(第11章)デス・アンド・リバース(小説本編冒頭の動画のみ一部の視聴者にとって攻撃的な映像と不適切な内容が含まれます。ご自身の責任において視聴して下さい)


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(第11章)デス・アンド・リバース

 

(デス・死の世界)。

何処かの暗闇の取り残されていた『のぴ』の意識は目を覚ました。

そこは良く分からないが赤い旗や白い警察と思わしきパトカーが停車していた。

周囲には赤い服や青い服を着た人々が集まっていた。

続けて数発の銃弾が聞こえて来た。『のぴ』は恐怖を感じた。

なに?ここはどこ?さっきの音は何?どうなっているの?

混乱する中、急におばさんの横にいた赤い背中に白い数字の付いた男が

バタンと仰向けに倒れた。慌てて何人かが倒れた赤い服の男の周りに集まった。

さらに前方から長四角の盾を持ったヘルメットをかぶった男達が現れた。

更に容赦なく発砲してきたのか銃音がまた数発響いた。

銃弾は緑色の屋根の横に取り付けられていた水道管に当たり、大量の水が出た。

銃音はさらに大きくなり。

『のぴ』は怖くなって錆びだらけの柵の中にしゃがんで隠れた。

更に銃音は増え続けた。撃たれた男を運び、慌てて反対方向に逃げて行った。

のぴも必死に死に物狂いでその場から地面の茶色の枯葉を見て走り続けた。

彼女は息を切らせて全速力でただただ走り続けた。あたし。あたし。あの人は!!

そして大きく泣き出した。あの人撃たれたんだあっ!どうして??どうして??

なんで?!なんで?無防備な人を撃つの?ねえー!どうして?どうして??

更に道路では19歳の女の子の後頭部を銃弾が貫いた。のぴは絶叫し続けた。

また別の場面では走って逃げている白いシャツの男の背後から

一人の白い服の男が両手で銃を構えて発砲した。

さらに多数の迷彩服の男達が銃音を響かせて何発も発砲し続けた。

『のぴ』は泣き続けた。ただただ悲しく泣き続けた。

また攻撃を受け続けている街に住民達も警察官に対して全員スマホ

空に掲げて必死に抵抗していた。人々は何か言葉を交わして勇気を

もって立ち向かっていた。

するとジョンとマルセロ博士と思われる男2人の声が聞こえた。

「惨いな。ミャンマーの首都のネピトと古都マンダレで

ミャンマーのクーデターを起こした軍事政府が治安部隊が発砲して

19歳の少年少女達や子供達が撃たれて死亡しておる。

死者は未だに増え続けておるか。残酷な人間め!」

「愚かな連中だよ。だがもっと愚かなのは軍に武器を渡している武器商人達だ。

他国の。ここでは誰がとは言わないが。商人達は金儲けの為に他国同士や

自国の住民を殺す様に。あるいは弾圧するように罠を張り。武器を売りつける。」

「そんな連中達のせいでいつまで経ってもバイオテロやクーデターは無くならん!」

「武器の銃器や刃物やウィルス兵器やBOW(生物兵器)を売りつける

組織や裏社会の権力者達。下手をすれば国の高官や大統領である可能性もあるな。」

「こんなんじゃ!キリが無い。問題解決までの道のりは果てしないよ!」

「クソっ!今度は空爆に集団暴行か!本当にいい加減にしてくれ!うんざりだ!」

のぴは気が付くと胎児のように丸くなっていた。

もう。嫌だ。見たくない。こんな現実(リアル)見たくないよ。嫌だ!もう!

嫌だ!嫌だあっ!助けて!助けて!あたしはッ!あたしわああっ!」

そしてのぴの脳裏に威厳のある女性の声がはっきりと聞こえた。

「ならば旧人類を滅ぼし!楽園を創造する事じゃ!」と。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」とのぴ。

「やはり沈黙を貫き続けるか・・・・・・」と太陽神テスカトリポカ。

やがてのぴの真っ暗闇の空からゆっくりと下へ下へと落ちて行った。

のぴはパサッと白い砂浜に落下した。彼女はゆっくり瞼を開けた。

そしてゆっくりと立ち上がった。頭上には真っ白な太陽に青空が広がっていた。

場所はアメリカの西海岸の光景と良く似ていた。

のぴは地面の白い砂浜を小さく巻き上げてどんどん歩き続けた。

目の前にはザアーッ!パアーッ!と青緑色の海水が白い波が

何度も何度も引いては打ち寄せてを繰り返し続けた。

「綺麗・・・。」とのぴは呟くと青緑色に美しく輝く海の方へと歩いて行った。

その時、急に彼女は胸部と背中に同時に激痛が走った。

「うぐっ!あぐっ!痛いッ!痛いッ!何?何があっ!起こって・・・・。」

のぴは両腕で胴体を抱きしめてその場に座り込んだ。

そこに天空からスーツと両腕を広げてゆっくりと砂浜を降り、佐代子が現れた。

佐代子は砂浜にゆっくりと着地した後にゆっくりと口元を歪めた。

「ウフフフフッ!始まるわ!もうすぐで楽園の扉を開く最後の儀式がね!」

「楽園?私がっ!痛いっ!楽園の扉って?あっ!ぐっ!がっ!」

「貴方はアレッサ・ギレスピーとシェリル刑事に代わって楽園の扉を開けるのよ!!

選ばれたのよ!聖母フランドールに続いて貴方がね!!」

「ううぐううっ!私は!ああっ!意志が!自分で抑えられないッ!ああぐぐああっ!

痛いっ!痛いよおっ!心がああっ!頭がああっ!割れるッ!割れるッ!」

のぴは全身と頭に激痛が走る中、脳裏に様々な映像が流れ込んだ。

それはこちら側(バイオ)の世界で異形の怪物に

殺されて死体となった人々の映像だった。

あのミャンマーのクーデターによって国を支配された軍の手によって

ミャンマー人のおばさんの横にいた赤い服を着た男が銃弾によって頭部を撃ち抜かれて

即死した光景。次の場面ではニューヨーク市内のとある2階建ての家で男子中学生が

女子中学生をレイプしようとした瞬間。女の子の子宮と膣から伸びた無数の塩のように

鱗を纏った百足(むかで)の脚に似た多数の触手が男子高生の背中上部から

心臓を正確に刺し貫いた。そして鋭利な槍を真紅に染め上げた。

男子中学生は「げほっ!げほっ!」と軽く咳をしたあと。

自分の掌が血に染められているのを最後に死んで行った。

またケリヴァーミショナリー達に心臓を銅の杭で刺し貫かれて次々と死んで行く

多数の一般市民の大勢の男達。

まるで鳥葬の如く天魔ヴァルティエルに喰い尽くされて

もはや原形を留めない死体となった若村秀和。

ケリヴァーミショナリー達が大勢の真っかな瞳をした人間により寄ってたかって

食い殺される光景。その他。大勢の骨や死体、血しぶき。

血溜まり。腐りかけた死体の数々。

ほんの一秒間に大量に一気に脳裏に映り続けた。あらゆる死のイメージ。

さらに自らに刃を向けようとする自分自身を見た途端。

死の恐怖と絶望が瞬く間に彼女の心を侵食した。

彼女は正しい判断する気力を完全に奪われた。完全に正気を失った。

「きゃああああああああああっ!あああああああああっ!

いやだああああああああっ!」

彼女の意識はぷっつりと切れて目の前が真っ黒に塗りつぶされて行った。

完全に意識を失ったのぴはカッ!と瞼を開いた。

 

リバース(再生)の世界。再び秘密組織ファミリーの本部に当たるジョンの屋敷。

ジョンの自室の中に太陽の聖環を身体に刻まれた日本人の若い女性が入室してきた。

その若い女性の名前は雪国舞と言う女の子で平成ガメラが好きな特撮オタクである。

彼女は例の『ガメラ・邪神イリス再誕』のゲームを持ち込み。

ジョンに頼まれてそのゲームの全6種類のエンディングを解放して見た

真のエンディングを解放して見た。そして解放して見た真のエンディングから

今回の死神ホラー・タナトスの復活のヒントを発見した影の功労者である。

彼女は太陽神の命令で『死神ホラー・タナトス復活のヒントはゲームの中にある』

とわざわざ教えてくれたのだ。

その謎の行動にジョンは太陽神の真意を図りかねていた。

そして全エンディングを見てゲームを何周して解放した真エンディングはグッド

エンディングの後日談で。とある日本の海岸に

奈良山中で女性キャンパーから取り出した

イリスの胚を封印した真っ黒に輝くパチンコ玉のような球体が瞬間移動したようにそこに存在していた。そこにとある理由から

精神病院を脱走した若い女性が浜辺を歩いていた。

ちなみに出演しているこの若い女性キャラのモーションキャプチャー

実は女優でまた一年目の雪国舞本人である。

彼女はそのパチンコ玉の球体を見つける。

さらにいつの間にか見つけた黒い勾玉を持って青緑色に

輝くパチンコ玉の球体に誘われるがまま自ら内部に入り込んでしまう。

そこで彼女は裸のまま胎児のように丸くなった。

彼女は下部から生えた触手によって膣から子宮にイリスの胚を植え付けられる。

「あっ!」と言う短い喘ぎ声の後に女性キャラの子宮に床着して妊娠する。

あっと言う間に下腹部は膨らみ、妊婦となる。子宮の内部では黄色の三角形の頭と

黒いつぶらな瞳の持ったイリスの幼体がぱちくりと目を開けたり閉じたりした。

女性キャラは両頬まで伸びたボブショートヘアの茶髪。長い茶髪の前髪。

長い茶色のやや太いキリッとした眉毛。

細めのつぶらな茶色の瞳。丸っこい低い鼻。

ふっくらとした両頬。整った丸い顔立ちをしていた。

彼女はピンク色の唇を振るわせてニッコリと笑った。

そして美しい白い歯が見えた。

両耳には緑色の球体のイヤリングをぶら下げていた。

また深い谷間も見えていた。しかも太陽の聖環らしき真っ赤なマークが見えた。

どうやらこのゲームの撮影前に刻まれたものであろう。

当時、あのマークはSNSで動画や画像にアップされて話題になっていた。

最後は妊婦となった女性キャラと共に地中深くに沈んで姿を消した。砂浜には

彼女が着ていた病院服だけが残されて画面が真っ暗になり、タイトル画面に戻った。

このシーンからジョンは死神ホラー・タナトス復活のヒントを見つけ出したのである。

しかしジョンは多少の性欲はあったが彼女が有名な女優だった。

しかもハリウッドの映画に出ている新人であり、

まだ演技も未熟でこれからの仕事であり。明るい未来がある。

だからこそ今肉体関係を今結んだり。

出来ちゃった婚は彼女にとっての明るい未来をダメにする可能性が高い。

自分のスキャンダルで消してしまうのもなんだか嫌なの

で今回性欲は大人の常識に従った我慢して。しっかりと理性で押さえた。

彼女との肉体関係は今後ゆっくりと考えればいい。

もしもこちら側(バイオ)の世界が滅亡した時。いや・・・それは考えない・・・・。

考えたくもないな。彼女は・・・・大切な希望を持っている・・・・。

そもそもベッドで衣服を着たまま仲良く仰向けに寝転んでいる時点でもうおかしい。

かといってせっかく入室してきた彼女を冷たくは追い出せない。

彼女は・・・・いや・・・・付き合っていないからあの子と呼ぼう。

あの子はかつて日本の大学生で両親に世間体の事ばかり気にしている余り。

自分が選んだ大学や学校に本人の進路も思いもロクに聞かずに価値観押し付けて。

唯一神や大天使や天使達の自分達の善意のお飾りの為だけにその子を奴隷にしていた。

しかもあの子もけなげに両親に黙って事務所に入り、必死に役者を目指した。

だが・・・・それも・・・両親の手によって事務所を勝手にやめさせられた挙句に。

大切な役者に出た舞台の想いでの写真を破り、踏みにじり、貶めた。

追い詰められた彼女はとうとう踏切で自殺しようとしたが。

そこに神の悪戯か?幸運か?不幸か?

他人の役者を演じて己の栄光を取り戻さんとする陰我を持つ高峰龍之介。

またの名を魔獣ホラー・アグトゥルスに助けられた。

そして絶望するその子に役者を目指す夢を知り。

彼は冴島鋼牙と命を懸けた舞台をあの子に見せて。

もはやホラーに憑依されて自らの心と魂を失った

虚栄の自分の中に残る役者と演じる者の心と情熱を見せた。

ちなみに鋼牙もそんな彼の熱意を汲んでかなりノリノリで芝居をしていたらしい。

その子の本来の夢と役者として女優としての心を目覚めさせた。

あの子は女優に役者になって舞台に立ちたいと言う

想いから舞台と言う場所に駆り立てた。

両親を見限り。当然だ。自分の夢を追って彼が残したチケットと場所を頼りに

アメリカの映画の国ハリウッドへと旅立ち、有名な女優となり今に至ったのである。

両親とはずっと疎遠らしい。近所の周りに自らの過去を打ち明けた為。

大勢の人々がその子の情熱と活動を支援してくれた。両親は自分の娘に貶められて

近所の人たちに煙たがられて肩身の狭い思いをしているそうだ。

ジョンがベッドの隣に寝ていた雪国は自らのスマートフォンをいじっていた。

ジョンがスマホの画面を見ると大量に送られた両親のメールを片っ端から

『迷惑メール』として処理して即座に削除して『受信拒否』に

両親のメールアドレスを設定した。それからその子は不安な表情でジョンの顔を見た。

ジョンは不安な表情の彼女にどうにか安心感を与えようと白い肌に覆われた筋肉質な

引き締まった両腕で雪国の普段着の衣服を着た華奢な身体をゆっくりと抱きしめた。

気が付くの雪国の両眼からは一筋二筋の涙が流れていた。

やがてジョンの脳裏に恐らく太陽神テスカトリポカが不安な表情で先行きの

全く見えないその子の不安な子の心と複雑な恋愛感情と大きな悩みに付け込んで

雪国の白い肌に刻んだ太陽の聖環の呪術を利用して日本の恐らく

どこかの街の風景と日常を映像を強引に見せていた。


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しかも映像にはたくさんの人々と数人の女性が話していた。

それは恋愛に関するものらしい。しかもそれは内容はどれも生々しいものだった。

男に対するセックスの価値観。

「男は甘えさせてくれる母親を望む」と言う考察の数々。

余りにもリアルでどこか冷めた成人の女性達。

それは現実の嫌な部分が集まったような不気味で恐ろしい映像の数々。

なんだ?これは?これは人間達の女の心なのか??

ジョンは急に入って来た情報の多さに頭が混乱した。

あいつは嫌い。こいつは嫌い。クソっ!何なんだ!なんなんだ??!!

何故?貴様は僕に何を伝えたいんだ??

何故?貴方はここにいるの?貴方は何故ここに?

僕は・・・目的があるからだ・・・僕はっ!ぐっ!!

目的は・・・・唯一神と大天使と天使を全て抹殺し・・・・・。

東のミカド国を天国を滅亡させて・・・・・。僕は・・・・。

僕は・・・・必ず!!新宇宙を創造して見せるんだ!!

ジルを・・・寄る辺の女神にして見せる!達成させるまで僕は・・・・。

絶対に諦めない!!それが僕がここにいる理由だ!!

ジョンは改めて太陽神テスカトリポカに答えを心の中に示した。

しかし一方で雪国は涙目のままジョンの顔をじっと見つめていた。

「私はココにいていいの?」と彼女はぽつりと言った。

ジョンは彼女個人の心の問題の為に答える事が出来無かった。

そして雪国をベッドの上に残してジョンは立ち上がり椅子に座った。

 

(第12章に続く)