(第13章)遺言

こんにちは職場帰りの畑内です。
ゴジラの自作小説を載せます。

(第13章)遺言

真鶴のゴジラキングギドラの戦いから一夜明け、キングギドラが武器に使った
黄金色の光線を調査した結果がゴードン大佐を通じて地球防衛軍に伝えられた。
「イランの首都テヘランを壊滅させ、真鶴でゴジラを高々と吹き飛ばした黄金の
光線を詳しく分析した結果、他のキングギドラの引力光線やカイザーギドラの反
重力光線とは全く異なり、内部は竜巻のように高速で入り乱れて、一種のかまい
たち現象を起こしている。目標に接触すると、地面は勿論、戦車、飛行機、戦闘機、
建物、何であれかまいたちの様に切り刻まれて粉々になる」
その市川と言うCCIの物理学者の言葉に尾崎達は絶句した。
ニックは
「と言う事は、少しでもかすっただけで大怪我してしまう……」
とつぶやいた。
尾崎達は言葉が出ずただ無言になっていた。
一方東京の仮設研究所では、例のニューヨークのセントラルパークを襲った
巨大生物のビデオを真剣に見ていた。
ヘリコプターが墜落したと思われる広場から、
一般市民がその巨大生物の顔をアップで撮影した映像を見た時、
突然覇王は激しい頭痛に襲われたと同時に脳裏に映像が流れた。

土星のどこか。
その日、砂嵐が酷くほとんど何も見る事が出来なかった。
3体の影の1体は、3つ首で、頭部に先ほどの映像に登場した巨大生物の
様な、山羊に似た巨大な角を持ち、赤い翼と4つ足で眼が赤く輝いていた。
デスギドラである。
その怪獣は憎々しげに
「愚かな事をしたな……我々一族が代々守って来た
土地を略奪しようとした一味の処刑を引き続き行う!」
と無表情で言った。
続いて
「では…死ね!!」
とつぶやくと強力な赤い火球が体から飛び出した。
覇王は無意識に叫んでいた。
「やめろおおおおっ!!」
大爆発が起こり、相手の宇宙怪獣は即死した。
その瞬間、無意識なのか分からないが、美雪の顔が飛び込んできた。
更に病室の様な場所で10円玉位の大きさの発光体がゆっくり浮遊しているのが見えた。
その発光体をよく見ると虹色の3つ首の竜の生物が胎児の様に丸まっていた。
さらにその発光体から幽かな声で
「ア…イ…ス…ル…モノ…ミ…ラ…イ…ヲ…マ…モ…リ…センソウヲ…オワラセテ!」
と聞こえた。その時、誰かが呼びかける声が聞こえた。
「覇王君!!覇王君!!しっかりして!!」
辺りに沈黙が流れた。
覇王は冷や汗をかいていた。
美雪は驚いた顔で恐る恐る
「一体??あなたは何を見たの??」
と聞いた。
その時、バタンとドアが開いたので美雪は驚いてドアの方を見た。
すると神宮寺博士が血相を変えて入って来て、
「どうしたんだ……」
と聞いた。
美雪も覇王もしばらく無言だった。
美雪は神宮寺博士に
「実は…例の巨大生物の映像を見た時に何か思い出したらしいんです…」
と必死に説明した。
しかし覇王はひどく動揺して
「でも……俺も何が何だか分からないんだ……」
と言うと再び黙った。
神宮寺博士は
「今回はここまでにしておきましょう……」
と言った。
美雪は放心状態の覇王を介抱するようにソファーに寝かせると
「しばらく休みなさい。あとで尾崎君に連絡するから」
すると覇王は「色々面倒をかけてすまない……」
と申し訳なさそうに言った。
美雪は「別にいいわよ!!」と答えた。
しばらくして覇王は突然
「お前……写真よりも顔がふっくらしているな」
と言った。
美雪は突然の覇王の言葉に心臓がキュンとなった。
さらに覇王は「肩まで伸びた長いポニーテールもよく似合うな……」
美雪は顔を赤くして
「やだ!!何言ってるの??」
と言うと両手を頬に当ててあわてて立ち上がり
「じゃ尾崎君に連絡してくる!!」
とだけ言うと全速力でドアを開けて控え室へ向かった。
覇王は
「どうしたんだ……あいつ……何か変な事を言ったのか?」
とすっかり考え込んでしまった。
近くにいた神宮寺博士も「さあ……」
と首を傾げた。
美雪は控え室のドアを閉めて自分の胸に手を当て、心臓の鼓動を確認した。
何kmも走ってきた様に心臓がドキドキしていた。
「あたし……そんなまさか??あんな奴のたった一言の言葉に??」
しかし一度深呼吸をして落ち着くと、
美雪は尾崎に覇王の迎えに来るよう尾崎に連絡した。

(第14章に続く)

では♪♪