牙狼Xバイオ3・真魔界竜編

(終章)黒炎

(終章)黒炎 3ヶ月前の8日目の夜の満月。 秘密組織ファミリーの本部に当たる大きな屋敷 ジョンの部屋でジルとジョンは既に お互い服を脱ぎ合い、全裸になっていた。 ジルは大胆にもジョンの逞しい胸板を両手で押し、 白いベッドの上に押し倒した。 続けて…

(第52章)小芋(スモールポテト)その5

(第52章)小芋(スモールポテト)その5 翌朝、BSAA北米支部にあるジルのオフィス。 ジルはディスクに向き合い、 クエントが書いた報告書を黙って目を通していた。 目の前にはちょこんと寝不足で腫れぼったい眼をして、 今にも大欠伸しそうな表情をし…

(第51章)小芋(スモールポテト)その4

(第51章)小芋(スモールポテト)その4 「もし?偽物だったら?」と言うジルの問いに 大きく深く呼吸し、目を閉じてしばらく考え込んだ。 間もなくして目を開け、パーカーは口を開いた。 「俺が全責任を取って!そいつを捕まえてやるっ!!」 「分ったわ…

(第50章)小芋(スモールポテト)その3

(第50章)小芋(スモールポテト)その3 クエントは自分がしでかした重大さを知らんふりして 全く反省する気ゼロのダリンの態度に呆れ果てていた。 「全く!貴方は無断で他の女の人を妊娠させたんですよ!」 「うーんそれの何処が犯罪なんだい?」 澄まし…

(第49章)小芋(スモールポテト)その2

(第49章)小芋(スモールポテト)その2 烈花とクエントは妊娠した5人の妊婦の担当をした 中年の産婦人科医の医師のいる待合室に向かった。 それから中年の産婦人科医の医師は2人におずおずと自己紹介をした。 「こんにちは!私はクリフ・ギリガンです…

(第48章)小芋(スモールポテト)その1

海外テレビドラマ『X-ファイル』のキム・マナーズ氏。 ヴィンス・ギリガン氏。ジョン・シバン氏。フランク・スポト二ック氏。 クリフ・ボル氏。ヴィンス・ギリガン氏。そしてクリス・カーター氏に (第1章)恋酒と(第47章)小芋のエピソードをオマージ…

(第47章)参上

(第47章)参上 翌朝・ニューヨーク市内のジルの娘・ アリス・トリニティ・バレンタインが通う 幼稚園で親子の為のカラオケ大会に出場する為、ジルはこの時の為に 髪を一時的に赤く染めていた。 一方、鋼牙も渋い顔をしつつも髪を一時的青く染めていた。 …

(第46章)誕生

(第46章)誕生 春野うららはステルス機能の付いた 宇宙船に乗って宇宙放送局に帰って行った。 ジルは自分のオフィスへ入って行くとパソコンに一通のメールが来ていた。 ジルはキーボードを指で巧みに操作し、パソコン画面にメールを開いた。 メールはB…

(第45章)原子(アトム)

(第45章)原子(アトム) 実はトリニティもアリスもさっき本物の心霊番組を見た影響により 一人で眠るのが怖くて堪らない為、今日は母親のジルと一緒に寝た。 「おやすみ」とお互い挨拶を交わし、電気を消し、ベッドの上で眠った。 翌朝、ジルはいつも通…

(第44章)悪霊

(第44章)悪霊 ジルは夕方に家に帰った後に夕食を作った。 その時、ふとジルは小学校のクラスの 希望書を書かないといけない事を思い出した。 あとは娘の健康診断もちゃんと受けないと……。 「あーあ、来年には入学ね」 ジルは自分の部屋のおもちゃの後片…

(第43章)正体

(第43章)正体 ニューヨーク市内、秘密組織ファミリーの本部に当たる大きな屋敷。 大きな屋敷の地下室の黒い牢屋の中には 芳賀真理とジョン・C・シモンズが立っていた。 「ジョン!急に呼び出して何なの?」 真理は急に呼び出された事に戸惑い、じっとジ…

(第42章)微笑

(第42章)微笑 「大丈夫?」 「ああ、大丈夫だ!」 ジルは「傷を見せて!」と言った。 鋼牙は素直に右肩の傷を見せた。 彼の右肩はどこも外傷を負っていなかった。 しかし酷く腫れて熱を持っていた。 「気にするな!大した事無い!」 そう言うと鋼牙は優…

(第41章)神火(プロメテウス)

(第41章)神火(プロメテウス) マツダ代表は静かに穏やかに落ち着いた口調でジルに向かって話を続けた。 「少なくとも今後の君の意志を聞く前に 少しばかり話しておかねばならないね!」 「何の話ですか?」 マツダ代表は深く溜め息を付くとまた口を開い…

(第40章)龍王(後編)

(第40章)龍王(後編) 再び轟天に乗った鋼牙はアナンタに突撃した。 轟天は分厚い金属の床を力強く踏みしめ、鋼牙を乗せて飛び立った。 続けて再び牙狼斬馬剣を荒々しく息を切らせ、「うおおおおっ!」 と渾身の声を上げ、鋼牙は半円に大きくゆっくりと…

(第39章)龍王(前編)

(第39章)龍王(前編) 千の口を開き、アナンタは一斉に咆哮を上げた。 「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」 再び鋼牙は内臓が酷く撹拌される不快感に襲われたが気にも留めなかった。 鋼牙は牙浪剣を両手でしっかりと構え直した。 …

(第38章)宇宙

(第38章)宇宙 御月製薬北米支部地下極秘研究所ハイブの最下層の巨大コロシアム。 鋼牙とジルはアナンタの千の咆哮を聞いても一切動じず、 巨大な花弁に似た形の頚部を広げたコブラの頭部の周囲に 花弁の様に千の頭部を持つコブラ状の頭部を持つアナンタ…

(第37章)復活(ラザロ)

(第37章)復活(ラザロ) 「どうして?あんな事をしたの?あたしの娘が! こんなのを見たら?!何てことをしてくれたのよ!」 ジルはアナンタを鋭い視線で睨みつけた。 アナンタはフフッと笑って見せた。 「それは君の事を愛していたからさ!」 しかしア…

(第36章)魅了

(第36章)魅了 御月製薬北米支部の極秘研究所ハイブの最下層の巨大コロシアム。 「じゃ!あんたの役割はこれで終わった筈だ!」 「そうね!おとなしく元の真魔界に戻りなさい……用は済んだでしょ?」 鋼牙とジルの言葉にアナンタはクスクス笑い、こう言っ…

(第35章)映画

(第35章)映画 鋼牙が見つけた映画のポスターは背景が白と黒でに塗られていた。 白い背景にはパーマの髪型の男性。 青い背景にポニーテールの長髪の男性とショートヘアーの女性。 黒い背景にはとげとげした茶髪の男性。 また白い背景とパーマをかけた男性…

(第34章)悪魔

(第34章)悪魔 地上の御月製薬北米支部前。 烈花とクエントは逮捕した御月カオリをBSAA特殊部隊に 身柄を引き渡した後、しばらく二人は BSAAの特殊車両内で待機していた。 間もなくしてクエントの無線からある通信が入った。 しかも無線をした通…

(第33章)逮捕

(第33章)逮捕 烈花とクエントは互い武器を構え、息もぴったりに上下に頷いた。 クエントはドアノブを慎重に回した。 しかし烈花は「ええい!面倒だ!」と言うと思いっ切り、 『関係者以外立ち入り厳禁』の看板が付いたドアを力一杯、蹴り飛ばした。 同時…

(第32章)体罰

(第32章)体罰 生物兵器保管庫の上層部のコントロール室では。 まさかハンターEYが完全に倒されるとは思っていなかったのだろう。 御月カオリ社長はコントロールパネルの画面の横のスクリーンで 鋼牙、ジル、クエント、烈花の手によってハンターEYが…

(第31章)再生

(第31章)再生 四肢を切断され身動きが取れなくなった ハンターEYを鋼牙は茶色の瞳で見降ろした。 続けて鋼牙は両手で魔戒剣の銀色に輝く両刃の長剣を真下に向け、 両腕を大きく真上に振り上げた。 そしてハンターEYの赤みを帯びたカエルの頭部に 魔…

(第30章)狩人(ハンター)

(第30章)狩人(ハンター) 生物兵器保管庫の別室。 白いシャツに青いジーンズ姿の御月カオリ社長は生物兵器保管庫の コロシアムが見える窓の下部にある四角い台に備え付けられた コントロールパネルを指で操作した。 間も無くしてコントロールパネルの…

(第29章)研究

(第29章)研究 一本の試験管に貼られたラベルには『T-エリクサー』と書かれていた。 「これが?あの賢者の石とT-ウィルスを組み合わせたって言う。」 「ここにもT-エリクサーに関する研究資料が……」 クエントは近くに銀の机に置いてあった研究資料…

(第28章)実験

(第28章)実験 「ここか?」 「多分!」 鋼牙の指摘に何故か烈花は自信なさそうに答えた。 「とりあえず!研究所の中に入って見ましょう!」 その横でジルは烈花のフォローをした。 クエントは早速、分厚いドアの横に 取り付けられた機械に端末コードを繋…

(第27章)生餌

(第27章)生餌 「あれ?もう切ったのか?所詮!アンブレラ社の残りカスの君も 人間の女か?案外怖がりだな!僕は生き餌しか食わないのに……」 ジョンは携帯を白い机の上に置いた。 続けてプールで泳いでいるアメリカ人女性を手招きした。 プールから上がり…

(第26章)権力

(第26章)権力 BSAA北米支部の会議室。 マツダ・ホーキンス代表を初め、これから 御月製薬北米支部の強制捜査に参加する者達は会議室に集まった。 マツダ代表から配られた御月製薬北米支部の極秘研究所ハイブの 詳しい見取り図と突入作戦の説明が書か…

(第25章)生命

(第25章)生命 ジョン・C・シモンズに送られ自宅に帰って来たジル・バレンタインは 心も体も疲れ果てて、自分の娘がぐっすりと自分のベッドの上に 眠っている事を確認した後、自分の部屋のベッドの上に大の字に眠った。 やがて目の前が真っ暗になった。 …

(第24章)転生

(第24章)転生 ジルはジョン・C・シモンズに案内され、大きな屋敷の地下室へ向かった。 そして転生の儀式が行われる地下室の扉の前で別れた。 また一人になったジルは全裸のまま 地下室の扉を開け、中へ足を踏み入れた。 地下室には家具などの者は一切、…