(第59楽章)魔獣新生多神連合の宣戦布告

(第59楽章)魔獣新生多神連合の宣戦布告
 
「我々はかつて唯一絶対神YHVAの手によって
神から悪魔に貶められて堕落したのだ!
悪魔として!だからこそ!我々新生魔獣多神連合は彼らに対して反撃する!
我々はこの神々の戦いに打ち勝つのだ!!」
更に魔王ホラー・ベルゼビュートは身振り、手振りを止めて今度は
優しく穏やかな口調でテレビの前の若者達に向かってこう語りかけた。
「もしも君達の近くで大人に全てを奪われて泣いて悲しみ心が深く傷ついている
友達の子がいたら存分に抱いて貰い、頬ずりして優しく髪を撫でて
手を差し伸べてやろう!もしも!全てを取り戻す力が欲しくば!
このニューヨーク市内のかつて資産家だったジェレミー・グレイの
大きな屋敷の新たな主のマルヨ・スズキを訪ねてくれたまえ!
我々はそんな大人達に対抗する手段を!知識を与えよう!
我々は唯一絶対神とも親とも違う!救いを求めるなら!
必ず手を差し伸べよう!生ける死から我々は君達を救おう!」
魔王ホラー・ベルゼビュートは口元を緩ませ妖しく笑った。
「既に我々は始祖ウィルス、賢者の石、Tウィルス、Gウィルス。
ネメシスプロトタイプ、Tーエリクサー、Tアビス、E型特異菌。
これらは全て我々の手の内にある。もちろん安心したまえ!
我々はこちら側(バイオ)の世界の人々には決して危害を加えない!
勿論、ラクーンシティやテラグリジアパニック、トールオークス
テロ事件を起こす気は毛頭無い!ただ我々に頼るのを嫌がる親や教師は
子供から全てを奪った物、ゲームやテレビ、フィギュアをおとなしく返す事だ!
そうすれば僕達を頼らなくて済むだろう!後どうするかは専門家や
カウンセラーのまともなところに相談すれば事は足りるだろう!
よく考える事だ!いいね?」
魔王ホラー・ベルゼビュートはテレビの前の親達にそう主張した。
それから最後に魔王ホラー・ベルゼビュートはこう言った。
「そして!2021年から30年後!
唯一絶対神YHVAと大天使と天使達は滅び去り!
新たな新宇宙と神が誕生する!これは大予言だ!いずれまたこんな感じの
ライブ配信で公開しよう!フフフッ!
これから楽しみにしていてくれたまえ!以上だ!」
魔王ホラー・ベルゼビュートの演説が終わると同時にまたテレビ画面にノイズが走り、
その魔王ホラーベルゼビュートのライブ配信が消え、
また途中で中断されていたCMが何事もなかったかのように流れ出した。
ダーマもモトキもアリスもそれをただ茫然と見ていた。
 
BSAA北米支部の会議室でも目の前に映し出されたテレビスクリーンで
ジョン・C・シモンズ事、リーダーの魔王ホラー・ベルゼビュートの演説を
パーカー、クエント、烈花、ジル、鋼牙、魔導輪ザルバ、レオン、ヘレナも見ていた。
「なんなの?魔獣新生多神連合??」
「おいおいなんだ?前は秘密組織ファミリーのリーダーのディレック・C・シモンズ
と『ネオアンブレラ』今度は秘密組織ファミリーのジョン・C・シモンズと
敵か味方か良く分からない『魔獣新生多神連合』。全くなんなんだよ。」
レオンは両腕を組み、首を左右に振った。
ヘレナもレオンの表情を見るなりハアーと溜息をついた。
烈花法師は冷静にまた木の机に写真と資料を置き、鋼牙がそれを全員に配った。
全員はその資料に目を通した。
その資料の写真には魔獣新生多神連合の判明したごく氷山の一角であろう
神や悪魔、魔獣ホラーの名前と写真があった。それは以下の通り。
「リーダー魔王ホラー・ベルゼビュート。魔獣ホラー・パズズ、メリー。
シェイズ、姑獲鳥、ゾルバリオス、真魔界竜アナンタ、メルギス、アグトゥルス。
バエル、ガーゴイル、ドクターリーパー事、クラーケン。
それと神様や悪魔の方はティターン、セト、アプス。
ベルフェゴール、シクウテトリ、アドラメレク、アリラト。
オセ、シャックス、パレス、オルクス、マスターテリオン。
アルシエル、デミウルゴス、イナンナ。セイオウボ、ボディス等」
「おいおいこんなにいるのか?多過ぎだろう!」
「そうさ!だが!判明したのはほんの一部だ既にもっとたくさんの
魔獣ホラーや悪魔や神々もこちら側(バイオ)の世界の
ニューヨークに潜伏している可能性が高い。
だから全員、例の支給されたあの火炎、氷結、風、電撃、呪殺、
破魔の宿ったストーンを投擲武器として使って欲しい!」
「あいつらの目的は余りにもスケールが大き過ぎて良く分かりませんね!」
クエントは頭の中の思考が付いて行けず混乱した。
パーカーも「俺にもさっぱり!奴らの目的は分からん!」と。
パーカーは溜息をついてそのまま頭をうつむいて考え込んでしまった。
しかしヘレナは何かを思い出した様子で周りの鋼牙やジル、
マツダBSAA代表、パーカー、クエントに意見を述べた。
「確かに彼らの目的はスケールが大き過ぎて正直!
私でもまだ理解出来ていません。しかしあのジョン・C・シモンズ、
魔王ホラー・ベルゼビュートが言う事は理解出来ます。
それにあの演説やパフォーマンスには2つの目的があると私は思いました。
ひとつは敵対する選民思想者と神や天使の牽制。
もうひとつはマルトリートメントをする大人達や親の牽制。」
「なんだ?マルトリートメントって?」と鋼牙の質問に魔導輪ザルバはこう解説した。
「人間達の親が知らずに不適切な教育を子供にしてしまう事さ!
このせいで子供の健全な成長発達を阻んでしまい。
子供の脳機能に悪影響を与えてしまう事さ。」
「そうです。その魔導輪ザルバさんの言う通り子供達の愛した
アニメやテレビやゲームや漫画のキャラクター達が大人達。
あるいは親達によって暴言や存在の全否定、目の前で壊したり、悪く言う行為。
そういったものがストレスとして子供の脳に伝わって脳を変形させたり、
傷を付けたりする危険がある事を警告しているようにも見えました。」
「そうですね大人のほとんどはそれを知らずにやってしまい
子供の脳を傷つけていると言う問題がありますね。」
「前からこのマルトリートメントは社会問題になっているのよ。
多分、彼は唯一絶対神YHVAを信仰するユダヤ教キリスト教
信者達はカナン地方の主神バアル・ゼブブは貶められ、
蠅の王『ベルゼビュート』として強力な悪魔にされたのを恨んでいて。
その自分の不満をきっと親や大人達に押し付けているのよ!
つまり当てつけよ。あるいはー。」
「親切心で彼らに警告しているのかも?」
「まあー知らずに子供の脳を傷つけている大人達や親達にとっては泣ける話だな」
レオンはヘレナとジルの意見に賛同した。
「それなら彼ら魔獣新生多神連合のメンバーの中で
ドクターリーパー事、クラーケンやベルゼビュートもそうだが。
相手にするのは最も手強くまた危険なメンバーを資料にしました!
それがこちらです!」
マツダBSAA代表は全員に資料を木の机に置いて行った。
その場にいた全員は資料に目を通した。
「最も注意すべき魔獣ホラーは2体いる。接触には十分注意すべし。
1体目はマルセロ・タワノビッチ博士事、クラーケンの手によって
B型Tーエリクサーを投与され、
新陳代謝機能を増やす事で高い再生能力を持っている。
更にその被検体となった魔獣ホラーは最近、こちら側(バイオ)の
世界に魔王ホラー・ベルゼビュートに声を掛けられたのが
きっかけで現れた『軍曹ホラー・リャナンシー』である。
彼女は強化した物理攻撃と八色の電撃と魔弾を自由自在に操る能力を持つ。
彼女は蠅の軍団のメンバーの一人で最も強い
魔王ホラーベルゼビュートに従う兵士である。
もう2体目は魔王ホラー・マーラ。このホラーは一年前にもこちら側(バイオ)の
世界のニューヨーク市内の森に出現し、ジルが襲われたものの冴島鋼牙の手によって
完全に封印された。しかしやはりベルゼビュートに声を掛けられて
こちら側(バイオ)の世界に出現したそうだ。」
「こいつに襲われたってマジか?」
パーカーにそう質問されるとジルは無表情でしかも硬く口をつむぎ何も答えなかった。
「えーとそのマーラは寄る辺の女神となった
ジルによって新しい姿に転生したようです。」
「えーと、リャナンシーさんはなかなかの美人ですね。それでえーと。」
すると烈花が鋭い視線をクエントに向けた。
するとクエントは心底焦った表情でバタバタと両手を上下に動かした。
「あっ!あっ!すっ!すいっ!・・・・・すいません・・・・・」
クエントはしょんぼりとした表情となったが資料の続きを説明した。
「恐らくリャナンシーさんはタイラント化している可能性が高いです。」
「成程!分かっていると思うが!美女だからって油断するな!
相手は元々強い魔獣ホラーだ!しかも強化されているとしたら……」
「とんでもない強さでしょうね」
「ああ、間違いない。だから絶対に油断するな!ヤバくなったら!
自らの命を守る為に早く逃げろ!いいな!」
「はい!分かりました!」
烈花の説得にクエントは素直に従った。
「それと……」とマツダBSAA代表が言いかけた時。
突然、レオンが持っていたアメリカ合衆国大統領直属のエージェント集団
OSD専用の端末機から緊急SOS通信が入った。
レオンはOSD専用の端末機の通信ボタンを押し、スピーカーを自分の耳に当てた。
「おいおい!どうしたんだ?シェリーか?イングリッド・ハ二ガンは?」
するとOSD専用の端末機のスピーカーから物凄い風の音と轟音の爆発音と
空を切る高い音が響いた。間も無くして女性の甲高い悲鳴と
どこかに激突する大きな音が連続して響いた。
「おっ!おいっ!一体?何が?まさか?まさか?」
「うっ!ごっ!はっ!マズイっ!なんなのよ!BOW(生物兵器)なの?」
続けてシェリーの声と被さるようにしわがれた男の声が聞こえた。
「人間のクセにしぶといな!私は太陽神ケッアルカトル!
魔獣新生多神連合が一柱なり!汚れ切った人間の魂を回収しに来たのだ!
悪質アイドルハンター『ジョーカー』と言う悪い汚れ切った
人間を日輪をもって浄化しに来たのだ!さて!見たところ!
こやつらの仲間ではなさそうだが!お前も私の人身御供となれ!
私は太陽神だ!浄化してやる!」
「ふざけないでよっ!このクソ野郎!全員一人残らず殺しやがって!
許さないっ!絶対に倒してやるっ!」
それは優しく正義感の強いシェリー・バーキンの怒号だった。
「おい!シェリー?太陽神?ケッアルカトル?」
「代わってくれ!」
烈花はレオンからOSD専用の端末機を受け取った。
その後、彼女は冷静にスピーカーに向かって声を掛けた。
「おい!聞こえるか?そいつは本物の神様だ!だが普通の人間でも
落ち着いて対処すれば倒せる筈だ!奴は呪殺が弱点だ!」
シェリー!BSAA経由で支給された『マハムドストーン』
と言う魔法の石があった筈だ!あれで攻撃しろ!」
と烈花の横から鋼牙が口を挟んだ。
 
(第60楽章に続く)