(第35章)嘘八百か??

お早うございます畑内です。
ゴジラの自作小説を載せます。

(第35章)嘘八百か??

地球防衛軍本部内『特殊生物犯罪調査部』。
 凛、は『帝洋パシフィック製薬』と言う
医療機関とシベリアの特殊生物研究所との共謀による
宇宙植物アオシソウのデータ改ざん事件について調べていた。
 データ改ざん事件の経緯はこうである。
『最近派遣された南極の調査隊が、アオシソウの胞子と思われる球状物質を発見し、
それをシベリアの特殊生物研究所に持ち帰り、年代測定した結果、
200万年前の新生代三紀のものであった』そして
『1992年の調査隊がシベリアのツングース爆発跡付近の樹齢130年のゴダイトヒの幹から
アオシソウの胞子と思われる球粒状物質を採取した』
という2つの研究資料と、それら球粒状の物質の幾つかのサンプルが世間に公式に発表された。
 しかし後日、国連の分子生物学者が改めて調査した結果、
発見された球粒状の物質はただの小さい隕石で、
アオシソウの胞子では無い事が判明したというものである。
 さらに、シベリアの特殊生物研究所から送られた
『各地の地層から発見されたアオシソウの胞子と思われる
球粒状物質の年代分析から、それらが25億年前、1億3000年前、
6500万年前に来たものだと判明した』と言う研究データを不審に思い、
CCI・真鶴特殊生物研究所の研究員が調べ直し、
測定した結果、実際は全て3年前に落下したものだと分かった。
 このことから、アオシソウの胞子に関する
調査報告書は全て改ざんされ、偽装されたものだと判明した。
 国際警察は、シベリアの特殊生物研究所が資金目的で偽装改ざんした、
いわゆる組織ぐるみの犯行と見て、研究所関係者や帝洋パシフィック製薬の
上層部から聴取を行う予定である。
凛は思わずため息をつき、
「も~っ!なんでウソを書くかな~。せっかく山岸君が喜んで
教えてくれたのに……残念としか言いようがないわね……
迷妄は悪魔の仕業と覚えておくべきね!」
それから『プルルル』と電話が鳴った。
「はい!もしもし?」
と凛が電話に出ると国連の関係者の声で
『凛さんの友達の洋子さんからお電話が来ています』
と言うので、凛は受話器の『1』のボタンと『2』と『5』の押し、
洋子の電話番号に回線を繋いだ。すぐに洋子の声が聞こえた。
「もしもし?凛ちゃん!ちょっと尋ねたい事があるんだけど……」
「なに?」
「実は……あの変なお爺ちゃんから聞かされた事についてだけど……」
それから洋子は謎の老人が言った事を全て話した。
凛は冷静に
「成程……事情は分ったわ!でも、その人が話した事はかなり
変ね……きっとアトランティス大陸の人々とヘブンバーズって
惑星に住んでいるノスフェラトゥとは無関係よ!」
洋子は動揺した声で
「えっ?どうして?」
「それはね……幾つかおかしな点があるの……
例えば小惑星に住むノスフェラトゥのゲンヴ族・ビャグゴ族・ズザグ族が、
仮に大昔、樟運佑某略される前に地球のアトランティス大陸に移住して、
人工生物の『朱雀』に滅ぼされたとしたら?
『太古の昔に彼らが来て、すでに人間と同化している』
事実をサンドラ達も必ずどこかで知っている筈だし!
そもそも最近になってテロ事件を起こす必要もないはずだわ。
大体そんな昔に樟運
も地球にいたのかしら!」
「確かにそうね?あの変なお爺さんが言う勾玉の話やアトランティス大陸の話は、
あたしを無意味に怖がらせる為についた嘘なの?だとしたら!嘘八百ね!」
「それはどうかしら?でも怪しいわね……だから……
とりあえず今回はあまり極端に心配しない方がいいよ!」
とアドバイスした。
「分ったわ!ありがとう!」
「いいえ!どういたしまして!」
と言うと凛は電話を切った。

 新しいアルカドランに向かうヘリの中で北村は
「M塩基破壊兵器のジラはM塩基を持つ生物を捕食しながら順調に成長しています!」
「それに伴って再生能力が向上して、遺伝子欠陥が原因の視力も回復したらしいな?
と言う事は盲目では無くなったのか?」
とローランドは鋭く指摘した。
「はい!完全に盲目では無くなりましたよ!」
と北村。
「あのG塩基を組み込んだ例の細菌も?」
「はい!現在ジラを感染源に世界中に拡大しています!
世間を騒がせている新型インフルエンザよりも早く確実にね!
これで地球上からM塩基を全て駆逐する事が出来ます!」
と自慢気な表情でローランドは言った。
しかし北村は
「でも!あの細菌は罪も無い!ただ樟運佑離謄譽僖掘爾
支配されているだけのミュータントの命まで奪ってしまわないのかね?」
と少し怒りを帯びた声で言った。
しかしローランドは少しも慌てず、
「その問題はすでにG塩基を持つアオシソウに
含まれる物質を利用した新開発の『タブリス』で対処済みです!」
「でも?その抗生剤を投与すると副作用で本来のミュータントの能力は失われるんだろ?」
しかしローランドは北村の指摘にあまり表情を変えず、
「命は助かります!」
と平然と答えた。
北村は
「それは……そうだが……」
さらにローランドは
「実際!ミュータントの能力など日常生活の中であまり必要ないでしょう!」
と突っ込んだので北村は何も反論できず、口をつぐんだ。

(第36章に続く)

では♪♪