短編小説・無敵の歩兵

(最終章)感染

(最終章)感染 ブレッドはカイル隊長の額にハンドガンを向けた。 続けて彼は警告も無く再びハンドガンを発砲しようと指を掛けた。 次の瞬間、パアン!と乾いた音が鳴り響いた。 ブレッドはトム隊員と同じ様に両目をパッチリと開き、 驚愕の表情を浮かべた。…

(第6章)対決

(第6章)対決 暗視ゴーグルを付けたブラッドバックのメンバーの 隊員達は口々に感想を述べた。 「これで大丈夫だ」とカイル。 「良く見えるわ……便利なものね……」とミーシャ。 「反撃開始だ!」とトム。 それからカイル隊長、ミーシャ隊員、トム隊員と 拘束…

(第5章)幼体

(第5章)幼体 特殊部隊ブラッドバックのカイル隊長とトム隊員は ブレッドを連れて行方不明になったミーシャ隊員を探して、暗闇に覆われた 大きな廃工場の広い敷地内を懐中電灯やそれぞれの愛用銃に 取り付けられたライトの白い光を頼りに先へ進んだ。 「ミ…

(第4章)交尾

(第4章)交尾 カイル隊長は静かにブレッドにこう質問した。 「貴方は私とトムの攻撃を止めた時、こう言いましたよね? 『アシダカグモがベースだ!彼は根っからの狩人だ!』と。」 「そうだ!なんだ!あの訳分んねえ事を!そのせいで!アーサーは!」 トム…

(第3章)捕食者

(第3章)捕食者 「ブラッドバックです!イスから立って! 両手を上げて!頭の上に置いて下さい!」 狭い部屋に先に突入したカイル隊長は大きな声を上げた。 すると男はおとなしく椅子から立ち上がり、両手を上げて頭の上に置いた。 「貴方がブレッド・グラ…

(第2章)夜襲

(第2章)夜襲 ブラッドバッドのメンバー6人は隊長を 先頭に暗闇の廃工場の中を進んで行った。 その時、遠くの暗闇で物音がした。 「なんだ?」 リースは耳をすませた。 すると僅かだが何かを擦る様な音が聞えた。 また誰かの囁き声も聞こえた。 人間?ま…

(第1章)裏切り者

(畑内オリジナル短編小説)無敵の歩兵 (第1章)裏切り者 2015年。 アメリカ合衆国は2001年に発生したアメリカ 同時多発テロ事件以降、この世界は対テロ戦争の時代に突入した。 アメリカ合衆国政府はー。 メルデバック製薬会社の莫大な資金と技術…