(第3章)ミ二ラ捕獲

(第3章)ミ二ラ捕獲

家に帰る途中の美雪は酔っぱらっていたヤクザ3人に絡まれていた。
美雪は記憶喪失の男の姿を見つけると「助けて!!」と大声で叫んだ。
しかし「助けて?何?」と無表情で言うと男はその場を無視して通り過ぎようとしたが、
運悪くフラフラしていたので、ヤクザの一人にぶつかった。
ヤクザは「おい!!よくもぶつかってきたな!!
金払えよ!!あーあ骨が折れたかもしないぞ!!慰藉料を払えよ!!」
男は「慰謝料?金って?」となんだか訳がわからなかった。
ヤクザ達は怒ってナイフを取り出し「なんだ!!なめとんか!!」
と3人がかりで襲ってきた。1人がナイフで頭を刺そうとしたが男はナイフを素手でつかみ、
その為手のひらから血が流れたが男は無表情でまったく痛みを感じていないかのように、
親指をナイフの刃に当てると、まるでマッチ棒のようにナイフをへし折った。
そして刃が地面に着く間に相手にハイキックを食らわせ、後から襲ってきたナイフで襲ってきた2人目にはかかと落としを食らわせ、2人のヤクザを、一切感情を表に出さず散々蹴飛ばした揚句、最後に自動販売機にミドルシュートを決めた。残ったヤクザは恐怖のあまり
「化け物だ!!」と叫ぶなり逃げて行った。
男は美雪が「ありがとう」とお礼を言う間もなく、
倒し損ねたヤクザを追うように何も言わず走り去った。
真鶴の海から、父に内緒で遊びに来たミニラが上陸するという事件が起こった。
これが引き金となり、ゴジラ等の怪獣達に家や家族、財産を奪われた人々が集まり
『怪獣災害を考える会』が作られた。その団体から、政府や国連に対し「怪獣であるゴジラモスラ等を何故?いつまでたっても退治しないんだ!!」という過激な批判や、CCI、地球防衛軍に脅迫まがいの電話が数万件もかかってきた。さらに内閣、地球防衛軍、CCI、国連を相手取り、
怪獣達が起こした人的、経済的、社会的な莫大な損傷をめぐった裁判があっちこっちで起こり始めた。
[怪獣災害を考える会]の代表は講習会で怪獣の恐ろしさや怪獣災害の現実を訴えていた。
ついには「怪獣を生んだのは見勝手な人間や政府がいるからだ!!」を趣旨に全怪獣の抹殺を要求するデモ行進を行った。しかしこれに反対して、
動物愛護団体は「すべての生物を平等に扱おう」と訴えるデモ行進を行った。
そのためこの2つの団体のメンバーの間で小競り合いや殴り合いが頻発し、
ほかの店はまともに営業出来ないほどだった。
さらにそのデモ行進のニュースを見た1部の人々が集団ヒステリックになり、
怪獣に関する本やフィギュアを一掃しようと、全く関係のないおもちゃ屋
古本屋を襲撃した。それは世界中にまで拡大していった。
一番被害を受けていたのは他ならぬ特撮マニア達である。
彼らは自分の両親や家族から怪獣の本やフィギュア、ビデオを没収されそうになったので
家族や近所にばれぬように別の場所に隠さねばならなかった。
そして全ての店は怪獣関係の商品を売るのを中止にした。
マニア達は週に一度集まってフィギュアで遊んだり、
闇オークションで高値で取引を始めた。
世間では毎日のように小競り合いや喧嘩、学校内の虐めなどが絶えず、
勉強に集中できない子供や、学校を休んでまでデモ行進に参加するものがあとを絶たなかった。学校や大学は2つの団体にデモ行進を中止す領に呼びかけたが、逆に2つの団体から批判が集中砲火のごとく押し寄せられてきた。その為にいくつかの学校は閉鎖に追い込まれた。
一方真鶴の海岸に現れたミニラは見たことのない戦車や戦闘機におびえて、逃げるに逃げられなかった。
そこへ騒ぎを聞きつけた田口健太少年と祖父で漁師の田口左門がかけつけた。
前作の富士山中でミニラは2人に良くなついていた。
前作でミニラがゴジラと新・轟天号との間に両手を広げることで
ゴジラは怒りを鎮めて海へ帰って行った。
田口少年は今度も自衛隊、CCIとミニラの間に割って入ったが、すぐに「危ない!!」と
田口少年を自衛官が連れ出した。
田口少年は「ミニラ!!」と言った。
彼の心の中では『ミ二ラは悪くないんだ!』
と思い大人に対して怒りに近いものを感じていた。
その後ミニラは特殊なカプセルのようなもので捕獲された。

(第4章に続く)

では♪♪