(第8章)人形使い

こんにちは職場から帰って来た畑内です。
疲れました(汗)
ゴジラの自作小説を載せます。

(第8章)人形使い

中国上海の研究所の会議の後、
陳天来と楊国花が何かを話しながらアクアリウムのトンネル廊下を歩いていた。
楊国花は
「つまり『例の寄生生物』には心臓や脳を持つ本体がいると?」
陳天来は
「そういう事だ……ただその本体はどこに居るのか?
どのように生まれるかは調査中だ」
と答えた。
すると楊国花は
「でもそれでは疑問が残ります……」
陳天来は「それは?」
楊国花は「それは……例えば『例の寄生生物』の本体が外敵に敗れたら、それだ
けで他の生物に寄生した多くの群れの絶滅にもつながります。」
と言った。陳天来は
「確かにそれは私も考えていた……それでは種を保存するのにはあまりにもリス
クが大き過ぎる。一体『例の寄生生物』はどうやって種を維持しているのだろう??
恐らく他の生物に寄生して支配するだけでは無く、どこかで新しい本体を分裂して
生み出しているのでは無いかと思うのだが。
または幾つもの本体同士が出会って繁殖しているか。
もしくはその両方だ。君にはどう考えられるかね?」
と聞いた。
楊国花は
「脳があると言う事は知能があるのでしょうか?」
と聞いた。陳天来は
「いや!!基本的に知能は全く無い……ただ他の生物に幻覚を起こさせて、捕食
するだけだ。他の生物に寄生する分身は、体から離れた手足のようなものにすぎない。
…あくまでも一つの解釈だが……」
楊国花はしばらく考えていたが「なるほど……」と納得した様に言った。
やがて2人はアクアリウムを出た。
楊国花は
「ではまた明日。お休みなさい!!」
と言った。
陳天来も「お休み!!」というと、2人は抱き合ってからそれぞれの部屋に帰って行った。

ニューヨークのある薬品会社では2人の研究員が何やら話し合っていた。
一人の若い坊主頭の研究員が
「また……その中国にある日系企業は、別の中国の企業と取引をして、CIAか
らハッキングしたG塩基の情報と『例の娘』の情報で何かの取引をしたらしいと
いうことです。バイオメジャーのスパイからです」
と報告した。
もう一人の灰色の立派な髭が生えた研究員は
「『例の娘』の情報とは何だ?」
と聞いた。
若い坊主頭の研究員は1枚の写真を取り出し
「右に写っている女性は国連の分子生物学者の音無美雪という人物で、左に写っ
ている男性は地球防衛軍のM機関にいたが…現在は軍をやめて行方不明になって
いる覇王圭介。この二人が『例の少女』の両親です。現在は母と二人暮らしをしています。」
その写真を見た灰色髭の研究員は
「なるほど……美男美女カップルか。それで『例の少女』は何者だ?まさかカイ
ザーかミュータントなのか?」
と聞いた。すると若い坊主の研究員は首を振って
「『例の少女』の詳しい情報が先程届きました!」
と言うと30枚のコピー用紙を手渡した。
灰色の髭が生えた研究員はそのコピーを読んでたちまち驚きのあまり無言になっ
た。また、みるみる顔が真っ青になった。やっとの事で
「そんな……ありえない!!生物学的にあり得ない!!」
と声にならない声を上げた。
その写真とコピー用紙を見せた坊主頭の研究員は
「その『例の少女』を手に入れる計画をこれから考える所です」
と笑いながら言った。

(第9章に続く)

では♪♪