(第44章)最後の闘い

(第44章)最後の闘い
 
「まだ続きがあるぞ!」
「そしてHCFはBOW(生物兵器)の研究開発し、それを別の組織、
犯罪組織に販売し、有事の時には秘密組織ファミリーの技術協力の元に
開発した抗ウィルス剤を内蔵した人工衛星サハクィエル』を起動させ、
上空に拡散した多数のウィルス兵器を無効果させる。
更に太陽高集積システムのレギア・ソリスを利用し、『R型』暴走における
BOW(生物兵器)によるT-sedusa
(シディユウサ)の拡大を阻止する為、
可哀そうだがあの子共々陽の光で焼き尽すそうです。
BSAAエージェントの二人は果たして?
あの子を止められるのでしょうか?リー・マーラ。」
「まさか?あの子は殺されるのか?」
「私達が救えばきっと助けられる筈ですよ!」
そう、クエントは烈花を励ました。
間も無くしてチン!と言う音と共に
エレベーターの分厚い扉が開いたので2人は出た。
そしてようやく地下2階から地下1階に辿りついた。
2人は急いで四角いエレベーターホールを通り抜け、
目の前のドアを開けた。
続けてあのクリオネ型BOW(生物兵器
と『R型』が待つ細長い廊下を進んだ。
その途中、細長い一直線の廊下の横側に幾つもの扉が一列に並んでいた。
しかもどれも内側からあのスマートフォンの映像にあった
巨大な植物の蔓に抑えつけられているのだろう。
2人がドアを押そうが引こうがびくともしなかった。
更にドアの僅かな隙間から以前、マルクスタイラント
死んだ時に出たあの酷い刺激臭が漏れていた。
クエントは吐き気を堪えてドアの僅かな隙間から部屋の内部を分析した。
結果、内部から高濃度のTーsedusa(シディユウサ)が検出された。
更に『侵入するにはガスマスクが必要です』
ジェネシスの画面に表示されていた。
「ウィルス感染源」と表示されている事から
『R型』が言っていたスマホのところ。
『R型』の暴走現場に間違いなさそうだが。
「ここじゃないな!もしかしたら別のスマホの・きっとあのコディ・ノアや
リリー・ヴィクトリアが襲われた2階建ての
部屋はきっとこの先の部屋の奥だ!」
烈花は細長い廊下の奥に見える大きな銀色の鉄の扉を指さした。
「ですね!」とクエント。
更に先へ進み、工事中のX字の付いた扉を通り、2人が歩いていると
さっきの『R型』の事故現場とは正反対に別の扉があった。
2人は鉄の扉を左右に開けて中へ入って行った。
そこは広い2区に分けられた四角い部屋だった。
2区に分けられた広い四角い部屋には
薄暗く広い部屋は青い光のベールで覆われていた。
更に青い光のベールの下に巨大な蔓に覆われた球体(いや卵だろうか?)
が多数にも等間隔に並ぶように置かれていた。
しかも大きさは2人の背丈とほぼ同じだった。
それはまるで植物と革袋の様に見えた。
2人は無言で多数の植物に似た球体を通り抜けて
鉄の扉の横の茶色の木の扉を開けた。
どうやら四角い部屋の様だ。そして『R型』がいた。
「『R型』!もう!こんな事は止めるんだ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
『R型』は黙りこんでいた。
「『R型』!しっかり返事をするんだ!答えろ!」
烈花は自分の話をわざと無視する行為に怒りを覚えた。
間も無くして『R型』は静かに口を開いた。
「貴方達や世界にいる純粋な子供の大事な宝物を奪って盗む大人達はね!
結局は純粋な子供の心を蝕む癌細胞であり!
世界中の純粋な子供達の心を破壊し尽すまで喰い尽して繁殖する有機体!
ウィルスなのー!だーからみーんなみーんな殺さないといけないの!
あの流氷の堕天使ちゃん!プラントデッド軍団!
プラントリーチちゃんの群体とね!
あの子達こそ!このクソの様な世界の人々を
治療するワクチンであり、抗癌剤なの!」
「違う!それは罪の無い人々と大勢を殺す
ウィルス兵器であり!BOW(生物兵器)だ!」
「お願いです!もう!止めて下さい!それらを世界に放てば!
純粋な子供達の宝を大事にしない大人達では無く!
純粋な子供の宝を大事してくれる
優しい大人達まで大勢殺してしまいますっ!
ウィルスには感情はありません!貴方とは違うんです!」
「うるさい!やるの!やるんだよっ!」
『R型』は乱暴に首を左右に振り、怒鳴った。
「いい加減にしろ!そんなくだらないワガママは止めるんだ!」
烈花は心の底から強く叱り付けた。
彼女は顔を真っ赤にして、口を大きく開け、精一杯の声で。
しかし『R型』は烈花の心の底からの怒りを無視した。
それどころか得意気になって『R型』は右側の壁を指さした。
「あれがね!プラントデッドのお医者さんが治療したの!」
反射的に二人が指さした方を見ると人間大の緑色の
大きな蔓に覆われた球体(卵)が置かれていた。
それは2つあった。
更に3つ目の球体(卵)はまだ変質しかけていた。
上半身部分はまだ人間の原形を留めていた。
金髪で2対の艶のある細長い前髪とポニーテール。
やや細長い大人びた顔立ちで耳にはピアスを付けていた。
そして柔らかく大きな丸い両乳房とピンク色の乳首と乳輪。
臍の銀のピアスを付けていた。
しかしくびれのある腰部分は半球体に変質し、
既に自分の横腹と両腕が融合して球体(卵)化が進んでいたようだ。
どうやら意識を失っているらしい。
だが恐らく助からないだろう。
クエントは冷静にジェネシスでエリカが変質しかけている
球体(卵)を分析した結果、内部にあの突然変異プラントデッド
と同じ姿形の胎児が存在する事が分かった。
更なる分析でエリカともう一人の女性はあのプラントデッドに
襲われた際に活性化させたT-sedusa(シディユウサ)
と種子細胞を体内に注入され、種子細胞は宿主の下腹部の子宮や
周囲の筋組織と中心に全身の筋肉、内臓、あらゆる場所の細胞と
融合して巨大な受精卵となった。
『R型』はこう宣言するとバチンと音を立てて、姿を消した。
「世界中の子供の純粋な宝物を奪う小汚い大人は
正しい存在に産まれ変わるのよ!」
「そうはさせん!人間の形をあんたに奪わせんぞ!」
「世界中の人があれになる前に!あの子を止めましょう!」
烈花とクエントは細長い通路に戻った。
そして残りの細長い通路を早足で歩き、2人はとうとう
巨大なBOW(生物兵器)と『R型』
がいると思われる真っ赤な扉の前に立った。
「いよいよだな!あの先の巨大なBOW(生物兵器)と『R型』が!」
「ええ!悪夢を終わらせましょう!そして狂気も全て!」
2人はお互い頷き合い、真っ赤なさびで
古くなった扉を左右に開き、中に入った。
部屋の中はようやくあの『R型』がスマートフォン所とは全く別の
『R型』が暴走した2階建ての部屋と同じ
構造の最下層の広い洞窟を利用した
2階建ての広大な四角い部屋。つまり女王室に当たるところである。
更に岩に覆われたでこぼこの地面の上には
多数の女性の下着や上着が散乱していた。
またすぐ傍にハンドガンやマシンがが落ちていた。
他にもサブマシンガンやスナイパーライフルも落ちていた。
2人は「くっ!」と悔しそうに全て回収した。
やがて広大な四角い部屋の中央に巨大な物体があった。
巨大な2対の角を持つ頭部に青く透明に輝く球体状に内部には
真っ赤に輝く内臓を持っていた。
「これが……巨大BOW(生物兵器)??」
「間違いなさそうですね!」
クエントは上の方を見た。
上の方は高台になっていて階段やハシゴらしき
物は無いものの2階部分は四角い長い廊下になっていた。
そして2階の高台の四角い廊下部分の中央にクエントと烈花を
見降ろすように『R型』が立っていた。
『R型』は2階の高みからまるでクエントと
烈花を蔑むような茶色の瞳を向けた。
「来たわね!もう!貴方達!汚れた大人達はもう終わりなの!」
「もう!止めるんだ!世界を滅してもあんた自身なにも良い事は無いっ!」
「人間がほとんどウィルスで死亡した揚句に変異体が現われて人間の数が
激変したら貴方の友達も仲間もいなくなりますっ!」
「うるさいっ!このっ!うそつき!やると言ったらやるっ!」
『R型』は絶叫し、両腕を組んだ。
「貴方も小汚い大人達もみんなこの世界で死ぬの!
さあー最強のBOW(生物兵器)エロース起動!世界を浄化し!
千年王国を創り!純粋な宝物を大事にする子供達を救済する為にっ!」
ついに最後の闘いが始まる!!
 
(第45章に続く)