(第43章)ギャング・プランク・ガレオン(後編)

(第43章)ギャング・プランク・ガレオン(後編)


www.youtube.com

 

太陽神テスカトリポカはエアの攻撃を受けつつも何とか後退して体勢を立て直した。

続けて一気に勝負を決めるべく燃え盛る獄炎の

大剣レヴァーティンを右から左に目にも止まらぬ速さで振りながら

高速で迫り来る魔人フランドールの胸部を右足を

素早く上げてカウンター攻撃で蹴り上げた。

魔人フランドールは右斜め上に高速で吹っ飛んで行った。

更に牙浪剣を両手で構えて刺突攻撃を仕掛けようと試みた。

太陽神テスカトリポカは慌てず冷静に目にも止まらぬ速さで

走り迫る鋼牙の腹部を右足を振り上げて蹴り上げた。

続けて追い打ちをかけるように目にも止まらぬ速さで下顎を一気に蹴り上げた。

鋼牙は左斜め真上に吹き飛んだ。

魔人フランドールは右側に。

鋼牙は左側に。

エアは中央に扇形に広がり綺麗に吹っ飛ばされて行った。

そして真っ赤な床に次々と落下して倒れた。

太陽神テスカトリポカは背中に浮いた

オレンジ色の太陽がさらに眩しくギラギラと発光した。

余りにも眩しいのでエアと鋼牙と魔人フランドールは目をつぶりかけた。

しかし大きな爆発音と轟音と共に超巨大なオレンジ色の太陽光線が放たれた。

それはエアと鋼牙と魔人フランドールを飲み込み超高熱で焼き尽くそうと迫った。

魔人フランドールは両掌を差し出した。

間も無くして両掌が絶対零度にまで急激に温度が下がった。

さらに両掌は真っ青に激しく輝き始めた。

続けて彼女は大声でこう叫んだ。

「氷結属性魔王特大威力コキュートスの氷河!!」

両掌から真っ青に輝く氷河の塊が大量に次々と複数放たれた。

太陽神テスカトリポカの太陽光線と

魔人フランドールのコキュートスの氷河が激しく衝突した。

そして周囲の温度は急激に高温と低温になり。

途轍もなくぬるい風がエアと鋼牙の身体を高速で抜けて行った。

やがて太陽の高温によって氷河は解けて一気に水蒸気となり、気体となった。

こうして両者の攻撃は完全に相殺された。

太陽神テスカトリポカは「ぐおおおおおおおおおおおおおっ!!」と吠え続けた。

さらに再び背中のオレンジ色の太陽がまた眩しくギラギラと輝いていた。

魔人フランドールは魔力が底を尽きかけていて疲労困憊しながら。

現在は再び燃え盛る獄炎の大剣レヴァーティンをあと一回創造して。

しかもその形状を維持できるかは分からなかった。

もう無理かも知れない。仮にできたとしても10分以下も持たないだろう。

エアと鋼牙は魔人フランドールを庇うように立った。

太陽神テスカトリポカは太陽光線を放とうとした。

しかし突然、太陽神テスカトリポカは両手で頭を抱えて苦しみ出した。

とうとう太陽神テスカトリポカは頭痛でたちまち片膝を曲げて真っ赤な床に付けた。

この野郎!なんだ???なんだこれは????シェリル?パソコン??????

やがて太陽神テスカトリポカの脳裏に多数の日本や世界中のユーチューバー達の

今まで自分達が投稿してきて不特定多数の人々を楽しませている目的で彼らが

作成した動画が一気に頭の中に流れ出した。

「100分間、日本の王者たちVSシルクロードで本気で鬼ごっこした結果!?」

と言う内容のフィッシャーズの投稿動画を初め。

スカイピースさんの「ウニといくら貫食べきるまで帰れません!」の動画。

ヒカキンさんの「事件220万ガチで紛失しました。

財布落とした人生最悪のクリスマス。」

「財布紛失から1ケ月ヒカキン激レアな新しい財布を買う!」の動画。

「『車宿泊』車の中でたこ焼きを食べたい」の動画。

すしらーめんりくさんの

「1500度の塩をスイカに流し込んだら大爆発した」の動画。

「びっくりチキンを排気口にぶっ刺したらうるさすぎた」の動画。

ゲーム実況者の弟者兄者とおついちの「GFFO」動画。

フィッシャーズで2020年の動画。

「新年あけましたのでべろべろに酔っぱらって大爆笑する鍋パーティ。」

他にも日本全国や世界中のユーチューバー達から様々な旅行で撮った

自然や山や川湖、海や大都会の車や人々が沢山行き交う道路や歩道の

風景やメディアを通じて沢山の人々がお互い情報を交換し合ったり。

はじめしゃちょうも色々自身の身の回りで起こった色々な出来事。

怖い事、楽しい事、怒った事を幾つもの動画で語っていた。

楽しそうにメールでアニメや映画、本や漫画の物語を語り合ったりしてた。

更に彼らが紹介するアニメや映画、漫画の物語の様々な

解説動画と言ったものが沢山データとして流れてきた。

「ぐっ!これは!人間達が普段、身の回りで起こった出来事や文化や

人々の暮らしの様子が??ぐっ!こんなにたくさん!この世界には!!

こんなに明るく楽しく人々が暮らしているとでも言うのか?

我はこれを破壊しようと言うのか?人々の幸せを????

大量の自分が生成した大勢のユーチューバー達の動画のデータが

次々と太陽神テスカトリポカの脳裏の送信され続けた。

やがて太陽神テスカトリポカの脳裏にある独身のユーチューバーの

男からメールで文章を送ってきた。これは?人この男のものだ!!!

「太陽神テスカトリポカに告ぐ。

先程、送信した大量のユーチューバーの動画を見たのなら

恐らく現世・現実(リアル)の世界で生きている様々な

人々の文化と暮らしと都市や自然、人々の考えを理解したのならば。

直ぐに世界に対する攻撃活動命令を直ちに中止せよ!」

この停止命令に太陽神テスカトリポカは怒り始めた。

「ふざけるな!我は楽園を創造する為に闘っているのだ!!」

するとその独身のユーチューバーの男はさらにこう返信した。

「ならば!エンターキーを押すだけで太陽神テスカトリポカの

魔導力と賢者の石の強力なネットワーク回線を切断する。」

「フフフッ!馬鹿め!たかが人の子如き!ましてや普通の人子が創った

パソコンとやらの機械に我の強力な神の力の命令が宿った我のネットワーク回線を

断ち切るなど不可能だ!やれるものなら!やってみるが良い!うっ!ぐあっ!

まさか?そんな・・・・馬鹿な・・・・回線が・・・・断ち切られた!」

太陽神テスカトリポカは脳内で全米各地にいる怪異天使レギオンの大群と

大勢の人間の若い女性達をコア(核)にした真っ白な分厚い装甲に覆われた

ティラノサウルスの巨大生物を繋いでいるネットワーク回線が断ち切られた。

同時に今までずっと送信し続けた自分の神の命令は一切、人間のコア(核)と

怪異天使レギオンに届かなくなった。

こうして全米各地の世界中で破壊活動をしていた怪異天使レギオン

コンクリートの道路や建物の屋上や部屋の中で胎児の様に丸まり完全に眠りについた。

さらに大勢の人間の女性をコア(核)にした真っ白な分厚い装甲に覆われた

ティラノサウルスの巨大生物も先程までの激しい攻撃を停止させた。

同時にボロっと腹部からコア(核)を吐き出して緑の芝生の上に転がった。

そして行動を停止させた。

HCFセヴァストポリ研究所内で暴れていたアダムの子も完全に行動を停止させた。

太陽神テスカトリポカは急に自分と繋げていた魔力と賢者の石のネットワーク回線を

切断された事で今まで大勢の怪異天使レギオンの大群や大勢の人間の女性のコア(核)

から膨大な魔力と賢者の石を補給していたが完全に補給を停止させられた事で。

彼女のサーバー本体は弱体化した。

こうして太陽神テスカトリポカ自らの体内に備蓄しておいた

非常時の賢者の石と魔力のみとなった。

太陽神テスカトリポカは自身が弱体化してしまった事に板立ちと怒りを募らせた。

「我の楽園の計画が!このままでは。我のインパクトは間に合わなかったか・・・」

それを見ていた鋼牙はエアに力の限りにこう言った。

「よし!誰かは。間違いなくパソコンに詳しい彼とシェリル刑事が!

奴の賢者の石の力とフラン由来の魔力のネットワーク回線が切断されたんだ!」

「彼女の無限に得ていた賢者の石の力と私由来の魔力が弱くなって行っているわ!

どうやら本当にネットワーク回線を断ち切ったのね!

彼女のインパクトも阻止できた!」

「ふう、今度の今回ばかりは見ず知らずの

不特定多数の人間達にマジで助けられたぜ!」

魔人フランドールと魔導輪ザルバの言葉に鋼牙はエアにー。

「よし!エア!反撃のチャンスだ!これならいけるぞ!これを使ってくれ!」

鋼牙はエアにフラウロスを渡した。

「これで奴を封印する!このフラウロスを起動させるには・・・・」

しかし鋼牙はフラウロスの起動方法が土壇場で分からなかった。

エアは不意に療養所の広場でゴールドピラミッドシング事、

破壊神ミカエルの言葉を思い出した。確か・・・彼は僕にこう言っていた。

「武器はこう使え!」「賢者の石の力だ!」とか。

あとは自分がまともに食らった真っ赤な電撃に覆われた

両足キックを炸裂させる瞬間を思い出した。

そして右手に持っていたフラウロスを見た。

エアはまた破壊神ミカエルの言葉を言葉を思い出した。

「その程度では完全な神

そして彼の言葉とその後の一撃の自分の攻撃が起動のヒントになっていた。

エアはそう信じた。彼は「うおおおおおおおおおっ!」と声を上げた。

続けて膨大な賢者の石の力を右足と黒い鉄の重りの付いた靴に集束させた。

やがてバリバリバリと言う電気音と共に賢者の石の力が右脚と

黒い鉄の重りの付いた靴を真っ赤な電撃が包み込んだ。

更にそれはどんどん強くなりパチパチパチと電気音が一層大きくなった。

太陽神テスカトリポカも獣のような甲高い咆哮を上げた。

同時にエアの攻撃方法を模倣するように膨大な賢者の石の力と

魔力と右脚と赤いストライプシューズに集束させた。

さらにバリバリバリと言う電撃音と共に賢者の石の力と

魔力を帯びたオレンジ色に輝く電撃が左脚と赤いストライプシューズを包み込んだ。

更にそれはどんどん強くなり、パチパチと電気音がより一層大きくなった。

太陽神テスカトリポカとエア・マドセンはお互い向き合った。

その様子を鋼牙と魔人フランドールはただ黙って見ていた。

とりあえず今回はあのエア・、マドセンと言う若僧に譲ろう!」

「ここは。あいつと彼女の1対1の戦いね。悪くないわ。」

「やれやれ!こちら側(バイオ)の世界は一人の男の手に委ねられたって訳か。

俺様達が出ればすぐに決着は付くだろうが。それでは意味はないだろう。

俺様達や魔人フランドールは人間じゃない。

所詮、鋼牙も俺様達は別の並行世界(パラレルワールド)から来た外野に過ぎない。

鋼牙!つまり未来をこちら側(バイオ)の

世界の人間様の若い世代に譲ると言う訳だな」

「そうだな。俺にも息子の雷牙がいるからな。これはその俺の試練さ」

「思った通り、太陽神テスカトリポカは少なくとも―。

『敵の戦闘技術と武器を模倣する程度能力』がある。

「それは現実の武器も空想の武器も含まれると言う事か。」

「思った以上に厄介な能力だな。道理で面倒な訳だ!」

「さらに加えるなら現実と空想の色々な兵器やのヒーロもな!」

魔人フランドールと鋼牙はエアと太陽神テスカトリポカの戦いの顛末を見守った。

しばらく両者は睨み合っていた。

周囲は張り詰めた空気に包まれた。

そして何も聞こえなくなった。

ただ無音だった。

しかしすぐに沈黙を破って動いたのが太陽神テスカトリポカだった。

太陽神テスカトリポカは素早く真っ赤な床を蹴った。

続けて全力でエアに向かって走り始めた。

エアも素早く真っ赤な床を蹴った。

続けて全速力で太陽神テスカトリポカに向かって走り出した。

右手にフラウロスを持って。

やがてエアと太陽神テスカトリポカはお互いの目の前でジャンプした。

同時にお互い大きく前転して身体を屈めた。

続けて太陽神テスカトリポカとエア・マドセンはほぼ同時に

真っ赤な電撃オレンジ色の電撃に包まれた両脚を高速で突き出した。

そして太陽神テスカトリポカが放ったオレンジ色の電撃に覆われた

超強力なキックはエアの腹部に直撃した。

しかしすぐにエア・マドセンの真っ赤な電撃に覆われた

超強力な電撃キックは太陽神テスカトリポカの胸部に直撃した。

 

(第44章に続く)