牙狼GARO自作小説 (恋心)

こんばんわ畑内です。
昨日風呂場で思いついた牙狼GAROの短編小説を書きます。
この小説はぶっちゃけ面白半分で書いたものですが(汗)
一応まじめに書いています。
主役は鈴村零と烈火です。
零があるホラー狩る途中、反撃され、ホラーの毒で倒れてします。
そしてそこから物語は意外な方向に進んでしまいます。
では駄文ですがお楽しみください。
 
恋心
監督・原作 雨宮慶太
脚本・畑内翔太
キャスト・鈴村零(藤田玲
烈火(松山メアリー)
邪美(さとうやすえ)
シルヴァ(声・折竿愛)
魔獣ホラー・タナトス(声・若本規夫
 
恋心(Aパート)
 
夜が更けて闇に包まれた街。
ぎゃあああああああっ!
今日も魔獣ホラーに犠牲になった女の断末魔の悲鳴が闇夜の町に木霊した。
女はどこかで男と会っていてその帰りに公園を
一人歩いいたところを魔獣ホラーに襲われたようだ。
魔獣ホラーの名前は『タナトス
この魔獣は恋愛を楽しみ、愛し合った女をターゲットに
捕食する悪趣味極まりないホラーである。
やれやれ、さっさと封印しないとな。
じゃないとこいつの被害は増える一方だぜ!
そう思い、一人の青年が公園の生け垣を飛び越えて、
恐ろしい魔獣の前に立ち塞がった。
黒い長いコートを羽織り、背中にはドリームキャッチャー
双剣が象られた刺繍が施されていた。
しかし足もとまでと度起きそうな長い黒いコートは
相変わらずつぎはぎだらけだった。
青年は愛用している2本の長い魔戒剣をさっと構えた。
彼の名は鈴村零。
銀狼騎士絶狼(ゼロ)の称号を持つ男だ。
18歳の若さで魔戒騎士となり、北の管轄に移った黄金騎士牙狼(ガロ)
の称号を持つ男、冴島鋼牙の代わりに東の管轄を担当している。
その片隅には女性の衣服が残されていた。
しかし女性の肉体はタナトスに喰われ、消滅していた。
魔獣ホラー・タナトスは血走った眼をギラギラと光り輝き零を睨みつけた。
零はガチャン!と2本の魔戒剣をX字に交差させると天空に掲げた。
その瞬間、目にも泊まらぬ速さでタナトスは2本のたくましい足で走り出した。
「うわああっ!ヤバイ!」
タナトスは無数の歯を持つ大きな口をガバッと開けた。
ガブリッ!
タナトスは零の首筋に噛みついた。
「うっ!わあっ!このおっ!」
零は右膝でタナトスの腹部を思いっきり蹴り上げた。
タナトスは痛みで「グエッ!グエッ!」と鳴き声を発した。
噛みつきから逃れた零の首筋の大きなかみ傷からは血が流れていた。
タナトスはバサッと背中の巨大な黒い天使に似た翼を広げると飛翔した。
魔戒騎士よ!死の欲望に苦しみ悶えるがいい!」
と魔界語で言い残すとブーンと音を立てて、たちまち夜の街の中に消えていった。
「クソっ!待てよ!」
零は首筋から血を流し、後を追おうと歩いた。
しかし数歩も行かぬ内に心臓に激痛を感じ両膝をつき倒れてしまった。
「ぐっわああっ!くっそおおっ!」
 
それから翌朝。
零は時々心臓に激痛が走るのを堪え、一人、
右手のグローブの手の甲に付けられている魔道具シルヴァの助言を頼りに
魔戒法師の里・閑岱へ向かっていた。
「シルヴァ本当に治療できるのか?」
「ええ、とにかく魔戒法師に診てもらわないと何とも言えないわ」
「ううっ!もう駄目だ!」
零はとうとう力尽き草むらの中に倒れこんでしまった。
 
「なあ鋼牙はいつ帰ってくると思う?」
「さあね。あいつのことだからカオルの為に出来るだけ
早く帰ってこようと思っているだろうさ!」
阿門法師の一番弟子で鋼牙とは幼馴染の魔戒法師の
邪美はそう答えた。
「ふーんうらやましいな。帰りを待つ人がいるなんて」
もう一人の魔戒法師は穂先を収納した魔導筆を取り出した。
彼女の名前は烈火。
魔戒騎士ケンギを父親に自らも魔戒法師になりたがっていた。
しかし女に生まれた故、その夢はかなえられる事はなかった。
その悔しさをぶつけるが如く厳しい修行に耐え、そして魔戒騎士も
顔負けの対術を持つ魔戒法師となった。
そして冴島鋼牙と共に最凶の魔鏡ホラー・カルマを倒し、
カルマを封印できなかった父・ケンギの無念を晴らした。
彼女は鋼牙の頼もしい味方となった。
続けて全ての魔戒騎士を滅ぼし、魔界法師がホラーを狩る時代を
造り出そうとする仲間のレオの双子のシグマの野望を打ち砕いた。
そして邪美と共に修行の旅に出ていたがようやく閑岱に戻ってきたのだった。
「おい!あれは?」
烈火は遠くで倒れている黒いコートの男が目に入った。
「あれは?零じゃないか?」
2人は慌てて零の所に駆け付けた。
邪美が零を抱き起こすと苦悶に呻く零の声が聞こえた。
「おい!一体?何があったんだ?」
「ホラーにやられちまったよ」
「なんだって?魔戒騎士を返り討ちにするホラーなんて」
「なっ、名前はタナトスだ」
零は気を失った。
「シルヴァ!タナトスってどんなホラーだ!」
すかさずシルヴァーが額にしわを寄せてこう言った。
「かなり危険なホラーよ」
女性の顔に狼の面をかぶった形をした魔道具か?
烈火はついついシルヴァーを間近で魅入ってしまった。
「何をしてるんだい!早く運ばないと!」
「あっ!はい!」
烈火と邪美は閑岱の小さな藁の屋根で出来た
3角形の小屋まで運んで行った。
小屋につくと2人は片方づつ担いでいた零を交互に降ろしベッドの上に寝かせた。
邪美は突然こう言った。
「早く症状が始まる前に両手両足を縛るんだよ!」
「えっ!縛るんですか?」
「何ボサッっとしているの!このままじゃ死んじまうよ!」
「はい!」
烈火と邪美は両手両足を魔戒騎士でも切るのが困難な
頑丈な魔戒ロープで縛った。
当然、磔になった。
タナトスって意味を知っているかい?」
「いいえ」
タナトスはね。死を招く神の名前さ」
「まさか?こいつの毒って?」
「そう、症状がはじまると自分を傷つけて最終的に自ら命を絶ってしまう
恐ろしい毒さ!」
「つまり自殺?」
「そう言う事!最近人間の街じゃ自殺する人々がよくテレビで放送されていたね。
自殺事件が増えたのもひょっとしたらこいつが原因かもね」
「酷い奴だな!野放しにはできないな!早く封印しないと!
人間達の自殺の被害は増える一方だ」
「まて!早まるんじゃない!あいつは危険だ!
それに鋼牙と互角に渡り合った零がこのザマだ!
お前一人では到底無理さ!」
「では。奴の凶行を黙って見てろと?』
「それよりもまず彼を治療しないと!」
「そうか、鋼牙が約束の地に旅に出て不在だからな」
「どうやって」
「実はこの毒は非常に治療が困難なんだ」
「この毒はあらゆる魔戒法師が作り出した治療薬でも
ヴァランカスの実でさえもこの毒は浄化できないんだ!」
「じゃ、どうしようもないじゃないか!」
「いや、古の治療法を使えば毒は浄化できるはずだ!」
邪美によればこの毒を浄化するには男女の愛が不可欠だという。
「つまりこの男を心の底から愛し、子供を作り、家族となる事を強く念じ、
深き接吻と肉体の接触による熱で浄化できるようだ」
烈火は頬を赤らめしばし言葉を失った。
「どうしたの?まさかあなた?」
シルヴァは両頬を赤らめた烈火の顔を見た。
「いや!おっ!俺はまだこいつとはあまり親しくないし!
むっ!無理だよ!邪美さん!」
「何言ってるんだ?別にあんたにやれと強制している訳じゃないよ」
「でも!やらないとこいつ死んじまうんだろ?」
「烈火?ひょっとしてあんた零の事が?」
「ちっ!違います!ただ興味があるだけで!」
「ううん」
「目覚めたね。症状がはじまった!」
零は苦悶の表情を浮かべ悲痛な声で何度もこう叫んだ。
「畜生!死なせてくれえっ!」
「とにかくあいつに気なる女がいるか?」
「こいつ確かに顔はイケ面だけど」
「・・・・・・・・」
駄目だ!思いつかない!
烈火はまさかの展開に驚きを隠せなかった。
自分はどうだろう?
「・・・・・・・・」
駄目だ!答えが出ないよ!
 
烈火は一人ただひたすら考えていた。
その脇のベッドにはロープを切ろうともがき苦しみ
「殺してくれえっ!」叫ぶ零の姿があった。
シルヴァと邪美は他の治療法を探しに別の小屋に行っていた。
烈火は馬鹿みたいに「殺してくれ!」と叫ぶ零に腹が立つのを堪えて
ひたすら考えていた。
しかしとうとう我慢の限界を超えてしまった。
うっるさいな!そんなに死にたきゃ勝手に!」
烈火はハッと自分が心ない暴言を吐こうとしていた事に気づき、
我に返り、しゅんとなった。
「すまん!つい!今のは嘘だ!本当だ!」
烈火は黙って零の表情を見ていた。
零はうーんと大きく唸り、自分の過去を語り出した。
「俺は全てを失った。父として俺を育ててくれた道寺も
恋人の静香も。本当の両親も実は知らない。」
「えっ?お前に恋人がいたのか?」
零の意外な告白に驚きを隠せないでいた。
「そう、だけど死んでしまった!」
意識がもうろうとしている零の脳裏にあの暗黒騎士キバの手によって
恋人の静香が胸を黒いソウルメタルの剣により背中まで刺し貫かれ、
血を周辺に撒き散らし、殺される酷い思い出がフラッシュバックした。
「そうだったのか?すまない。こんな」
「俺には仲間がいても恋人はいない。
鋼牙にはカオルと言う名前の女性がいる!
でも、俺はいない!俺は一人なんだ!
俺の絶狼(ゼロ)の血筋はここで途絶える運命なのかも知れない」
烈火はついに意地となり、こう叫んだ。
「何を馬鹿言っているんだ!」
ここでお前が死んだら!守りし者の血はどうなる!」
零は顔を真っ赤にした烈火の表情を唖然とした表情で見ていた。
「だれもいやしないんだ!この毒は治療できない!
邪美もシルヴァーも言っていた!烈火?分かるだろ?
俺は戦いにつかれちまった。」
「いや、治療方法はある。』
烈火はおもむろに立ち上がった。
「おい、まて!何を?」
烈火は魔戒法師の服を脱ぎ始めた。
彼女は黒いTシャツ一枚となっていた。
「まて!」
烈火は有無を言わさず、零に顔を近づけるとこう言った。
「心配するな。俺が治してやる!おまえは一人じゃない俺がいる。」
「えっ?」
バサッと彼女は大きくジャンプした。
零は彼女の重みを感じ、失礼ながらも呻いてしまった。
「ちょっと!失礼な奴だな!」
烈火は静かに目をつぶった。
彼女は自分のピンク色の唇を零の唇に重ねた。
さらにやや強引に舌を入れた。
烈火は両腕を伸ばし、零の両腕を強くつかんだ。
心臓に激痛を感じ、叫び声を上げそうになった。
彼は口をふさがれ、上げたくても上げられなかった。
烈火は零にキスをするのをやめた。
零は彼女は大きな両胸をまじまじと見た。
烈火は零の腕を掴み、大胆にもTシャツの上に乗せた。
零の平手に柔らかい大きな胸の感覚とドクンドクンと言う心臓の鼓動を感じた。
「俺の心臓の鼓動を感じるか?
お前はまだ生きている筈だ!」
零はあああっ!と歯を食いしばり呻いた。
烈火はにっこりと笑った。
そして黒いTシャツを脱いだ。
零は目を丸くした。
烈火は量ほほを赤らめ、こう言った。
「お前も守りし者。俺も守りし者だ!
自ら命を絶って血を絶やすなんて意地でもやらすもんか!」
零は再び心臓に激痛を感じ、呻いた。
「時間がない!自殺衝動に駆られる前に俺が治してやる!」
零ははっきりとした意識のまま烈火の姿を見た。
彼女は馬乗りになり、大きな丸いピンク色の乳首のついた両乳房が見えた。
一方、邪美とシルヴァーは他の治療法を探しに小屋の中の広い書物を漁っていた。
しかし収穫は無しだった。
「収穫なかったわね。」
「そうだな古の治療法を試す以外に治療法はないんだよね」
「でも親しい女性なんて零にもういないのよ」
「恋人はいたらしいね」
「ええ、でもあの暗黒騎士キバに恋人も彼の里親も殺されたわ」
シルヴァはそう言うと悲しい表情をした。
 
牙狼GARO
 
(Bパートに続く)