(第24章)口論……怒り……そして……

こんにちは畑内です。
最近パソコンの調子が悪い模様……
ゴジラの自作小説を載せます。

(第24章)口論……怒り……そして……

ニューヨーク・ロウアーマッハタン。
ジラはマンションに倒れたゴジラの胸を執拗に鋭い爪で
切り裂き、なおも攻撃が衰える気配は無かった。
ゴジラの背びれが青白く輝き口から放射熱線を吐いた。
ジラは素早く真横に転がり、攻撃をかわした。
ようやくゴジラは起き上がり、自分の胸の傷口を見てたちまち自己嫌悪に陥った。
胸は鋭い爪でバッサリと何度も切り付けられ、皮膚が何か所も抉れていた。
胸からの多量出血により、さすがの怪獣王もフラフラになり、立ち上がる事も出来ず、
とうとうビルの瓦礫に力無く倒れた。
ジラは
「ガル!ガル!ガル!」
と独特な鳴き声を発し、鞭のように長い尻尾をゴジラの太い両足に巻き付け、
ゴジラをズルズル引きずり歩き始めた瞬間、ゴジラが急に目覚め、
ジラの背中に再び放射熱線を浴びせた。
 背中の大爆発と共にジラはそのまま苦悶の唸り声を上げ、倒れた。
それからジラは怒りの唸り声を上げるとすぐにその場から逃亡を始めた。
 ゴジラは片手で胸を押さえ、ジラの後を追った。
 地球防衛軍や米軍も逃げるジラに向かってレーザ光線やアサルトライフル、ミサイルで攻撃した。
 しかしジラは素早く工事中の道路の大きな割れ目に潜り込み、姿を消した。

 東京。
 洋子はコンビニに買い物に行って、夕食はカレーライスに
しようかと考えを巡らせながらリビングのソファーに座り、リモコンでテレビを付けた。
 するとニュースではメキシコを中心にアメリカ、カナダ、コスタリカ
フランス、スペイン、ドイツ、中国、韓国など世界各地の新型インフルエンザに
関するニュースが流れていた。
 そのニュースによれば神戸や東京、大阪府兵庫県でも感染者が出たらしい。
 ちょうど一仕事を終えた蓮は、また新しい事件が起こったので、
凛に品川現場で待ち合わせする事を伝え、携帯をポケットにしまうと、
いそいそと地球防衛の特殊生物犯罪調査部へ出かける準備をした。
洋子は心配そうな表情で
「また……新型インフルエンザが新しく兵庫県大阪府、東京でも感染者が出たって?」
蓮はクローゼットからスーツを取り出し、スーツを着てネクタイを巻きながら
「そうだな……でも瑠璃もインフルエンザになったけど……タミフルだか?
リレンザだか?投与して熱は下がっているから結局は感染しても大した症状じゃないし、
これだけ日本のメディアが騒ぐのもどうかと思う」
洋子は苦笑しながら
「日本があまりにも平和過ぎるからじゃない?」
「元々、豚にしか感染しないインフルエンザが変異して人間に感染した!
自然界では良くある事だろ?違うか?」
「確かにそうだけど……でも来年の新型インフルエンザは大流行する
かもしれないから気付けた方がいいって小児科の先生が言っていたわよ!」
しかし蓮は明るい声で
「大丈夫さ!来年も!」
「そういえば?昨日の友紀ちゃんのパソコンの中のDVDプレイヤーの調子はどうだった?」
「友紀ちゃんのパソコン?ああ!友紀ちゃんのパソコンね!
うーん、完全に治すには彼女のデータを一度僕のパソコンに保存して、
パソコンの本体を買った時の状態に戻す!リカバリーをしないと駄目だな……
一部の壊れているシステムは大体修
復は出来たけど……」
「原因は何?」
「新しいプログラムを沢山入れ過ぎたから、
古いデータだったDVDプレイヤーが壊れちゃったんだ……だから彼女には今後
新しいプログラムを入れるなら、検索してちゃんとその新しい
プログラムに不具合が無いか下調べするようにアドバイスして置いたよ!
一週間後に彼女のパソコンのリカバリーをしようかと思うんだ!そろそろ行かないと!」
蓮は洋子の
「行ってらっしゃい!」
の言葉を聞くなり風のように玄関から外へ出て行った。
洋子はその蓮のあわてぶりを見て
「まるで風と共に去りぬ……ね!」
と笑った。

 小笠原怪獣ランドの地下研究所『アルカドラン』。
 長い沈黙の後、マークは
「君なら分かってもらえると思ったのに……」
と急にカッとなり、衝動的に両手で美雪の首に掴みかかった。
 美雪は急に呼吸が出来なくなり、苦悶の表情を浮かべ両手両足をジタバタさせた。
「君には失望した!」
と歯を食いしばり、美雪の細い首筋をさらに強く締め上げた。
 美雪の唇は紫色になり、顔が青白くなり、全身の力が抜けて行った。
 その時、首に掛けていた十字架のインファント島のお守りが黄金色に発光し、
バーン!と言う大きな音と共にマークの身体が宙に跳ね飛ばされ、銀色の部屋に壁に叩きつけられた。
 彼女はマークの両手から自由になると力無く床に座り込み、ゲホゲホと激しく咳込んだ。
 マークと美雪が言い争っている銀色部屋の隣の部屋で今後の予定について話し合っていた
北村とローランドは、美雪とマークの怒鳴り声と尋常では無い程の大きな金属を叩く
物音が聞こえたので、あわてて隣の部屋へ駆けつけ、すぐに部屋のドアを開けた。
「どうした?」
と北村。
「何があった?」
とローランド。
 それからローランドは気絶したマークの肩を担ぎ、
強引に部屋の外へ連れ出した。
 北村は未だにゲホゲホ咳き込んでいる彼女の前に座り
「何があったんですか?」
「マークに乱暴されたの!」
「なんて奴だ!」
北村は手を差し伸べ、
「大丈夫かい?」
と聞いた。美雪は
「ええ……」
と言いようやく立ち上がると北村に連れられ、自分の部屋に戻った。

(第25章に続く)

では♪♪