(第49章)旧約聖書のアダムとイブの子孫

こんばんわ!職場帰りの畑内です。
ゴジラの自作小説を載せます。

(第49章)旧約聖書のアダムとイブの子孫

轟天号のドッグ内で先頭の席に座っていた尾崎は今までに3回感じた謎の殺気について考えていた。
「1度目に覇王と俺が初めて戦った時に感じた殺気はとても身
近に感じた……彼だろうか?2回目と3回目の殺気はインファント島で覇王も俺も感じた。
しかしそれは身近じゃなく……どこか地下からわき出た様な……これが一番分からない!
それにあの強烈な耳鳴りと電子音の後の殺気は一体??」

真鶴の避難所で、デスギドラによって爆発したモスラ
ようすを子供達は全国テレビでただ茫然と眺めていた。
一人の子供が泣きながら
「そんな……モスラが死んじゃった……」
もう一人の子供が
モスラが負けちゃったら……この先どうなるんだろう?」
しばらく重々しい空気が流れた。
しかし沙羅は無理に明るく
「でも!まだゴジラがいるよ!」
もう一人の男の子は
「そうだよ!だって!僕のおじいちゃんが小学校の頃、
夢の中で怪獣島に行ってミ二ラに出会って、
おじいちゃんは子供のころ気が弱くていつもいじめられていて……ガールフレンドしか居なくて!
でも夢の中でミニラに出会って勇気付けられて、
二人組の誘拐犯を捕まえたんだって!」
そう言い掛けた時、浩子が
「そんなのただの夢でしょ!少しは現実を見なさい!」
と怒鳴りつけた。すると横から父親が
「子供がどうして夢を見ちゃ行けないんですか??」
と大声で浩子に向かって怒鳴った。
避難所で浩子は先程怒鳴り付けてきたた父親に向かって
「それじゃ?怪獣が暴れて人が死んでもなんとも思わないの?三木次郎さん?」
三木次郎は
「違いますそういう意味ではありません!」
と反論した。
浩子は
「それにやっと一体減ったのに……また増えて!自衛隊でも地
球防衛軍でも誰でもいいから早くあの怪獣達を始末して欲しいわ!」
その自分勝手な浩子の発言に中條信一はカンカンになった。
「どうしているもあなたはいつも自分勝手に決め付けるんですか??」
浩子は
「自分勝手?どうしてですか!」
と怒鳴った。
中條信一は
「今見たでしょ??モスラがさっき、あのキングギドラの様な
怪獣が吐いた火球から地球防衛軍の人達をかばって絶命したんですよ!」
浩子は
「そんなのただの偶然でしょ!怪獣なんだから!」
と反論した。
そんな様子を見ていた沙羅が
「いい加減にしてよ!」
と怒り出した。母親は
「これ以上!暴れないでほしい!」
と怒鳴った。
隣にいた父親が恐る恐る
「それは言い過ぎでは?」
と言ったが母親は
「あなたは少し黙ってなさい!」
とピシャリと言った。

FBIの男女はすぐに怪しい黒いフードを被った集団を捕まえ、
尋問したが怪しい黒いフードの集団達は「アダムとイブの話」しかしなかった。
しかしいかにも物好きそうな男性FBI捜査官は重々しく
黙っている教祖に向かって
「つまり旧約聖書は予言書だったと考えているんですね?それ
に美雪さんが爬虫類の中で蛇がとりわけ大嫌いだとも?」
と聞いた。

モスラを殺し、フラフラになったゴジラとミニラに向かって吠えた後、
デスギドラは再び美雪の意識に目を向け、視線をそらすこと無く
しわがれた声で「そうか……わかったぞ!つまりお前の魂の一部には……」
と言いかけ、美雪の意識からケーニッヒギドラの方に視線を移し、
「貴様の母親の魂も交じっていると言う事か?だからこの怪獣世界へ来られたのか?」
ゴジラはフラフラ立ち上がり首をかしげながら聞いていた。
デスギドラは
「ただ……なぜ怪獣の魂の一部が彼女に入り込んだのか?それは
私にもよく分からないが……恐らく見えない『力』がそうさせたのだろう……」
と言った。
ケーニッヒは唖然として美雪の意識に目を向けていた。
美雪の意識はますます混乱し
「訳が分から無い。魂?怪獣の魂があたしの一部?」
とパニックに陥った。

今まで重々しく黙っていた教祖は
「そうだ……君の言う通りだ!」
とようやく返した。
女性FBI捜査官は憤慨した様子で
「それじゃ!彼女の自宅に蛇の悪戯をしたのもあなたの達信者の仕業ね!」
と言うと数枚の写真と蛇のおもちゃを机に置いた。
男性FBI捜査官は
「美雪さんが蛇に対して尋常じゃ無い程、恐れている様子を見て、
彼女が旧約聖書のイブだと確信した?違いますか?」
と厳しい顔で言った。
教祖や信者達は笑いながらその男女のFBI捜査官の追及をあっさり認めた。

(第50章に続く)