(第12章)音無凛拉致事件

(第12章)音無凛拉致事件

地球防衛軍の会議室では、
CIA、CCI、国連関係者が集まって緊急会議が行われていた。
会議では地球防衛軍の波川司令官、尾崎、ゴードン大佐、
ミュータント部隊、CCI内閣官房長官と副長官、
CIAから対テロセンターから数名と、凛を監視している護衛も集まっていた。
波川司令は
「今回は……とても深刻な状況です。音無凛さんを監視しているCIAの
護衛からの監視報告書には、8月18日の報告書から5日間にかけ、
彼女の体や性格に急激な変化が表れていると報告がありました。」
ゴードン大佐は
「それはどんな変化ですか?」
と聞いた。
波川司令は
「よろしい……ではこちらの資料を……」
と言うと会議の関係者全員に資料を配り始めた。
尾崎が時計を見るとすでに5時頃だった。
また窓は日が傾き空がオレンジ色に染まっていた。
一方、山岸の部屋で凛は、ベッドで嬉しそうな表情のまま、
両手を自分の胸にあてたまま深く眠り込でいた。
山岸が起き上がり、シャワーを
浴びに行こうとするとチャイムが鳴った。
山岸がインターホンで
「誰ですか?」
と呼びかけると
「宅配便です!!」
と返事があった。
山岸はモニター画面で外人の宅配便姿を確認し、ドアを開けた時、
黒い覆面を被った数人の男達が押し入り、山岸は羽交い絞めにされた。
睡眠薬を染み込ませたハンカチを口に押し当てて山岸の意識を失わせると、
黒い覆面をかぶった男達は山岸の部屋に入り、
ベッドに笑みを浮かべたまま眠っている凛を発見した。
リーダーらしき覆面の男は
「よし!!研究所まで運び出したら……彼女の体内を徹底的に調べろ。
恐らくG塩基の作用で第2実験はうまくいく筈だ!」
と言うと、凛を袋に詰め、山岸の部屋から運び出して、宅配便の
車のコンテナに凛を袋から放り出して厳重に鍵をかけると、
黒い覆面の男達は車に乗り込み走り去った。
関係者全員に資料を配り終えると、CIAの対テロセンター所属の
凛の護衛が
「こちらの画面を見て頂きたい」
と言うとリモコンを押してスクリーンに何かを映し出した。
「昨夜……音無美雪さん宛てに脅迫状と2つのテープが送られてきました。
脅迫状には『我々は数年前から貴方達親子を監視している。国連にも日本の
内閣に対策を依頼しても無駄だ。必ずあなたの娘は頂く』と書かれていた事から、
音無凛さんを誘拐するのが目的の様です……犯人は不明です。
また1つ目のテープには音無美雪さんの家が盗撮されていました。
もう一つには、音無凛さんが友達と学校へ通う様子も撮影されていた事から、
犯人はかなり細かく監視していた様です。
インターポールとCIAのテロ対策センターの関係者が捜査をした結果、
ある日系企業の存在が浮かび上がりました」
美雪が
「一体どんな企業が?まさかサラジア共和国や
バイオメジャーが関わっている日系企業なの??」
と聞いた。凛の護衛は首を振って
「バイオメジャーやサラジア共和国の関係者とは全く関係ありませんでした。
ただ、その日系企業が、海底から発見された謎の物体を
利用した実験生物を作り出し……それが原因不明の暴走を始めて、
日本の町を破壊しつくしたことがあると報告されています。
またアメリカのニューヨークのセントラルパークにも、
同種と思われる巨大生物が出現したという報告もあるが真相は現在も調査中です!!」
美雪はひとり言の様に
「ニューヨークのセントラルパークの巨大生物??まさか」
とつぶやいた。
凛の護衛は指をなめて先程配った資料をめくると
「それで凛さんの性格と身体の急激な変化についてですが……
まず1ページから2ページの資料を見て下さい。
彼女の体は女性ホルモンのエストロゲンにより、ますます女性らしい
体が作られています。これは当たりで自然な変化ですが……
そこにエストロゲンによく似た別の性ホルモンが発見されました。」
と言い、さらに次のページをめくった。
凛の護衛は資料をめくりながら
「その性ホルモンは『例の生物』の雌のものと一致しました。
さらに同じ『例の生物』の攻撃ホルモンも同時に検出されました」
ゴードン大佐は
「それでは何者かが彼女の体内にその2つのホルモンを混ぜたのか?」
凛の護衛は
「その為、彼女は危険な『例の生物』の本能に目覚めつつ
ある可能性が極めて高く、その場合は止む得ず……」
とまで言いかけた時、
尾崎は「まさか??射殺??」
と言った。
凛の護衛は
「そうなる可能性は決してゼロではありません……」
ゴードン大佐は
「どうしたら彼女は助かるんだ??」
と質問した。凛の護衛は
「今のところ分かりませんが……G塩基の謎を解明して
『例の生物』の本能を抑制する作用が発見されれば、
彼女の命は助かるかも知れない……」
ここで神宮寺博士が
「えーと、次に3ページと4ページを開いてください」
と言うと全員は資料の次のページをめくった。
神宮寺博士は全員ページをめくったことを確認すると話を始めた。
「最近G塩基はジュニア、2体のミニラ、2体のラドンの体内からも発見されました。
さらにG塩基について、M塩基が『テレパシー能力』に影響されるのに対し、
G塩基は『自我と感情』に強く影響される事が分かりました
と言った。

(第13章に続く)

今回の変更はここまでです。
シーズン犬睫斉釮砲亙儿垢任るかと思います。
そうご期待!
では♪♪