(第26章)蘇生!!

次のゴジラの自作小説です。

(第26章)蘇生!!

山岸は友達の洋子と一緒に下校していた。
山岸は心配そうに
「凛ちゃんと友紀ちゃん……無事でいるかな?」
とつぶやいた。洋子は
「大丈夫よ!とりあえずあの2人なら……」
と無理矢理作り笑いをしながら言った。
しかし山岸はふと思い出した様に
「凛ちゃん……最近……様子が変だったな……」
すると洋子が
「ふーんやっぱり気になるんだ!」
と山岸の顔を覗き込んだ。
山岸は
「うん……だってあの凛ちゃんはまるで別人のような感じだった……前にも一度
そんな事があったけど……あの時とはまた違っている。」
洋子は「ふーん」
山岸は
「なんだか友紀ちゃんに辛く当っていたし…僕に対してはまるで正反対で……」
すると洋子は
「なるほどね……何か落ち着きがないと言うか?それでほぼ毎日の様に山岸くん
の家に遊びに行っていたわね……」
山岸は
「でも何もしないでいつもベッドでゴロゴロしていたけど……」
洋子は
「それじゃ?キスとかしたの?」
と聞いた。
山岸は
「もう何回もしているよ……」
と答えた。
洋子は
「それだけ?」
すると山岸は顔を真っ赤にした。
洋子は山岸の顔を見て
「まさかね……あの凜ちゃんが。山岸君襲われちゃうほうでしょ?」
と笑いながら言った。
しばらく山岸も一緒に笑っていたがやがて
「確かに……それに子供が欲しいとかなんとか……」
と一人言の様に小さくつぶやいた。
しかしそれをしっかり聞いていた洋子は
「えーっ」
と思わず大声を張り上げたので、周りにいた近所の住民が驚いて2人の方を見た。
山岸は大慌てで
「ちょっと!洋子ちゃん声が大きいよ!」
と言うと洋子の手を掴んであわてて走り去った。
中国の田舎町でゴジラとジュニアの放射熱線の攻撃により頭部と心臓を破壊され
バガンはその場に崩れ落ちるように倒れた。
しかし倒れたバガンの背中から蔓の様な触手が地面に向かって突き刺さり、地下
に向かって伸びて行った。
そしてバガンが倒れている地面の真下の地下避難コントロールシステムを管理す
る巨大な機械のあらゆる隙間から、暁色のアメーバーか触手のようなものが伸び
始め、不気味に地上に向かって進み始めた。

美雪と尾崎とゴードン大佐、凛の護衛や
M機関を乗せた小型救助艇は、米軍やアメリ地球防衛軍と共に、小型船内のX
星人達が銃撃戦をしている格納庫を避けて、もう一つの格納庫に着陸した。
そして凛が監禁されている部屋に突入した。しかし何故か美雪だけは部外者扱い
され、凛が監禁されている部屋に入る事が出来なかった。
しかし美雪は米軍やアメリカのミュータント兵を振り切って、凛がいる部屋に入った。
美雪は
「リーン!」
と大声で名前を呼んだ。
凛は
「ママ……苦しい……」
と彼女に訴えた。
倒れている凛の隣で高新一がレーザー銃を落とし、両手を頭に組んで、座っていた。
美雪は高新一の顔を見るなり、護身の為に持っていた拳銃を頭につきつけた。
「娘に……一体何をしたの?」
するとゴードン大佐が
「美雪!落ち着け!」
と言うと片手で美雪の銃を降ろさせた。

倒れていたバガンが突然、まるで操り人形の様に立ち上がると、放射熱線で破壊
された頭部から暁色の触手を伸ばしそれが互いに絡み合い、また新しい頭部が生
えてきた。
そしてサメの様な鋭い牙も生えてきた。
さらに穴が開いた心臓の部分が暁色の触手のようなもので覆われ再生した。
またその再生した胸が隆起して、心臓の様な物が出来上がった。
やがて背中から地面に深く突き刺さっていた暁色の触手が再び背中の殻に収納さ
れて閉じた。
バガンは大きく咆哮を上げ、突然ものすごいスピードで走り出し、長く伸びた爪
を振り回し、ゴジラの胸を一瞬で切り裂いた。もう片方の長い爪はゴジラの首筋
を切り裂いた。
ゴジラは悲鳴を上げた。続いてバガンはジュニアに両手で組みかかると口が裂け
んばかり大口を開け、激しく飢えた肉食動物のように、サメの様な牙で何度も何
度も首筋に「ガブリ」と噛み付いた。
ジュニアの首筋からは赤い血が噴き出し、たまらずバガンを突き飛ばした。バガ
ンはそのまま倒れたが、ものすごいスピードで起き上がると咆哮を上げ、今度は
ゴジラに襲いかかった。
ゴジラは爪で切り裂かれてたまるかと冷静に長い尾を振り回し、バガンを跳ね飛
ばした。
バガンは宙を舞って、地面に倒れたと同時に再び咆哮を上げて、立ち上がった。

アメリカの地球防衛軍と米軍や凛の護衛は高新一の両腕に手錠をはめ、拘束する
と、凛が監禁されている部屋の外に連れ出した。また凛も毛布をかけられて担架
で運び出され、無事保護された。その隣に母親の美雪は付き添って泣きながら
「御免ね……ママ……仕事が忙しくて……本当に御免なさい!」
と泣きながら何度も何度も謝った。

(第27章に続く)