直ぐにウィッチャーセンスを使い、

逃げ出した熾天使キラーアイを追跡した。

 

同時刻。アサヒナ探偵事務所から帰って来たギルマン・マーシュはそのまま。

ダゴン密教団』が所有する地下研究所のエレベーターに乗った。

そして彼は地下3階から地下6階に降りた。

暗い廊下の先の監視室は地下6階の下水道の区画の一部利用して作られたものである。

ギルマンはいつものように偉大なるクトゥルフに祈りを捧げた。

続けて彼は監視室で今日の分のニューヨークの地下6階の飼育スペースにいる

ボストン最大種の超巨大ショゴスに関する定時の作業を始めたのだった。

ギルマンはいつものようにモニター画面の電源を付けた。監視室のモニターには。

ボストン最大種の超巨大ショゴスが棲み付いている地下の下水道内の中央の

そこの深く深い広大なプールの中にある

綺麗な下水道水の中をモニターで映像を表示した。

下水道の広大なプールの内部の遥か深い超合金の底でボストン最大種の

超巨大ショゴスは無数の目をつぶってすやすやと眠っていた。

そしてボストン最大種の超巨大ショゴスは下水道のプールの

遥か底の床の上で動かずじっとしていた。

それからまた別のモニター画面に切り替えるとニューヨークの地下の

下水道の一部の区画の場所から別の場所の広場に

別の実験体の『死神(リーパー)』の実験場と同じような

造りの大部屋の厳重に管理された巨大な水槽の中にある玉虫色のショゴス

落とし子の卵がしっかりと綺麗に長四角に並べられているか確認された。

20000万個の卵は既に約3割の卵から人間の若い女性のDNAと遺伝子を

半分を持つショゴスの落とし子の胎児ほどのサイズの

玉虫色の不定形な姿をした子供が次々と孵化していた。

どうやらこちらも別の実験体の『死神(リーパ)』と同じく

育成や卵の状態は順調のようだ。

彼は真剣な表情で何かの電子機器やスイッチを見ていた。

その電子機器やモニター画面やコンピューター機械や

電子柱は普通の形をしていなかった。

それは狂ったような正に人類世界とは異なる

ユークリッド幾何学的球体や次元を連想させる角度と面を持つどれも

常人の正気を失わせるのに十分な異常な形をしていた。

ギルマンは上階の機械のモニター画面と同じように非ユークリッドの形をした

球体コンピューターを手慣れた様子で操作した。

そして球体に表示された長四角のモニター画面を何回か切り替えながら見ていた。

モニター画面には玉虫色に輝く球体の先端にご立派な形をした

太く長い柔らかく硬い触手が生えているボストン最大種のショゴス

スーパーフラッパーの人間の娘達の間から産まれた

ショゴスの落とし子の生体サンプルの画像を見ていた。

さらにショゴスの落とし子の生体サンプルの画像の横側には。

『このショゴスの落とし子はボストン最大種のショゴスの細胞を

人工的に複数にクローンとして分離させたミ二サイズを使用している。』とあった。

ギルマンが次の場面に切り替えると今度は玉虫色に輝く卵の映像に変わった。

また映像の横側に文章があった。

『卵は玉虫色に輝く精子卵子が受精する事によって誕生。

人間の女性の子宮の中で育ち出産する』とあった。

 

(第56章に続く)