(第23章)自分が正しいと思った道を歩みなさい。

(第23章)自分が正しいと思った道を歩みなさい。

 

母親のアンヘラは息子のエアに真剣な表情で色々教えていた。

「つまりね『自分の絶対的に正しい正義』が『他人にとっては絶対的な

正義でも善意でもなんでも無く。ただの迷惑な悪意邪悪な愚かな行為』

だと思われている可能性もある訳なの!」

当然!当然!私の『R型計画』で反メディア団体ケリヴァーを全滅させて

トークスを救おうなんて馬鹿げた方法は私は『絶対的に正しい正義』だと思っても

息子の貴方は違う筈よ!きっと私のやり方は絶対的に正しい正義だと

絶対に思ってはいない筈!そうでしょ?」

「うん・・・・・・・・・やっぱり間違っていると思う・・・・」

「そう!それでいいのよ!人は違った個人の考え、信念、正しさの在り方。

自分なりの正義と善意!みんな違ってバラバラでいいのよ!だから人は・・・・。

いや、この先は貴方が独り立ちして自立した時に自分自身で迷いながらも周りの人々の

助けや理不尽な仕打ちの中で希望と絶望の中で自分が正しいと思った

人生の道を歩みなさい!これは貴方の人生で物語なのだから!

そして必ず自分なりのも答えを見つけて来なさい!

それが母親の大事な言いつけです!」

アンヘラはいつの間にかエアの身体を両腕で抱き締めていた。

しっかりとギュッと優しく強く、両眼には涙を浮かべていた。

そしてこれが最後の別れでは無いかと思い不安になった。

そして無意識の内に決して離したくないと思った。

僕は気付かずに泣きながら母親のアンヘラの華奢な体をいつまでも抱き締めていた。

 

エアを自室まで送り届けた母親のアンヘラは現在、自分が担当しているHCF

セヴァストポリ研究所のBOW(生物兵器)及びウィルス兵器中央実験室の

最下層の『新型ハンター開発研究室』のある場所のすぐ近くに6年前に

新設されていたあのプラントE46-23が育てられている

温室実験室『プラントE・R型シリーズ開発研究所』に向かった。

既にエアにはちゃんと明日の魔女王ホラー・ルシファーの戦いに備えて

ちゃんとしっかり自室で眠って休むように言いつけて。

歯磨きとパジャマを着させてしっかりとベッドで眠ったのを確認してから

ここにいるのである。体力はしっかりと蓄えておかないといけないから!

それから母親のアンヘラ博士は温室実験室

『プラントE・『R型』シリーズ開発研究室』

の中に入ると担当しているプラントE46-43の生態調査と運用管理を任されている

『温室実験室プラントE・『R型』シリーズ開発研究室主任の研究員の

ヘンリー・サートス・ジュニアがいた。

するとヘンリー温室研究室主任は気さくにアンヘラ博士に話しかけた。

「やあ!アンヘラ博士!」

「こんばんわ!ヘンリ主任!『R型』は元気?」

「ああ元気だよ!もう夜遅いから既にリーが子守唄を歌ってベッドに寝かしつけたよ。

今頃、夢の中でプリキュア達と遊んでいるんじゃないか?良く知らんが」

「それはよかったわ!あの子はプラントE44と魔戒法師の烈花から生まれた

貴重なミュータントの女の子。

あの子には酷だけど『R型』計画に協力して貰わないと!」

「本気なのか?あの子はまだ5歳だぞ!5年後開始にしたってまだ10歳だ!

エヴリンと同じ歳になるんだぞ!幼い子供をBOW(生物兵器)にするなんて!

正気とは思えん!」

「分かるわ!でもE型事故調査の為よ!仕方がないのよ!」

「だが!それでも!私はあの子を新型T-エリクサー(仮)(E型特異菌遺伝子有り)

のウィルスとプラントリーチの遺伝子を組み込んでエヴリンと同じ能力を持たせるのは

間違っている!それなら!せめて!いや・・・・・・・・

やはりなんでもない・・・・・。」

「それじゃ!ヘンリー温室研究室主任!仕事の話をするけれどいい?」

「ああ、もう話は終わりさ!どうせHCFの上層部共も

誰も俺の意見なんか聞いちゃくれないさ!!それで何の話だ?」

するとアンヘラ博士はヘンリー温室研究室主任に仕事の話をした。

いつものように感情を抑えてただ理論的に話した。

「この『R型』計画が大成功して『R型』の実践データやBOW(生物兵器

と新型Tエリクサー(仮)(E型特異菌遺伝子有り)のウィルスとワクチンの効果や

変異種のデータが集まって。E型事故の根本的な原因を突き止めて子供型BOW

生物兵器)の開発が中止になれば。もしかしたら子供じゃなくても。

大人型の量産型プラントE45の『R型』シリーズが

大量に製造出来るかも知れないわ!

そうすれば幼い子供がもう可哀そうな目に遭わなくなるだろうし。

HCF上層部も『子供型BOW(生物兵器)の製造を中止する

法律を作ってくれるかも知れないわ!だから元気を出して!!」

「せめて!せめて!あの子が最後であって欲しい!

私も大人型BOW(生物兵器)の研究開発をしよう。

あるいはあのHCFのあの美女スパイのリー・マーラと

魔戒法師の烈花と言う日本人の美女の遺伝子を

有性遺伝子としてかけ合わせたクローン受精体。いわゆる超能力の源の魔導力と

人間離れした身体能力と高い肉体の耐久性を持つ日本人とアメリカ人の有性遺伝子

同士を掛け合わせたハーフの女性クローンを作ればうまく行くか?」

「多分ね!既にリーと烈花法師の遺伝子と卵子は回収済み。

それであと例の『プラントE45・R型シリーズ』の量産の話は?」

「現在!あのプラントE46-43の種子から発生した人間の胎児

そっくりの植物人間、植物新人類か?子供達は男の子と女の子と

大体同じ比率で生まれている。しかも植物の遺伝子が強いせいか成長も早いようだ!

現在、彼らを全ての個体をナンバリングして個室に隔離してきちんと

面倒を見て管理している。もちろん感染させないようにしっかりと母親役と父親役

の研究員達に黄色の服を着せてね。しかもその新人類の植物人間の

ウィルス検査の結果がさっき出た。残念だが直接触れたり

抱いたりするのは無理そうだ。

かなり高濃度の新型T-エリクサー(仮)(E型特異菌遺伝子有り)が検出されたよ。

多分、肌や傷口からウィルスが侵入しようものならジェームズ・マーカス博士の

蛭と同様に高確率でプラントデッド化してしまうだろうね。

エヴリンと同等の能力潜在的に持っている可能性もある。

子供の内はとてもじゃないが油断できないね。」

ヘンリー温室研究室主任は深刻な表情でそう言った。

いや不安で堪らないと言った表情だ。

「万が一暴走しようものならあのアナベル号のタンカーのバイオハザード(生物災害)

のエヴリンの暴走の二の舞になりかねんからね!恐ろしいよ!

だからやはり暴走抑制の為にワクチンを彼らに投与すべきでは?

そうした方がいい!まずはウィルスの濃度をどうにかしないと

プラントデッドどころか感染者が死ぬかもしれん!」

「肉体が耐えられなくなって即死ね!。でもワクチンは今は駄目よ!

それじゃ!プラントE45量産型R型プロトに抗体が付いたせいで

新型T-エリクサー(仮)(E型特異菌遺伝子有り)の

ウィルス拡散媒介用BOW(生物兵器)には成り得ないわ!!

万が一の為にしっかりとワクチンを保管して!暴走した時に

素早く迅速にワクチンを暴走した個体に投与する事!いいわね?」

「ああ、分かったよ!」とヘンリー主任の返事を聞いた

アンヘラ博士はふと腕時計を見た。

すると腕時計の針は既に午後8時を指していた。

明日!いよいよね!エア!頑張って!魔女王ホラー・ルシファーから

トークスを守るのよ!命を懸けて!それで私は・・・・。

きっとあの子にとって辛い選択になるかもね。でも・・・・この。

アンヘラ博士は必死に思い詰めた表情を隠して明るくこう言った。

「じゃ!あとはよろしく!ヘンリー温室研究室主任!あたし急用があるから!」

「『リビドー・ストランディング(性の座礁)』に気おつけてくれよ!」

「ええ、勿論!白い霧が現れたらどうに回れ道をして避けるようにする!」

 

HCFセヴァストポリ研究所内のBOW(生物兵器)及びウィルス兵器

中央実験室の片隅にあるHCF研究開発主任のダニア・カルコザ博士の自室。

ダニア博士はふと思い出したようにAI(人工知能)アポロに指示をしてあの

銀浪次郎を襲った狂った太った男がプラントデッドに変異するまでの様子を描いた日誌

の内容をモニター画面に映すようにした。この方が実際の日誌を読むよりも高画質で

文章で綺麗で読みやすい。最初の部分はもう読んだので

続きの2ページ目から読み始めた。

「ううっ!ううっ!なんてこった!『スーパープレイグクローラー』とアンナがコンテナの覗き窓。強 ガラス らのぞいたらアンナと『スーパープレイグクローラー

が    をし やた。ひでえ おかんと吐 け た。 

天井にはダ テの地獄編が  れていや た。ここは 地獄な だな。

くそっ!な ぜ 俺 こんな に??こん 目にあ のは

次郎とかいうくそやろうなのに。として 俺が」

ダニア博士はほぼ無表情で淡々とAI(人工知能)アポロに頼んで貰い。

そのプラントデッド化して行く小太りの男の日誌の続きをスクリーンショット

見て文章を読んでいた。この辺りになると脱字や誤字が多くなって行った。

きっとウィルスのせいで脳機能を壊されて知能が低下しているのだろう。

「かゆいかゆいかゆい、お肉 くったーおいしかった。

でもくうふく み たされな もっと よこせ よこせ よこせ。

はらへったーはらへったー肉肉肉くうーくうーよこせよこせ。

しかもおでの りう ほっぺ しょくぶつのつたーのぶあつい 

 

(第24章に続く)