(終章)生と死の戦いは終わらない!

おはようございます。
畑内です。
ゴジラの自作小説のシーズン4はいよいよ完結です。

(終章)生と死の戦いは終わらない!

 それから凛と蓮は2人だけで神社を出て、
東京湾の地平線に沈み行く夕陽が見れる丘の芝生の上に座っていた。
 蓮は座っている凛に向って
「いずれテロリスト達が言ったように、X星人や人類、
ミュータントやカイザーも徐々に絶滅していくのだろうか?」
凛はため息をつき
「分からないわ……絶滅しないかも?」
それから凛はしばらく無言だった。
蓮は再び思い出した顔で
「そう言えば・・・・アカツキシソウって言う名前の
新種の植物が南シナ海で大量に見つかったって、
何かニュースに出ていたな……確か暁とオレンジの
アメーバみたいなやつだったっけ?」
凛は
「知っているわ!」
そこに雪のように真白な着物を着た友紀が現れ
「たしかアオシソウなんて言う新種の植物も紹介されていたわね!」
蓮はしばらく着物姿の友紀に見惚れていたが、やがて我にかえって
「そういえばそのアオシソウに含まれる
G塩基っていう物質はアカツキシソウを枯らす能力があるんだって!」
しかし凛は
「でも・・・アカツキシソウは・・・・」
と言いかけ突然黙りこんだ。
蓮が凛の心見透かすように
「そのアカツキシソウは人間の邪心がある限り消えないとか言うんだろうな?」
凛は
「ご明答!だからG塩基を持つアオシソウがいるの!
きっとアカツキシソウも多分・・・良く分からないけど・・・
G塩基とアオシソウに負けないように・・・
長い期間をかけて・・・
変異して生き残る可能性はあると思うの・・・・」
蓮は苦笑しながら
「それじゃ?ゴジラや人間達の戦争は永遠に終わらないじゃないか?」
凛がふと空を見上げると辺りは真っ暗闇に包まれ、星々が瞬いていた。
それから二人は空に輝く星々を長い間見ていた。
そこにはかま姿の山岸が現れ、
「あっ!ここにいたの?みんな探していたよ!」
蓮は山岸の疲れきった顔を見るなり
「あっ!御免!御免!」
山岸は
「いいさ!別に!」
ふと凛が
「そういえば!修学旅行で撮ったデジタルカメラは?」
山岸は少し荒い息を吐き、
「最初は網走厚生病院の物置小屋で宇宙人に襲われた時に無くしたと思っていたけど……
後で国連の人達に聞いてみたら、そのデジタルカメラは重要証拠として押収されたんだよ!」
蓮も両手を上げ
「俺のデジタルカメラも同じ運命さ!」
そこに少し大きな声で青い着物の着た洋子が
「みんな!呼んでいるわよ!凛ちゃんの家でおせちを食べるって!」
凛は
「あっ!御免なさい!今行くわ!」
というなり、山岸と友紀を連れて洋子の所へ走って行った。
走っている途中、凛は
「妹はいつ生まれるの?」
蓮は
「まだまだ先!」
と走りながら答えた。
その様子を見ていた洋子は安心した顔で
「よかった!蓮君と凛ちゃんが仲良くなって!」
とつぶやいた。
先に走ってきた友紀は洋子の安心した言葉を聞いて
「先生もクラスも驚いていたわね!」
洋子は
「そうね!」
それから凛の母親の美雪や蓮の母親と合流し、全員お互い並び笑い合い
「明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!」

 それから娘の凛とその友達と両親を連れて神社から自宅に帰った美雪は、
玄関先の郵便受けに小包みが入っているのを見つけた。小包みの中に年賀状が入っていた。
年賀状に差出人の名前は無く『明けましておめでとうございます!
美雪さんが元々持っている潜在能力を増幅させるのにこれは必要であり、
また分析調査も終了したのでお返しします!では!よいお年を!」
とだけ丁寧に書かれていた。
その小包みを開けると剣の形をしたお守りが入っていた。
 ちなみにこれはX星人の地球総攻撃が起きる前に小美人から尾崎が貰い、
轟天号内で不安な表情の美雪を元気付ける為にあげた物である。
 後にこのお守りはカイザーの尾崎とゴジラ
さらに美雪とケーニッヒ事、覇王圭介少佐の窮地を救う事になった。

それから美雪は長い間考え込み、
「あたしがが元々持っている潜在能力って?まさかX星人のM塩基の支配から解放させる能力??」
その時
「早くしないとおそばが冷めちゃう!」
と言う凛の大声が聞こえた。
美雪は一度、階段を昇って自分の部屋に戻り、
その剣の形をしたインファント島のお守りを自分のデスクにしまった。
そして急いで下に降り、凛達のいるリビングに戻って、
凛と友達と一緒にようやくおせちとそばを食べ始めた。

 南シナ海のどこかの海底。
光の届か無い暗闇の中に大きな影がゆっくり起き上がり、背びれらしきものが青白く輝いた。
ゴジラである。
数か月前の北海道網走市のサンドラとの戦いで大怪我を負っ
た巨大な傷口には新しい皮膚が出来き、すでに再生していた。
ゴジラのオレンジ色の目がジロリ、ジロリと岩だらけの真っ暗闇の海底をざっと見渡した。
岩の隙間から暁色とオレンジ色の不定形のアメーバが現れ、
やがて全身茶色で赤い翼と3つ首と4つの足を持つ怪獣が現れた。
その怪獣の姿はデスギドラに類似していた。
 その怪獣の群れはゴジラに向かって一斉に襲いかかって来た。
 ゴジラは背びれが青白く輝き、慌てること無く放射熱線を吐いた。
放射熱線は真っ直ぐその怪獣の群れに向かって行き、円状の衝撃波が海中に広がった。

ー生と死の戦いは終わらないー

(完)

では♪♪