(第42章)謎の動画『静かなる丘・18番倉庫』(後編)

(第42章)謎の動画『静かなる丘・18番倉庫』(後編)

 

マッドが送信してくれた例の謎のネット動画は勿論、

動画サイトのほとんどは不適切動画として削除されて観れなくなっていた。

しかし実際はほとんどが無断転載だったのでそれが引っ掛かっていただけだった。

大元の最初に投稿された動画は日本語版のYouTube(ユーチューブ)サイトの

ある日本人ユーチューバーのチャンネルに投稿されたものである。

とりあえずコミニュティガイドの18歳未満視聴禁止の表示があった。

だが説明欄には何も書かれていない。

動画のタイトルは『静かなる丘・18番倉庫』と言うものだった。

動画内では「どーしん!どーしん!」と大きな足音と地震の後に

赤い倉庫の地下のガラスの天井を赤みが掛かった分厚い鎧に

覆われた巨大生物のお腹が覆った。やがてお腹が十字に開いた。

花弁状に開いた皮膚の中央から真っ赤な節が

幾つも並んだ細長い触手を無数に伸ばした。

それは見た目はミミズのようだった。

やがて無数の細長い触手は多数のアメリカ人、フランス人。

ドイツ人、カナダ人、ロシア人等の20代から

30代の若い女性に向かって伸びて行った。

しかも全員、残らず全裸だった。全員怯えた表情で赤い床にそれぞれ

四つん這い、仰向け、座っている姿など、様々なポーズをしていた。

日本人のユーチューバーの女子大学生は黙って

スマートフォンのカメラで撮影していた。

間も無くして日本人のユーチューバーの女子大生は大きく甲高く短く喘いだ。

「あっ!」と。女子大生は自分の身に何が起こっているのか見ている人達に

教えようとスマートフォンのカメラのレンズを自分に向けた。

マートフォンのカメラのレンズには茶色の両頬まで伸びた丸いショートヘア。

細長い茶色の眉毛。茶色の宝石のように美しい瞳。丸っこい低い鼻。

ピンク色の唇。形の整った美しい顔立ち。両乳房は膨らみかけの

成長途中でとても小さく乳首と乳輪は茶色だった。

その日本人のユーチューバーの女子大生はこう名乗った。

「美少女可愛い系のまゆみはるか』と。

間も無くしてまゆみはるかは大きく額にしわを寄せた。

続けて彼女は茶色の宝石のように美しい瞳をぱっちりと開けた。

気が付くと彼女は四つん這いになっていて両掌と両膝を真っ赤な床に付けていた。

それからまゆみはるかは両頬を次第に紅潮させた。

更に浅い両胸の谷間も紅潮させた。

まゆみはるかは急に全身が暑くなり、汗ばんで来た。

やがて両瞼を閉じ、十字に開いた赤みが掛かった分厚い鎧に

覆われた巨大生物のお腹に向かって顔を上げた。

上を向いたままピンク色の唇を持つ口を大きく開けると

荒々しく息を吐き続けた。続けて甲高い声で喘ぎ続けた。

「あっ!ああっ!んんんっ!んんっ!ああっ!くっ!あああっ!はああっ!

はああああああっ!あああっ!あああっ!はあああっ!ああっ!くうっ!」

はるかまゆみは恍惚の笑みを僅かに漏らして必死に我慢しようと口を片手で塞ぎ、

声を堪えようとするが出来ずに大きく口を開けた。

「うわああああっ!」と声を上げて額に皴を寄せた。

更に巨大生物のお腹からもう2本の真っ赤な節が幾つも

並んだ触手をヒュルヒュルと伸ばし、はるかまゆみの白い肌の

両手首にグルグルと巻き付き真後ろに伸ばさせた。

はるかまゆみはそのまま上半身を上向きに持ち上げられた。

はるかまゆみは僅かに体をエビ反りのくの体勢になった。

春香真由美の膨らみかけの成長途中の

小さな両乳房は僅かに前後左右に揺れ続けていた。

更に彼女の茶髪の前髪も僅かに前後に揺れ続けていた。

はるかまゆみは自らの身体を僅かにエビ反りの体勢になった。

それからはるかまゆみの膨らみかけの成長途中の小さな両乳房は僅かに

前後左右に揺れ続けていた。更に茶髪の前髪も僅かに前後に揺れ続けていた。

彼女は下唇を噛み、んーつと口を閉じて微かに高く喘ぎ続けた。

「んんんんんんっ!んんんんんっ!くううっ!くっ!うっ!うっ!うううん!」

はるかまゆみは口を大きく開けて甲高く喘ぎ続けた。

「ああっ!あああっ!あああっ!くうううううんっ!あっ!あっ!あっ!あっ!

くっ!くっ!くうっ!駄目!イクッ!イクッ!あああああっ!きゃああん!」

はるかまゆみは性的興奮が絶頂に達した。

はるかまゆみはハアハアと息を弾ませてニッコリと笑った。

更にはるかまゆみは周囲にいる20代や30代の多数の女性の他にも大体6ヶ月から

失踪していた約200987万人の20代から30代の若い女性を撮った。

彼女達は全員妊娠していた。しかしそこではるかまゆみの

スマートフォンのバッテリーが切れてしまい画面は真っ暗になり、動画は終わった。

「なんかこの巨大生物!俺達よりも沢山の女性達とセックスばかりしてむかつくな」

「あの巨大生物も別に悪意があってやっている訳じゃない!

あいつらは俺と同じさ!ただ自分の遺伝子を持つ子供を女性に産ませて

子孫を残して種を維持したいだけ!

俺もいずれはストークスとの間に俺だけの子孫を残す。

トークスはいずれ抱く事になる。

いつかは知らんさ!つまりそう言う事だ。ブラザー!」

マッドはエアの余りにもおかしな発言に驚き、戸惑った。

「あっ!ああっ!そうなのか?そっ!うーん!俺はまだ彼女がいないからな。

ブラザーの気持ちは良く分からんけど。なんとなく。

その理屈は理解出来るし、筋は通っていると思う」

「結局、つまるところ人間は種を維持する為に男と女がいる。

所詮は理性や知恵があっても本質は動物なのさ。」

マッドはエアの無線の向こう側で深く長いこと考え込むとこう返した。

「なんだかなー。納得したようなしないような?うーん。」

それからマッドとの通信の後、エアはベッドに寝転んで深い眠りについた。

 

アメリカのメイン州にあるかつて観光地として栄えていた街

『静かなる丘』のサウスヴェル地区の療養所内。

HCFの美しき産業スパイのエイダ・ウォンはHCF上層部の命令により、

独りで『静かなる丘』へ車で向かっていた。やがてエイダの車は療養所へ到着した。

それから療養所の玄関の扉をピッキングで鍵をこじ開けた。

エイダは療養所の中へ潜入するとかつて3年前にここを拠点として活動していた

反メディア団体ケリヴァーの原点となった秘密の部屋を探して遺物や情報を集める

諜報活動をいつも通り始めた。彼女はこの療養所の地図を確認しながら移動を続けた。

まずは最初の『LOBBY』から『EASTSOLA RIUM』の部屋を通り抜けた。そして階段のある扉を通り過ぎて。そのまま角を曲がって『FEMALE WARO・AとB』と『FEMALE SICKWARO』の間の廊下を通り過ぎた。

更にエイダは扉を開けて真っ直ぐ走り、そのまま廊下の角の女子トイレに入った。

続けてエイダは出発前に渡された太陽の聖環のネックレスを首にかけた。

それから広い四角い女子トイレの真横にあるお手洗い台と

蛇口の付いた場所の壁に設置されている鏡に手を伸ばした。

するとキーンと言う耳鳴りと共に視界にノイズが走った。

やがて耳鳴りとノイズが無くなると周囲は茶色のボロボロの壁に

覆われた汚い女子トイレの中にいた。女子トイレは個室にそれぞれの入り口に

綺麗な扉の代わりに茶色の有刺鉄線が張り巡らされていた。

エイダは今にも壊れそうな扉を開けた。

それから長い茶色の汚い廊下を真っ直ぐに進んだ。

やがて正面に奇妙な(イスカリオテと言うらしい)が付いた扉が見えた。

エイダは躊躇せずに扉を開けて中に入った。

そこは『FEMALE SECLUSION』だった。

つまり目的地である。秘密の部屋はこの病室の入り口のひとつ。

エイダは右側の隅の05号室と書かれた部屋の扉を開けた。

彼女は警戒しつつも中へ入って行った。

そこはとても広い四角形の部屋で茶色の壁に覆われていた。

更に天井には異形の姿をした女性のオブジェがぶら下がっていた。とにかく不気味だった。どうやらここはかつてトラビス・グレディと言うトラック運転手の

男性の母親のヘレン・グレディが強い被害妄想によって自分自身や

他人、夫や息子のトラビスに危害を及ぼす恐れがある為に

厳しく隔離されていたようだ。ここはその場所となった裏世界である。

エイダは胸のライトで『FEMALE SECLUSION』の

05号室の周辺を照らした。05号室の周辺を周辺を照らすとエイダは顔をしかめた。

そこはとても狂っていた。『FEMALE SECLUSION』の

05号室の周囲の茶色の壁には大量の意味不明な

数列『284863』と書かれたメモや『アダムとイヴの楽園』と

書かれたメモが所狭しと白い紙の上に張り巡らされていた。

更に床には破壊されたゲーム機やテレビ、ビデオ。

VHS、DVD、ブルーレイが散乱していた。

四角い部屋の中央には何かを祭ったなんというか奇妙な祭壇があった。

エイダが見つけたその奇妙な祭壇の上には2人の女性の顔写真が大切に置かれていた。

最初は団体メンバーの偉い人かと思った。

しかしライトで良く照らすと全く違っていた。

その2人は顔も誰かもエイダは知っていた。

奇妙な祭壇の上には2人の女性の顔写真の1人目は

聖ミカエル病院の看護婦のリサ・アルミケラだった。

 

(第43章に続く)