(エピローグ)異世界の扉が開いた。

(エピローグ)異世界の扉が開いた。

 

しばらく話している内にふとジョンは「おっと!メールが入ったね!」

と言うとすぐにパソコンのモニター画面を確認した。

パソコンのモニター画面には魔王ホラー・マーラ事、

マルヨからのメールが入っていた。

「例の魔界を騒がせている『ホラー食いのホラー』のジンガの行方についてだが。

既に魔界第一魔層は壊滅状態だそうです。

理由は。あいつらはとうとう魔神獣サーシャ、フギ、ルカは倒され、

始祖ホラーメシアの吐息のトミノはそいつに捕食されたようです。

ジンガは用件を済ませた後にまた行方をくらませました。現在行方を捜索中。

またこちら側(バイオ)の世界で神の牙・ジンガ派の魔獣ホラー達が

陰我のあるオブジェのゲート(門)から出現している。

しかもあいつらは自分が喰われたくないと言う理由で出来るだけ多くの人間を

短剣で魔獣ホラーに変えてサクリファイスとして仲間を神の牙ジンガに

献上していようとしているようです。みんな彼を恐れているようですね。

ついでにジンガはどうやらこちら側(バイオ)の世界のニューヨーク市内の

どこかに潜伏中と思われますが行方は不明です。

もしも万が一魔獣新生多神連合の新宇宙創造計画がジンガに漏れた場合。

新宇宙である宇宙の卵が奪われる危険性が極めて高いものと思われます。

また奴は『静かなる丘・サイレントヒル』に姿を現すかも知れません。

ジル・バレンタインにも注意と警戒を!!以上!魔王ホラー・マーラ事、マルヨより。

追伸・ジンガは魔戒法師アミリの他にも片思いの魔戒法師の女がいた模様。

名前は友葉と呼んでいたそうです。彼女はトミノに意識を奪われ、

抜け出た後に倒れているところを肉体から魂のみを回収していたようです。

黄泉返らせるかどうかは不明。」

「成程、魔戒騎士のパートナの魔戒法師ともあろう者がホラーに恋とは

実に奇妙だな。まあーあくまでも利用したい為にやるのだろうが。やっかいだな。」

魔王ホラー・ベルゼビュート事、ジョン・C・シモンズは木の机に両手を置いた。

そして二ヤニヤニヤと笑い続けた。だがあの魔神獣3体を倒し、トミノを喰った。

なんて素敵な奴なんだ。僕も神になる。それに君と戦う為に東方の幻想郷の紅魔館

のメイド長の十六夜咲夜(いざよいさくや)を僕は魔人フランドールの居場所の情報を

利用して誘い出し、僕の強大な魔力と

変異型賢者の石をディープキスをして流し込んだ。

(彼女は10代後半で未成年だからね。妊娠してもあとが面倒だ。)

君とその妻アミリを確実に殺す為の『神殺し』として用意して置いた。

2人を殺すのが無理でも咲夜と私の居場所を予め流しておけば黄金騎士ガロの

冴島鋼牙が駆けつける。4人で協力して連携すれば封印位は出来るであろう。

あいつらに宇宙の卵は絶対に渡さないし、仲間もこれ以上は喰わせてなるものか!!

楽しみだよ!神の牙ジンガよ!!アミリよ!僕をがっかりさせないでくれよ!」

 

ニューヨーク市内のチェルシーに地区にある刑務所。

そこは最新のセキュリティ設備が設けられた脱獄不可能と呼ばれる

刑務所内のとある独房内である一人の受刑者の男が脱獄する事件が起こっていた。

しかも奇妙な事に受刑者の男は鏡の中にスーツと消えたらしい。

実際、一人の看守の女性が目撃していた。そこで黄金騎士ガロの称号を持つ男にして

魔戒騎士の最高位の冴島鋼牙はその事件が

発生したチェルシー地区の刑務所を訪れていた。

彼はいわゆるBOW(生物兵器)やウィルス兵器等のバイオテロとは違う事件。

本業の魔獣ホラーを狩る仕事に加えて目に見えない存在。

つまり幽霊や悪魔や天使や大天使達や異教の神々が起こしたと

思われる怪奇事件をアサヒナ探偵事務所と協力して幾つか解決させて来た。

今回の事件も刑務所の所長からの依頼を受けてそこを訪れていた。

冴島鋼牙はさっそくその問題となった独房を調べていた。

鋼牙は右腕を差し出して洗面台の鏡を魔導輪ザルバに調べさせていた。

やがて魔導輪ザルバはカチカチとこう返事をした。

「鋼牙!この鏡には微かだが魔力と邪気が残っているぜ!」

すると受刑者が鏡に消える姿を目撃した

看守の女がどの脱走した受刑者のメモを渡した。

「うーむ。『私は静かなる丘へ!今度こそ!

テレビやゲームやパソコンやスマートフォン

携帯も電子本も存在しない人間にとっての理想の世界を神と共に創る』か。

このメモを残した受刑者の名前は?」

「若村秀和さんです。BSAAのクエントさんに逮捕されてから。

ずっとここに収容されていました。ですがーあのーあのー。

まさか?本当に鏡から逃げ出したのでしょうか?」

「間違いないだろう。鏡は太古の昔からあの世とこの世を繋げたり。

異世界や並行世界に繋げる力がある。今回もそれに似た現象だろう。

勿論、今はただの鏡だが念の為にこの鏡はこの札で結界を張っておこう。

鏡から何が出てくるかは予測は全くつかないからな。」

鋼牙はそう言うと鏡にぺたりと鋼牙は赤い札を張った。

バリバリと電気が走り、鏡のレンズには紫色の膜が出来た。

「さて!懲りないその若村を捕まえに行くとしよう!全くあんな酷い『R型暴走事件』

を引き起こしておきながら。今度は神や悪魔も利用する気のようだからな。」

「こりゃ!ほっておく訳にはいかんよな」

「まっ!まさか?『静かなる丘』へ行くつもりですか?」

「そうだ!恐らく若村は鏡を使って異世界から向こうの

『静かなる丘』に逃亡した筈だ!」

するともう一人の刑務所の看守が恐る恐るこう尋ねた。

「まさか?本当に行くつもりですか?『あの静かなる丘』に」

「ああ、そうだ!恐らく奴はその街にいる筈だ!」

「確信があるんですか?」

「勿論だ!恐らくこの刑務所の若村の独房の鏡が異世界

入り口になっている可能性が極めて高い。」

「やっ!やっぱりマジなんですか?そっ!異世界とか?

表世界と裏世界があるとか?あのー本当に?」

「あるらしいとは風の噂で親父から小さい頃から良く聞かされた事がある。

一応、親父は行った事が無いから幼い頃から

なんと言うか得体の知れない怖さを感じて。

結構恐ろしかった記憶がある。夏になると時々、その『静かなる丘』に

まつわる怪談や怖い話を良くしてくれた。子供の頃はすっごく怖かったな。

今思えば一時の良い思い出だった。父親は俺が10歳の時に亡くなってな。

母も不治の病で幼い時に亡くしてな。」

鋼牙は「おっと!済まない!勤務中なのに!」と頭を下げた。

看守の男は「いいですよ!」と笑って答えた。

その時、突然、刑務所内にサイレンの音が長々と響き始めた。

しかもどこから聞こえているのか分からなかった。

ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウーッ!

ウーッ!ウウウウウウウーウウウウウーッ!ウウウウウウッ!

「なっ!何なんなんだ?超うるせえーぞ!」

「マズイ!これは異世界のサイレンだ!」

鋼牙が叫んだと同時に魔導輪ザルバも声を上げた。

「マズイぞ!鋼牙!このアメリカ刑務所の建物内が異世界に取り込まれちまう!」

やがてパリパリパリと音を立てて清潔なタイルの壁と灰色のタイルが次々と

細かくまるで紙屑のようにどんどん剥がれて行った。

それは瞬く間に壁や床の全てを引き剥がして行った。

続けて壁や床は見る見る内に真っ赤な血と錆に覆われた異世界へ変わって行った。

また電灯の明かりの付いた天井が丸ごと消失し、

暗黒の一寸先も見えぬ闇に覆われていた。

続けて独房に閉じ込められていた多数の囚人の太い声や甲高い絶叫がまるで

うるさい動物園の動物のように異世界と化した独房内から一斉に聞こえて来た。

鋼牙と生き残っていた看守は余りのやかましさとうるささに両指で耳を思わず塞いだ。

正に地獄絵図のようだった。「なっ!なんなんですか?攻撃ですか?」

「おい!動くな!俺の傍から決して離れるな!」

鋼牙は刑務所がパニックに陥る中、冷静に看守の腕をしっかりと掴み、

離れないようにした。更に地獄絵図は続いた。

そして暗闇の中から何か得体のしれないものが何回か見えた。

何かは分からないのだが影のような黒い物体?目の前には何かがいた。

しかしはっきりとは分からない。しかもそれは笑っていた。

鋼牙と看守には少なくともそう見えた。それは10歳未満の幼い少女に見えた。

そして真っ赤な瞳。まさかあの子は?今度はまた長々とサイレンが鳴り続けた。

するとまた血と錆に覆われた壁と床がぺリぺリと剥がれて行きどんどん

元の真っ白な清潔なタイルの壁と灰色のタイルに戻って行った。

それからサイレンが鳴り止む頃には不気味な静けさと共に電灯の明かりの

付いた天井も何事も無かったように元通りになっていた。

看守と鋼牙は警戒していたもののどうやら元の世界に戻り、安心した。

しかしー。看守が直ぐ近くにあった独房の様子を柵越しから見た途端に

顔から血の気が引き、真っ青になっていた。鋼牙も独房の柵越しに確認した。

すると独房の中の白いシーツのベッドが真っ赤な血で染まっていた。

ピトッ!ピトッ!とシーツの角から血が滴っていた。

ベッドの上には強盗の罪で収監されていた一人の囚人が

胸の銅の杭を打たれて即死していた。

囚人の男は恐怖で目をぱっちりと開けたままだった。

更に慌てふためいて駆け付けた他の囚人達が鋼牙と一緒にいた看守の前に現れた。

続けて鋼牙と看守にこの刑務所に収監されていた18997人の囚人達が

胸に杭を打たれて死亡した死体を発見したようだ。

「そしてあの男で18998人目だ!恐らく生贄にされた!」

「生贄って?まさか?例の教団の仕業?」

「急いだ方がいいかも知れん!直ぐに行こう!」

 

(BIOHAZARD BIOOBY ROSE(バイオハザードブラッディローズ)

MICHAEL(ミカエル)完結)

 

これで『BIOHAZARD BIOOBY ROSE

バイオハザードブラッディローズ)MICHAEL(ミカエル)』は完結しました。

さて次の小説はいよいよ『バイオハザード』から移り。

舞台は『静かなる丘』つまりサイレントヒルとなっております。

次の話『サイレントヒルズ・ミカエル』の物語は始まります。

ちなみにサイレントヒルが舞台の物語を書こうと思った理由は。

コナミがわざわざ『P・T』と言うループものゲームを公開して

サイレントヒルズを製作するよ』とアナウンスしながら

結局開発中止にしたからです。

結果的に私はそこでひねくれて『じゃ!自分で物語制作するわ!』と言う事で

バイオハザードとキャラの世界観の地続きで『サイレントヒル』の

物語を書いたと言う事である。

てな訳で次の作品『サイレントヒルズ・ミカエル』は近日公開です。

楽しみにしてくださいませ♪♪では♪♪