(第20章)堕天(ルシファー)

第20章))堕天(ルシファー)
 
昼頃、聖ミカエル病院の使われていない手術室のある地下で
謎の異形の怪物を自分が精神科医あるのにも関わらず
無許可でマルセロは密かに検死していた。
その謎の異形の怪物は悪魔と鬼を
掛け合わせたかのような醜悪な姿をしていた。
2本の触角。黒いごつごつした岩の様な身体。
背中には天使に似た翼、悪魔に似た翼が生えていた。
死人の様に白くどんよりとした目。
先端が矢の形になっている長い尾。
おぞましくも醜い顔。正体は真の姿となった素体ホラーだった。
しかし全ての部分は胴体や醜い顔を含めてミイラ化し、
カラカラに干からびていた。
その素体ホラーの姿はまるでウスバカゲロウの幼虫の
蟻地獄に喰われて死んだ黒蟻の様だとマルセロは思った。
彼は魔獣ホラーの邪気を感知する特殊な改造が
施されたジェネシスを懐から取り出した。
そのジェネシスの紫色の機体には『クエント・ケッチャム』
と言う開発者の名前と太陽に手を伸ばした女神の形をした
御月製薬』のロゴマークが刻印されていた。
マルセロはそのジェネシスを使い、素体ホラーの身体をくまなく調べた。
「うぬ!どうやらアングレイの死因は大量の邪気を
身体から抜き取られた事による衰弱死と見て間違いなかろう。」          
暫くマルセロは何かを考えていた。
「ひょっとしたら?彼女はまだ完全体では無いのかも知れん。」
マルセロはテレビのリモコンを掴み、目の前のテレビを付けた。
その映像はニューヨーク市内にあるチャイナータウンの
とあるデパートの監視カメラのものだった。
監視カメラの映像には金髪を帯びた黒髪の
ポニーテールの全裸の女性がアングレイを誘惑していた。
「成程のう。そうやって他の魔獣ホラーの陰我を断ち切って
邪気を体内に取り込んで封印するか、夢遊病の状態のまま、
街の中を意図的にうろつかせ、遭遇した他のホラーとセックスし、
大量の邪気を体内に取り込み、完全体になるんじゃな。
それも全てわしとパズズと共に開発した例の薬品で
目覚めさせた賢者の石の力だとすれば納得がいくのう。」
マルセロは静かに邪悪な笑みを浮かべた。
 
その日の夜。
ジルは隠れ家で美しい化粧をし、
赤いドレスを着て、ちょっといい恰好をした。
数時間後、ジルはマンハッタンの一角にあるジェレミーグレイの屋敷の前の
大きな鉄柵の大きな門の横のレンガに付けられたインターホンを押した。
ジェレミーグレイはリムジンで迎えに来た。
やがてジルはグレイに招かれ、屋敷の中に入った。
ジルは周囲を見渡した。
どうやらかなりお金持らしく全ての屋敷の柱は大理石で出来ており、
天井には豪華な金と銀で出来た巨大なシャンデリアが飾ってあった。
周囲には自画像が大きな黄金の額縁の中に入れられ、
壁に飾り付けてあった。
他にも高価な壺や家具があっちこっちにあった。
また床も大理石で出来ており、赤いカーペットが敷いてあった。
グレイはジルを豪華な食堂に案内した。
用意された豪華な夕食を囲み、ジルとグレイは楽しく話を始めた。
例えばお互いの好きな花を言ったり、好きな趣味を言ったり、
最近のニューヨークの市場の株が下落して世間は大変だとか等々。
ジルが見る限り、普通の金持ちの優しい人間の青年と変わらなかった。
正体が魔獣ホラーである筈が無い。ついジルはそう信じそうになった。
やがて楽しい世間話は大人の娯楽に関する話になった。
「君は何を娯楽としているんだい?」
「えっ?あたしはうーん」
ジルはグレイの質問に答える前にナイフで一口サイズに切った。
そしてフォークでステーキーを口に運び、良く噛んで食べ、飲み込んだ。
「余り娯楽はしないかな……」
「じゃセックスフレンドとかいるのかい?」
「セックスフレンドはいないけど。何回か経験はあるわ。」
「ふーん。彼氏か?」
「ええ、でももう遠くへ行ってしまって二度と会えないの。」
ジルは視線をグレイの顔から銀の皿に落とした。
「凄く愛していたんだね」
グレイはジルの寂しそうな表情からそう読み取った。
「そうだ!君!SMプレイに興味はないかな?」
ジルは明るく笑った。
「実は経験者なの!!」
「SMプレイをした事があるんだね!」
「ええ、もちろん是非!貴方とプレイしたいわ!」
ジルの返答にグレイは心が躍った。
「そうか!やった!これはツイてるぞ!」
「じゃ!食事が終わったら!早速!SMプレイルームに案内しよう!
さあ、食事が冷めない内に食べたまえ!」
「ええ、せっかくだから頂くわ!」
ジルもセックスと言う単語を聞くだけで何故か心が躍った。
そして楽しそうに夕食の豪華な食事を平らげた。
豪華な夕食の後、ジルはシェイズに案内され、プレイルームに向かった。
グレイが鍵を開け、中に入ると柵やタンスの中に
SMに必要な鞭やアイマスク、赤いロープの束が沢山、並べてあった。
「じゃ!縛りプレイをしよう!」
「いいわよ!」
ジルは白いドレスを脱ぎ、下着を脱ぎ、全裸となった。
グレイは天井に吊るされた2本の赤いロープを手に取った。
グレイは2本の赤いロープでジルの両手首を拘束した。
彼女は両手首を赤いロープで縛られ、天井に吊るされる形となった。
グレイは着ていた衣服を全て脱ぎ捨て、ジルのつるつるとした美しい
艶めかしい白い肌をした両脚の太腿を軽くぎゅっと掴んだ。
彼女は小さく喘いだ。
続けてグレイはゆっくりと腰を上下に振った。
同時にジルの露出した大きな丸い両乳房は上下にゆっくりと揺れた。
ジルは微かに荒く息を吐き、喘いだ。
「あっ!はっ!あっ!」
「気持ちいいか?」
「ええっ!最高!あああっ!はああっ!」
グレイはジルの気持ちよさそうな表情を見るなり、
激しい性的興奮に駆られた。
「いいぞ!いいぞ!最高だ!最高だ!」
グレイは更に速く腰を上下に振り続けた。
同時にジルの大きな丸い両乳房は更に速く上下に揺れ続けた。
ジルは青い瞳でグレイの茶色の瞳をじっと見つめた。
ジルは両頬と深い胸の谷間を紅潮させた。
グレイが腰を上下に激しく振る度に性的な強い快楽が
自分の身体を何度も何度も貫くのを感じた。
ジルはいつの間にか大きく口を開けた。
荒々しく息を吐き、甲高い声で喘ぎ続けた。
「ああっ!ああっ!ああっ!ああっ!ああっ!ああっ!ああっ!」
ジルは全身が急に暑くなり、肌から汗を滲ませた。
プレイルームの明かりに照らされ、汗でぐっしょりと濡れた
大きな丸い両乳房はどんどん激しく上下に大きく揺れ続けた。
その度に大きな丸い両乳房の肌から滲み出ていた汗は
ビチャビチャと上下に撥ねた。
上下に撥ねた汗の粒はプレイルームの天井の明かり
に照らされ、暫く宙に浮いた後、落下した。
「フフフフッ!いいぞ!ああっ!いいぞ!ああっ!ああっ!」
グレイは歯を食いしばり、激しく腰を上下に腰を揺らした。
そして太い獣のような唸り声の後、太い声で喘ぎ続けた。
グレイの全身も汗でぐっしょりと濡れ、プレイルームの
明かりに照らされ、筋肉質な肌の上でキラキラと美しく輝いた。
「んんっ!んんっ!ああっ!ああん!はああん!」
ジルは堪らずピンク色の唇でグレイにキスを交わした。
その後、更に甲高い声で喘ぎ続けた。
やがてグレイとジルは性的興奮が絶頂に達した。
ジルとグレイは強いオーガズムを感じた。
暫くジルはガクガクガクと自ら腰を上下に痙攣させた。
グレイはまるで自分の体内から
邪気が一気に吸い上げられたかの様な異様な感覚を覚えた。
同時に急に全身の力が抜けた様にガクッとなった。
「うおっ!ハアッ……ハアッ……なんだ?今の?」
「ハアッ!ハアッ!ハアッ!ありがとう!」
グレイは満足した表情を装いジルに返事をした後、ジルから自然に離れた。
それからジルとグレイは休憩を取った。
ジルは未だに両手首を赤いロープで繋がれたままの体勢で
興味本位を装いグレイに話し掛けた。
「ねえ?知ってる?この屋敷周辺で若い女性達が次々と失踪している事?」
ジルは微かに笑った。
 
(第21章に続く)