(第28章)過去の記憶との戦い

(第28章)過去の記憶との戦い

初代ゴジラの背びれは白く光り、白くて薄い煙の様なものを吐いた。近くの建物
はみるみる内に発火して全てが焼き尽くされた。
ゴジラは動揺していたが、初代ゴジラを捕まえた。
しかし初代ゴジラは頭突きを食らわせ、さらにタックルでゴジラを吹き飛ばした。
ジュニアが立ち上がり初代ゴジラの腹に突っ込んだ。
ジュニアは空高く弾き飛ばされた。
そこには3つ首の巨大な羽が生えた黄金竜が立っていた。
救助艇でアヤノは
「ケーニッヒギドラです!」
カンナすっかり混乱して
「もう!訳が分からない!」
と両手を抱えてパニックになった。
ケーニッヒギドラは吠えるとゴジラに殴りかかった。
ゴジラはケーニッヒの拳を掴んだ。
しかしケーニッヒギドラは3つの首から
黄金の光線を放った。顔面に当たり吹き飛ばされたジュニアはしかしすぐに立ち
上がると放射熱線を吐いた。
それはケーニッヒギドラに命中した。
悲鳴の様なものが聞こえた。
ジュニアは驚いた。
見るとそこにはプテラノドンのような怪獣が苦しそうにお腹を押さえながらのた
うち回っていたのだ。
ジュニアがすぐにその怪獣を抱きかかえようとした。
ジェレルは
「あれは……」
あやかが
「小笠原のラドン?しかも妊娠しているわ!」
カンナは
「たしかDNA鑑定では父親はジュニアだったわ!」
カンナが
「もう嫌!気が狂いそうよ!」
と大声で言った。

バガン、いやデスギドラに投げ飛ばされたジュニアは近くの森に倒れていたが、
やがてフラフラ立ち上がって周りを見渡した。デスギドラは忽然と消失していた。
ゴジラも何がんだか訳が分からず混乱した様に周りを見渡していた。
すると突然何の前触れも無く激しい爆音と共に煙が上がった。
ゴジラはそれを見た時、激しい憎しみが湧きあがるのを感じた。
救助艇でそのキノコ雲を見たアヤノが
「これは?ビギニ環礁の原爆?」
すると尾崎が
「そんなバカな!あれは1954年の話だぞ!」
アヤノは
「でも……そうとしか思えません!」
と反論した。
しかしミュータント兵達がスクリーンに映されているキノコ雲を見ていると、そ
れは突然消失して、甲殻類の様な怪獣や初代ゴジラ、ケーニッヒギドラ、妊娠し
ラドン、さらにキノコ雲がそれぞれ現れた。
救助艇ではカンナが
「どうなっているの?一体何?」
と周りの人達に聞いていたが全員何が何だか分からなかった。
救助艇の医務室で凛はマイクのスピーカーを通して、外にいる美雪に向かい、
小声で
「あれは……ただの幻影よ……幻影さえ消せれば……
それで本体のバガンは地下に逃げたわ!」
と訴えた。美雪は娘の言葉を信じて尾崎達に伝えた。
東京の凛が通う高校では凛と友紀が欠席した事で大騒動が持ち上がっていた。
担任のクラスの先生は
「えー、国連の娘さんの音無凛さんと、
不良でヤグザ繋がりの渚友紀さんの欠席の件ですが……『豆人間』は全くの空想
の話であり、『豆人間』は『盗まれた街』と言うお話の中にしか存在しません!
よってこんなくだらない噂を持ち出した生徒達には罰として10週間分の数学と
理科の宿題をやるように!いいですか?洋子さん!」
それぞれの生徒の机にドサッと様々な宿題やプリントの山が置かれていた。
洋子が
「こんなにできません!」
さらに他の生徒も不満をぶちまけたが、先生は怒って
「やりなさい!自業自得ですよ!」
と怒鳴った。この時教室のドアが開き校長が入って来た。
そして
「山岸優さんちょっと校長室に!」
と呼ばれた。すると山岸は
「えっ?僕に?」
と言った。担任の先生は
「一体私の生徒が?何で?」
と混乱した様に言った。

(第29章に続く)