(第32章)神塔『バベル』

(第32章)神塔『バベル』
               
閑岱の魔戒法師の練習場になっている広場。
鋼牙に続いて翼、邪美、鈴も芝生から次々と飛び出して来た。
翼は魔戒槍を両手で構えた。
邪美と鈴は魔導筆を両手で構えた。
「今はそんな時間は無いな。TATA!」
そしてドラキュラ伯爵は地面を両脚で思いっきり蹴った。
同時に地面はクモの巣状にヒビ割れた。
ドラキュラ伯爵はぐったりしたジルを両腕で抱えたまま、
一気に50mもジャンプした。
やがてドラキュラ伯爵は放物線を夜の空に描いた後、
50m先の森の中に消えた
「うおおっ!飛びやがった!」とクリス。
「クソっ!後を追う!」と鋼牙。
「なんて身軽な奴だ!」と翼。
「酷い……」
鈴法師はうつ伏せに倒れて失神している烈花法師を抱き起こした。
「烈花!烈花!しっかりするんだよ!」
邪美法師の必死に呼びかけにドラキュラ伯爵に
血を吸われた烈花法師は静かに目を開けた。
しかも何処か声はいつもの声と違いか細い声だった。
「すまない……鋼牙……クリス……ジルを……守ってやれなかった……」
烈花は悔しさの余り静かに泣き出した。
邪美法師は優しく烈花法師を抱えた。
そして両頬に流れ落ちた涙を邪美法師は指で優しく拭いてやった。
「いいのさ。大丈夫!鋼牙達やあたし達がいる!」
「早く毒の浄化をしないと!特に彼女にとって
ドラキュラの毒は危険です!」
「そうだね!レヴィアタンの力が暴走したら……それこそ大変だからね!」
邪美法師は烈花法師の全身の血管内に残留している
毒の浄化を鈴に法師に任せた。
クリス、鋼牙、翼、邪美はジルを拉致した
ドラキュラ伯爵を追って森の奥に入って行った。
 
閑岱近くの深い森。
倉町事、ガーゴイルは切り株の上に座り、
ドラキュラ伯爵の到着を待っていた。
そう、彼は待っている場所こそ、神聖な神の儀式の場だ。
私はドラキュラ伯爵を『神』と崇め、忠誠を誓っている。
私は神の使者。神の意思を告げる忠実な黒き天の使い。
だが、『神』であるドラキュラ伯爵は魔戒騎士や
魔戒法師と闘う事を許してくれなかった。
せっかく仕事を終えたのにあいつらと最後まで遊べないのは残念だが。
倉町はニヤリと笑った。
だが、代わりに私は『神』に大事な役目を与えて下さった!
私はその大事な役目を果たす為に真魔界に行くのだ!
あれを教会に届け!そして真魔界に救世主の誕生を
信者達に伝えなければならない!
これで、彼らは救いの道を見出す事が出来るだろう!
私が神の言葉を伝え!魔獣教団の伝道師に!そして指導者となるのだ!
これは魔戒法師や魔戒騎士と闘う事よりも遥かに重大な仕事だ!
さあ!気合を入れて務めを果たさなければ!
次の瞬間、ドスン!と言う大きな音が聞えた。
来た!神が選ばれし女を連れて戻って来た!
倉町は顔を上げ、撥ね戸の様に切り株から立ち上がった。
ドラキュラ伯爵はジルを両手でお姫様抱っこをしたまま立っていた。
倉町はジルの僅かに紅潮した顔を見た。
「美しい……なんて綺麗だ……」
「そうだな。美しい。
しかしこれからもっと美しくなるし、可愛くなるよ。」
ドラキュラ伯爵はジルを地面にそっと置いた。
彼女は青い服に覆われた大きな丸い両胸を上下させ、
ハアハアと吐息を吐き続けた。
ドラキュラは両腕をクロスさせた。
そして全身が真っ赤に発光し始めた。
「開かれる!神の扉が!今!今!」
倉町も興奮し、そのドラキュラ伯爵の姿を見ていた。
ドラキュラ伯爵は不意に両腕を大きく開いた。
直後、凄まじい地鳴りと共にドラキュラと
倉町の周囲の地面が円形に隆起した。
続けて周囲の隆起した地面に大きな円形の亀裂が走った。
大きく円形に隆起し、裂けた地面から
真っ赤に輝く触手が無数も生えて来た。
真っ赤に輝く無数の触手は捻じらせ、複雑に絡み合った。
倉町は真っ赤に輝く無数の触手が複雑に絡み合って
出来た巨大な壁を暫く呆然と見ていた。
彼はふと我に帰り、天を仰ぐと
真っ赤に輝く巨大な円形の塔の天井が見えた。
「なんてこった……これがドラキュラの結界……。
一体?外観はどうなっているんだ?」
 
一方クリス、鋼牙、翼、邪美はジルを拉致したドラキュラ伯爵を
追って閑岱の近くの森の中を駆け回っていた。
やがて凄まじい地鳴りが聞え、激しく地面が上下に揺れた。
クリスは立っていられず、その場に倒れ、尻餅をついた。
「うわっ!なんだ?地震か?」
「ザルバ!この地鳴りと地震はなんだ?」   
鋼牙も大きく両足を広げた後、
両足で地面を踏みしめて身体を支えた後、ザルバに尋ねた。
「この激しい地震と地鳴りは!あいつの仕業だ!ドラキュラだ!」
すかさずザルバがカチカチと即答した。
「では?激しい地鳴りが聞えた方角にドラキュラとジルがいるのか?」
翼は鋭い眼差しで森の奥の闇を見据えた。
「あれはなんだい?」
邪美は森の中に現れた真っ赤に輝く
10mの高さの異様な塔を発見するなり指さした。
しかもその真っ赤に輝く異様な塔の先端と表面には
無数の細長い枝状の触手が伸びていた。
「あれはバベルの結界じゃ!」
ゴルバの言葉に翼は驚愕した。
「バベルの結界だと?」
「そうじゃ!白夜の結界やお主たち魔戒法師や上級ホラーが
お札で作る結界とは比べ物にならないほど
強度が高く破壊するのが難しい結界じゃ!」
すぐさま、邪美、クリス、鋼牙、翼は現場に駆け付けた。
クリスは不道レオに改造して貰ったぺイルライダーを両手で構えた。
「こんな結界!壊してやる!」
「あたしも手を貸すよ!ジルはあたし達の仲間だからね!」
「うおおおおっ!」とクリスは雄叫びを上げ、
ぺイルライダーの引き金を引いた。
銃口からは魔獣ホラーを封印する法術が込められた銃弾が放たれた。
続けて邪美法師も素早く魔導筆で『決壊』の文字を描いた。
すると『決壊』の文字からオレンジ色の光線が放たれた。
そしてホラーを封印する法術と決壊の法術が混ざり合う事で
増幅され、破壊力は増した。
しかしそれにも関わらず、赤く不気味に輝く結界の壁には
傷一つつく事は無かった。
 
10mの高さの真っ赤に輝く異様な塔の結界『バベル』の内部。
ドラキュラ伯爵は結界を作った後、地面に倒れているジルを静かに抱き起した。
「さあ、始めよう。私が両腕で裸の君を抱くその日をずっと夢を見て待っていた。」
ジルはぼんやりとした表情で青い瞳を開け、こう尋ねた。
「貴方は魔獣ホラーでしよ?あたしを喰わないの?」
「喰わないよ。私は性欲に生きる伯爵ホラードラキュラだ!」
そう言うとドラキュラは彼女の唇に情熱的なキスを交わした。
次の瞬間、真っ赤に輝く巨大な円形の塔の天井からクラシック曲の
二コロ・パガニーニの『24の奇想曲(カプリース)』が流れ始めた。
ドラキュラは自ら白いスーツ姿から全裸の姿に瞬時に変化した。
彼は両腕でジルの上半身を抱き起した後、
青いスーツと白い下着をやや強引に脱がせた。
ジルの露出した大きな丸い両乳房をじっと見た後、
素直にこう感想を述べた。
「美しいおっぱいだ!」
ドラキュラは仰向けに寝転んだ。
それからジルはドラキュラに誘われるがまま彼の身体の上に騎乗した。
結果、ドラキュラとジルは正面から向き合い、椅子に座った体勢となった。
続けてドラキュラは下から突き上げる様に上下に
荒々しく腰を何度も振り始めた。
同時に彼女の大きな丸い両乳房は何度も何度も荒々しく上下に揺れ始めた。
ジルは息を吐き、微かに笑い声を含んだ大きな声で喘ぎ続けた。
彼女が息を吐き、大きく喘ぐ度に大きな丸い両乳房は何度も
上下に荒々しく揺れ続けた。
ドラキュラは両掌で彼女の大きな丸い両乳房を掴み、
上下左右に揉み始めた。
彼は右掌からジルの早鐘の様に高鳴っている心臓の鼓動を感じた。
「君の性欲の旋律はこのクラシックの曲とよく合っている!
素晴らしい!!」
ジルはドラキュラの感想を聞き、
何故か両頬を紅潮させ、恍惚の笑みを浮かべた。
倉町事、ガーゴイルは魔獣ホラーと人間のセックスに魅入られていた。
ドラキュラはまるで野獣の様な唸り声を上げた。
ジルはそれに答える様に自らの意思で
荒々しく腰を前後に大きく振り始めた。
ジルはその度に口を大きく開け、甲高い喘ぎ声を上げた。
続けてジルは両腕を大きく広げ、地面に生えている左右の長い草を掴んだ。
さらに美しい白い肌の裸の上半身を大きく弓なりに曲げ、前屈みになった。
ジルは自ら進んで露出した自分の右乳房をドラキュラの顔に近づけた。
ドラキュラは彼女の無防備な右乳房の
ピンク色の乳首に唇を付け、強く啜った。
同時にジルは右乳房から全身にかけて電気が走った様に痙攣した。
ジルは再び自らの意思で芝生に両掌と膝を付き、四つん這いになった。
ドラキュラは背後から両掌でジルの大きな丸いお尻をムギュッと掴んだ。
続けて彼は腰を前後に何度も大きく荒々しく振り続けた。
同時にジルの両乳房も何度も大きく荒々しく前後に揺れ続けた。
ジルは下唇を噛み、荒々しい獣のような唸り声を上げ続けた。
やがてジルとドラキュラは獣じみた体位のまま性的興奮が絶頂に達した。
 
(第33章に続く)