(第47章)怪獣と人類のナウバリ争い!

(第47章)怪獣と人類のナウバリ争い!

黄緑色の桜の花弁が舞い散る公園に一人たたずんでいた山岸は、
凜が来ても夕日を見ながら身体をもじもじさせていた。
凛は山岸にもらったアニメキャラの服を着ていた。
但しあのクルクル眼鏡はさすがに掛けてこなかった。
「なにしてんの?トイレでも行きたい訳?」
山岸は観念した様子で、またもやテレビアニメで覚えたセリフを思い出しながら
「お前の事が……好きなんだよ!!この世界の誰よりも!」
と大胆にも告白した。黄緑色の桜が舞い散る東京の公園で山岸に大胆告白された凛は
思わず顔を赤くして後ろを向くと
「アニメのセリフにしては上出来ね!」
と褒めた。山岸も顔を赤くして、後ろを向きながら背中越しに
「ねえ?凛ちゃん!」
凛も山岸の背中越しから
「なーに!」
と返した。山岸は
「どうしても引っかかる事があるんだ!もしかして凛ちゃん?もしかして?」
すると凛は山岸の言いたい事を見透かし、
「あたしが3つ首のあるギドラだと思っているの?」
と返した。山岸は驚いた様子で
「どうして?分かったの?」
凛は
「何となく……あたしは普通の人間よ!もちろんこの金髪も生まれつきよ!」
と返した。
山岸は
「だったら御免ね!変な事を聞いて……」
と言った。凛は
「いいのよ!」
と答えた。そして振り向いたと同時にシャッター音がしたので
、凛は呆れた様子で
「フラッシュを消してまで写真を撮っている訳?まさかお風呂
とか寝顔まで撮っていないでしょうね?」
と疑いのまなざしを向けた。
山岸は
「まさか」
と苦笑しながら言った。
凛は笑いながら
「冗談よ!」
と言った。
しかし山岸は
「そう言えばゴジラの事どうなったの?」
と聞いた。凛は
「フラれちゃったわ!」
と返した。
すると友紀が歩いて来ながら
「何?新しいライバル?」
と興味本位で聞いて来た。しかし凛は
「もういいの……なんかジュニアをただひたすら愛して求めても切ない距離を感じただけね……」
と言った。すると山岸は
「それに勝ち目無いし……」
と笑いながら言った。
友紀は
「うまくいってよかったわ!」
凛は
「やっぱりつるんでいたのね!」
山岸は
「一人じゃ自信が無かったし……」
と返した。友紀は
「とりあえず大成功ね!」
そうして3人は仲良く公園を後にした。

凛は自宅でまた深夜に部屋で人面魚のテレビゲームをしていた。
しばらく会話していた凛はマイク越しで
「怪獣ってどうして文明や人類を攻撃するんだろう?」
と質問した。人面魚は
「そうだな……ゴジラとか怪獣達には動物だから当然
『テリトリー』と言うのがある訳だ!」
凛は真剣にゲームキャラの話を聞いていた。
「しかし人類はその超えてはいけない一線を越えてしまったんだね……
つまり地球全体で人間の『テリトリー』が同化したので結果的になわばり争いになった訳だ!」
凛は
「どうしたら解決するの?」
人面魚は考えながら
「それはかなり難しい問題だね!地球の生態系を破壊したツケとして!
神様は怪獣達を作り出して人類に試練を与えたんだと俺は思うね!」
凛はとても驚きつつも聞いていたが、たまらずこんな質問をした。
「もし巫女の様に怪獣と人間が互いに交感出来たら?」
人面魚は
「とても素晴らしい事だと思うよ!もしもそんな人間が一人でも多くいたら……
人間達も見方がかなり変わってくると思うよ!」
と嬉しそうに言った。
凛は
「ありがとう!もう寝なきゃ!明日は学校だから!お休み!」
人面魚も
「お休み」
と返した。
そしてゲームのスイッチを切ってベッドで眠りについた。

(第48章に続く)