(第42章)忍び寄る強敵

おはようございます。畑内です。
実は今日の11時から札幌の病院へ行き検査入院する事になりました。
それで帰ってくるのは一週間後の15日の予定です。
それまでブログ変更はできませんが、
アイディアノートを持って医療器具を観察したり、
ゴジラの自作小説のネタを探してみます。

(第42章)忍び寄る強敵

真鶴の避難所の母親は怒って
「ふざけないで!」と言うと沙羅と自分の子供を平手で殴った。
2人はしばらく放心状態だったが、やがて激しく泣き始めた。
沙羅の父親の湯原徳光は
「ちょっと!ウチの娘に何て事をするんですか!?」
と怒鳴った。母親は
「何よ!大人に歯向かおうとしたからでしょ!
大体?子供にどう言う教育をしたんですか?」
と負けじと怒鳴りつけた。
母親は怪獣に対する憎悪で理性を失っていた。
そこへ中條舜少年が恐る恐る
「それじゃ……どうしてゴジラは人類の脅威にならなきゃいけないの?」
中條少年の冷静な質問に母親は
「それは……」
と理性を失っていた顔が戸惑いに変わり、無言となった。
「怪獣災害を考える会」の代表の浩子が言った。
「核の危機が生んだ怪獣!そもそも人間があんな事をしなければあんな疫病神み
たいな奴は出てこなかった!」
中條少年は思わず大声で
ゴジラを疫病神って呼ぶな!」
と大声を上げた。
廃墟になった東京で4体の怪獣の戦いが続いていた。
ケーニッヒは
「何故だ!?何故??守る!何故戦い続ける!」
と狂った様に絶叫しながら、
モスラゴジラでは無い別の怪獣に激しい攻撃を加えていた。
数時間前、ケーニッヒが
「反撃のチャンスを与えたのに……残念だ……」
と、再び黄金色に戻り、口から黄金の光線で止めを刺そうとした時、
別方向から放射熱線らしきものが直撃した。
ケーニッヒは
「誰だ??」と言った。
すると廃墟のビルの壁からミニラが現れた。
ケーニッヒはミニラの顔を見た瞬間、激しい憎悪がだしぬけにわき上がるのを感じた。
そしてケーニッヒは無言でミニラに近づくと、容赦無く殴り倒した。
しかしミニラはフラフラと立ち上がった。
更にケーニッヒはミニラの顎を蹴り上げた。
しかしミニラは立ち上がり続けた。
その後、ミニラは傷ついて動けないモスラゴジラの代わりに
ケーニッヒとの戦いを続けていた。

真鶴の避難所では、子供達と大人の会話をじっと聞いていた一人の子供が
「そう言えば僕のおじいちゃんはね……横須賀の小学校に通っていた頃にチタノザウルス
って言う怪獣が現れて,ケンちゃんって言う友達と一緒にその怪獣の姿をよく見ようと近づいて、
危うく踏みつぶされそうになった時、『ゴジラ!』と叫んだら、
ゴジラが本当にやってきて僕達を助けてくれたんだって聞いたことあるよ!」
しかし浩子は
「それはただの偶然でしょ!」
と冷たく言った。
するとその少年が
「分かりあえないの?」
と聞いた。
浩子は憤慨して
「分かりあえる??あんな化け物に心があるって言うの??」
もう一人の子供は
「僕はね!重い心臓病を持っていたんだ!それは1歳の頃ゴジラの細胞で作った
薬のおかげで、治る確率が1%以下の心臓病がたったの一ヵ月で直ったんだ!」
更にもう一人の子供も
「手足が完全にマヒして動け無い障害を持っていたんだけどゴジラのおかげで歩
いたり、走ったり、物を掴んだり出来る様になったんだ!
なのにどうして殺そうとするの ??」
と涙ながらに浩子達に訴えた。

一方真鶴から東京に向かって飛行中の轟天号内で、
ジェレルはボツリヌス菌の感染が初めて確認された北海道紋別を始め、
青森や仙台の土壌のサンプルデータを分析していた。
ジェレルは首を傾げながら
「おかしいな……青森や新型のボツリヌス菌はほとんど確認されませんでした!」
ゴードン大佐は心配そうに
「とにかく!死者が出ていないと良いが……」
ジェレルは
「あっ!先程波川司令から、数人の地質学者から緊急連絡があったとの事です!」
尾崎は
「地質学者?……」
すると一人の白いひげを生やした地質学者が画面に現れた。
アメリカのCDC(疾病管理センター)職員による現地調査で、ボツリヌス菌
によって衰弱死した被害者はごく僅かだと報告された。
別の死因の可能性も出て来た……恐らく北海道紋別の周辺の木々が枯れ、
動物や人を大勢殺した本当の原因は……」
尾崎は
「その原因は??」
地質学者が
「それは火山が噴火する時に発生する有毒ガスでは無いかと私は考えている!
地球防衛軍の科学者と連携して、北海道から青森、仙台と東京に向かって移動して
いるものを詳しく分析したところ、それはボツリヌス菌の運び屋では無く、熱い
溶岩……つまりマグマの様な物体が東京に向かって移動していると我々は結論付けた!」
尾崎は信じられない様に
「まさか?ありえません!そんなマグマが自分の意思で一直線に東京に向かうだなんて……」
すると地質学者は
「我々も本当に驚いている!現在そのマグマの様な物体は東京の地下を通っている!
いずれは何処に噴き出すか分から無い!対応が遅れれば!未曾有の大被害に繋がってしまう……」
と深刻そうに語った。

(第43章に続く)