(第21章)男と男の真剣勝負!!


The Witcher 3: Wild Hunt OST - Sword of Destiny - Main Theme

 

(第21章)男と男の真剣勝負!!

 

エアは右側にドオン!と転倒した。エアはフラフラと立ち上がった。

ツーバックは太い4対の両脚で素早く移動して真正面から体当たりした。

エアはツーバックの5mの巨大に弾き飛ばされた。

弾き飛ばされたエアは血と錆の壁にドオン!と叩き付けられてうつ伏せに倒れた。

エアは立ち上がりながら「ツイてない」とつぶやいた。

そして右腕を見ると心電図モニターがオレンジ色と

なっていて『CAUTION』と表示されていた。

直ぐにエアはレッドハーブとグリーンハーブの調合薬を飲んだ。

そしてすぐに体力が回復し、モニター画面の心電図には緑色の『FINE』になった。

更にさっき投与した止血剤の効果により、

すぐに半身の傷口は塞がり、出血は止まった。

直ぐにツーバックは再び深い胸の谷間から腹部まで一気に左右に開いた。

そしてもうひとつの口から緑色の強酸の熱線を発射した。

エアは右側に全速力で回避した。続けてマシンガンの引き金を引いた。

ツーバックの正面から開いたひし形のもうひとつの口内に連続で撃ち込んだ。

するとツーバックは大きく後退し、苦しそうに左右に振り、大きく怯んだ。

その隙にエアはツーバックに接近した。

しかしツーバックは右側に5mの巨体を高速で振りエアを真横から弾き飛ばした。

エアは宙を舞い血と錆に覆われた壁に背中を叩きつけられた。

さらに追い打ちをかけるようにツーバックは4対の無数の針を超高速で

エアに向かって乱射して来た。エアはどうにか動き、無数の針を回避した。

しかし両肩と両腕にまたしても針が4本突き刺さった。

「くそっ!くそっ!」とエアは舌打ちした。ツーバックは更に無数の針を乱射した。

エアはとにかく全速力で半回転するように広場を走り続けた。

ツーバックは10発もの緑色の強酸の熱線を撃ち続けた。

エアは左右にジグザクに走り続けて回避した。

くそっ!くそっ!このっ!このっ!どうすれば??

そして真っ赤なガラスの床にエアは素早くうつ伏せに伏せた。

エアはあえてそこでじっと動かずにいた。

それからエアはどうすればいいのか?考え続けた。

ズドッ!ズドッ!と4足歩行で歩き、

ツーバックは伏せているエアにどんどん接近した。

エアは立ち上がり、不意を突いてツーバックに向かって右腕を上げかけた。

その時エアはツーバックの腹部を反射的に見た。

続けて青色の瞳が真っ赤に輝いた。

バアン!と音がした。

反射的にエアはツーバックの下腹部を見た。

するとツーバックの下腹部の茶色のゴムの皮膚を筋肉を神経を

通してまるでレントゲンのように大きな子宮が透けて見えた。

そして子宮の中には大量の真っ白な卵が見えた。

「ああ!くそっ!妊娠しているな!駄目だな!殴れない!」

エアは静かに振り上げかけた右腕を降ろした。

エアはゆっくりと後退した。やっぱり下手に刺激するのはマズいからな。

ここは間違い無く!奴の巣だ!!そして何より。

僕のストークスは妊娠している!!そんな事をしちゃダメなんだ!

僕はもう独りの男じゃない!あの子の父親なんだ!!

あいつと同じなんだ!だからこれ以上!争えない!!

それに妊娠中の女性のお腹を蹴るのは重罪なんだ!

それは決してやっちゃ駄目だ!チクショウ!だったら?どうしたらいいんだ?

エアはツーバックから離れて様子を見た。

ツーバックは全身の刺さっている弾丸を弾き出すと傷口の急速に再生させた。

再びツーバックは4対の両腕の両手からマシンガンのように針を撃ち出して

連続攻撃をお構いなく仕掛けて来た。

エアは広場を半時計回りに走って攻撃を回避した。

とにかくまずは目の前にいるツーバックを何とかしないと。

エアは再び真剣な瞳でツーバックを見た。

ツーバックは再びエアに向かって深い胸の谷間から腹部まで一気に左右に開き、

ひし形のもうひとつの口から緑色の強酸の熱線を吐き出した。

エアはまた全速力で走り、たまたま近くにあった赤い錆に覆われた

分厚いベッドを両手で下部分を掴み、横倒しにした。

そしてエアはベッドの内側に隠れた。同時に緑色の強酸の熱線は

ベッドの外側の白いシーツをドロドロに液化させて、溶かした。

エアはベッドの内側にしゃがみ込み、カバーポーズをした。

さてと!どうする?ここから出られる??多分!!殺したりしちゃダメなんだな!

お腹に子供がいる!!何故?ツーバックなんだ?あの女の人?

思い出せ!思い出せ!テレビで視たぞ!!確か名前はそれでえーと?

彼女はAV女優で!!あーあーそれからえーと!

えーと!くそっ!落ち着け!落ち着け!

やがて横倒しにされた錆に覆われたベッドの外側で凄まじい音がした。

それはマシンガンの連続音だった。

ズドドドドドドドドドドドドドドドドバババババババババッ!

ツーバックの両手の針はマシンガンのようにベッドに向かって撃ち続けていた。

やがてベッドは穴だらけになった。大きく削られ続け、錆の金属片が

大量に上下左右に散り続けた。

同時に分厚いベッドはどんどん薄くなり、脆くなって行った。

エアはベッドの内側でまだ考えていた。

どうすりゃ?誰に繋げれば?繋げる?まさか?あいつと繋げるのか?どうやって??

どうやって繋げる?やがて錆に覆われたベッドはどんどん薄くなり、

ペラペラの紙寸前にまで削られていた。壊れる寸前だ!

くそっ!もう駄目だ!くそっ!マズイ!マズイ!壊れちまう!!

エアは次第に焦りを募らせて額から汗が流れた。

やがてエアはある方法をようやく思いついた。

しかしー。迷っている暇は無かった。

直ぐにエアは横倒しになっていた錆び付いたベッドから前転して飛び出した。

直後にバリイン!と音を立ててとうとう耐久が限界に達して粉々に砕け散った。

エアはそのままツーバックと真正面に堂々と向き合った。

ここからは男と男の真剣勝負だ!!

エアは「うおおおおっ!」と声を上げて気合を入れた。

彼はアフリカの太陽の階段の花畑に存在していた始祖ウィルスにして

賢者の石の本来の力を解放した。

胸元まで長く伸びた真っ赤に輝くポニーテールとなった。

キリっとした太く長い眉毛も真っ赤に輝いた。

続けて真っ赤に輝く瞳。両頬の皮膚に真っ赤に輝く天秤の模様が現れた。

さらに両腕を大きく左右に広げた。

再びエアは大きく口を開けて、まるで獣のように吠えた。

同時に胸部の中央からバリッ!と音を立てて真っ赤に輝く両刃の長剣が現れた。

エアは左手で剣の柄を掴むと瞬時に引き抜いた。

真っ赤に輝く長剣は僅かにドクンドクンと脈打つように動いていた。

それも当然だ。これは僕の心臓筋組織で作られている。

賢者の石と始祖ウィルスの力でだ。

それでエアは心臓の筋組織で作った両刃の長剣を両手で構えた。

そして高く剣を抱え上げて鋭利な先端をツーバックの胸部に

しっかりと向けて狙いを定めた。

本当にこれが正しいのだろうか?

本当にこれでいいのだろうか?エアは迷いつつも自らの心臓の筋組織から出来た

両刃の長剣『ミカエルソード』を両手で構えた。

ぎりぎりと両手で握った。

エアは真っ赤に輝く瞳に決意が満ちた。

そしてエアは身体を曲げて姿勢を低くした。

エアは腹をくくった。そして覚悟を決めた。

続けてエアは真っ赤に輝くガラスの床を強く踏みしめた。

ドオン!と両足を踏み鳴らし、エアは前進した。

ツーバックは再び深い胸の谷間と腹部を左右にバカッと開いた。

そして内部から緑色の強酸の熱線を吐き出した。

エアは素早く右側の真っ赤なガラスの床を転がった。

ツーバックはもう一度、緑色の強酸の熱線を吐き出した。

エアはもう一度、素早く右側に真っ赤なガラスの床を転がった。

更にもう一度、ツーバックは緑色の強酸の熱線を吐いた。

エアはミカエルソードを両手に構えて真っ赤な盾にした。

緑色の強酸の熱線はミカエルソードの両刃の刀剣の刀身の真っ赤な盾に直撃した。

ジュウウウッ!と音を立てて蒸発した。

ちなみにミカエルソードは酸に溶けず無傷だった。

やがてエアはツーバックの目の前まで一気に接近した。

エアは両手で構えたミカエルソードの両刃の長剣の鋭利な先端をー。

ツーバックの深い胸の谷間に深々と突き刺した。

次の瞬間、ツーバックはアミコとサトルの声で短く鳴き声を上げた。

エアの目の前が真っ白になりフラッシュバックした。

同時にエアの脳内にまるで滝のようにアミコがサトルを裏切った記憶が

エアの全身の細胞に寄生している賢者の石の力を通して流れ込んで来た。

エアの脳内に流れた記憶はアミコとワンバック(サトル・ユウマ)が肉体的に接触した

時にワンバックの肉体を通してアミコの脳裏に流れたかつてまだ人間だった頃の

サトル・ユウマをアミコが裏切った罪の記憶だった。

しかもそれは断片的なものだった。

 

(第22章に続く)