(第25章)ディスプレイ殺人と謎の焼死体?

こんにちは畑内です。
久しぶりにゴジラの自作小説を載せます。

(第25章)ディスプレイ殺人と謎の焼死体?

最近、景気悪化や新型インフルエンザの他に、ある連続殺人事件が世間の注目を集めていた。
 その連続殺人事件の名前は「ディスプレイ殺人」である。
 殺人事件の発端は東京品川の公園を歩いていた酔っ払い男性が、
ブランコに座っている若い男の死体を発見した事だった。
救急車や警察官が駆けつけ、救急車やパトカーのサイレンが真夜中に響き、辺りは大騒ぎになった。
 死体を見た警察官や救急隊員は驚きのあまり、開いた口が塞がらなかった。
 死体が座っているブランコの椅子や周りにはユリやバラ、
カーネーション、バラ、コスモス等、様々な種類の花が丁寧に並べてあった。
そして何かの暗号めいた文字で
「ガブリ、ミカ、ラファ、ウリ、ラグ、ラジ、ハニ、エル、
呉爾羅、青龍、ルシファー、ディアボロス、サタン、デビル、ノスフェラトゥの復讐」
とびっしりと書かれたボードがちょこんとブランコの下の地面
に置かれていた。
 警察と救急隊員はブランコに座っている遺体を確かめた。
男の遺体はまるで焼死体の様に全身がどす黒く変色していた。
 勘の良い警官が、首筋に注射器で刺したような小さい傷があるのに気が付いた。
 それから警官や救急隊員は、この「ディスプレイ殺人」
は単なる連続殺人では無く、生物兵器を利用したテロ事件である可能性が高いと悟り、
すぐに地球防衛軍の特殊生物犯罪調査部の音無凛と山根蓮を呼び出した。
 現場に駆け付けた音無凛は黒い革手袋を付け、
その男の死体の傍にあったボードを手に取り、
まじまじとそのボードに書かれている暗号めいた文字を読みながら、
ノスフェラトゥも酷い事をするわね!」
また蓮は男の死体が座っているすぐ目の前のブランコの
黄色いペンキで塗られた柵に『Mハンター星雲人』と書かれた
大きな段ボールがガムテープで張られているのに気付いた。
 凛と蓮はこのMハンター星雲人は恐らくX星人がM塩基破壊兵器の
情報を探る為に雇ったスパイではないかと推測した。
「だとしたら?これは?これ以上『M塩基破壊兵器』の情報を詮索するな!と言う警告だろうか?」
「つまり!これ以上!詮索したら命は無いってね……」
「これで!X星人のスパイも下手に動けなくなったな……」
「きっと!X星人のスパイをノスフェラトゥ達が見つける限り!この連続殺人事件はまだ続くわね……」
と凛は腕を組み、ため息を付いた。
その時、凛は携帯の着メロが鳴り始めたのですぐにポケットから携帯を取り出し、
「もしもし?」
と電話に出た。

 背中に傷を負わされたジラは工事中の道路の大きな割れ目に潜り込み、姿を消した。
 ゴジラはすぐに起き上がり、ジラが逃げ込んだ大きな割れ目を覗きこんだ。
その大きな割れ目はかなり深い穴になっている
らしくその先は暗闇で何も見えなかった。
 その時、ジラがニューヨークに現れる数時間前に発生したのと同じ震度5強の大地震が発生した。
地上にいた米軍兵士は
地震だ!」
「クソ!奴は地下に潜って地震を起こしているのか?姑息な手を使いやがって!」
とかなり悔しそうな表情で舌打ちし、なんとか戦車のキャタピラに必死にしがみつき、
身体のバランスを支えていた。
 ゴジラも胸に追った大怪我のせいでまともに立つ事が出来ずその場に倒れこんだ。
 その間にもビルの窓のガラスが一斉に「バリン!」と騒がしい音を立てて割れ、
民家は次々と倒壊し、ただの瓦礫の山と化した。
 やがて大地震は収まり、まだ余震が続いているものの、
ようやく地上の米軍の兵士達は平静を取り戻した。
その様子を上空から見ていた尾崎は
「なんて!素早いんだ!」
「まだ!地上では余震が続きそうだな……」
ぼそりとグレンがつぶやいた。

「あの男は危険だな!実際、麻薬と言うものをコロラド州の大学で売りさばいていたらしいからな……」
と北村。
「大学生を誘拐して乱暴した挙句に殺してしまったとか?」
とローランド。
「大学生って?女子大生だろ?」
「奴を今後、24時間監視する必要があるな!」
「そうだな!しばらくはあの狭い部屋で頭を冷やしてもらおう……」
と北村は研究所の壁に付けられた銀色のドアを顎でしゃくって指した。
「まあ!それはそれとして!」
とローランドは言い、棚から分厚い研究資料の束を取り出し、
銀色の広いテーブルに乗せ、スタンドの電気を付けた。
北村はすぐ近くの椅子に腰かけ
「さあ!例の話の続きと行こうか?」
「よし!マークも彼女もその内、落ち着くだろう……」
ローランドは分厚い資料の束を開いた。
 北村は、5年前に月のクレーターで発見された青色のゲル状の物質の写真と、
199年に地球の富士の勝山断層から発見された赤いゲル状の物質の写真をまじまじと見比べた。
「これは面白い!実に興味深い!」
その2枚の写真の下に、赤黒いゲル状の物質と
青色のゲル状の物質の説明が極めて大雑把な文章で記載されていた。
 北村は小さい声でぶつぶつとその物質の説明が書かれた文章を読み始めた。
隣でローランドも目で文章を追った。
そこには「青色のゲル状の物質は一種のエキスのようで、
主な成分は海水に類似しており、またその物質の中からは
ケーニッヒギドラと思われる怪獣のDNAが検出されている
(但しケーニッヒギドラ本体から検出されたDNAとは皆少しずつ異なっていた。詳細は不明。)
 さらに液体中には多種多様の生物の原始的な細胞の群れが発見される。
 これらにはケーニッヒギドラの細胞は含まれてはいない。
 続いて地球に存在する富士山付近の勝山断層で発見された
赤黒いゲル状の物質の成分も調査した結果、やはり海水に類似しており、
こちらからも液体中から原始的な細胞の群れが発見されている。」
と記載されていた。

(第26章に続く)

では♪♪