(第4章)交尾

(第4章)交尾
 
カイル隊長は静かにブレッドにこう質問した。
「貴方は私とトムの攻撃を止めた時、こう言いましたよね?
アシダカグモがベースだ!彼は根っからの狩人だ!』と。」
「そうだ!なんだ!あの訳分んねえ事を!そのせいで!アーサーは!」
トムは怒りがこみ上げて来たのか立ち上がるとブレッドの胸倉を掴んだ。
「隊長命令です!今すぐやめて下さい!今の私達に出来る事は!
今私達を襲っている敵の正体を突き止める事です!
目の前の人物に怒りをぶつけている余裕はありません!」
カイル隊長は厳しい口調でトムに言った。
トムは渋々、ブレッドの胸倉を掴んでいた拳を緩め、手を離した。
ブレッドはコンクリートの床に座った。
カイル隊長もコンクリートの床に座った。
トムは小さく「くっ!」と唸ると
カイル隊長に促され、コンクリートの床に座った。
「そう、あの異形の怪物『無敵の歩兵』のベースはアシダカグモだ!」
アシダカグモってゴキブリを退治するあれですか?」
「ああ、アシダカグモ科に属する大型のクモだ!
体長はそれぞれ雄が20か30mm、雌が10か25mmある。
足まで入れた全長は10mmから130mmある。
足を広げた大きさはCD一枚分の大きさだ。」
「うげえ。デカイ上に気持ち悪い。」
「そう言えば!昔、小学生のころ友達が
アシダカ軍曹って呼んでいましたね。」
「そう、その通り!実験用のアシダカグモはインドから輸入した。」
「つまり、あの異形の怪物はアシダカグモと人間を合成させたキメラ?」
「はあ?そんな事が可能なのかよ!SFじゃあるまいし……
トムは信じられない表情で首を左右に振った。
「理論上は可能です。」
「マジか……勘弁してくれよ!」
「そう、あの『無敵の歩兵』は私の最高傑作だ!!
故に私が造ったから私の物だ!あれを利用するのも私の勝手だ!
それで私と部下の研究員達はレトロウィルスの
病気の基となる遺伝子を排除、無害化させた後に
アシダカグモの遺伝子を組み込んだ。
主に手足の筋肉線維を発現させる遺伝子。
背中からクモの脚を発現させる遺伝子。
クモの毒腺を持つ挟角を発現させる遺伝子。
クモの消化器官を発現させる遺伝子。
このアシダカグモの遺伝子の一部が
含まれたレトロウィルスをベクター(運び屋)
ウィルスとして注射器を用いて実験体の
成人女性に投与した結果、誕生したんだ。」
「それが急成長した結果。俺達を襲ったって訳か……」
「ブレッドさん!貴方はクモの消化器官を
発現させる遺伝子とクモの毒腺を持つ挟角を発現させる遺伝子を
レトロウィルスに組み込んだと言いましたね。」
「そうだ、後の赤ちゃんの身体を健康診断含めて調べた結果。
食道内には毒腺を持つ挟角をもち、胃はクモの消化器官に変わっていた。
さらに食性検査では人間の食べ物を一切受け付けず、
クモと同じ動物の肉を食べる事が分かった。
つまり赤ちゃんから青年まで急成長した奴は
肉に飢えて人間を襲っている。」
「そしてクモの毒腺から毒を注入して獲物を麻痺させて。」
「消化液を注入して中身を美味しそうに頂く。
そして俺達は骨と皮だけの死体だな。
つまり俺達は活きのいい旨い餌と言う意味さ!
……くそったれ!最悪だぜ!」
「相手はアシダカグモ。ゴキブリ以上の移動スピードを持っています。
かなり手強い相手ですね。
数秒でも油断すればあっという間に殺されるでしよう。
それにアシダカグモは食事中に他の新しい生きた獲物を見つけると
既に死んだ古い獲物を捨てて新しい獲物に襲い掛かる習性があります。
つまりブレッドが言ったとおりあの異形の怪物は根っからの狩人です。」
「成程ね。分った。分った。つまり、ゴキブリのような人間達。
例えばテロリストのアジトにそいつを侵入させて。
アシダカグモの狩人の習性を利用してさ。
多数のゴキブリのようなテロリスト共を殲滅するとかさ。」
するとブレットは優越感に満ちた表情でこう言った。
「テロリストと言う名のゴキブリ共の掃除に
私が造った最高傑作『無敵の歩兵』が活躍するのだ。」
「でもテロリストにとっては最悪の天敵だな。」
トムはぽつりと言った。
 
カイル隊長、トム、アーサー、ブレッドがいる部屋からの脱出に成功した
ミーシャ・オ―トンは念の為、懐中電灯で
周囲の廃工場の広い敷地内の暗闇を照らした。
それは近くにブラッドバッグの隊員の姿が
いないかどうか確認したかったからである。
誰もいない事を確認すると彼女は右耳に付けられた
赤いピアス型マイクで密かに誰かと連絡を取った。
「はい!ブレッド・グラビアンス博士の説明によれば
『無敵の歩兵』はやはり赤ちゃんから青年まで急激に成長していました。」
ミーシャの報告に満足そうな男の声がした。
「そうか、ミーシャ。貴重な情報をありがとう!」
「例の実験はここで行います。」
「頑張ってくれ!この難局さえ乗り越えられれば!
アメリカ全国民をテロの脅威から救う事が出来る。期待しているぞ!」
「はい、マイク・ジョージ所長」と言うと無線を切った。
「期待していると言われても……ね……」
ミーシャは美しいピンク色の唇を動かし、愛らしい苦笑いを浮かべた。
彼女は首筋まで伸びた金髪を両手で優しく触った。
同時に彼女の両耳に付けられた赤いピアスが現われた。
迷彩色の軍服の胸のチャックを静かに降ろした。
彼女は軍服を脱ぎ、明るいピンク色の
ブラジャーとパンツを履いた下着姿となった。
ちなみに愛用の愛用武器の
スナイパーライフルB82Aは柱の陰に隠してあった。
あの『無敵の歩兵』を警戒させてはいけないと思ったからだ。
アーサーとリースを捕食した『無敵の歩兵』
は工場の広い敷地の暗闇から8つの真っ黒な複眼で
明るいピンク色下着の姿になっているミーシャを背後で観察していた。
急に『無敵の歩兵』は甲高い鳴き声を上げた。
ミーシャは急に甲高い鳴き声が背後から
聞えたので驚き、素早く振り向いた。
一方、『無敵の歩兵』は四足歩行から
上半身を起こし、二足歩行になっていた。
どうやら背後から彼女の下着姿を見ている内
にだんだん興奮して来たらしい。
ミーシャは愛らしい妖艶な笑みを浮かべた。
彼女は背中の明るいピンク色のブラジャーの留め金を外した。
同時に彼女の白い肌の大きな両乳房と
ピンク色の乳輪と起立した乳首が露わとなった。
ミーシャは両腕を上げ、美しいくびれの
ある腰を左右にくねらせ、挑発のダンスを続けた。
さらに挑発のダンスを踊り続けながら
『無敵の歩兵』に向かって楽しそうに声を掛けた。
「あたしの優秀な遺伝子が欲しい?欲しいならあげるわよ!ほら!」
彼女は後ろを向き、勢い良く両手でパンツを脱ぎ、
大きな丸いお尻を丸出しにした。
『無敵の歩兵』はバキバキと大きな音を立てて
口内から2対の巨大な挟角を伸ばした。
ミーシャは愛らしい妖艶な笑みを浮かべたまま、
腰を曲げ、大きな丸いお尻を突き出した。
『無敵の歩兵』の口内の2対の巨大な
挟角の中央から真っ赤な細長い舌が伸びて来た。
やがて『無敵の歩兵の』口内から伸びて来た真っ赤な細長い舌は
徐々にミーシャの突き出た大きな丸いお尻に迫って行った。
やがて真っ赤な細長い舌をミーシャの突き出た丸いお尻に突き刺した。
ミーシャはコンクリートの床に両掌と膝を付き、四つん這いになった。
『無敵の歩兵』は2足歩行のままだった。
やがてミーシャの白い肌の大きな両乳房は前後に大きく何度も揺れ始めた。
暫くして彼女は徐々に強い性的興奮を感じ、気持ち良くなって行った。
続けて全身が暑くなり、両頬と露出した両胸の深い谷間を紅潮させた。
やがて彼女の茶色の両瞳はトロンとなった。
「ああっ!気持ちいい!凄い!貴方!上手!来てえっ!ああっ!ああっ!」
彼女はそう呟きつつも口を大きく開け、
荒い息を吐き、甲高い喘ぎ声を上げ続けた。
彼女の白い肌の大きな両乳房は前後に更に速く激しく何度も揺れ続けた。
彼女は更に激しく荒々しい息を吐き、激しく甲高い喘ぎ声を上げ続けた。
「もっと!もっと!ああう!いい!!
もっと!もっと!もっと!あああああっ!」
暫くしてミーシャは最後にひときわ
甲高い喘ぎ声を上げ、性的興奮が絶頂に達した。
同時に『無敵の歩兵』の口から伸びた細長い舌は脈打つように
ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!激しく早く何度も収縮し続けた。
その後、ミーシャは疲れ果て、
うつ伏せに倒れたまま僅かに下腹部を痙攣させた。
「ハアッ、ハアッ、ハアッ、凄く……良かったわ!
ハアッ、こんなの初めての体験……ね」
ある目的を達して満足した『無敵の歩兵』
は二足歩行のまま徐々に後退した。
そして未だにうつ伏せに倒れたままの
ミーシャから離れ、暗闇の中に姿を消した。
ミーシャは性的に満足しきった愛らしい表情をすると
コンクリートの床から起き上った。
 
(第5章に続く)