(第23章)ホワイトフランドール

(第23章)ホワイトフランドール

 

『静かなる丘』の街中の『TOLUCA ARE』通りの肉屋のすぐ隣にある電気屋

電気屋内はうす暗くとても静かだった。

そこに12歳の少年が目に見えない力で電気屋さんの

裏口のドアをバキッ!と真っ二つに引き裂いた。

やがて12歳の少年のアキュラスは店内に入った。

そして周囲の家電コーナの棚の電化製品を茶色の瞳で見ると目をカッ!と見開いた。

同時に大量の電化製品を面白半分に粉々に内部から破裂させて次々と破壊して行った。

アキュラスはニヤリと笑った。

「そうです!!私達人間達はただ自然のあるものしか

受け入れない事が正しいのです!!

だから!この電化製品はこの世界に必要無い!!

古びた電化製品はアキュラスの超能力によって次々と床に落ちて

風船のように内部から破裂して瓦礫の山となった。

更にアキュラスは大きな棚の上にある販売用のVHSビデオテープが

多数並んだ棚があった。しかしアキュラスはそれをまた超能力で右側から

左側まで順番に風船のように内部から破壊して行った。

更にテレビコーナにあるブラウン管のテレビも誰かが落とした携帯やスマホ

他にも古い年代物のパソコンも全て魔力で破壊した。

更に棚の上から落ちたパソコンやテレビを何度も何度も踏みつけた。

その度にテレビの液晶画面が粉々になった。

やがてパソコンやテレビの液晶画面も箱部分も原形を留めない程、破壊し尽された。

アキュラスは携帯やスマホを真っ二つにへし折った。

あるいは壁に叩き付けて粉々にした。

「テレビデッキを捨てる!ビデオを捨てる!

親の理想についていけないのはテレビのせいなんだって大人が言っていたんだ!!」

アキュラスは狂ったように長々と笑い続けて破壊し続けた。

 

『CANYON ST』の交差点。

エアは無線でHCFセヴァストポリ研究所にいる仲間のグーフィと会話していた。

「最近、アフガン、イスラエル、アフリカ等の各国の紛争地でも

『リビド・ストランディング(性の座礁)』が発生しているようだ。

特にイラクとシリア内には一番大きなものが出ているらしい。

しかもイスラム系テロリストの『ISIL』内では自らに都合の良い解釈をした

シャリーアイスラム法)を住民に無理矢理押し付けてイスラム教を

悪用した恐怖政治によって支配地域を支配していた。

けれどその支配していた筈の多数の住民達がリビドー・ストランディング

(性の座礁)内に一度に一気に跡形も残さず消えてしまったらしい。

つまり集団失踪ってやつさ!!更に奴隷制度が復活してそして多数の奴隷達も

リビドー・ストランディング(性の座礁)の内部に飲み込まれ、一気に失踪した。

ISILは大混乱さ。それであの支配住民も奴隷も一気に失って

今彼らの秩序は崩壊寸前さ。処刑対象の同性愛者も兵士にする為や自爆テロ

用いる幼い子供や少年も家族ごとリビドー・ストランディング(性の座礁)の

内部に飲まれて消えた。残ったのはISILの連中だけさ。

勿論、アフリカの少年兵も家族もリビドー・ストランディング(性の座礁

内に飲まれて消えた。勿論、こちらのアフリカ武装勢力達も困っている。

更にISILもアフリカ武装勢力もいわゆるプロパガンダ戦略を行っている幾つかの

広報部門。例えばISILの「アルイヤトメディアセンター内のコンピューターが

オペラ座の怪人』と名乗るハッカーによってハッキングされて自爆テロの情報や

爆弾テロの情報。特に詳しい情報、全て作戦内容の文章や各組織の全ての支部

本部の位置、また幹部の個人情報も全てネット上に流出している。

またデータも全てクラッキングで破壊されて

プロパガンダ動画の制作が不可となっているようだ。

しかも特にISILが集中的にサイバー攻撃を受けている状態のようだとか。

アフリカ武装勢力以上に酷い状態らしい。

しかもサーバーの全てを破壊されてしまってひょっとしたら壊滅するかも?

と言う都市伝説が世間では囁かれている。

あとやはり、これらは『静かなる丘・サイレントヒル』の異世界から

霊的な力で彼らの電子機器に干渉してコンピューターウィルスや

クラッキングやハッキングが行われているらしい。」とグーフィ。

「そうか。一体?彼の目的は何なんだ?オペラ座の怪人は何者なんだろう??

やはりサトル・ユウマなのか?彼が??」

「サトル・ユウマ?確か『静かなる丘』のトルーカー湖近くで

失踪した日本人の少年だよな?でもどうして彼がそんな?」

「とにかく詳しい事は本人に聞かなきゃ分からないんだろう?」

「ああ、会って話を聞くのもアリかもな!

じゃ!また何か分かったら連絡するよ!グーフィ!幽霊でも会ってみるよ!」

「ああ、分かったら引き続き調査して何か分かったら報告するよ!」

エアは無線を切った。それから再びホワイトフランドールが待っている

合流地点まで歩き始めた。確かこの道を真っ直ぐに行けば交差点に着く筈だ。

エアはとりあえず『CANYONS ST』の道路を下方向に一直線に歩き続けた。

それから地図を端末機のナビで確認したところ確かに道路に一直線に行けば

『MIDWAY ERE』と『CANYINS ST』交差点に出るのは

間違いなさそうだ。途中またストレイトジャケットフランが多数現れたが弾の節約

と回復薬節約と体力温存の為に片っ端から全て無視した。

やがて赤い丸い『STOP』の看板と緑色の前後の2つの長四角の通りの看板がある

交差点に着いた。そしてすぐ目の前にホワイトフランドールを名乗る存在が現れた。

その姿はアルミケラ病院で出会ったブラックフランドールとは正反対の姿をしていた。

青い瞳と真っ白なドアノブ型のナイトキャップを被り、真っ白な服装をしている。

半袖の服もミニスカートも真っ白で美しく奇麗な真っ白な一枚の布で出来ていた。

「私は!ホワイトフランドール!!私はあの『静かなる丘』の土着神の

聖母になる儀式の後にアキュラスとヴァルティエルに

アルミケラ病院に運ばれる途中に私はせめてもの。

いや、運命に抗う為に自分の胎内に宿した神の復活までの時間を稼ぐ為に

サ・ガーランドが持ってるフラウロスの力を利用して

アレッサ・ギレスピーのように自らの魂を分離させてブラックフランドールと私事、

ホワイトフランドールとなって『静かなる丘』のどこかに隠したの。

でもブラックフランドールはさっき貴方が彼女のした事を知っていると思う。

彼女は全身に致命的な火傷を負って更にアキュラスは私達を本体に呼び出す為に

あのダリアと同じく私の肉体に呪術で未だに苦痛を与え続けているの。

それにブラックフランドールに同調していて怒りと憎しみと苦悩から

神の力である異世界を産み出して多数の怪物達を産み出したの。

それがアルミケラ病院。今後も遭遇するであろう赤い血と錆の裏世界よ。

それともうひとつがこの『静かなる丘』の街を彷徨っていた少年のサトル・ユウマ。

彼はリビドー・ストランディング(性の座礁)や巨大な赤いガラスの異世界

ファントム(幻影)とオペラ座の怪人にツーバックとワンバック、ベビーバック。

クリーパーの異形の怪物を産み出してしまった。

つまりエア!『この静かなる丘』で」私だった魔人フランドールの異世界

サトル・ユウマの異世界のふたつがお互い意図しないまま誕生してしまった。

しかもふたつの異世界はお互い共鳴し合い、重なってるの。

今後、どちらかの異世界が消滅して片方が残るかそれはまだ分からないわ。

どちらもサトルもブラックフランもお互い影響し合っていう。

何よりどこかの選民思想者達みたいに一方的に排除せずに争ったりしていないわ。

うまく共存しているみたい。」

「それで?アキュラスは謎だけどサトル・ユウマは誰なんだ?」

「以前、秘密組織ファミリーを通じて彼について調べてあるの。

サトル・ユウマ。高校2年生。その彼女の紗倉アミコ。

自分が大きくなったら20歳になって彼女と同じ年になったら

結婚しようと約束していたようね。プロポーズはまだまだ先だけど。

かなり本気で付き合っていたようよ。彼はまだ17歳だけど。

でも20歳の宮田文夫って男に彼女を取られた。」

「うん!知ってる彼の記憶を見たよ!」

「そしてツーバックやワンバック、ファントム(幻影)達が産まれた。」

それからホワイトフランドールは優しく明るく笑った。

「大丈夫!私はブラックフランドールと同じ半分の魔力を持っているけど

精神は安定していて人間を平然と狂暴な異形の怪物達をけしかけたり。

直接自分の手で殺したりはしない。ただブラックフランドールと

ホワイトフランドールは元々一つなのよ。魂のふたつの分霊みたいなものだから」

「しゃ!いずれ元に戻るのか?魔人フランドールに?」

「いずれそうなるわ。そうなった時、復活する神をどうにかしないと。」

エアとホワイトフランドールはしばらく考え込んだ。エアはこう話を続けた。

「じゃ!まずは静かなる丘の町中をくまなく探して君の肉体を探さないと!」

「そうね。きっとこの街の何処かの建物のベッドの上に拘束されて異世界

創造させて神を育てる為に隠している筈!!」

「探しましょう!この街の何処かの建物にいる筈です!」

エアとホワイトフランドールは一緒に『静かなる丘』の街を歩き出した。

2人は下へ降りて右側の方へどんどん歩いて行った。

 

(第24章に続く)