ミミック・ウォーターゲート

(終章)奈落の王―アバドン―

(終章)奈落の王―アバドン― ジェレミー刑事、マーゴット刑事、ヴィクトリアの 3人が貸倉庫の外へ運ばれたのと入れ換わりに火炎放放射機の ガスボンベを背負った白い防護服の男達が大勢突入した。 ゴオオオオッと言う轟音共に貸し倉庫内に巣喰っていた ユダ…

(第10章)侵入と対決

(第10章)侵入と対決 ジェレミー刑事はようやくユダの血統の巣が ある貸し倉庫の中に足を踏み入れた。 「うわっ!なんだ?」 彼は貸し倉庫の中に入った途端、凄まじい蒸気と湿気に襲われた。 「なんだよ……空調設備はオシャカなのか?」 ジェレミー刑事は…

(第9章)ユダの血統の巣

(第9章)ユダの血統の巣 ユダの血統により休憩所の割れた窓ガラスから連れ去られた マーゴット刑事はふと意識が戻り、静かに目を開けた。 視界はまだぼやけていて良く見えなかった。 彼女はその場から動けるか試しに両腕や両足を動かして見た。 しかし両足…

(第8章)襲撃者

(第8章)襲撃者 その日の夜。 カイラ・ウルフ博士の詳しい事情聴取を終えたマーゴット刑事は その結果を報告しようとワシントンDC首都警察内の どこかにいるジェレミー刑事を探していた。 そしてたまたま通りかかった巡査部長に尋ねたところ。 「休憩所…

(第7章)迫る真実

(第7章)迫る真実 ジェレミー刑事とマーゴット刑事はカイラ博士が 所持していた黒い手帳を真剣な表情で読み続けていた。 何故なら黒い手帳には女性記者ケイト・クレインと マイケル上院議員の惨殺事件の捜査に関する 重要な手掛かりになり得る情報が書かれ…

(第6章)手記

(第6章)手記 ユダの血統について情報を得たマーゴット刑事と ジェレミー刑事は彼の自宅を後にした。 それからカイラ博士は2人の刑事が載せた車が自分の敷地内から 出て行くのを念入りに確認した後、直ぐにあの男に電話した。 「マズイ!刑事二人が家に来…

(第5章)暴走する遺伝子

(第5章)暴走する遺伝子 その日の満月の夜。 ワシントンDCの住宅街にある大きな自宅。 マイケル上院議員は今年の大統領選挙の為に再びホワイトハウスや各地で 自分の投票をアメリカ国民に呼び掛ける為、演説をし続け、 ようやく自宅に戻り、またいつもと…

(第4章)真犯人は?

(第4章)真犯人は? ジェレミー刑事は謎の男の意外な言葉に驚愕の表情を浮かべた。 「もちろん、僕は犯人じゃないよ。 でも犯人について心当たりがあるんだ。」 「なんだって!!」 驚きと混乱の入り混じった複雑な表情を浮かべている ジェレミーの顔を見…

(第3章)失踪

(第3章)失踪 それから数週間、ケイト・クレインを殺害した犯人を逮捕しようと マーゴット刑事とジェレミー刑事は現場周辺に住んでいる 住民達や殺害された彼女の周囲の親しい友人、 親戚等に手当たり次第、長い間、聞き込みを続けた。 しかし犯人に繋が…

(第2章)惨殺

(第2章)惨殺 「カチュカチュカチュカチュカチュカチュ!」 雑木林の中を歩き続けていたケイトは再び その怪奇音を聞くなり不安を感じた。 何故ならなんとなく自分の身に危険が迫っている感じがしたのだ。 彼女は怖くなり、忙しなく周囲を見渡した。 だが…

(第1章)忍び寄る人影

(第1章)忍び寄る人影 近未来のアメリカ合衆国・ワシントンDC首都警察にある通報があった。 どうやら通報によればウォーターゲートビル 6階の民主党全国委員会本部がある オフィスに6人の不審な男が侵入したという内容だった。 通報を受けたアメリカ在…