(第22章)米軍の黒い噂
午後7時。
大戸島米軍基地から僅かに離れた洋館。凛は両手で拳銃を構えて洋館内の長い木製の廊下を歩いていた。
奥の方から2人の男の声が聞こえた。多分、米軍兵かドラクルのメンバーだろう。
凛はすかさず別の部屋に隠れた。凛はドアに耳を付けた。
「なあ、本当だと思うか?」
「なんだ?まさか?あの赤い悪魔デストロイア=大量破壊兵器説を本気で信じているのか?」
「他にも緑色の体色のデストロイアから人間のDNAが検出されたって噂もあるよ。」
「ああ、知ってるよ。」
「じゃデストロイアは急激に進化して人間との間に子供を作れるようになったとかも?」
「それは物的証拠の無いただのデマだよ。大体、放射火炎で生き延びた
午後7時。
大戸島米軍基地から僅かに離れた洋館。凛は両手で拳銃を構えて洋館内の長い木製の廊下を歩いていた。
奥の方から2人の男の声が聞こえた。多分、米軍兵かドラクルのメンバーだろう。
凛はすかさず別の部屋に隠れた。凛はドアに耳を付けた。
「なあ、本当だと思うか?」
「なんだ?まさか?あの赤い悪魔デストロイア=大量破壊兵器説を本気で信じているのか?」
「他にも緑色の体色のデストロイアから人間のDNAが検出されたって噂もあるよ。」
「ああ、知ってるよ。」
「じゃデストロイアは急激に進化して人間との間に子供を作れるようになったとかも?」
「それは物的証拠の無いただのデマだよ。大体、放射火炎で生き延びた
人間は人間なんだ。
自然界では異種の融合は絶対にあり得ない。
彼らの短い期間での急激な進化はあまりにも飛躍しすぎているよ。
彼らは、遺伝子操作で人間と怪獣のDNAを融合された事によって突然変異率が格段に上がっていた。
人間と怪獣のハイブリッドキメラを創り出した揚句に人造ウィルスまで作っちまったって。
エイズ=生物兵器説と同じただの根拠の無い陰謀説さ!」
「きっとアメリカ政府は未だに世間に隠し通している」
「そんなアホな話があるか!」
会話しながらやがて声は遠ざかり消えた。
彼女は、ちょっと、今までに大戸島米軍基地の極秘資料保管室で
「きっとアメリカ政府は未だに世間に隠し通している」
「そんなアホな話があるか!」
会話しながらやがて声は遠ざかり消えた。
彼女は、ちょっと、今までに大戸島米軍基地の極秘資料保管室で
手に入れた情報を整理しようと手の平サイズのパソコンを開いた。
凛は昔デストロイアに殺された友達や大勢の人々を思い出した。
凛は昔デストロイアに殺された友達や大勢の人々を思い出した。
もしデストロイアウィルスの大流行が単なる自然災害では無く、彼らが原因の人災だったとしたら?
それが真実なら絶対に許せないわね。
凛は自分の心の底から憤怒がふつふつと湧き上がるのを感じた。
大戸島大学の玄関口。
山根蓮は大戸島から水平線に沈みゆく夕陽をしばらく見ていた。
それが真実なら絶対に許せないわね。
凛は自分の心の底から憤怒がふつふつと湧き上がるのを感じた。
大戸島大学の玄関口。
山根蓮は大戸島から水平線に沈みゆく夕陽をしばらく見ていた。
彼は空を見上げた。大戸島上空は満天の星空になっていた。
蓮は大学の明かりのある階段に座った。
「私は帝洋パシフィック製薬会社についてもっと調べて見ようと思っています。」
きっとこの製薬会社が今回の島上冬樹の失踪事件に何か深い繋がりがあるように思える。
蓮は大学の明かりのある階段に座った。
「私は帝洋パシフィック製薬会社についてもっと調べて見ようと思っています。」
きっとこの製薬会社が今回の島上冬樹の失踪事件に何か深い繋がりがあるように思える。
これは絶対に間違いないぞ。
「そうか?でも帝洋パシフィック製薬は世間ではかなり評判がいい」と覇王。
だからこそ怪しい。そう蓮は考えていた。
覇王は蓮の隣に座ると肩をポンと叩きこう語った。
「最近、美雪から聞いた話だが。2020年から、
「そうか?でも帝洋パシフィック製薬は世間ではかなり評判がいい」と覇王。
だからこそ怪しい。そう蓮は考えていた。
覇王は蓮の隣に座ると肩をポンと叩きこう語った。
「最近、美雪から聞いた話だが。2020年から、
地球に僅か一握りだけ生き残った絶滅寸前の野生動物を守る為に、動物愛護団体とその製薬会社と協力して、絶滅寸前の野生動物に怪獣化を抑制する『G血清』を投与した後に野生に返したり。
人身事故や怪獣に襲われて大怪我した野生動物の子供を保護してさ。
人工保育をして、G血清を投与した後に野生に返す試みを続けていたそうだ」
「結果は?」
「大成功さ。2030年には絶滅寸前だったほとんどの野生動物はG血清で怪獣化を抑制されて、
「結果は?」
「大成功さ。2030年には絶滅寸前だったほとんどの野生動物はG血清で怪獣化を抑制されて、
種の個体維持が可能な500万頭までそれぞれ回復したそうだ。彼女大喜びしていたぞ」
覇王は思わず笑みをこぼした。
「だが、それも何かの予備実験では?」
「それは少し考え過ぎじゃないか?」
山岸は、大学内の蛍光灯の明かりを使い、
覇王は思わず笑みをこぼした。
「だが、それも何かの予備実験では?」
「それは少し考え過ぎじゃないか?」
山岸は、大学内の蛍光灯の明かりを使い、
熱心に島上冬樹の日記を開いてそれを芝生の上で立ち読み始めた。
しかしいくら文書を読んでもどれも見た事がある文章ばかりで何の手がかりも無かった。
しかしいくら文書を読んでもどれも見た事がある文章ばかりで何の手がかりも無かった。
だが次のページには興味深い文章が見つかった。
「私は例の若い女性の遺骨をDNA鑑定した。結果、思いもよらぬものを見つけた。
「私は例の若い女性の遺骨をDNA鑑定した。結果、思いもよらぬものを見つけた。
若い女性の遺骨から人間とは違う怪獣のDNAを発見した。
その背後には先程まで洞窟の中に一緒にいた初代ゴジラのクローンも同行していた。
初代ゴジラのクローンは急にゴジラが泳ぐスピードを上げて洞窟の中に入ったので、なんとか追いつこうと慌てて泳ぐスピードを上げた。しかし途中で見失ったらしく慌ててゴジラを探すが全く見つからなかった。
一方、ゴジラは細い洞窟を見つけ、その中をスイスイ進んだ。
やがて広い大きな地底湖に出た。ゴジラはバシャーンと海面に上昇した。
地底湖の周りの岩には棘だらけの甲羅に覆われたカルイシガニの群れが眠っていた。
初代ゴジラのクローンは急にゴジラが泳ぐスピードを上げて洞窟の中に入ったので、なんとか追いつこうと慌てて泳ぐスピードを上げた。しかし途中で見失ったらしく慌ててゴジラを探すが全く見つからなかった。
一方、ゴジラは細い洞窟を見つけ、その中をスイスイ進んだ。
やがて広い大きな地底湖に出た。ゴジラはバシャーンと海面に上昇した。
地底湖の周りの岩には棘だらけの甲羅に覆われたカルイシガニの群れが眠っていた。
間違いない。一週間前から怪獣達の間で流行し始めた例の奇病だ。
人間にも感染するなら今頃、人間たちは大騒ぎしているだろうな。
ゴジラは青白い放射熱線を吐いた。
ゴジラは青白い放射熱線を吐いた。
そして奇病に侵されたガニメを全て一匹残らず焼き払った。
グウウウエエエエエエッ!!
グウウウエエエエエエッ!!
ガニメの群れのおぞましい断末魔が一斉に響き渡り、地底湖の壁に反響した。
(第23章に続く)
(第23章に続く)