(第62章)ドレインディモス

(第62章)ドレインディモス

 

魔獣ホラー・シーチェアは硬く鋭い口吻を通してその太った男性の

全身の血液を養分として徐々に吸い上げて行った。

太った男性の大きく開いた口から一筋の涎が下顎までゆっくりと垂れて来た。

やがて太った男性の身体はゆっくりとやせ細り、ミイラ化して行った。

続けてミイラ化してやせ細った男性はそのまま土へ還り、肉体を完全に消滅させた。

コンクリートには彼が来ていた白い衣服が残されていた。

周囲には札束やバックが散らかっていた。

恐らく大勢の女や弱い男から騙して、脅して無理矢理奪い取った汚い金だろう。

ちなみにジョンは2000年生き続けていた魔王ホラーで在り。

全ての魔獣ホラーを統括する大君主魔王ホラーベルゼビュートだけあって

人間の血液についての信仰等の知識については詳しかった。

例えば太古の昔から人間達は『生命の本質』は血液にあると考えられていた。

多くの人々は重要な儀礼や儀式に血液が使われていた。

ある場面では神の怒りをなだめる為。

またある時は豊かな収穫を求めて人間や動物の血液を供物にして来た。

我々、メシア一族の魔獣ホラーにとって人間の血液は魂や肉体や精気の次に必要な

栄養素であり、個体が飢え死にしない為、つまり生き続けるのに必要不可欠なのだ。

人間が他の動物の肉を喰らい、魚の肉を喰らうように。

そうしなければ我々は生き続けられないのだ。それが我々にとって生きる事なのだ。

やがて場面が変わり、太った男性やその他の汚れた人間の男10人余りを次々と

捕食した後にニューヨーク市内のチェルシー地区の一角のマンションに

魔獣ホラー・シーチェアは侵入した。そしてマンションの一室の内部に

早速、結界状の空間を作り、巣を張った。元々魔獣ホラー・シーチェアは

寄る辺の女神のジル・バレンタインのオリジナルの賢者の石の力を得て人間と

交配してホラーと人間の混血児を産み出す能力を得る前はただ汚れた心を持つ人間達の

血液を男女無差別に吸い尽くして捕食してある程度満足すると今度は食欲を満たした

後に自分が気に入った20代の美女の前に黒い革の椅子の姿で現れて座らせて。

自らの性欲を満足させようとする。性欲を満足させた後はまた消えて

再び食欲を満たす為に人間の男女の血液を吸って食らう。これを何度も繰り返す。

ちなみに性欲を満たされた美女は何もせずに解放する。

たまに魔戒騎士や魔戒法師の前で人質を取る事もあったな。

美女には体内に体液は残っているが返り血ではないから実害は一切無い。

また人間とホラーとの間に子供は出来る事も無い。

ただしオリジナルのジルの賢者の石と僕の変異型の賢者の石の力で

人間の交配能力がある。確立は50%だ。奴の行動原理も少し変わりつつある。

魔王ホラーベルゼビュート事、ジョン・C・シモンズは再び魔道具を応用した

監視カメラでマンション内に張った魔獣ホラー・シーチェアの

結界状の空間内の巣を見続けた。やがて何も知らずにマンションに

帰って来た住人の若い女性は結界状の空間と突然ポツンと

置かれたいかにも怪しい黒い革の椅子にかなり驚きつつも警戒して、

しばらく口に片手を当てて、「えっ?」と言う表情をした。

8時間余り時間が経過すると。

とうとうマンションの住人の若い女性は警戒心を解いた。

彼女は魔獣ホラー・シーチェアが化けた黒い革の椅子に興味本位で座ってしまった。

その若い女性の名前は水無月ルカと言うらしい。

ニューヨークの銀行で働く在米日本人女性のようだ。特徴は。

首筋まで伸びたサラサラの黒味を帯びた茶髪のショートヘア。

やや太く長い茶色の薄い眉毛。すらっとした鼻筋の通った美しい低い鼻。

ぱっちりとした茶色の宝石のような美しい瞳。

ふっくらとした両頬にピンク色の唇をしていた。

また黒味を帯びた茶髪からひょっこりと白い肌の耳を露出させていた。

今はもう座って分からないがむっちりとしたスレンダーな身体をしていた。

やや大きめの掌サイズの丸い張りのある両胸を赤い服が覆っていた。

間も無くして魔獣ホラー・シーチェアーの椅子の上部背中が隆起して

変形して蜘蛛の6対の脚とサソリのような長い尾を持つ

『ネメシス(NEγ・ガンマ)』と言う寄生体を露出させた。

そして寄生体の先端のオレンジ色に輝く巨大な円形の口で

ゆっくりと彼女の頭頂部にかぷっと食いついた。

続けてゆっくりと彼女の頭部を飲み込み、内部で彼女に性的興奮を

もたらす特殊な体液を飲ませて交尾出来るようにした。

同時に彼女は髪も顔も体液でヌメヌメと濡れた。

やがて徐々に性的興奮で両頬と深い胸の谷間を紅潮させた。

両瞼を閉じたまま恍惚の笑みを浮かべた。そしてハアハアハアと激しい息遣いを

始めた。水無月ルカは性的興奮で自らの全ての上着下着を脱ぎ捨てて全裸になった。

今度は魔獣ホラー・シーチェアーは黒い革の椅子から再びあの本来の蚤の姿に戻った。

その姿は丸っこい頭部に緑色の3個の複眼。

人間と同じ白い歯が並んでいる4対の花弁状の口を開いた。

さらに緑色の分厚い外骨格が並んで幾つか棘状の突起は並んでいる

大きな風船のように膨らんだ背中上部には『ネメシス(NEγ・ガンマ)』

が生えていたが外骨格内部に収納された。

前脚は上腕部は白い分厚い外骨格。下腕部は緑色の分厚い外骨格に覆われて

手の部分には鋭く長い死神の鎌の爪が生えていた。

中脚も前脚と同じで白と緑の分厚い外骨格に白い鋭く長い死神の鎌が生えていた。

後脚は白と緑の分厚い外骨格に細長い棘が幾つか生えていて

鋭い3本の鉤爪が生えていた。腹部は大きく膨らんでいてぴくぴく動いていた。

水無月ルカは性的興奮に駆られながらも魔獣ホラー・シーチェアの方をただ

茶色の瞳で呆然と見ていた。頭がぼーつとして女性でありがちの

虫の気持ち悪いと言う感情も嫌と言う感情も無かった。

それよりもふと魔獣ホラー・シーチェアから「甘い匂いがした」気がした。

やがて魔獣ホラー・シーチェアは急に真正面から正に蚤のように大きくピョンと

軽く1mもジャンプした。同時に魔獣ホラー・シーチェアは

まずは4対の緑と白の外骨格に覆われた前脚と中脚で水無月ルカの

むっちりとしたスレンダーな身体の上半身を挟んで固定した。

更に2対の後脚で水無月ルカの下半身の腰部分を固定した。

そして彼女は抱きつかれる形となった。続けて魔獣ホラー・シーチェアは

細長い触手が4対束ねられて太くなった産卵管のようなものを伸ばした。

さらに伸ばした産卵管のようなものは大きく膨らんだ下腹部の先端から

伸びた後に水無月ルカの膣の中にゆっくりと慎重に挿入された。

すると水無月ルカは途切れ途切れの愛らしい高い喘ぎ声を上げた。

「あっ!あっ!あっ!ああんっ!はああんっ!あっ!くっ!あっ!」

更に魔獣ホラー・シーチェアが伸ばした産卵管のようなものは

どんどん水無月ルカの膣の奥深く深くに侵入して行った。

魔獣ホラー・シーチェアは蚤の姿をした大きな身体を

ブルッ!ブルッ!ブルッ!と上下に震わせた。

一方、水無月ルカは目を瞑ったまま口を精一杯大きく開けた。

「はあっ!あっ!あっ!ああっ!あはあんっ!ひゃあああっ!ああっく!ああんっ!」

彼女の身体が上下にビクン!ビクン!と痙攣する度にやや大きめの

張りのある掌サイズの丸い両乳房は上下左右にプルン!プルン!プルン!

と何度も揺れ続けた。さらに水無月ルカは長い産卵管を僅かに伸び縮みさせて

膣の壁を擦るのを感じ続けていた。しかしやがて魔獣ホラー・シーチェアは

自身の性欲を抑えきれなくなったのであろう。急に水無月ルカの膣から

子宮まで奥深くに大量の精子と賢者の石を一気に流し込み続けた。

普通のセックスや性の探求では味わえない全く異なる性的快楽を覚えた。

水無月ルカは奇妙な喜びを感じ続けた。魔獣ホラー・シーチェアは

また巨大な蚤の身体をブルッ!ブルッ!ブルッ!と上下に何度も震わせ続けた。

そしてドクドクドクと下腹部の産卵管を通して大量の精子

賢者の石を膣から子宮の奥深くに注入し続けた。

水無月ルカは大きな津波のように押し寄せる性的快楽に圧倒された。

額にしわを寄せて、瞳を閉じ、口を精一杯開けて、甲高い声で喘ぎ続けた。

そし自らの意志での巨大な蚤の姿をした魔獣ホラー・シーチェアを

両腕でしっかりと抱き締めた。

もうその頃には水無月ルカは瞼を閉じたまま性的興奮が極限に達していた。

彼女は瞼を閉じたまま口を精一杯開けたまま激しく高く喘ぎ続けた。

「ああっ!はあああうあああっ!あっ!イクっ!イクッ!あああわあああっ!あっ!」

魔獣ホラー・シーチェアは水無月ルカが性的興奮が絶頂に達する直前。

大きな甲高い声で吠え続けた。同時に水無月ルカはとうとう性的興奮が絶頂に達した。

彼女はガクガクガクと自らの腰を激しく前後に痙攣させ続けた。

間も無くして水無月ルカは魔獣ホラー・シーチェアの拘束から解放された。

彼女は結界の赤い床の上に四つん這いのまま黒味を帯びた茶髪を乱らせて

茶色の瞳を開けたまま少し口を開けて茫然としてハアハアと息を吐き続けていた。

それを見ていた魔王ホラー・ベルゼビュート事、ジョン・C・シモンズは

両腕を組んで考えながらこう呟いた。

「もしかしたら?彼女は50%の確率で妊娠したかも知れない。

もしそうなら?『僕の計画』通り人間の胎児の姿をした魔獣ホラーと人間の混血児だ。

翌朝、彼女がつわりや異変を感じて妊娠検査を自主的に始めるまでお楽しみだな。」

 

(第63章に続く)