(第54章)崩壊する身体!

こんにちは!
大分変更をしていませんが……久しぶりに載せます!

(第54章)崩壊する身体!

 網走厚生病院で起こった4人のテロリスト
立て篭り事件は無事解決し、解放された
凛や蓮、山岸、洋子、長野先生、原田先生をはじめ、
今まで病室に閉じ込められていた
大勢の患者や凛のクラスの生徒達は、また安全な地下の避難所へ移された。
市内のサンドラの動向が危険だったからである。
 医療スタッフ達が網走市内で暴れているゴジラとサンドラの様子を巨大スクリーンに映し出した。
その時、何の前触れも無く凛の隣にいた洋子が両手で顔を押さえ、大慌てで後ろを向いた。
凛は心配した声で
「どうしたの??気分が悪いの??」
と聞いた。
洋子は涙目で
「ウッ……凛ちゃん……駄目……怖くて……」
凛がスクリーンを見ると空中を飛んでいたサンドラが苦しみ悶え、地面に墜落し、
大量の血を周りのビルや建物の瓦礫にまき散らしていた。
友紀は
「何なの?何が起こったの?」
山岸も呆然とした顔で
「ウソだろ……」
それを隣で見ていた蓮は冷たい声で
「無様だな……」
とひとり言をつぶやいた。
凛は
「……このままじゃ彼女は本当に……」
しばらく考えていた凛はふと思いついた様子で
「あたしが……空想と現実の狭間の怪獣世界へ行けたら……」
しかし凛はしばらく考え
「でも……どうやって行くのかしら?少なくとも……
あの怪獣世界は空想と現実が曖昧な世界……まず!現実の常識じゃ……
行けそうもないわ……ママは一度あそこへ行った……けれどママが言うには
そこにあるのは死の恐怖と絶望と不安だけ……でも……実際!
あたしだって2回も行けたわ!もう一度行く事だって……」
と考え込んでいた。
その独り言を聞いていた蓮は苦笑しながら
「やめとけ!行けっこないよ!」
と言った。
しかし凛は
「何か方法があるはずよ!」
と反論した。

 瓦礫の山で失神していたゴジラは、苦悶に満ちた獣の吠え声と、
酢っぱい臭い、卵があるいはバターが腐った様な強烈な悪臭、
いや、それより遥かに酷く強烈な、腐った魚を直射日光の
下で数日間放置した様な酷い悪臭に鼻を突かれた。
 ゴジラはたちまち面食らい再び失神するところだった。
 そこをどうにか瓦礫を吹き飛ばし、フラフラと立ち上がった。
 サンドラは地面に墜落し、その酷い臭いの混じった血を大量に撒き散らし苦しみ悶えていた。
ゴジラが呆然と苦しみ悶えているサンドラ見ていると、多量の異物を分解できず、激しい炎
症が急激に背中や全身に広がり、大小のコブ状の肉芽種があっこっちで形成され始めた。
両腕も崩壊して、紫色のアメーバの形になった。、
また漆黒の翼はボロボロになり、細い繊維状に変化し、
紫色のアメーバになった両腕に絡み、ヒグマの様な爪が更に長く鋭い槍の様に変化していた。
 全身に出来た肉芽種により全身が崩れ落ち、ますます醜い姿になった。
 ゴジラはその姿から、中国の地底湖で見た、身体が崩れ、
金属パイプでつながれたキングギドラや同族の姿を思い出し、再び酷い吐き気に襲われた。
 
 真鶴にある「CCI・特殊生物研究所」隣にある巨大ドーム
で再び様々な国の企業関係者が集まり会議が行われていた。
韓国人の男性は
「今度は!カナダのサンドラのグループだけでは無く!
ジュンまで我々を裏切った!」
中国人の女性は
「それに!彼女は地球防衛軍や国際警察に逮捕されたわ!」
若い坊主頭の男性は
「どうすればいいんだ!このままじゃ……」
するとしばらく腕組みして考えていた元官房長官の野中剣士は
「さらに悪い知らせだ……殺し屋のサラジア共和国の男は裏切
ったジュンに射殺され……X星人の高も……凍死体になって死んだそうだ……」
企業関係者達は騒ぎ始めた。
中には
「早くジュンを抹殺しないと!」
とか
「我々の企業が危ない!」
「世界的な金融危機が未だに続いていて……私の企業も赤字で倒産寸前なんだぞ!」
「株も暴落して……」
しばらくして元内閣官房副長官の金田トオル
「皆さん!静粛にして下さい!恐らく!
下手に動かない方が身の為です!」
すると大勢の企業関係者が
「それでは??どうすればいいんだ!」
「彼女をこのまま野放しにすれば……ほとんどの企業が壊滅状態になるぞ!」
トオル
「皆さんの焦る気持ちは分かります……しかし下手に動いて
自分の企業の不正が明るみに出たらどうしますか?」
すると今まで騒いでいた企業関係者はたちまち黙りこんでしまった。

北海道網走市
取り調べ室のテントでガーニャは気を取り直し、取り調べの続きを始めた。
「メイスン、シャラン、レベッカ、そして君に模したあの機械人形をある
アメリカの技術者にたのんだそうだが……」
と言うと白衣の男の顔写真を机に並べた。
ガーニャは
「この男は北海道の有珠山付近の森で凍死体となって発見された
ピーター・ハイブス?間違いないな?」
レベッカ
「ええ!そうよ!彼にメカニックの部分を頼んで!
あたし達はクローン技術で自分達のクローンを作っていたわ!
それから有機物と無機物を融合させて
本物そっくりの機械人形を制作したのよ!」
ガーニャは
「その目的は何だ!」
しかしレベッカは微笑を浮かべるだけで何も答えなかった。
ガーニャは怒りで顔を真っ赤にし
「何の目的で作った!言え!」
と怒鳴り声を上げた。
しかしレベッカはますます妖艶な笑みを浮かべた。

(第55章に続く)