(第16章)サンプル到着!そして……謎の電話予告!

(第16章)サンプル到着!そして……謎の電話予告!

覇王と美雪は仮設研究所である人物を待っていた。
その人物は自衛隊科学部の島田原一と、ゴジラ予知
ネットGPNの会長の篠田雄二と一人娘のイオである。
4WDと自衛隊ジープが到着した。そして2人の
男と娘が車から出て来た。美雪は
「始めまして。分子生物学者の音無美雪です!!」
と自己紹介した。
篠田は美人の美雪にしばらく見とれていたが、しっかり者の
娘のイオが篠田の腕を強くつねった。
篠田は「イテテ」と我に返り、あわてて自己紹介をした。
一人の男が「自衛隊科学部隊の島田原一です!!」
覇王もどうやら挨拶するのが礼儀らしいので
地球防衛軍の隊長で音無美雪さんの警護を任されています。覇王圭介です」
2人は
「こちらこそよろしくお願いします!!」
と丁寧に言った。
美雪は「早速ですが……」と言うと3人を仮設研究所の中へ招き入れた。
仮設研究所の中に入った篠田が周りの設備に圧倒され、思わず
「凄い……」
と漏らした。
美雪は
「前に研究所をガイガンに破壊されて、それで研究所の一部を
ここへ移したんです。」
と説明した。篠田は
「知っています……たしかX星人にコントロールされて……」
美雪は
「はい、それでこれがそのガイガンの頭部と片手のチェンソー
のサンプルです。」
と言って指をさした。篠田は
「こんな巨大な頭部とチェンソーを宇宙人が作ったのか?…
なんて高度な技術だ……」
とただひたすら感動していた。
美雪は
「では!!研究の為に例のサンプルを……研究をこれから始めたいので……」
篠田は
「分かりました……」
と言うと
ゴジラ細胞から発見されたオルガナイザーG1の入ったカバン
を取り出し、
「後はよろしくお願いします」
と言いながら美雪に渡した。
美雪はそれを受け取った。
そして島田もゴジラ細胞の入ったカバンを渡すと3人は帰って
行った。
 覇王は、美雪がゴジラ細胞やオルガナイザーG1を調べてい
る間、彼女に話しかけると怒られるし、目をなるべく合わせな
い様にと後ろ向きに寝た。
そしてまた夢を見た。
月。
翼を広げた怪獣が、手当たり次第逃げ回る黒い怪獣達を攻撃し
始めた。
そして全く関係ない映像に変わった。
地球?そしてそこにいる類人猿達。
そしてとぎれとぎれに場面が変わった。
大陸を出て世界各地に広がる類人とは違う原人と呼ばれる人達。
石器を使いマンモスを食料にする原人達。
別の場所では洞窟の壁に絵を描き始める人達もいた。
もう何が何だか訳が分からない!!
そこで目が覚めた。美雪がディスクに突っ伏して寝ていた。
覇王は自分が被っていた毛布を美雪にかぶせ、大あくびをして
背伸びした。
どうやら朝らしい。
しばらくして髪をクシャクシャにして美雪が起きた。美雪はし
ばらくぼーとしていたが、覇王が「おい!!」と大声で言うと、ビクッとして、
ようやく頭が目覚めた様に突然大声を張り上げた。
「あっ!!しまった!!寝過した!!」
覇王を睨みつけながら
「ちょっと!!どうして起こしてくれなかったのよ??」
と食って掛かった。
覇王が「お前が気持ちよさそうに寝ていたからだ!!」
美雪は
「ふざけないで!!」
と怒鳴るが、覇王はもうすでにいなくなっていた。
美雪は
「あれ?覇王君?……あいつ!!」
と腹を立てつつも仕事の続きを始めた。
しばらくして電話がかかって来た。
電話の主は英語で
「今日の深夜1時30分に特生自衛隊のDNAを盗んでやる!!」
怪電話だった。美雪は八当たりに
「悪戯電話はやめてください!!」
と怒鳴って、ガシャンと音を立てて電話を切った。

(第17章に続く)