(第45章)帰って来た覇王圭介

こんにちは畑内です。
久しぶりのゴジラの自作小説を載せます。

(第45章)帰って来た覇王圭介

 東京、地球防衛軍オペレーション室。
「樟運傭の動きは?……」
とゴードン上級大佐
「樟運佑離泪供璽轡奪廚話狼紊梁腟し?發亡屬發覆侵入します!」
「そうか……」
と尾崎。
「もうすぐですか?」
とジェレル。
「宇宙レーダーに数機の小型船を確認!」
とアヤノ。
「まだ?探すつもりか?」
と尾崎。
「まだ!奴らは部下を送っている……」
とジェレル。
アメリカのアパラチア山脈やニューヨーク・ローワーマンハッタンに現れたジラの事は?」
「うーむ!あれだけジラがM塩基を持つ生物を派手に殺していれば!
すでに知られているかもしれない……」
「でも?ジラがM塩基破壊兵器だと言う通信は入って来ないわね……」
「まだ調査中なのか?」
「樟運傭はジラがM塩基破壊兵器だという物的証拠を見つけられないって事なの?」
「だとしたら?それだけ反乱軍のノスフェラトゥ達の隠ぺい工作が進んでいると言う事なのか?」
「それに?世界中に蔓延しているM塩基破壊兵器の
A群β溶血性レンサ球菌の存在にも気付いているのだろうか?」
「すでに気が付いているだろう……」
「でも!まだ10日もあるんだ!じっくり調べてから総攻撃を仕掛けてくるかも知れない……」
とゴードン上級大佐は腕組みしながら答えた。
 その時、急にドアがバタンと音を立てて開き、ニックとグレンが大慌てで駆け込んで来た。
「なんだ?ニックとグレン!」
とゴードン上級大佐
ニックはまるで魚のように口をパクパクさせ、何かを言おうと
した。
「どうしたんだ??」
と尾崎。
しばらくしてグレンが
「帰って来たんだ……あいつが……」
続いてグレンが
「覇王圭介……今……この地球防衛軍本部にいるんだ!」
「あいつが?帰って来た?この地球に?」
「冗談だろ……」
「冗談てなんだ?」
とドアから声が聞こえた。
 全員がドアの方を見ると、旅行関連の雑誌を持った40歳位で金髪の男が立っていた。
「みなさん!元気で何よりだな!ゴジラも元気か?」
「覇王圭介!いつの間に帰って来た??」
と尾崎。
覇王は少し笑い、昔と変わらない口調で尾崎にこう尋ねた。
「尾崎、結婚式を挙げるとしたらさ……何処の教会がいいかな?」
「覇王……どうして今頃帰って来たんだ?」
と尾崎。
「何となく胸騒ぎがしてね!ところでM機関の波川玲子司令官
は今何処に?」
「実はM機関は無くなったんだ……」
「なくなった?どういう事だ?」
と覇王は動揺した様子で尋ねた。
「今!俺達は対テロ特殊部隊『スピーシ・バック』に所属している。」
隣でゴードン上級大佐
「実は!波川司令も新しく『特殊生物情報部』の『特殊諜報部』で仕事をしている」
「あと……君と美雪の間に生まれた娘がいるんだが……」
とおずおずと尾崎が言った。
 覇王は特に驚いた表情を見せず、腕を組んで尾崎の話を聞いた。
覇王は美雪と自分の間に生まれた娘の名前が『音無凛』で、
地球防衛軍に勤務し、今からアメリカで諜報活動をする事を尾崎から簡潔に説明を受けた。
 尾崎は覇王を連れて、波川玲子が働いている『特殊諜報部』へ向かった。
 覇王は数年ぶりに波川玲子司令官と再会し
「お久しぶりです!元気で何よりです!」
と敬礼しながら言った。
波川玲子は非常に驚いていたが、それを表さず
「あなたも元気で何よりです!それで……すでに尾崎さんから聞いていると思いますが」
と、覇王に、アメリカで諜報活動をしている娘の音無凛の事、
それから美雪が小笠原怪獣ランドに行って以来、行方不明のままだと言う事、
アメリカで諜報活動をしている娘の凛は母親を探していると伝えた。
 覇王には特別に、地球防衛軍の活動に復帰する権利があると
波川が伝えると、覇王は迷わず、すぐにアメリカへ行く事を決断した。

 アメリカ・自由の女神の周辺の近海に潜伏していたゴジラ
海底で何者かに監視されている様な気がして、落ち着かない様子で真っ暗闇の海底を見渡した。
 しかし幾ら周りを見渡しても人間達が作った
監視用の船はおろか他の怪獣らしき影も見当たらなかった。
 ゴジラは思い過ごしだと判断し、さらに海底の先へ進むと、
大きな岩に何者かに抉られたような巨大な穴が開いていた。
 ゴジラは、ジラが元々もろく崩れやすい岩を抉って逃げ道にしたんだと考え、穴の中に入って行った。そして暗い洞穴の中を進み、穴の表面に付着した胆汁やどす黒い塵を辿りながら、
ニューヨークから海へ逃げ出したジラの後を追った。

 アメリカ・メリーランド州ボルチモア市の高層ビル内で
下着関係の雑誌のインタビューを終え、記者達が帰ると
友紀は自分の控え室にスタッフやデザイナー達と共に戻り、テレビのニュースを見ていた。
 テレビのニュースではアメリカ人のニュースキャスターが英語で
「ただ今入ったニュースです!アメリカ政府はアメリカ近海
に依然としてゴジラの姿が確認されているのを受け、さらに警戒を強めています!
今の所ゴジラが上陸する恐れはないとの事ですが!今後のゴジラ情報に注意して下さい!」
友紀はソファーに座り、大きくため息をつくと
「はあ~なんで?アメリカにゴジラがいるのかしら?
明日のミス・ユニバースのコンテストも大丈夫かしら?」
隣にいたデザイナーは彼女の不安な表情を見て
「大丈夫だよ!」
「でも?……あたしの水着を着てくれるモデルさん来るのかしら?」
「えーとイスラエル代表の人ですか?」
「確か?現地で命を狙われたとか?」
「彼女のいる場所はイスラエルの戒律が厳しすぎて無理かもね……」
とさらに大きくため息しながらつぶやいた。
それからしばらく友紀が控え室でスタッフやデザイナー達と色
々世間話をしていると、急に窓から虹色の光が差した。
それが止むとサングラスの怪しげな2人の男が立っていた。
スタッフ達は
「なんなんですか?ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ!」
と大声を張り上げた。
 それに対して2人の男はレーザー銃を取り出した。

(第46章に続く)

では♪♪