(第6章)シリアルキラー(連続殺人鬼)とペルソナ覚醒

(第6章)シリアルキラー(連続殺人鬼)とペルソナ覚醒

 

ニューヨーク市警近くのアパートメントの

シェリル・モリス・メイソン刑事の自宅部屋。

シャワーを浴びてシャワー室から出たシェリル刑事はSCP財団専用の

電話回線から連絡が来ているのに気付いてスマートフォンの電話に出た。

「やあーシェリル君!厄介な事になった。」

「厄介な事とは?」

「例のSCPの調査の為に現地に連れてきた調査隊とDクラス職員が『ダゴン密教団』

の深き者ども(ディープワン)とショゴスの襲撃を受けて壊滅した。

さらに調査中のSCPとDクラス職員が強奪された。」

「なんですって?SCPの種類とDクラス職員の名前は??」

『SCP200124-雪代アニマと言う名の赤き女神ー』

Dクラス職員は『菊鹿ゆい』。2日前に雇用した新人の女性職員だ。

彼女はアメリカのニューヨークで自分が製作した吸血鬼を題材とした

強烈な過激な描写と胸の大きさやお尻の大きさと言った女性らしい魅力的な

振る舞いをする官能小説を書いていた有名な小説家だったが。

ある日、権力が強くて立場が上の過激派ポリコレの活動家の大物女性プロデューサー

によってキャラクターを黒人(元は白人)の俳優や女優にされて原作とは

全く異なる展開にほとんどが描き変えられて重要な場面が大幅にカットされて

全く意味不明なちぐはぐのストーリーにされた。挙句にテレビで放送されて。

しかもそのプロデューサーは『男性を不快にさせる為に原作を書き直しました』

と笑いながらバラエティー番組で話して原作者や司会者を唖然とさせた。

3日後にその彼女のテレビドラマの番組に関わった

元凶のプロデューサーと脚本家とスタッフ20名が次々と失踪。

のちにニューヨーク各地の公園や広場で美しく綺麗に化粧が施された

プロデューサーと脚本家とスタッフ20名の切断された頭部が

昔の日本の江戸時代の『晒し首』となって発見された。

当時は熱狂的なファンの犯行と思われていた。

しかしとある過激派ポリコレの活動家の政治資金パーティに参加した

数名の女性が『晒し首にしたポリコレ仲間の肉を利用して料理した

食事の味はどうでしたか?不快に思いましたか?おいしかった?』

という内容の不審なメールが全ての参加者に送られていた。

その直後に小説の原作者がニューヨーク市警に

『自分が彼ら彼女ら殺した』と自首した。

さらに過激派ポリコレの活動家の政治資金パーティに参加した数名の女性達に

自ら首を切断して殺害した元凶のプロデューサーと脚本家とスタッフ20名の

首から下の残りの身体の肉を食材とした料理を過激派ポリコレの

活動家達に振舞った事も自供した。

あとは勿論、とんでもないニュースになったのはここで書くまでもないだろう。

このニュースの報道により、実際にその肉料理を口にした過激派ポリコレの

活動家達は精神的ショックで正気を失って発狂したので

全員無事に精神病院へ処置入院された。

この連続殺人事件の犯人であるシリアルキラー(連続殺人鬼)の

『菊鹿ゆい』はアメリカの最高裁判で死刑判決が下された。

そして文字通りの死刑囚となった『菊鹿ゆい』はDクラス職員として

SCP財団の刑務所に収監されるに至る訳である。

またガニバリズムを経験しており、かなりの危険人物と認知されていた。

だからSCPも危険だが。彼女も危険人物である。

「はい!はい!分かりました!すぐに!行方を調査します!

何か分かり次第すぐに報告を!えっ?2日前に目撃情報が??

短い金髪に短めの眉の黄色のTシャツを着た日本人の成人男性といたのが目撃証言?」

「ああ。目撃者は佐倉双葉という名前の日本人女性だ。」

「はい!在倉双葉さんですね!えっ?有名なハッカー??彼とは知り合いと・・・。」

それを知ったシェリル刑事は「ますます厄介な事になりそう」と頭を抱えた。

また近くの電話機からSCPの調査中のオブジェクトの中間報告書が

ファックスが送られてきた。シェリル刑事はファックス用紙を取り、読んだ。

『SCP調査中間報告。SCPオブジェクト。オブジェクトクラス『黄』。

(有害であるが制御する方法がある程度確立されているもの。

多くの場合セーフ及びユークリット、ケテルクラスのオブジェクトに該当する)

リアランスレベル(ファイルの機密性)レベル5(重要最高機密)。

収容クラス未設定。錯乱クラス・阿弥陀(財団が深刻な影響に対して

戦いを挑む状況において使用されることが含まれる。

影響が宇宙規模に及び可能性が高い。)

リスククラス(SCPオブジェクトの影響は

身体・精神・周辺環境の多岐に及ぶ危険性の指標)コーション

(オブジェクトから微弱、あるいは明確な影響が観測され危険性も認識される。)

副次クラス・なし。SCP200124-雪代アニマと言う名の赤き女神ー。

オブジェクトクラス・セーフ。(現時点で確実な収容方法が確立されているが故意に

活性化させない限りは異常性を発現しないクラス。

ただし厳重に管理された核爆弾であり、それ自体が安全ではない)

人型のオブジェクト『女性の姿をしたオブジェクト』。

オブジェクトが分泌する体液には『生命の実』と呼ばれる未知の物質が含まれており。

それを投与すると本オブジェクトと同様に丸い両乳房と

ピンク色の乳輪と屹立した乳首と子宮近い腹部辺りそれぞれ3つの

オレンジ色に輝く2対の細長い巨大な光の翼をそれぞれ展開させた。

どうやら女性の脊椎に投与させると効果を発揮させるようだ。

生命の実の物質によりこの薬の効果は永続するようだ。

またこの物質の効果に関しては調査中である。

またこのオブジェクトはエヴァの遺産』と呼ばれる地球外の別次元の

どこかから粒子となった事で流れてきた正体不明のオブジェクト群である。

故に未解明の部分が大半である。

どうやら認知的な事象に影響するもの。

DNAや遺伝子の構造に強く影響するもの。

精神的な構造に強く影響するもの。

3タイプがあるようだ。こちらは認知的な事象とDNAや遺伝子の構造に

強く影響するようだ。中間報告は以上である。」読み終えたシェリル刑事は

ファックス用紙を机に置いて片手でイチゴ味のキャンディーを舐めながら。

じゃあ。認知科学の人や遺伝子学者か分子生物学者を現地で調達しないと。

その時、またスマートフォンがコールした。

「もう!今度は何よ!」と怒りつつもスマートフォンの画面を指で押した。

それは『SCP財団の情報部からの動画付きのメールだった。

「彼女はSCP財団の特殊部隊を全滅させたショゴス

謎の未知なる力によって完全に消滅させてしまった。

しかしその直後に意識を失いダゴン密教団の機動部隊によって確保されたようだ。

そして彼らは確保した彼女の能力を誰にも知らせない為に

会議中は『人間』と呼ぶ事にしている模様。

彼女は例のリリスキシファーンにより『ペルソナ能力』と呼ばれる力は

一時的に抑制されているようだ。

薬の効果は永続でもペルソナの力は少しの時間しか制御できないらしい。

監視カメラの映像の動画を送信したので確認されたし。」

すぐにシェリル刑事は監視カメラの映像を指でタップして再生させた。

監視カメラの映像にはすでに皆殺しにされて溶けかけた肉片や腕が大量に

散乱した悲惨な遺体が地面に転がったDCP財団の特殊部隊のなれの果ての山があった。

目の前にはショゴスと言う不定形のスライム状の悍ましい怪物がいた。

「テケリ・リ!テケリ・リ!テケリ・リ!テケリ・リ!テケリ・リ!テケリ・リ!」

まるで生き物ののように動く、玉虫色のタール状の泥水がひとつに無数に

寄り集まって太く長いまるで大木の丸太のような長い触手が天空に向かって

200本が花弁のように固まって伸びていて。

しかも玉虫色のタール状の皮膚の表面には大量の眼球と無数の口が

上下左右に不気味に蠢いていてしかも三日月型に笑っていた。

「ひっ!いやああああああああっ!ぎいやあああああああっ!

いやあああああっ!ぎいやああっ!きゃああああああああああああっ!」

菊鹿ゆいはショゴスの全ての眼球で自身の深い深淵を覗き込むような

真っ黒な瞳孔をうっかりと見つめてしまい、瞬時に発狂してしまった。

彼女は顔面蒼白となりまた恐ろしく甲高い声で叫び喚き散らした。

「死ぬ!死にたくないいいっ!いやあああっ!死んじゃううううっ!」

ショゴスは数本の玉虫色のタール状の泥水の

触手を数本を彼女の顔にゆっくりと伸ばした。

そしてゆいの白い柔らかいすべすべの肌を優しくさわっ!と触れた。

途端に青白い顔がますます白くなり、顔面蒼白になり、

全身寒気がしてぞっとなった。

「ひっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ゆいは極限の恐怖で小さな悲鳴の後は無言となった。

私はここで食われて死ぬ!私はここで死ぬ!私は解けて食われて死ぬ!

一瞬だけ彼女の視界が真っ黒に塗り潰された。

その瞬間、ゆいの脳裏に声が流れた。


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同時に激しい頭痛が襲った。

『貴方はちっぽけなネズミだったのよ。幼い貴方は何もできない弱々しい存在』

彼女は両手を頭にのせて「ああっ!ぐあああっ!」

と痛みと苦しみの呻き声を上げ続けた。

『貴方は常に想像。創造と破壊に支配されている。

常に生と死の間を走り回っている。

お前は首をつって死ねと言われたら死ぬのか?』

「ああああっ!いやあああああっ!があああああっ!

ああっ!ああううあがあがあっ!」

『貴方は子供っぽくて肉体は大人。

なぜそうなったか分かるかしら?

何も疑問も持たずにあの若村秀和の言う事や

母親の言うことにほいほい従ったからだよ。

貴方はそのせいで大事なものを失ってしまった!

ゲーム機は遠くに追いやられて貴方の届かない場所へと消え去った。

そして大好きなプレステゲームディスク『バイオハザード0』を

踏み潰されてごみ箱に捨てられてしまった。

母親のせいで無理やりごみ箱に捨てることを強要された。

君は抵抗したが。君は力が足りなかった。

君はただ泣くだけだ。君は無力で何もできなかった。

弱い自分の責めた。君はとうとう母親はNPO法人ひびきの村の

学校の担任の先生に唆されたせいでテレビまで隠されてしまい。

君は人間が本来持つべき喜びや興味を失い。

心は傷つき成長することなく心は退化した。

君はポリコレ。そう過激派のね。

あと似非フェミニスト活動家を憎悪するのは

自身の小説家の大事な仕事や大勢の人々が持つ世界を壊して奪い取り。

精神的に追い詰められて苦しめて居場所を奪い。

命さえも奪うからよ!だから怒りを持ち、

彼か彼女らが潰れてしまう事を望んでいるのよ。

もう貴方は過激派ポリコレの活動家や似非フェミニストが創造する歪んだ心の

現実(リアル)に正直耐えられなくなっているでしょ?

貴方はどうしたい?力が欲しい?欲しいならあたしと契約しましょう!』

すると彼女は力強い声で茶色の瞳を黄色に輝く瞳の色を変えて甲高い声で叫んだ。

彼女はしばらく苦しんだ末にようやく両手を退けながら。

「私は何も救えなかった!何もできなかった!力が欲しい!!

せめて!この現実(リアル)の世界で何も出来なくても!この虚構の世界

(自ら描いた物語)で多種多様なキャラクター達を守りたい!その為の力を!」

するとゆいの脳裏に流れた女の子らしき謎の声は

とても興奮した様子で早口で話し続けた。

『いいよ!いいよ!契約しましょう!そうしましょう!

我は汝!汝は我!さあ!私の名前を言ってごらん!』

「来てええええええっ!エリス・ビオランテきゃああああああああっ!!

彼女がエリス・ビオランテの名前を呼び出したと

同時に大きく地面が上下左右に揺れ始めた。

ショゴスの足元の地面がひび割れ始めた。

続けてバリバリバリバリと地面が持ち上がるように

大きく亀裂が走り、左右に深く割れた。

そして巨大な頭足類のような無数の触手状の細長い蔦と

先端のハエトリグサに似た巨大な顎が無数に存在し。

怪獣王と同じ形のワニを思わせる巨大な細長い顎に口腔内には

無数の小さな牙と巨大な牙を生やしており。

胸部から腹部にかけて巨大な真っ赤に輝くコア(球体)が存在していた。

背中には緑色の鋭利な背びれが3列並んでいた。

ぴぎゃおおおおおおおおん!ぴぃぎゃあああおおおおおおおおん!

エリス・ビオランテは長々とぐぐもった声で吠え続けた。

『マガツマンダラ(全体的に呪怨属性で大ダメージを与え。

高確率で恐怖状態異常にする)』

うああああああああああああああああああああああっ!」

赤い円形の光と真っ赤な文字が浮かんだあとぐるぐると回転し始めた。

それから真っ赤な光の柱が敵ショゴス

超巨大な玉虫色のタール状の身体を包み込んだ。

続けてバチイイイン!と音を立てて一撃で破裂させて瞬殺してしまった。

「なんなの?今の力?怨念の力?なんて力なの・・・・・・・・・・」

シェリル刑事はしばらく監視カメラの映像に釘付けになり、表情は茫然となっていた。

 

(第7章に続く)