(第8章)『インファント島攻撃作戦!!』

(第8章)『インファント島攻撃作戦!!』

翌朝の午後6時、地球防衛軍本部ではアヤノが
「真鶴近海に反応!!ゴジラです!!警戒レベル1、発令!!」と言った。
激しいデモ行進を重く見た総理大臣の五十嵐隼人は
モスラは我々を守る為に勇敢に戦ってきた!!モスラを殺す訳には行かない!!」
と声明を発表した。
そして国連事務総長の醍醐直太郎も同じく声明を発表し、
「怪獣保護を考える会」の保護派の人々の主張を強く支持した。
しかし内閣官房副長官の野中元は「怪獣災害を考える会」
抹殺派の人々の主張を強く支持した。その為,両者は激しく対立し、内閣の結束
はバラバラになった。
そして内閣官副房長官である野中元は、日本、ロリシカ共和国を始め各国の
複数の議員達に『対怪獣本拠地武力行使法案』を提案するように勧め始めた。
その後、彼はCCI(危機管理情報局)の局長の立場を利用し、抹殺派の市民に
「テロや外敵の侵略を阻止するために今!!我々は迅速な対応として『対怪獣止
本拠地武力行使法案』と言う独自の法案を国会に推し進めたいと思います!!」
とテレビで強くアピールした。
それに対し内閣総理大臣の五十嵐隼人はCCIの局長
である野中の法案について厳しく非難した。
『対怪獣本拠地武力行使法案』は、参議院で一度は否決されたが、
衆議院で最終的にインファント島の領土である
ロリシカ共和国を始め各国の首脳が国会に集まり、長い間、審議された。
それからロリシカ共和国を始め各国の議員の一部には
『インファント島攻撃作戦』に反対する者もいた。
反対派の主な理由は「またモスラを刺激して被害を受けたくない!」からである。
それでも内閣官房副長官の野中元や他のロリシカ国を始め各国の議員が多数占めており、
結局長い審議の末、その法律は可決されてしまった。
そしてそれは直ちに適用され、防衛庁長官を通し、テレビで総理大臣の五十嵐隼人は
「巨蛾のモスラが住むインファント島を怪獣が住む本拠地とみなし、
都市上陸の防止の為に武力行使を行う」
と発表した。
それを聞いた『怪獣保護を考える会』の代表であり、親友の中條信一は怒りをあらわにしたが、
「市民を守るためにやむをえないんだ!!」
と反論して、頭を抱えながらも五十嵐は彼を追い払った。
CCIはインファント島の先住民族に対して、15時間以内に
CCIが送った避難船に乗って避難するよう要求した。
インファント島の先住民達は「東京の悪夢が蘇るぞ!!」と抗議をした。
一方インファント島近海に停泊していたCCIの船では、
イライラしながらCCIの局長の野中が
「くっそ!!これでは攻撃出来ない!!
それにモスラゴジララドンのように科学的な言及が全くされていない!!」
と灰皿にタバコを放り投げながら椅子を思いっきり蹴っ飛ばした。
「住民が訴えた?!クソ!!もっと丁寧にだと!!」
すると別のCCIの職員が
「局長落ち着いてください!!」と言った。
局長室のテレビには急いで島に戻ろうとする長老らしき老人が
「早く戻って神に仕えなければ……」
と呟いている様子が映し出された。 
野中は
「静之浦の海岸にあった初代モスラの死骸は、双子のモスラゴジラを倒したそ
の1秒後にその場から忽然と消失している。どういう事だ!!科学調査が続けら
れていたが……研究は打ち切られて本当のことは分からずじまい。それがあのい
まいましい住民の訴えだ!!
しかも初代モスラの死体だけでは無く卵の破片すら消えている!!どういう事だ!!
モスラは良い行いをしたから浄化された。人間も良い行いをすれば浄化される』だと!
ふざけるな!!」
とまで言った時、もう一人のCCIの職員が
「15分経過!!どうします?」
すると野中は
「えーい!!かまわん!!フルメタルミサイル攻撃準備!!」と命令した。
そして幾つもの軍艦に装備された何10発ものフルメタルミサイルの砲台は
インファント島に向けられた。
地球防衛軍の寮では、覇王がベットで「ファウスト」の本を顔に乗せて眠りこけ
ていた。彼はまた夢を見た。
(再び月)
(また月か?)
そして誰かの声が聞こえた。
(大変だ!!同族の様子がおかしい!)
(同族?同族って?仲間の事か?)
すると別の声が聞こえた。
(我々の同族もだ!!一体!?どうなっている?)
(まるで我々一族が何かに寄生されたような?)
再び別の声が
(でも姿形は我々とそっくりなのだが?やはり偽物だ!!)
覇王は訳が分からずただその会話を聞いていた。
(また宇宙人の仕業か?)
すると別の声が
(恐らく……とにかくあいつが怪しいぞ!!)
(我々一族を利用しようとするX星人と言う連中か?)
その時、激しい警報が鳴り響いた。覇王は顔に乗せていた本を床に落として飛び起きた。
そしてあわてて寮を出て臨時オペレーションルームに急いだ。
臨時オペレーションルームではアヤノが
「真鶴にゴジラ上陸!!」
と報告をしていた。
しかし地球防衛軍の主力兵器である新・轟天号は前作のX星人総攻撃の時にゴジラ
の放射熱線を受けて機体の80%が損傷した為、現在でも50%しか修理が出来
ていなかった。このまま出撃しても勝てる見込みはなかったが、破壊されたプロ
グラムを消去して最新プログラムのGBP(ゴジラバトルプログラム)を導入した。
これならゴジラが放射熱戦を吐く前に、自動的にサーモグラフィでセンサーがキ
ャッチして、高速でかわすことができる。また常にゴジラの体温や心臓の動き、
骨や筋肉のわずかな動きを細かくデータ化して、どんな攻撃をゴジラが仕掛けて
もすぐに対策を立てて防御することができるのだった。
ゴードン大佐、尾崎、覇王、M機関のミュータント部隊は
轟天号ゴジラのいる真鶴に出撃した。

(第9章に続く)