(第50章)凛の大きな夢

(第50章)凛の大きな夢

凛は
「嘘!知らなかったわ!」
と驚きと喜びに入り混じった声で言った。
山岸は
「ねえ?凄いでしょ?」
と自慢たっぷりに言った。
凛は
「そうかあ~良かったわ!」
山岸も久しぶりの凛の笑顔を見て嬉しそうに頷いた。
すると凛は山岸の手を優しく握り
「次はあたし達の番かな?」
山岸は顔を赤くしてドキッ!とした様子で凛の顔を見た。
しかし笑いながら
「それでも僕はいいけど……まだまだ結婚は早いよ!」
凛は
「でも!もう法律でも平気な年よ!」
と冗談交じりで言うと、二人は久しぶりに唇にキスをして、互いに強く抱き合った。

東京の地球防衛軍の本部の一室では女性FBI捜査官がまたワシントンの
FBI本部に送る為の文章をまとめていた。
「今回の音無凛さんの誘拐事件について犯人は逮捕され、無事彼女も保護された。
しかし捜査中に発見された宇宙から来たものと思われる攻撃ホルモンと性ホルモンが
彼女の体内から検出されたとされるが、最終的に地球防衛軍の最高機密扱いされ、
それ以上は不明、また彼女の行方を探る内に謎の遺跡の地下の研究所へ向かった。
そこで同僚が言うには『宇宙人か超古代文明が作った遺跡だろう……』
また『宇宙人が何らかの実験をしていた研究所跡だ』とも言う。
しかどちらかの人達が何の為に作ったのかは不明だが、
そこは確かに何か実験がされていたことは確かである。
謎のアメーバに襲われ、凛は念力らしきものを使い
(これは私の経験上の推測にすぎない)
しかし同僚は「それ以上の……何かだ!」と言っている。
そして我々はアメーバを撃退し、どうにか逃げ延びた。
やがて遺跡は砂になって崩壊した。またその現場も国連により、
立ち入り禁止になった。その為、これ以上の捜査は出来なかった。以上」
と書くとワシントンのFBI本部へ送信した。

夏休みの最後にまた凛は山岸の家に遊びに行った。
ベッドに仲良く座り、しばらくアニメのテレビを見ていた。
アニメが終わりに差し掛かり、次回予告が始まった時、
実家から昨日帰って来たばかりの友紀が遅れて遊びに来た。
玄関に出迎えた山岸は友紀に
「蓮君は?」
と聞いた。友紀は
「行かないって。なんか友達もいないみたいだし……」
と言った。隣にいた凛は
「そう……」
と答えたが、凛は3人で2階に上がる途中、
初めて高校で会った時の蓮の『次は僕との因縁だね!』
と言う言葉がどうも気になっていた。
眉間にしわを寄せて考え事をしている凛を見て、
山岸の部屋に
入りながら、友紀は別の話題に変えた。
「ああ……あと1年で卒業か?」
言いながら勉強机の椅子に座った。
山岸は
「あっという間だったな……」
凛は2人を見て
「進路はどうするの?」
友紀は
「まだ決まっていないわ!」
山岸は
「また大学へ行け!とか色々言われているけど……
ところで凛ちゃんはどうするの?」
凛は胸を張って
「自伝か小説を出版したいの!それがあたしの大きな夢なの!」
と答えたので二人は驚いて
「えーっ」
と声を上げた。
凛は
「タイトルは『アフター・ザ・ファイナルウォーズ』。
まあ……『最終戦争の続き』って意味だけど……
それしか思いつかないの……それでね!ママや杏奈さんから
色々ネタを集めて構想中なの!あなた達をモチーフにしたキャラクターも出るわ!」
友紀は
「そんな事いつの間に考えていたの?」
山岸は
「どうして僕達に話してくれなかったの?話してくれたら喜んで協力するのに!」
凛は
「いや……喧嘩とか事件とか色々あったから……言う機会が無
かったの……できれば早く言いたかったんだけど……」
山岸は
「そうだね……色々あったからな……それで何をテーマにするの?」
凛は待っていましたとばかりに
「それで無事に出版したら!あたしが書いた本を出来るだけ多くの人達に読んでもらって
『怪獣と人間』の関係をもっと深く考えてほしいの……」
友紀は
「うーん難しそう……読めるかな?」
凛は冗談交じりに
「多分……書き出したら900ページとかになっちゃうかも」
と言ったので山岸は
「それ出来たら凄いな!担任の先生のビックリした顔が目に浮かぶな……」

(第51章に続く)

朝の変更はここまでです。
職場から帰ってきたらまた載せます。
では♪♪