(第12章)あれ?ここ?どこ?死んだんじゃないのか?

(第12章)あれ?ここ?どこ?死んだんじゃないのか?

轟天号内の医務室のベットで眼が覚めた覇王は、寝ぼけたように
「あれ??ここは??俺は死んだんじゃないのか??」
隣にいたゴードン大佐は
「死んではおらんよ……私が助けた……死んだと思って報告したあとで見つけて
波川司令官と室井少佐にこっぴどく叱られたぞ!!」
覇王は
「尾崎は?」と聞いた。
ゴードン大佐は「今連絡した所だ」
すると覇王は
「これは助けると言う事か?」
と聞いた。ゴードン大佐は少し笑いながら
「何を分かりきった事を?本当に変わった奴だな……」
覇王は「そうか、だから美雪はあの時『ありがとう』と言ったんだ」
と素直に納得した。また覇王は
「幸運にも生きて帰って来れたから一つ美雪に頼みが……」と言ったのでゴードン大佐は
「どんな……」
覇王は
「だいぶ前に仮設研究所の資料を読んでいた時に、それで美雪にこっぴどく叱ら
れたけど……気になる資料を見つけたんだが……」
ゴードン大佐は「それは何だ?」
と聞いた。覇王は
「それは……ある巨大生物の事件に関する資料の中に、目撃者が描いた、山羊の
ような、巨大な角に手足が長くて黒い眼のスケッチを見つけて……その絵を見た
時に巨大生物の顔が『どこかで見た顔だな』とずっと気になっていたんだ……そ
れで初めてそのスケッチを見た時、何か思い出しそうになって軽いめまいと頭痛
がした……その資料は、えーとなんだっけ?確か数年前ニューヨークのセントラ
ルパークを襲った巨大生物に関する資料だったと思うな……それでその巨大生物
の襲撃の時に民間人がビデオカメラで撮影した映像を
見たら何か思い出すかもって思って」
と言った。ゴードン大佐は
「そうか……よし!俺が美雪に頼んでみる」
と答えた。
すると覇王は
「それと一つ質問があって……何故俺がドックファイターに乗るのを必死に止め
ようと尾崎がドアの前に??」
ゴードン大佐は不意を突かれた様に驚いたがやがて口を開いた。
「それはな……X星人と言う宇宙人との戦いの時に、お前とよく似た風間勝範と
言うミュータントがいてな、そいつは命を懸けてドックファイターでX星人の母
船のバリア発生装置に突っ込んで戦死してしまった。そのおかげで母船を破壊し
てX星人を倒す事が出来た。お前がドックファイターに乗る事でまた嫌な記憶を
思い出したのさ!!そして同じ目に遭わせたくない一心でドアに立ちふさがったのさ!!」
と答えた。
覇王は
地球防衛軍の本部の病院に着くまで仮眠したい……今日はとても疲れたからな……」
ゴードン大佐は
「そうか……ゆっくり休めよ」
と言うと医務室から出て行った。

覇王は轟天号の医務室で夢を見ていた。
月の映像が流れた。
以前夢で聞いた声が再び聞こえた。
(どうやら我々ギドラ一族は何か得体の知れない物に支配されているらしい……)
また別の声が聞こえた。
(これでは我々ギドラ一族は全滅だ!!)
(そういえば例の息子の行方は??)
(分からない……始末されたか?)
(されていないらしい……)
(それでは我々一族の王も??)
(地球という惑星に潜伏しているという噂だ)
(例の息子と我々一族の王、彼らだけが頼りだ……)
例の息子と我々一族の王??何の事だ??
その時、誰か女性らしき声がした。
「よかった!!無事だったのね!!」
眼を覚ますとベッドの周りに尾崎と美雪が心配そうに立っていた。
覇王はふと笑い出して
「ドックファイターが墜落しても簡単には死ねないようだから安心しな!!特に尾崎はね……」
と言った。
そして覇王は美雪に向かって
「美雪、今まで冷たく突き放して悪かった!!」
と謝った。
美雪は驚いた様に
「何よ??突然??人が変った様に。ショックでおかしくなった?」
と驚いたようすで言った。

美雪の心の中では
「何?突然??あたしに気があるのかしら?でも……少し嬉しいかも?
と何故か恥ずかしさと動揺と喜びが混じり複雑な心境だった。

尾崎の心の中では
「せっかく君の命を守る為にドアに立ち塞がって守ったのに……
何で?美雪に対して優しくて俺には冷たいんだ?」
と僅かに嫉妬の感情が湧き上がるのを感じた。

ゴードン大佐は、覇王が言った、ニューヨークのセントラルパークを襲った巨大
生物の顔のスケッチを見て何か思い出しそうになって軽いめまいと頭痛がした事、
また巨大生物のスケッチを見て『どこかで見た顔だ』とずっと気になっていた事、
そして巨大生物の襲撃の時に民間人がビデオカメラで撮影した映像を見たら
何か思い出すかも知れない、という事を美雪と尾崎に説明した。
すると美雪は
「なるほど……その民間人の映像を見れば何か思い出せるのね?」
と聞いた。
覇王は「多分……」
尾崎は「それじゃ、彼の為にその巨大生物のスケッチと
民間人の映像を貸してくれるように国連や司令官に相談して見るよ」
と言った。
美雪も
「私も神宮寺博士に相談してみるわ」
覇王は嬉しそうに
「サンキュー」
と言った。
ゴードン大佐は
「どうやらこれで一件落着だな!!」
と笑いながら冗談交じりに言った。
ところで、新しく出現したこの強力なキングギドラはカイザーギドラを凌駕する事から、
カイザーにちなんでやはりドイツ語で、ゴードン大佐に「ケーニッヒギドラ」と名付けられた。
もちろんゴードン大佐お墨付きである。

(第13章に続く)

今日の変更&修正はここまでです。
また帰ってきた載せれるかもしれません
では♪♪