(第17章)災い再び!!

こんにちは畑内です。
ゴジラの自作小説を久しぶりに変更します!

(第17章)災い再び!!

再び蓮の家。
友紀は時計を見ながら
「遅いわね……」
とつぶやいた。
「もう一時間経つけど……多分忙しいのね……3人共……」
と言いながら台所の調味料の棚を見ると醤油が無い事に気付いた。
「あっ!醤油が無い!」
「それじゃ!あたしが買ってくるわ!」
と友紀は鞄を捜し歩いていると
洋子が
「いいわよ……あたしが……買ってくる!」
と言うと近くのローソンに醤油を買いに行った。
 東京の空は日が沈み、オレンジや白い色の街灯がポツポツと輝き始めていた。
 その時、洋子の目の前にあの尾崎も会った謎の老人が現れた。
老人は洋子に向って
「君に話がある!ズザグ族の娘よ!」
大きな傘帽子を被り、シカの髑髏を先端に付けた杖を持つ、
まるでどこかの寺の住職の様な怪しい老人を洋子は睨みつけ
「なんの?……用ですか?」
と尋ねた。
その老人は
「実は……見て欲しい物がある!」
と言い、首にぶら下げた大きな黄色の袋から黒くて
大きな勾玉を取り出すとそれを洋子の両掌に乗せた。
その黒い勾玉は洋子の両手の掌で一瞬、青緑色に発光した。
洋子は
「何?これ?綺麗……」
謎の老人は
「かつてアトランティス大陸を沈め、
日本の京都や奈良にも災いを巻き起こした邪悪な勾玉『ヤサカニノマガタマ』じゃ!
ある日本人の若い娘がこれを偶然ひろい、
その魔の力に魅いられ、伝説の四神獣『朱雀』と同化されかけた所を
『玄武』に救われ……『朱雀』は倒された。
この邪悪な勾玉は『玄武』に救われた地球人の若い娘により、
京都の海の底に沈められ、永遠に封印されたかに見えた……
しかしこの邪悪な勾玉は再び京都の海の底から浮かび上がった。
災いの四神獣『朱雀』の魂を持つ怪獣が現れたからである!」
 洋子は訳が分からず動揺した顔で老人の真剣な顔と黒い勾玉を交互に見つめた。
老人は
「その勾玉は憎しみや邪悪な心に深く反応する……君がその勾玉を永遠に葬れ!」
「何を……訳が分から無い!その『朱雀』の魂を持つ怪獣って何処にいるの?」
老人は
「君が探さなくても向こうからその邪悪な勾玉を求めて必ずここへ来る!」
洋子は不安な表情をして
「もし来たら?あたしはどうすればいいの?」
老人は
「君の前世はアトランティス大陸で東の『朱雀』と言う組織に所属していた女性科学者だ!」
「前世?朱雀?アトランティス大陸?」
何がなんだかさっぱり理解出来ない洋子を尻目に
老人は
「不安なら、君と同じアトランティス大陸の北の『玄武』の前
世の記憶を僅かに持っておる音無凛と言う人物を訪ねたまえ!」
それからその老人は悠々と歩き出したので洋子は大慌てで
「駄目よ!そんな!勾玉をどうしたらいいの?」
しかし老人は洋子の顔に笑顔を向け
「それが君の運命だ!」
と最後に言うと、街灯が並んだアスファルトの道に背を向け姿を消した。

 地球防衛軍本部のオペレーションルーム。
ジェレルは
小笠原諸島の海底調査船の暗視カメラからジラらしき巨大生物の映像を映します!
と言い、緑色を背景にその映像を巨大なスクリーンに映し出した。
 映像には逆三角形の頭部、ゴジラに似た背びれ。
最初はただのジラだと思っていた。
しかしじっと観察していると、ニューヨークのマッハタンに現れた個体とも、
樟運佑縫灰鵐肇蹇璽襪気譴謄ーストラリアのシドニーに出現した
個体とも明らかに特徴が少し異なっていた。
 まず1つ目は背中の背びれが巨大な翼状に変化している事。
2つ目はジラの口だった。
 ジラの口は以前の2つの個体と違い、赤黒い歯茎から巨大な
サメかワニに似たナイフの様な鋭い牙がびっしりと並んで生えていた。
 ジラは鞭のような長い尻尾を振り回し、近くの岩をバキッ!
と大きな音を立て、泡と共にその岩を粉々に破壊した。
その姿を見ていたニックは
「おい……冗談だろ……」
とつぶやいた。
さらにジラは海底調査船の暗視カメラに気付いたのか、
ホオジロザメの様な何処を見ているのか分からない真っ黒な瞳で
暗視カメラを睨みつけるとその場から静かに姿を消した。

 マークは自室でタバコを吸い長椅子に座り、長い間考え込んでいた。
彼はブツブツと
「しかし……非公式ではムルロア環礁近海に生息していたジラが、
フランスの核実験で30年近く死の灰を浴び続けた結果、
『複数の遺伝子が入り混じり、突然変異を遂げた。
特に鰐とイグアナ辺りの遺伝子が色濃く反映されている』とある……」
と落ち着かない様子のまま灰皿でタバコの火を消して、ポケッ
トから小さい地図を取り出し、またブツブツと
「小笠原怪獣ランドの海底から極秘に離したジラは恐らく……
食料となるアカツキシソウを体内に持つ生物の群れの僅かな匂いを求めて、
アパラチア山脈にある洞窟に向かおうとしているのかも知れない……
何故なら我々が『アカツキシソウを持つ生物』
のみを餌にするように新たにジラの生命を創造したのだから……旅先でも順調に
アカツキシソウを持つ生物』を見つけては捕食しているようだ!」
と言うとマークは微笑を浮かべた。

(第18章に続く)