(第31章)寄生生物の正体!

(第31章)寄生生物の正体!

医師の一人は
「何をする気ですか?」
尾崎は
「ミュータントの『カイザー』の力で寄生生物をなんとかしてみる!」
医師は
「そんなの無理です!」
と反論したが、尾崎は
「人の命がかかってるんだ!」
と医師達を追い払い、凛の胸に手を掲げ、黄金のオーラを放った。
医師は
「まさか……念動力で侵食していく細胞を止める気か?」
しかし何の前触れもなく暁色の激しい閃光が走り、全員眩しさのあまり目を覆った。
医師達があわてて入って来た。
尾崎は宙を舞って壁に叩きつけられ、痛みに呻いた。
それを見た美雪はクリーンウェアーとマスクを付けて
「尾崎君!」
と言うと倒れている彼を抱きかかえた。
ゴードン大佐は
「なんてやつだ……」
とつぶやいた。たまたまそこに居合わせた密輸船の船長は
「何だ!何が起こったんだ!まさか?あのアメーバが人を吹き飛ばしたのか?
どうなってる!」
と大声で言った。
尾崎は医師と美雪に支えられながら立ち上がり、病室を出ると
「クソ……俺の力では駄目なのか?」
と小さくつぶやいた。

中国の田舎町では突然地面が陥没し、巨大な穴が出来上がっていた。小さな鏡が
発する黄金の光を頼りに歩いていた友紀はそれを見て、
「そんな……どうしたって言うの?」
と驚愕しながら言った。
ゴジラとジュニアは何の前触れもなく現れた穴に飲み込まれ、やがてバシャーン
と2つの水柱を上げながら、水の中に落下した。
ゴジラとジュニアはその水からフラフラ立ち上がって周りを見た。
そこは巨大な地底湖らしく、天井からは水のしずくがポタポタと落ちていた。
ゴジラとジュニアはその地底湖を歩き始めた。
しばらくすると周りは暁色に輝き始めた。
ゴジラとジュニアは周りを見た。
暁色のクリスタルの様な物が壁に大量に張り付き鈍い光を放っていた。
やがてそのクリスタルが次々と花のように開き、中から暁色のアメーバが出て来
ると壁を伝って湖の中に入ろうとした。ゴジラとジュニアは放射熱線を吐き出し
その暁色のクリスタルやアメーバを容赦なく焼き払って行った。そして地底湖は
大爆発を起こして、洞窟が崩れ始めた。その隙に2体は近くにあった巨大な横穴
の中に逃げ込んだ。洞窟は崩れ始め、たちまち横穴の出口を塞いだ。
ゴジラとジュニアはその横穴からようやく立ち上がると前へ進み始めた。地上で
は、再びゴジラとジュニアが地下の洞くつで暴れた為、大地震が発生した。
友紀は大地震に足を取られ倒れ込んだ。
またゴジラやジュニアが落ちた巨大な穴から青い火花が散り、爆発と共に黒い煙
の柱が火山の様に勢い良く噴き出した。
救助艇内では、狼の砦の様な形をした謎の建造物を調べる為、アメリカの地球防
衛軍や米軍は、日本の地球防衛軍の本部に正式に調査を依頼した。
凛の護衛は、拘束したX星人の高新一が、凛に寄生した生物について何か知って
いるのでは無いかと思い、またこのような事態になった事に強く責任を感じ、
拘束した彼を強制尋問して治療法を聞き出そうとした。
凛の護衛は必死に
「あの寄生生物はそもそも何だ!」
しかし高新一は黙っていた。
すると凛の護衛は机を激しく叩きつけ
「答えろ!」
と大声で怒鳴った。
すると高新一は
「あれはな……原種ならば幻覚を見せたり、身体を侵食して生物や人を殺したり
する程強くは無かった……しかしその原種を遺伝子操作で改造し、M塩基を開発
した。それだけでは無く、兵器としてあの様な暁色のM塩基を作り出した。その
結果かなり危険なものになってしまったのだ。その暁色のM塩基は相手に幻覚を
見せて殺し、肉体を分解して吸収しながら、繁殖するようになった。また最近、
本体がどこかに存在して、分裂をしていることが分かっている」
凛の護衛は
「治療法は?」
高新一は
「あそこまで全身に広がっては……気の毒だが……もう手遅れだ!」
と残念そうに言った。

(第32章に続く)