(第20章)闇の森の神の復活!

(第20章)闇の森の神の復活!

凛が前を見るとそこには数本の蔓の様な触手が生えた黒い怪獣が
四本足でしばらくじっとしていたが、やがて一本の蔓の様な触
手が凛に襲いかかった。
凛はあわてて立ち上がろうとしたが何故か自分の意志に関係無
く右手が動き出し、近くの破片の部分を強く握った。その為、
全く動けなかった。
その触手は凛の右腕に巻き付いた。そして右腕から肩の一部に
もの凄いスピードで同化を始めた。
突然、研究所の外から咆哮が聞こえた。
研究所の壁を破壊して、ゴジラが壁の穴から現れるとその穴か
ら腕を突っ込み、凛に巻きついていた蔓を長い爪で切り裂いた。
その勢いで凛は吹き飛ばされたが、ようやく立ち上がり、走
って研究所の外へ逃げ出そうとした。
その後ろに再び触手が襲いかかったが、凛の背中に届く直前、
ゴジラが、背中から数本の長い蔓が生えて動き出した死体を抱え上げそのまま遠くに投げ飛ばした。
凛はそのまま死に物狂いで走り続け、近くにある非常ドアを開けると外へ逃げ出した。

友紀は1人で、山岸からお守りとして貰った中国語の紙と小
さな鏡を持って田舎町を走っていた。一緒にいた父親は怪獣出
現の騒ぎではぐれてしまった。
持っていたのは、凛から教わった中国語のメモ、そして山岸の
部屋で凛が誘拐された時に玄関に落ちていたのを山岸が拾った
あの小さな鏡である。友紀は別のメモを取り出そうとした時、
3度の激しい爆音が聞こえた。友紀は爆音で両耳を塞ぎつつも
避難しようと急いで走り出した。
再び4度の爆音と悲鳴が聞こえた。
友紀はあわてて他の住民が走る列に割り込んで人混みの中を走
っていたが、何かを決心した様にビデオカメラを取り出して、
周りの街の撮影を始めた。
次々と建物やビルが崩れて瓦礫の山と化していく光景を撮影した。
 友紀がいる田舎町からさほど遠くない森の中では一人の少女
が死に物狂いでガサガサと木々や雑草をかき分けて走っていた
その後ろを研究所の崩壊から間一髪、逃げ延びたバイオメジャーや
CCIとCIAの職員達、そしてバイオメジャーに人質に取られていた
中国人の楊国花と張強、孫飛山が追っていた。
凛は必死に森の中を死に物狂いで走り、追っ手を撒こうとした。
 尾崎、美雪、ゴードン大佐、ミュータント部隊に向かって
小室少佐が
「いいか!!この任務は怪獣との戦闘では無く娘の音無凛さん
の救出作戦になる!!よって君達は轟天号では無く、CIAと
アメリカの地球防衛軍が用意した救助艇に乗ってもらう事になった!!」
ゴードン大佐は「どういうことですか??」
ゴードン大佐の発言を無視して波川司令官が
「なお……今回の我々地球防衛軍の任務は音無凛さんの救助を
優先させる事とする!!その為、余計な戦闘や混乱は極力避け
たいと考えている!!また凛さんを輸送した密輸船の3人も重
参考人としてのせる予定になっています!!またこの救助艇
は同時に密輸船3人をアメリカのインターポールの本部に護送
する役割も担っているので!!くれぐれも無茶をして!!この
船を沈めたりする事が無い様に!!」
と言うと小室少佐と波川司令の敬令で見送られて全員救助艇に乗り込んだ。
救助艇の中でゴードン大佐は思わず「クソ!!」と舌打ちをし
た。しかし彼は美雪と娘の凛の為と思い我慢する事にした。
やがて救助艇は中国に向かって飛び立った。
地球防衛軍の本部を出発した救助艇は数時間後、黄海の上空を飛行していた。
救助艇の中では、中国の避難システムが破壊されたのか、アメリ地球防衛軍
数人が、地下にある避難システムのデータにアクセスして故障の原因を探っていた。
密輸船の船長が、アメリ地球防衛軍の映し出したモニターの画面を見て
「これは……怪獣の細胞の一部なのか?」
凛の護衛は
「信じられん……」とつぶやきながら避難システムが表示されている画面を指さ
した。
さらに密輸船の男がその画面を見て
「怪獣の細胞が侵食して重傷らしいな……」
美雪は信じられない様子で
「そんな……どうやって?」
とつぶやいた。
ニックも
「コントロールシステムは地下に隠してあるんだぞ!!」
と信じられない様子で言った。
密輸船の船長が
「どう侵入したか知らんが……このままじゃ確実に犠牲者が出るぞ!!」
と大声で言った時、また「ビーッ」と警報が鳴った。
密輸船の男は驚いて振り向くと思わず
「お次は!!何んなんだよ!!」
と大声で言った。
アヤノが
ゴジラとジュニアと謎の巨大生物が出現!!住民は自主的に避難しています!!」
と大声で言った時、密輸船の船長は大声で
「クソ!!どうしたらいいんだ!!」
と言った。
また凛の護衛も良く分からずしばらく考え込んでいた。

(第21章に続く)