(第38章)ヴィシュヌ・アバター(分身の魔神)

(第38章)ヴィシュヌ・アバター(分身の魔神)

 

太陽神テスカトリポカ出現まであと20分前。


www.youtube.com

咲夜が慌てて5本指をまるで小型拳銃のように形作った。

しかしその時、咲夜に向かって伸びて来た魔王アリオクもどきの

口から伸びてきたピンク色の舌が直前で止まった。

直ぐに魔王アリオクもどきの内部にいる女性の女性の

反メディア団体ケリヴァーのメンバーが若村にこう提案した。

「無理矢理。母親のお腹にいる子供は無理矢理引き離さない方がいいわ。

今胎児は母親のお腹の中で安心しきっている。

下手に引っ張り出して出そうものなら『神』の力を持つ虹の女神イーリスの

胎児は自身と母親を守る為に激しい攻撃を加えて大暴れするかも知れない。

母親がいないと子供が不安がる。

私達も神になる為にこの器を破壊されるとマズイわ。

やるのなら胎児だけでは無く母親も肉体も魂も吸収してしまいましょう!!」

「そうだわ!あの娘は選ばれた優秀な人間特別な人間!」

「私達と本来は同じ目的の為にいる筈よ!穢れじゃない!」

「よし!それじゃ!あの女ごと私の中に取り込もう!」と若村秀和。

「そうして『ネガブドネザルの鍵』も取り込み!のぴを取り込めれば!」

「我々の勝利が決まったものだわああっ!」

やがて魔王アリオクもどきはぎょろりと咲夜の方を赤い眼球で見た。

そして自分が散々、咲夜やのぴの事を誹謗中傷した事も完全に自らの

頭で都合よく消して2人に対して掌を返したように優しく接し始めた。

とにかくその一連の若村秀和や反メディア団体ケリヴァーの行動が

過激派ポリコレやフェミニストの嫌味や誹謗中傷をDMやSNS

見るのと匹敵する程、ひたすら気持ち悪かった。

のぴはそれを聞くなり、すさまじい嫌悪感に満ちた表情をした。

一方、咲夜も氷結に用に冷たい視線を魔王アリオクもどきに向けた。

彼女は彼ら彼女らを心の奥底から軽蔑しつつも哀れだと思った。

のぴも彼らの提案を聞き、口を開いた[第一声も「は?」と言う言葉しか出なかった。

しかし魔王アリオクもどきの中にいる若村秀和や反メディア団体ケリヴァー

はのぴと咲夜さえ吸収出来れば『ネガブドネザルの鍵』と『虹の女神イーリス』

が手に入り、本来の姿に転生されて完全な法と秩序の太陽神として

こちら側(バイオの世界)を新たな天魔や神々が住む真の楽園となり。

人々は自然に帰り。人間社会のパソコンやスマートフォンやテレビやゲーム。

全ての電気も核も捨て去り。全てが同一の思考をもつ精神集合体となるんだ!

全ては神と言う群れとなる!選ばれた優秀な人間の知性がひとつとなる!

その為に君達が必要だ!!さあー『虹の女神イーリス』と『ネガブドネザルの鍵』

と共に私達と一つになろう!さあーさあー!まずはお前からだ!

魔王アリオクもどきはまずは手始めとしてまずは『ネガブドネザルの鍵』

と共に私達と一つになろう!さあーさあーまずは!お前からだ!

魔王アリオクもどきは手始めとしてまずは『ネガブドネザルの鍵』

を持つのぴを自ら魔王アリオクもどきの体内に取り込むべく一気に襲い掛かった。

「お前が先だあああっ!」

「さあー観念しろ!」

「とにかく!」

「若村様の為に取り込んでやる!」

「若村様の為にッ!」

「このメディア社会の完全な消滅を!」

「楽園は我々の手で!」

「飢餓の苦しみ。戦争の苦しみ。」

「そして悲惨な死を無くす!」

「これで悲しみも怒りも憎しみからも解放されるんだ!」

「みんな幸せになるんだ!」

のぴは自らに襲い掛かる魔王アリオクもどきに向き合った。

魔王アリオクもどきは禍々しい形をした両刃の長剣を降ろした。

どうやら武器を降ろして戦わない意志を示したらしい。

のぴは勿論。若村秀和や反メディア団体ケリヴァーの行動は

一切、信じていなかったので鋭い視線を向けて警戒していた。

それから魔王アリオクもどきは警戒するのぴに隙が無い事に気付いた。
しかし魔王アリオクもどきには考えがあった。そしてすぐに実行に移した。

魔王アリオクもどきはのぴの足元のイリスオブジェクトの真っ赤な

コア(核)の内部から一本太く長いの触手がにゅるにゅると

のぴに気付かれない様にゆっくりと伸びて行った。

それからすぐに素早く空を切り、太く長い触手がバシャアッ!と

真っ赤な核(コア)から目にも止まらぬ速さで飛び出してきた。

どういう訳かのぴは無意識の内に目にも止まらぬ速さで後退して回避した。

しかし初撃は外したとしてもそのまま細長い触手は途中で

ぐにゃりとS字型に変形した。

続けて太く長い触手の先端をのぴの胸部に向かって伸ばした。

しかもその触手の先端は針のように細長く尖っていた。

すると『月』ヴィシュヌ・アバターはまるでのぴを守るように女性のように

しなやかな黒と黄金の皮膚に覆われた右腕で触手の先端の針を弾き返した。

続けて一気にまた再度、右腕を弾いた方の

逆方向から黒と黄金の皮膚に覆われた右腕を振り回した。

同時に右手の手刀でスパアン!

と触手の針の部分の下部の触手部分を完全に切断してしまった。

切断された触手からは輪切りにされた赤い部分の切断面が見えた。

すかさずのぴは更に反撃すべくまた咲夜がやっていた事を真似て

5本指をまるで小型拳銃の様に形作った。そして自らの左側頭部に2本の指を当てた。

のぴは自らの意志で『月』ヴィシュヌ・アバターを動かそうと試みた。

のぴはようやくうまく行った事にホッと胸をなでおろした。

「ペルソナ!『月』ヴィシュヌ・アバター!」と掛け声を上げた。

すると『月』ヴィシュヌ・アバターはさらにのぴの意志に従って追い打ちをかけた。

『月』ヴィシュヌ・アバターは左腕を薙ぎ払うように大きく振った。

その時左腕の上部から真っ赤に輝く熱波の衝撃波が2度放たれた。

放たれた真っ赤に輝く熱波の衝撃波『アカシャアーツ』は

魔王アリオクもどきに直撃した。

「ぐあああっ!」と声を上げて巨大はくの字型に曲がった。

魔王アリオクもどきは「ごっ!がっ!クソっ!」としばらく苦しんだ後に舌打ちした。

しかし異様な速さでダウンから立ち上がった。

のぴは違和感に気付いた。

続けて咲夜もまた5本指をまるで小型拳銃の様に形作った。

そして自らの右側頭部の2本当てて掛け声をした。

「『正義』ゼルエル!」

パーンと言う破裂音と共に『正義』ゼルエルは姿を現した。

『正義』ゼルエルは両瞳を真っ赤に発光させた。

同時に真っ赤に輝く極太の光線を発射した。

真っ赤に輝く極太の光線は一直線に魔王アリオクもどきの右腕と

禍々しい形をしていた両刃の長剣を一撃で焼き尽くして消滅させた。

しかし魔王アリオクもどきは平気そうだった。

やがて消滅した右腕と禍々しい両刃の長剣は完全に

消滅しても再び瞬時に元通りに新しい両刃の右腕が再生された。

それからすぐにのぴと咲夜は魔王アリオクもどきの

足元のイリスオブジェクトの真っ赤なコア(核)とさっき

のぴを襲おうとしたあの細長い針の付いた無数の触手が融合しているのが見えた。

さらに僅かに透き通ったコア(核)の中に閉じ込められている

裸体の若い女性達の膣に触手の細長い針が深々と挿入されていて

そこから精気(生命エネルギー)を吸収していたのである。

しかも魂は不滅である為に無尽蔵に産み出され・吸収され続けていた。

更に無数の若い女性達も大きな張りのある丸い両乳房を上下左右。

前後左右にプルプルと揺らしながら性的快楽で荒々しく息を吐き。

野太い声や喘ぎ声を上げ続けた。全員、瞼を閉じたり。

驚いて両眼をぱっちりと開いたままにと反応は様々だった。

更に無数の女性達は全員、一人残らず共通して張りのある

大小の白い肌のプリプリの丸いお尻に向かってあの無数の触手が伸びていた。

しかもその触手の先端の細長い針はブスリと彼女達の膣に挿入されていた。

無数の触手全体が大きく膨らんだり、萎んだりを繰り返して子宮内部に

溜まっていた青緑色に輝く無数の彼女達の精気の塊を吸い取り続けていた。

それは余りにも不気味な光景で咲夜の顔は青ざめた。

のぴは絶句して恐怖で両眼を見開いたまま呆然と立っていた。

彼女達の耳には奇妙な吸入音が聞こえ続けていた。

ゴッポッ!ゴッポッ!ゴッポッ!ゴッポッ!ゴッポッ!ゴッポッ!ゴッポッ!と。

更に無数の若い女性達は両頬と深い胸の谷間を紅潮させた。

またその中似たニコル・ブレナンと佐代子も全員共通して

金色の細長いキリッとした眉毛をハの字にして額にしわを寄せていた。

佐代子は艶やかな前髪に隠れて眉毛も額の変化も分からなかった。

ニコルは恍惚した表情で瞼を閉じていた。

佐代子は胸元まで伸びた艶のあるロングヘアーをユラユラと前後に揺らし続けた。

そして宝石のような美しい茶色の瞳をぱっちりと開け続けた。

ニコルと佐代子は精気を吸い取られる性的快楽に

長々とした甲高い喘ぎ声を上げ続けた。

「はああん!あああっ!あっ!あんっ!あっ!」

「んんんんっ!ああああっ!」と。

咲夜は足元の不気味な光景に青ざめつつも未だに絶句している

のぴに対して戦闘の素人の彼女をできるだけサポートしようと

今の魔王アリオクもどきの状態を冷静に分析した。

彼女は幼い頃から闘い方をもっと強くなる術を

学んでいた経験からのぴにアドバイスした。

「あいつはあのイリスオブジェクトの真っ赤なコア(核)の内部に

閉じ込められている無数の若い女性達の魂達に例えば

昆虫の蝉のように木の根に針を刺す様に

大勢の女性の体に突き刺して精気を膨大に吸収している!」

のぴは余裕の笑みを浮かべている魔王アリオクもどきを見た。

「だから君達は若村秀和と言う名前の唯一神にも絶対に勝てないのさ!」

「君達も観念して聖なる力の一部となれ!」

「君達の天魔や福音書の巨人の力を使えばあの偽りの神の

テスカトリポカを確実に殺せるんだよ!今は君達が必要なんだ!」

「全人類の選ばれた女性達は魂も全て我々とひとつに!」

「最後のトリガー(引き金)は貴方なのよ!!あのイリスオブジェクトもね!」

「この最後のインパクトは人類全ての魂を浄化して救い出すのよ!」

「汚れ切ったメディアの人間社会と心を浄化させれば!全て自由となるのだ!」

のぴと咲夜は個人の人格と現実(リアル)と

幻想に帰りたい一心で彼らの誘惑を拒絶し続けた。

「お断りよ!おこさまぷれーとのみんなのところへ帰らないと!」

「私は主人のレミリアお嬢様のところへ戻らないと幻想郷の紅魔館に帰らないと!」

それでも魔王アリオクもどきの中に存在する若村秀和と反メディア団体ケリヴァー

の男女は怪しい宗教勧誘の様にのぴと咲夜を誘惑し続けた。

のぴと咲夜は魔王アリオクもどきの決定的な弱点を見つけられずに焦りを募らせた。

やばい!あと25分!時間が半分に減ってしまった!!

25分だからまだ余裕は!でも!これ以上は持たない!なんとかしないと!

2人が粘り続けてすでに19分が経過した。

ああ!マズイ!マズい!どうしよう!

イムリミットが近いっ!近いのにっ!

何も方法が見つからないなんて!クソっ!

一方。のぴは動画の撮影で良く聞いているお馴染みの声が聞えてきたのに気付いた。

「おまたせしました!のぴ!無事か?!」

「やっと着いたで!!えらい時間が掛かったよ!」

「19分とか!時間なさすぎ!どんだけかかんだよ!!」

「えっ?・・・・みんな・・・・しゅがーは?」

「それが取り込まれたんのわしらだけなんよー!!」

「よかった・・・・間に合ったのね・・・・」

咲夜とのぴの目の前にはイリスオブジェクトの真っ赤なコア(核)の

最下層から昇ってきた霧島マナの入ったヱヴァンゲリヲン4号機のコア(核)。

それと背中の2枚の黒いカラスの羽根の付いた天使の姿をした

りあら、ちゃき。ゆいにゃが現れた。

ちゃきは目の前にいる魔王アリオクもどきを

見るなり、両手を曲げてうしろに後退した。

「ちょっと!あいつ見た目!結構!キモイんねんけど!!」

りあらも「太っていてなんか気持ち悪いッ!」とドン引きした。

ゆいにゃは呑気に「なんだか変な奴やな?」と漏らした。

反メディア団体ケリヴァーの若村秀和の声は。

あるはずの無いものが現れて激しく戸惑い動揺していた。

「何故だ?!あれは?我々の儀式には必要の無いものだぞ!!どうなって・・・・・」

「私達は既に現実(リアル)で最初の魂の浄化は始まっているんだよ!」

「もう!誰にも止められない!」

「いずれ全人類の魂は浄化されるんだ!」

「メディア社会に穢れた人間の魂は赤き光によって浄化されて!

そして!全ての穢れた前世の記憶は完全に抹消されて!

全ての人類は我々若村様と融合し!単一完全生命体となり!楽園が創造されるのだ!」

「あれはまず処分しないと!」

「我々の計画が!!」「コア(核)」

ちゃきは魔王アリオクもどきから聞こえる反メディア団体ケリヴァーの

若村秀和を始め大勢のメンバーの男女の声を聴くなり、大きく戸惑った。

さらに重なるように聞えてくるので気持ち悪かった。

ゆいにゃもりあらも同じ感想のようだった。

のぴはとりあえず今まであった出来事とあの魔王アリオクもどきが何なのか説明した。
仲間3人も霧島マナものぴの説明を理解して何とか状況を飲み込んだ。

イリスオブジェクトの真っ赤なコア(核)にテスカトリポカ出現まであとあと10分。

のぴの簡単な説明によってようやく今の状況が飲み込めたちゃき。りあら。ゆいにゃ。

そしヱヴァンゲリヲン4号機のコア(核)の中にいる霧島マナは魔王アリオクを見た。

ついでに咲夜のペルソナ達についてのぴは簡単に手短に説明した。

全員は初めて知ったばかりの情報をようやく頭の中で整理して理解した。

霧島マナは静かに全員にこう告げた。

「これであとは『ガイウスの槍』があればこの世界の日常を元に戻せるわ。」

咲夜はある事を思い出し、真剣かつ厳しい表情でのぴを見た。

「いい?のぴ!これから儀式を行う為にとても大切な話をするわ!」

のぴは何のことは分からずキョトンとしていた。

咲夜は静かにこう告げた。

「私の大アルカナは『正義』。貴方は最初は『女帝』と『刑死者』。

次に大アルカナは変化していた筈よ。『死神』。次に『正義』。次に『月』。

この先は貴方自身で決めるのよ!この先は『太陽』。

そして最後の『審判』。『宇宙』へ。そこまで行くかはー。

貴方の自由意志で決めるのよ。私もおこぷれのみんなも『運命』。

に選び取られてこのイリスオブジェクトのコア(核)の中にいるのよ。

勿論、私も含めておこさまぷれーととみんなの人類の将来の決断をのぴさんが。

『運命』に従ってしなければならないの。

もしも受け入れて新たな世界を求めるも良し!

拒んで元の世界の普段の日常の作り直すのも良し!

あとはのぴさんの中に選択肢がある。

もしも新しい世界を拒んで元の日常に戻るのなら強く願いなさい!

そうすれば!自然とガイウスの槍はのぴさんの強い想いと願いに反応して!

必ず貴方の手に戻るわ!全ての人類の方舟の行き先は貴方が自身が決めるの!」

 

(第39章に続く)