トワイライトゾーン(猫の世界)その2

トワイライトゾーン(猫の世界)その2
 
 さて、貴方はレストランへ行く客として好きな料理を注文し、
料理人(コック)が作り出された料理を食べます。
もしもその立場が逆だったら?
貴方はどうしますか?
つまり料理人(コック)が客で料理は客であるはずの貴方達です。
 目が覚めるとそのなかは狭い部屋でした。
目の前の壁にはこう書かれていた。
「当軒は注文の多い料理店ですがそちらはご承知ください。」
「ナンダッテ?」
「ここから出られないの?」
「イヤ、ヤッテミル」
とアンソニーは目をつぶり、無事2人が外に出られる事を心の中で望んだ。
その瞬間、頭の中に苦しそうに泣き続ける猫の甲高い鳴き声がした。
「ワッ!デキナイ僕ニハ!」
と急に両手で頭を抱え座り込んでしまった。
「ムリダヨ!」
「なんでよ!」
「出口ガ望ミ通リ出ナインデス!」
石坂は勇気を振り絞り先へ進むことを提案した。
「とにかく自力で出口を探しましょう」
と彼女は恐怖で顔をこわばらせた。
しかし意を決意し、アンソニーを脇に抱えて先へ進んだ。
扉を開けた先も小さな石造りの部屋になっていてまた何か書いてあった。
「髪をとかして、履物の泥を落とす事」
という注意書きだった。
「ドウイウ事デスカ?」
「ここは料理店でしょ?何がなんだかさっぱり分からないわ。」
と徐々に彼女は怖くなり、目がうるんできた。
「コレ以上先ヘ進ムノハ危険デス。」
でも?窓も通気口の穴もないわ。
先へ進むしか。
アンソニーは彼女の頭の中の考えを読んだ。
「確カ二先ヘススムノシカ道ガナイヨウデスネ」
「貴方はあたしの心を読んだのね」
「スイマセン。ツイ気二ナッテシマッテ」
さらにアンソニーは口を開いた。
「コレ以上ハ先へ進ミタクアリマセン。」
「どうして?」
「何カヒドイ事ガ起キル予感ガシテ。トテモ怖イデス。」
石坂はたちまち心細くなった。
しばらく二人は悩んだ末に先へ進む事にした。
その前にまず二人は置いてあった長い柄のついたブラシで
綺麗に髪を削って靴の泥を落とした。
するとどうです。
2人がブラシを置くや否やブラシは消えてなくなり、
また先のドアが開いた。
先へ進むとまた何か書いてあった。
「どうか帽子と靴と衣服をお取りください。」
「どうする?」
「置いてみましょう」
と2人は上着だけを脱ぎ、ハンガーに掛けた。
扉を開けると裏側には
「財布やその他金物類を尖ったものは皆置いてください。」
と書かれていた。
「これはまさか?」
「ナンダイ?」
とアンソニーが見ると大きな金庫が置かれていた。
「こんなことして本当に出られるかしら?」
早く帰らないとお母さん、お父さん兄が心配しているわ」
2人は財布等をみんな金庫に入れて鍵をかけた。
 
果たして2人は無事、この不気味な建物の外に出られるのだろうか?
トワイライトゾーン(猫の世界)その3に続く)